「パソコンの動作が前より遅くなった」「ファイルの転送速度が遅い」など、使っていたパソコンの不調を感じていることがあるでしょう。その原因として、HDDのパフォーマンス低下が考えられます。そんな時は、起動ディスク(ブートディスク)の変更を検討するところです。しかし、パソコンに詳しくない人なら、具体的にどのようにすればよいか、わからないかもしれません。本記事ではハードディスクを新たなHDD・SSDに交換する理由とメリット、OS移行方法やクリーンインストール方法、HDDを換装する際の注意点などを説明します。
起動ディスク(ブートディスク)とは、パソコンを起動するために必要なデータが保存されているディスクのことです。
パソコンでは、電源を入れると、通常は、起動ディスクとして指定されているハードディスク(HDD)からオペレーティングシステム(OS)が読み込まれ、パソコンが使える状態になります。つまり、OSが書き込まれている起動ディスクの速度がパソコンの起動速度に直結するということです。
まずは、パソコンに内蔵されている起動ディスクを新たなHDD・SSDに変更するメリット&理由を考えてみましょう。
📌起動ディスク(HDD)をSSDに交換する場合、ドライブ自体の性能が高速化するので、パフォーマンスを向上させることができます。
📌クリーンインストールを実行することで起動ディスクを変更する場合、OSを丸ごと新たなものとして、使用することができます。つまり、データが重くて動きが遅くなってしまったパソコンの転送速度などを改善することができます。
📌起動ディスクとして指定されているハードディスクは消耗品なので寿命があります。
📌古いパソコンに愛着を持って使い続けたいです。
📌Windows 11にアップグレードたいです。
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起動ディスクを変更する場合、現在使用しているHDD・SSD内のデータをどうするかが大きな問題です。保存されているデータの取り扱いは、データ移行(OSまるごと移行)とクリーンインストールの2つの方法が考えられますが、それぞれメリットとデメリットがあるので注意しましょう。
アプリケーションを使って、ハードディスクにあったデータのクローンをHDD・SSDに作成する方法があります。この方法であれば、これまでとまったく同じ環境を継承できるので、すぐにパソコンを使うことができます。一般的には、クローンを作るためのアプリケーションを使うので、手間はかからず移行することができます。
問題点は、クローン先の容量がクローン元の容量(使用容量)と同等かそれよりも大きい必要があることです。そのため、コスト的に問題なければハードディスクの容量以上のHDD・SSDを買い、買えないのであればハードディスクの使用容量を、移行する予定のHDD・SSDの容量以下にする必要があります。
交換後にOSをアップグレードするのであれば、極力古い設定ファイルなどは引き継ぎたくはありません。その場合はクローンを作るよりも、クリーンインストールが最適でしょう。
ハードディスクにあるデータは使わず、手動でゼロからOSをインストールして起動ディスクを作成します。これは、クリーンインストールと呼ばれており、パソコンを使い続けるうちに溜まってしまったデータなどを引き継がないため、パソコンにとって健康的な方法です。
しかし、ゼロからOSだけでなくアプリケーションをすべてインストールするのは手間がかかります。環境の設定も最初からやり直すことになるため、時間的なデメリットがあります。この方法を選択するのは、OS自体をアップグレードしたときなどが最適でしょう。
※この例では、起動ディスク(HDD)を新しいSSDに交換してみましょう。
手順 1. ハードディスクをSSDに交換する予定のパソコン(デスクトップパソコンまたはノートパソコン)に、ESD-IBシリーズを接続します。
手順 2. 外付けケース(USB接続用のケースやアダプタ:変換アダプタ3.5インチや変換アダプタ2.5インチ)に新しいSSDを取り付けて、パソコンと外付けケースをUSBケーブルで簡単に接続することができます。
手順 3. 接続できたら、きちんと起動・認識しているかを確認しましょう。
Windows 11/10/8/7を再インストールせずに起動ディスクを変更したい場合、優れたディスクパーティション管理ソフトAOMEI Partition Assistant Professionalの「OSをSSDに移行」機能を使って、OSをHDD/SSDに直接移行することができます。また、移行先のディスクからWindowsを正常に起動することができます。
手順 1. AOMEI Partition Assistant Professionalをダウンロードし、インストールし、起動します。
手順 2. 「クローン」タブをクリックし、「OSをSSDに移行」を選択します。
手順 3. 移行先のSSDの未割り当て領域を選択し、「次へ」をクリックします。
手順 4. SSD上のシステムパーティションのサイズまたは位置を指定または調整することができます。
手順 5. 次に注意事項が表示されるので、よく読んだあと、「完了」をクリックします。
手順 6. 「適用」をクリックし、SSDへのOS移行を実行します。
🎯もし、起動ディスク(HDD)全体を丸ごとSSDに移行したい場合、「ディスククローン」機能を試してみてください。新しいSSDにHDDクローンを作成し、クローンしたSSDから正常に起動することができます。
🎯もし、起動ディスク(HDD)のCドライブだけをSSDに移行したい場合、「パーティションクローン」機能を試してみてください。新しいSSDにCドライブクローンを作成し、クローンしたSSDから正常に起動することができます。
無事にクローンが完成したら、「ディスクの取り出し」でSSDをパソコンから外します。ケースからSSDを取り出したら、HDDを取り出し、新しいSSDを取り付けます。
💻デスクトップパソコンで「SATA」のHDDを取り出し、取り付ける手順
手順 1. 電源や接続機器のケーブルをすべて外し、サイドパネルを開きます。
手順 2. SATAケーブルや電源ケーブル、固定されているネジを外して、HDDを取り出します。
手順 3. 新しいHDDをネジで固定し、SATAケーブルと電源ケーブルを付けます。
手順機種によって取り出し方法は違いますが、上記手順と大きくかけ離れることはありません。
📔ノートパソコンで「SATA」のHDDを取り出し、取り付ける手順
手順 1. 電源を落としたパソコンを裏返し、バッテリーと電源コードを外します。
手順 2. 内蔵ハードディスクが格納されている場所のネジを外して、カバーを開けます。
手順 3. 内部もネジ止めされているので、ネジを外してから内蔵ハードディスクを金属ケースごとスライドさせて取り外します。
手順 4. HDDを金属ケースに固定するネジを外して、HDDを取り出します。
手順 5. 新しいHDDを金属ケースに入れてネジで固定してから、金属ケースごとパソコンに差し込み、ネジでパソコンに固定し直す。
手順 6. パソコン裏面のカバーを戻してネジ止めをしたら、バッテリーと電源コードを接続します。
デスクトップパソコン同様、機種によって若干やり方は異なります。いずれにしても、「分解→取付→もとに戻す」という換装の作業は単純であり、それほど難しくありません。
パソコンに再び電源を入れて起動するかを確認しましょう。無事に起動したら完了です。
クリーンインストールによりパソコンの起動ディスクを新しいものに交換する前に、データをバックアップしておくことをお勧めします。データを複製して別の場所に保存すれば、あとで元の状態に戻すことができます。※この例では、起動ディスク(HDD)を新しいHDDに交換してみましょう。
手順 1. 空のUSBメモリ(8GB以上の空き領域)またはDVD-DLディスク(2層・8.5GB)をPCに接続・挿入しておきます。Microsoftの「Windows 10のダウンロード」または「Windows 11をダウンロードする」ページを開いて、「ツールを今すぐダウンロード」または「今すぐダウンロード」をクリックして、インストールメディア作成ツール(MediaCreationTool)をダウンロードします。
手順 2. ダウンロードしたツール「MediaCreationTool」を管理者として実行します。
手順 3. 「同意する」→「別のPCのインストールメディアを作成する」→「次へ」を選択します。
手順 4. 現在のWindows環境に応じて、言語やエディション、アーキテクチャが自動的に選択されます。デフォルトの設定を変更したい場合は、「このPCにおすすめのオプションを使う」のチェックを外すと、オプションが選択できるようになります。設定が済みましたら「次へ」をクリックします。
手順 5. 「使用するメディアを選んでください」が表示されたら、「USBフラッシュドライブ」を選択し、「次へ」をクリックします。
手順 6. 保存先としての(インストールディスクの作製に使用する)USBドライブを選択し、「次へ」をクリックします。
手順 7. 「USBフラッシュドライブの準備ができました」と表示されれば、USBのインストールメディアの作成は完了です。「完了」をクリックして画面を閉じます。
💻デスクトップパソコンで「SATA」のHDDを取り出し、取り付ける手順
手順 1. 電源や接続機器のケーブルをすべて外し、サイドパネルを開きます。
手順 2. SATAケーブルや電源ケーブル、固定されているネジを外して、HDDを取り出します。
手順 3. 新しいHDDをネジで固定し、SATAケーブルと電源ケーブルを付けます。
手順機種によって取り出し方法は違いますが、上記手順と大きくかけ離れることはありません。
📔ノートパソコンで「SATA」のHDDを取り出し、取り付ける手順
手順 1. 電源を落としたパソコンを裏返し、バッテリーと電源コードを外します。
手順 2. 内蔵ハードディスクが格納されている場所のネジを外して、カバーを開けます。
手順 3. 内部もネジ止めされているので、ネジを外してから内蔵ハードディスクを金属ケースごとスライドさせて取り外します。
手順 4. HDDを金属ケースに固定するネジを外して、HDDを取り出します。
手順 5. 新しいHDDを金属ケースに入れてネジで固定してから、金属ケースごとパソコンに差し込み、ネジでパソコンに固定し直す。
手順 6. パソコン裏面のカバーを戻してネジ止めをしたら、バッテリーと電源コードを接続します。
デスクトップパソコン同様、機種によって若干やり方は異なります。いずれにしても、「分解→取付→もとに戻す」という換装の作業は単純であり、それほど難しくありません。
手順 1. 作成したインストールメディアをパソコンに接続します。
手順 2. パソコンを再起動し、画面に何も映っていないうちに、F2キーやDeleleキーなどを押してBIOSセットアップメニューに入ります。
手順 3. BIOSが開いたら、ブート設定にアクセスします。上に表示されているドライブから優先的に起動するようになっています。
手順 4. 上下の矢印キーを使用して、USBメモリを選択し、「+/-」キーを使用して起動順位の一番上に移動します。
手順 5. Enterキー・カーソルキー・Escキーなどで操作します。Save&Exitで保存して、BIOSから出ます。その後、変更された設定でパソコンは再起動します。
手順 1. インストールメディアから起動すると、「Press any key to boot from CD or DVD...」というメッセージが出ます。このまま操作をしないと、通常パソコンを起動した際と同じ状態に切り替わるので、すぐに[Enter]キー(どのキーでもいいので任意のキー)を押してください。
手順 2. 最初に言語やキーボードなどを選ぶ初期設定の画面が表示されたら、そのままにして「次へ」をクリックします。
手順 3. 「今すぐインストール」をクリックします。
手順 4. プロダクトキー(5文字×5組の25文字分)を入力して「次へ」をクリックします。
手順 5. ライセンス条項を一読します。「同意します」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
手順 6. インストールの種類は「カスタム:Windowsのみをインストールする」をクリックします。
手順 7. Windowsを新しくインストールする場所を選択します。
手順 8. インストールをはじめるために、「次へ」をクリックして、進んでいきましょう。
手順 9. インストールが終わると、自動的に再起動され、インストールメディアを取り外し、Windows 10/11の初期設定作業がはじまります。
起動ディスクを変更・交換・換装することでパソコン(HDD・SSD)の性能を上げ、より快適なパソコンライフを送ることも可能です。ただ、自分で交換をしたことがないという方は、当然ながら不安もあるでしょう。そこで、起動ディスクを換装するにはどういう手順を踏めばよいか、この記事では、ご紹介しました。データ移行(OSまるごと移行)とクリーンインストールの2つの方法がありますが、それぞれメリットとデメリットがあります。
AOMEI Partition Assistant Professionalの「OSをSSDに移行」「ディスクをクローン」「パーティションをクローン」機能を利用して、Windows 11/10/8/7をクリーンインストールせずに(つまり、データを失うことなく)新たなHDD・SSDへ移行・クローンすることができます。そのほか、MBRとGPT間での起動ディスク変換、NTFSシステムパーティションの拡張、パーティションの分割など、強力な機能をたくさん持っています。
Windows Serverの起動ディスク(ブートディスク・プライマリディスク・メインディスク)を変更・交換・換装するには、代わりにAOMEI Partition Assistant Serverを使用することができます。