Windows 10は、HDDかSDDを使って起動するのが一般的です。USBメモリなどの外付けデバイスからWindows 10を起動するのが「Windows To Go」です。この記事ではWindows To Goワークスペースを作成する方法やWindows To GoワークスペースでWindows 10を起動する方法などについてご紹介しましょう。
Windows To Goは、PCのUSB接続された外部ドライブから起動できるWindows To Goワークスペースの作成を可能にする、Windows 10 EnterpriseとWindows 10 Educationの機能です。
--マイクロソフト社より
「Windows To Go」はWindows 8以降に搭載されているエンタープライズ向けの機能で、USBメモリなどからWindowsを起動できるようにする、いわば「Windowsを持ち運べるようにする」ものです。
この便利な機能を使えば、OSごとUSBメモリで持ち運びすること(つまり、使い込んだWindowsを持ち歩くこと)が出来るようになり、複数のパソコンで同じ環境を実現することができます。また、大切な記録や個人データなどをしっかり守ることもできます。
Windows 10の「Windows To Go」機能はもう誰でも簡単に利用できるようになりました。しかし、Windows To Goを試してみる必要がありますか?Windows To Goで起動可能なUSBを作成する理由は次のように考えられます。
❶持ち歩けるシステム環境を構築したいユーザー
普段私たちが使っているパソコンのOSは内蔵HDD・SSDに保存されているので、そのOSを別の場所で使用するために、パソコンを移動する必要があります(さもないと、内蔵HDD・SSDの取り外しや取り付けを数回行う必要があり、かなり面倒です)。
ノートパソコンはともかく、デスクトップパソコンを自宅から職場まで運ぶのはあまりにも現実味に乏しいです。しかし、WindowsをUSBメモリなどのリムーバブルディスクにインストールして、持ち歩けるシステム環境を構築すれば、いつでもどこでも(ご友人やネットカフェのPCでも、自宅や会社のPCでも)、同じOSの環境を操作することができます。かなり便利でしょう。
❷時々Windowsを使用する必要があるMacユーザー
MacユーザーはWindows OSを利用したい場合、Boot CampでMac✕Windows10のデュアルブート環境を作成するか、仮想マシンにWindowsをインストールすることができます。いずれかの方法は面倒で、多くのMacの容量を占めています。こういう時にWindows To Goワークスペースを作成すれば、USBメモリをパソコンに接続してパソコンを再起動させてUSBメモリから起動するようにするだけでWindowsを使用することができます。
❸趣味的にやってみたいユーザー
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上述のように、Windows To GoでWindowsをUSBメモリにインストールした後、そのUSBメモリを任意のPCと接続して、USBメモリからWindowsを起動することができます。明らかに、USBメモリの読み書きの速さは、Windows 10のパフォーマンス(動作)を左右します。
一般的に、データ転送速度なら、外付けSSD USB>外付けHDD USB>Windows To Go対応USBメモリ。速い速度だけを求めると、1番おすすめのUSBドライブは外付けSSDです。値段を考えると安価な外付けHDDをUSB接続で使うこともいい選択です。しかし、コンパクトで持ち運びに便利なUSBメモリを選択すると、以下のハードウェア要件を満たす必要があります。
⭕Windows To GoワークスペースをUSB接続で外付けHDDに作成する場合、以下のようなメッセージが表示されます。
⭕Windows To Goワークスペースを通常のUSBメモリに作成する場合、以下のようなメッセージが表示されます。
1. タスクバーの検索ボックスに「Windows To Go」と入力します。検索結果から「Windows To Go」をクリックします。
2. 「Windows To Go ワークスペースの作成」ウィザードが表示されます。まずは、使用するUSBドライブを選択して「次へ」をクリックします。
✔外付けHDDを選択する場合、「Windowsのパフォーマンスに影響する可能性があります」という警告が出ますが、無視してもいいです。
✔32GB未満のUSBメモリは駄目です。容量表記が32GBのUSBメモリをフォーマットした後、実際の容量は30GB以下になる場合が多いので、やはり64GBの方はお勧めです。
✔Windows To Goのハードウェア要件を満たさないUSBメモリは駄目です。
3. ここでは、Windows 10イメージを選択します。ISOファイルではなく、ISOイメージをマウントした仮想ドライブまたはインストールディスク内の「install.wim」フィアルを選択します。この例では、Windows 10 Enterpriseを選択して「次へ」をクリックします。
4. ここでは、BitLockerを利用してデータをしっかり保護することができます。紛失しやすいUSBメモリをパスワードで暗号化したら、盗難にあっても中身を見られなくします。暗号化は要らない場合、「スキップ」を押します。
5. USBドライブは再フォーマットされ、ドライブ上のすべてのデータが削除されるので、必要なデータをバックアップしておくことを確認します。「作成」をクリックして作業を実行します。
6. Windows To Goワークスペースの作成が完了するまで待ちます。この例では、USB3.0の外付けHDDを選択するので10分ぐらいがかかります。
7. 「Windows To Go スタートアップ オプション」で起動方法を選択します。BIOS設定で起動順序を変更する場合は「いいえ」を選択します。「Windows To Go ワークスペース」から優先的に起動(OS側の機能でUSBから起動)する場合は「はい」を選択します。
1. PCを再起動してBIOSを呼び出します。USBドライブから起動するように設定します。
2. 「Windows To Go ワークスペース」の初期化が必要なので、初回のみ起動に時間がかかります。
3. 無事、起動した後、最初だけ設定があります。「次へ」を押します。(※通常のWindows10新規クリーンインストール手順と同じようにいくつかの設定を行います。)
4. すべての設定が完了した後、Windows To Goワークスペースのデスクトップに入ります。USBから起動したOSでも通常のWindows 10環境とほとんど同じです。
これからUSBドライブを任意のPCに接続して、使い込んだWindows 10を起動することができます。まるで自分のPCを使っているようになります。
ご覧のように、Windows To GoでWindows 10 To Go USBを作成するのに多くの制限があります。次は、2つのサードパーティ製ソフトウェア(「Rufus」と「AOMEI Partition Assistant Professional」)を利用してWindows 10 To Go USBを作成する方法についてご紹介します。
Rufus(ルーファス)とは、起動可能なUSBフラッシュドライブ(USBメモリなど)を作成したり、フォーマットを実行するためのソフトウェアです。ファイルサイズは小さいですが、Rufusにはすべてが備わっています。
無料アプリ「Rufus」を使うと、Windows 10のインストール用ISOファイルから、USBメモリにWindows 10をインストールすることができます。「Rufus」は、LinuxやWindowsのインストール用USBメモリを作成するときによく使われる定番のアプリですが、今回は「Windows To Go」もどきのUSBメモリを作る機能を使います。
1. Rufus公式サイトからダウンロードしたファイルを実行(ダブルクリックなど)するだけでRufusを起動します。起動したら、以下の画面が表示されます。
2. 表示されたら、Windows 10をインストールするUSBメモリをPCに接続します。
3. USBメモリを接続したら、Rufusを一番上から順番に設定していきます。
①「デバイス」:Windowsインストール先のUSBメモリを指定(USBドライブの制限がない)
②「ブートの種類」:あらかじめダウンロードしておいたWindows 10 ISOファイルを指定(Windowsバージョン・エディションの制限がない)
③「イメージオプション」:Windows To Goを指定
④「パーティション構成」:GPTを指定
⑤「クラスターサイズ」:4096バイト(規定)を指定
4. 上記①から⑤まで設定したら、「スタート」をクリックします。
👍RufusでWindowsをUSBメモリにインストールする詳細情報
ディスクパーティション管理ソフトウェアAOMEI Partition Assistant Professionalは強力な「Windows To Go Creator」機能を備えています。Windows To Goのすべての制限を打破します。誰でも簡単にWindows10 OSをUSBメモリにインストールして、起動可能なUSBドライブを作成することができます。
1. AOMEI Partition Assistant Professionalをダウンロード、インストール、起動します。
2. ツールバーの「ツール」タブをクリックし、ドロップダウンメニューから「Windows To Go Creator」をクリックして開きます。
3. Windows向けかMac向けか選択します。一般的に「パーソナルコンピュータ用のWindows To Goを作成」を選びます。
4. Windows 10 To Go USBの作成方法に2つの選択があります。
ISOファイルまたはインストールディスクからイメージファイルを選択して、Windows 10をUSBドライブにインストール・展開します。選択したWindowsバージョン・エディションに制限がありません。すべてのWindows ISOファイルが利用可能です。
もし、現在動かしているPCと同じWindowsをインストールしたいなら、「現在のシステムでWindows To Goを作成」を選んで「次へ」をクリックします。
それはWindowsとアプリケーションをUSBドライブに丸ごとコピー(クローン)します。すべてのデータはもれなくそのままUSBドライブに移行され、USBドライブから起動できるようにします。内蔵HDD・SSDにそっくりな「Windows To Goワークスペース」を作成します。初期化と設定などが要りません。
5. Windows 10インストール先のUSBドライブを選択します。選択したUSBメモリに制限がありません。任意のUSBメモリが選択可能です。USB接続であれば、外付けHDDやSSDでも構いません。
6. 「データが完全に消去される」という警告メッセージが表示されます。事前にバックアップを取っておいた場合、「はい」をクリックして作業を開始します。完了までさほど時間はかかりません。
AOMEI Partition Assistant ProfessionalでWindows To GoワークスペースをUSBドライブに作成した後、USBドライブを別のパソコンに接続して、BIOS設定で起動デバイスの優先順位を変更します。つまり、USBドライブからパソコンをブートするように設定します。そして、会社のPCで自宅のPCと同じWindows環境を使用することができます。
●「Windows To Goワークスペース」はWindows Updateでアップデートできません。
●「Windows To Goワークスペース」実行中、USBドライブを取り外さないでください。データを失う可能性があります。
●「Windows To Goワークスペース」で「休止状態(メモリの内容などをディスクに保存し、電源オフと同程度のバッテリー消費にする状態)」がデフォルトで無効になっています。
●「Windows To Goワークスペース」作成先のUSBドライブを現在使用中のパソコンに接続しても表示しない場合、「ディスクの管理」でそのUSBドライブにドライブ文字を割り当ててください。
●USBドライブに作成した「Windows To Goワークスペース」は内蔵HDD・SSDにインストールした通常のWindowsと全く同じです。USBから起動したOSで、文書を作成したり、ゲームをインストールしてプレーしたりできます。
●「Windows To Goワークスペース」を使う時、ローカルディスクはデフォルトで表示されません。ローカルディスクにアクセスする必要があれば、「ディスクの管理」でローカルディスクにドライブ文字を割り当ててください。
「Windows To Go」でWindows 10をUSBメモリなどの外付けデバイスにインストールして、すぐ取り出していつでもどこでも使えるWindows 10システム・環境「Windows To Goワークスペース」を作成することができます。しかし、いくつかの制限があります。
Windows 10 To Go USBを作成するために「Rufus」または「AOMEI Partition Assistant Professional」を使用することもできます。パソコン初心者にとってより簡単かつ便利な方法だと思います。USBドライブとWindowsのISOイメージファイルの制限がありません。柔軟性が高いです。
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