ファイルシステムの基本情報から、NTFS、FAT32、exFAT、ReFSなど主要な種類の特徴、機能、構造を詳しく解説。さらに、Windowsでのファイルシステムの変更方法についてもわかりやすく説明します。
ファイルシステムは、フォーマットする時よく出る言葉です。
ファイルシステムとは、コンピュータのストレージデバイス(ハードディスク、SSD、USBメモリなど)上にデータを保存・管理するための構造や方法を指します。ファイルシステムは、ファイルの作成、保存、アクセス、管理、削除などの操作をサポートし、ユーザーやアプリケーションがデータを効率的に利用できるようにします。
FAT(File Allocation Table):
古いシステムや互換性が重要なデバイスで使用されます。
FAT12、FAT16、FAT32などのバリエーションがあります。
NTFS(New Technology File System):
Windows OSで広く使用されるファイルシステムです。
大容量のファイルやボリュームをサポートし、高度なセキュリティ機能を提供します。
ext(Extended File System):
Linux OSで一般的に使用されるファイルシステムです。
ext2、ext3、ext4などのバージョンがあります。
HFS+(Hierarchical File System Plus):
macOSで使用されるファイルシステムです。
新しいAPFS(Apple File System)に置き換えられつつあります。
APFS(Apple File System):
最新のmacOSおよびiOSデバイスで使用されるファイルシステムです。
高速性とデータの整合性を重視しています。
これらのファイルシステムは、それぞれのプラットフォームや使用目的に応じて異なる特徴と利点を持っています。
今よく使わっているパソコンはWindows 11/10です。Windows 11/10が識別できるファイルシステムは、以下の通りです。
NTFS(New Technology File System):
NTFSとは、Windowsの標準ファイルシステムです。ほとんどの内部ドライブに使用され、ファイルサイズやパーティションサイズにほぼ制限がなく、ファイルの圧縮、暗号化、アクセス制御リスト(ACL)によるセキュリティなどの機能をサポートします。
FAT32(File Allocation Table 32):
FAT32は、古いシステムや互換性が重要なデバイスで使用されます。最大ファイルサイズは4GB、最大パーティションサイズは2TBに制限されています。USBメモリやメモリーカードなどで広く使用されています。
exFAT(Extended File Allocation Table):
exFATは、FAT32の制限を克服するために設計されました。4GB以上のファイルをサポートし、FAT32と同様に幅広いデバイスで互換性があります。特に大容量のUSBドライブや外部ハードドライブで使用されます。
ReFS(Resilient File System):
ReFSは、データの整合性と高い耐障害性を提供するように設計されたファイルシステムです。サーバー用途や大容量ストレージシステムでの使用を想定していますが、Windows 10 Pro for WorkstationsやEnterpriseエディションでのみ完全にサポートされています。
UDF(Universal Disk Format):
UDFは書き込み可能な光ディスク(CD-RW、DVD-RW、Blu-rayなど)やUSBドライブで使用されるファイルシステムです。多くのオペレーティングシステムで互換性があります。
CDFS(Compact Disc File System):
CD-ROMなどの光ディスクに使用されるファイルシステムです。読み取り専用です。
よく使われているのは、NTFS、FAT32、exFATです。
ファイルシステムの主な機能と構造について詳しく説明します。
ファイル管理:
ファイルの作成、削除、移動、名前変更、コピーなどの操作をサポートします。
ファイルに対するメタデータ(作成日時、更新日時、アクセス権など)を管理します。
ディレクトリ管理:
ファイルを階層的に整理するためのディレクトリ(フォルダ)を提供します。
ディレクトリの作成、削除、移動、名前変更などの操作をサポートします。
ストレージ管理:
データを物理ストレージ上に効率的に配置し、空き領域の管理を行います。
データの断片化を最小限に抑えるための最適化を行います。
アクセス制御:
ユーザーやグループに対するアクセス権限を設定し、セキュリティを確保します。
認証と認可の機能を提供します。
ファイルの整合性と回復:
データの整合性を保つためのチェックやエラー修正機能を提供します。
システムクラッシュや障害からの回復機能を提供します。
ブートセクタ:
ストレージデバイスの最初のセクタに位置し、システム起動に関する情報を含みます。
OSを起動するためのブートローダーが格納されます。
スーパーブロック:
ファイルシステム全体に関するメタデータを含みます。
ファイルシステムのサイズ、使用状況、ファイルシステムのタイプなどの情報が含まれます。
iノード(インデックスノード):
各ファイルやディレクトリに対応する情報を保持します。
ファイルのサイズ、所有者、アクセス権、データブロックへのポインタなどが含まれます。
データブロック:
実際のファイルデータが格納されるブロックです。
ファイルの内容が分割されて保存される物理的な単位です。
ディレクトリエントリ:
ディレクトリ内の各ファイルやサブディレクトリの名前と対応するiノード番号を保持します。
ファイルシステムはストレージデバイスをフォーマットする際によく出る言葉です。フォーマットとは、ストレージデバイス(ハードディスク、SSD、USBメモリ、SDカードなど)に特定のファイルシステムを設定し、データを保存・管理できるようにするプロセスです。フォーマット時にファイルシステムの種類を選択することが一般的です。
内部ドライブ(システムドライブやデータドライブ):
NTFS: Windowsのデフォルトファイルシステムであり、セキュリティ機能や大容量ファイルのサポートなど、高度な機能を提供します。
ReFS: 高い耐障害性とデータ整合性を必要とする場合に使用されますが、主にエンタープライズ環境や特殊な用途向けです。
外部ドライブ(USBメモリ、外付けハードドライブなど):
FAT32: 高い互換性を持ちますが、最大ファイルサイズが4GBに制限されています。多くのデバイスと互換性があるため、小容量のデバイスでよく使用されます。
exFAT: FAT32の制限を克服し、大容量ファイルのサポートを提供します。外部ドライブやフラッシュメモリでよく使用されます。
光ディスク(CD、DVD、Blu-rayなど):
UDF: 書き込み可能な光ディスクで使用されます。複数のOSで互換性があります。
CDFS: 読み取り専用のCD-ROMに使用されるファイルシステムです。
ステップ 1. ファイルエクスプローラーを開き、「このPC」をクリックし、フォーマットしたいドライブを右クリックし、表示されるメニューで「フォーマット」を選択します。
ステップ 2. ファイルシステムを選択し、アロケーションユニットサイズを変更し、必要に応じてボリュームラベルを指定します。「クイックフォーマット」のオプションはデフォルトでチェックされています。
ステップ 3. ディスクまたはドライブをフォーマットするために、下部の「開始」ボタンをクリックします。フォーマットの確認プロンプトウィンドウで「OK」を選択し、しばらくお待ちください。
「フォーマット完了」と表示されるまでお待ちください。「OK」をクリックして閉じてください。
PC苦手の場合、或いは32GB以上のディスクをFAT32にフォーマットしたい場合は、AOMEI Partition Assistantを使用できます。この無料のツールは数回のクリックで、任意の種類のディスクを選択したファイルシステムにフォーマットすることができます(NTFS/ FAT32/exFAT/ext2/3/4のサポート)。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして実行します。フォーマットしたいパーティションを右クリックして、「パーティションをフォーマット」を選択します。
ステップ 2. ファイルシステムを選択します。ここでは「FAT32」を例に挙げます。次に、「はい」をクリックします。
ステップ 3. メインインターフェイスの左上にある「適用」を押して、ディスクのフォーマットプロセスを開始します。
これで、選択したドライブ/ディスクは、指定したファイルシステムにフォーマットされました。
この記事は、ファイルシステムの基本情報、主要な種類、機能と構造、そして変更する方法を紹介しました。参考になると嬉しいです。