【徹底解説】Windows Server 2019のISOファイルをUSBへ書き込む

USBメモリにWindows Server 2019をインストールして、USBメモリからWindows Server 2019が起動するなら、いつでもどこでも(どのコンピュータでも)同一Windows Server 2019を使用することができます。この記事では、Windows Server 2019のISOファイルをUSBに書き込む方法やUSBメモリからWindows Server 2019が起動する方法についてご紹介します。

投稿者 @ゆき 2024年06月21日 @ゆき 最後の更新 2024年06月21日

ISOファイルとは?

ISOファイルというのは、通常のファイルとは少し異なり、複数のファイルで構成されているものを、ひとつのファイルとして扱います。光学ディスクであるCDやDVDなどに書き込むことでプログラムのように動作させることもできます。

📖ノート:
ISOファイルの拡張子は、通常「.iso」が用いられます。
ISOファイルは、イメージファイルの一種です(ISOイメージファイルともいいます)。
ISOファイルは、CDやDVDに書き込むファイルやフォルダーをひとまとめにした「アーカイブファイル」です。
ISOファイルは、そのままでは使えません。通常は、「光ディスクに書き込む」「マウントする」のどちらかを行う必要があります。

補足:ISOファイルをドライブにマウントすれば、中のファイルに直接アクセスできるようになっています。パソコンに光学ドライブがなかったとしても、光ディスクが光学ドライブに挿入されているかのように振る舞います。
💡数多くのメリットがあります:
ISOファイルに変換することでデータの持ち運びが不要になり、インターネット上でデータをやり取りできます。
ファイルやフォルダーをISOファイルにまとめておけば、そのISOファイルを用いて同じCDやDVDを何枚も作ることが可能です。そのため、OSやアプリのインストールディスクなど、CDやDVDに書き込んで使うファイルやフォルダーをまとめて配布する場合に、ISOファイルを用います。
......

Windows Server 2019のISOファイルをUSBに書き込む理由

大きく分けてWindows Server 2019のISOファイルをUSBに書き込む理由が2つあります。

理由❶:ポータブルUSBドライブを作成

持ち歩き出来るUSBメモリくらいの小さいものがいいと思う人が多いでしょう。Windows Server 2019をUSBメモリに書き込んで作成するポータブルUSBドライブ(Windows To Go)は、いつでも気軽に外にOSを持ち運べるので、どこでも同じ作業環境を構築、自分のWindows Server 2019システムを使用できます。

 

ユーザー事例

出張が多いビジネスマンは、毎回ノートパソコンを持っているのは面倒で、バッグを軽くするために、事前にWindows 11/10/8/7のISOファイルをUSBに書き込むことでブータブルUSBを作成することができます。このポータブルドライブがあれば、どこでもいつでも、別のパソコンから自分のシステムを起動できます。

 

理由❷:USBインストールメディアを作成

Windows Server 2019のインストールに用いるディスクイメージは、一般的にISOファイルとしてインターネットで配布されています。利用者は自由にインストール用ISOファイルをダウンロードし、DVDやUSBメモリに書き込んでインストールディスク・インストールメディアを作成することができます。

インストールメディアを利用すれば、パソコンの調子が悪くなった時や万が一の時にトラブルシューティング(コンピュータ修復)を行ったり、システムをクリーンインストール/再インストールしたりすることができます。

なぜ、CD/DVDではなくUSBメモリへ書き込む?

2010年代以降、CD/DVDドライブが搭載されていないPCも増えてきました。商用アプリケーションもダウンロード販売が一般的になっていますし、データの受け渡しもUSBメモリなどのフラッシュドライブや、OneDrive・Googleドライブ・DropBoxといったオンラインストレージサービスを使ったほうが便利でしょう。そのため、ISOファイルをDVDなどに書き込む機会も減りつつあります。

Windows Server 2019を保存・インストールする場合も、ダウンロードしたISOファイルをDVD-Rに書き込むのではなく、USBメモリに書き込んで起動するのが主流となっています。

Windows Server 2019のISOファイルをUSBに書き込む方法

Windows To Goまたはインストールディスクを作成するために、Windows Server 2019のISOファイルをUSBメモリに書き込む方法については、以下の内容を参照してください。

事前準備

📂ISOファイルをダウンロード

Windows Serverの製品版のISOファイルは、購入元のサイトなどから入手する必要があります(誰でもダウンロードできる形では公開されていません)。

🔊補足:Windows Serverの購入形態も複数あります。例えば、Microsoft OpenValueライセンスを購入した場合は、専用のサイト(VLSC)にログインして、ダウンロードします。サーバーハードウェアと一緒に、OEMライセンスを購入した場合は、ハードウェアメーカーによりますが、OEM版のDVDがサーバー本体に付属するのみで、ISOファイルとしてはダウンロードできないケースもあります。

ただし製品版ではなく「評価版」であれば、MicrosoftのページからWindows Server 2019のISOファイルを直接ダウンロードすることが可能です。

🔎USBメモリを用意

Windows To Goに使用するUSBメモリは64GB以上の容量を推奨します。インストールを行いたいアプリケーションが多い場合は、より大きめの容量のUSBメモリを用意すると良いでしょう。また、起動速度や動作のレスポンスを良くするためにUSB3.0以上が推奨です。

Windows Server 2019のISOファイルは約5GBで、USBインストールメディアを作成する際は8GB以上の空き容量が必要になります。また、USBメモリをFAT(FAT32)ファイルシステムではなく、NTFSかexFATでフォーマットしてください。

💻バックアップを作成

USBメモリがフォーマットされるため、重要なデータがあれば、事前に「AOMEI Backupper Standard」を使用してUSBメモリを無料でバックアップしておいてください。

Windows To Goを作成

📌Rufus

Windowsに標準搭載されている「Windows To Go」機能は、Windows OSをUSBメモリにインストールして起動することもできますが、Windows 8/8.1のEnterprise版、Windows 10のEnterprise版/Education版でしか使えません。次は、Rufusを使って、Windows To Goを作成する方法についてご紹介しましょう。

🔎【関連記事】詳細解説|持ち歩けるWindows 10 To Go USBの作成&使用

Rufus(ルーファス)は、ISOイメージファイルをUSBへ書き込むことができるツールです。
「Windows To Go」もどきのUSBメモリ(ポータブルUSBドライブ)を作成することができます。
起動可能なISOファイル(Windows、Linux、UEFIなど)からUSBインストールメディアを作成することができます。

手順 1. Rufus公式サイトから無料アプリ「Rufus」をダウンロードします。ダウンロードしたファイルを開きます(実行します)。

「ユーザー アカウント制御」が表示された場合は、「はい」をクリックします。
「オンラインで行われるアップデートの自動確認機能を有効にしますか?」と表示された場合は、「はい」または「いいえ」のいずれかを選択します。

手順 2. Rufusが起動したら、Windows Server 2019をインストールするUSBメモリをPCに接続します。

※Rufusの実行後でもOKですが、認識不良がないよう先にUSBメモリを接続しておくこともできます。

手順 3. USBメモリが正常に認識されていることを確認したら、Rufusを①から順番に設定していきます。

①「デバイス」:Windowsインストール先のUSBメモリを指定します。

②「ブートの種類」:「選択」をクリックするとエクスプローラーが開くので、あらかじめダウンロードしておいたWindows Server 2019のISOファイルを指定します。

③「イメージオプション」:「イメージオプション」欄のプルダウンメニューを開き、「Windows To Go」を指定します。

④「パーティション構成」:GPTを指定します。

⑤「クラスターサイズ」:4096バイト(規定)を指定します。

手順 4. 上記①から⑤まで設定したら、「スタート」をクリックします。

手順 5. 「Windowsイメージの選択」「バージョン選択」画面が表示されるので、一覧からインストールしたいWindowsイメージまたはバージョンを選択し、「OK」をクリックします。データ消去の警告画面が表示されたら、「OK」をクリックします。

手順 6. Windows To Goの作成が開始されます。「状態」の項目のバーが左から右に進んで、進捗状況がわかります。作成が完了したら、「閉じる」をクリックし、Rufusを終了します。

作成にかかる所要時間はUSBメモリやパソコンのスペックにもよりますが、20分~30分程度で完了します。
USBメモリから起動できた場合は、Windows Server 2019のセットアップ画面が始まります。普通にWindows Server 2019のセットアップを行ってください。

🔎USBメモリからWindows Server 2019が起動できると、ファイルエクスプローラで見ると以下のようにCドライブがUSBメモリのアイコンになっています。

🔑AOMEI Partition Assistant Server

Windows Server向けのディスクパーティション管理ソフト「AOMEI Partition Assistant Server」は、強力な「Windows To Go Creator」機能を備えています。Windows To Goのすべての制限を打破します。誰でも簡単にWindows Server OSをUSBメモリ(外付けHDD)にインストールして、起動可能なポータブルUSBドライブ(ポータブルHDD)を作成することができます。

★RufusやWindows標準ツールWindows To Goと比べて、以下のメリットがあります:
Windows To Goの作成がより簡単になります。
現在のシステムでポータブルドライブを作成できるため、WindowsのISOファイルやインストールディスクなどが必要でない場合があります。
Windows 8/10 EnterpriseとWindows 10 Educationだけでなく、Windows 7、8、10、11を含むほぼすべてのWindowsバージョンに対応します。
Windows To Go認定USBメモリが必要ではありません。通常のUSBメモリ、SSDまたはHDDを使ってポータブルドライブを作成することができます。

手順 1. AOMEI Partition Assistant Serverをダウンロード、インストール、起動します。USBメモリをPCに接続し、認識していることを確認します。

無料ダウンロードWindows PC&Server向け
安全かつ快適
注意:デモ版は動作確認の目的でのみ使用されます。つまり、デモでは、すべての機能をプレビュー、すべての操作をシミュレートすることしかできません。

手順 2. ツールバーの「ツール」タブをクリックし、ドロップダウンメニューから「Windows To Go Creator」をクリックして開きます。

手順 3. 次には「Windows向け」か「Mac向け」か選択します。一般的に「パーソナルコンピュータ用のWindows To Goを作成」を選びますが、MacでWindowsを使いたいと考えているなら、「Macデバイス用のWindows To Goを作成」を選んで「次へ」をクリックします。

手順 4. そして「インストールディスク/ISOでWindows To Goを作成」にチェックを入れ、あらかじめダウンロードしておいたWindows Server 2019のISOイメージファイルを指定・選択します。

💡もし、ISOファイルがない場合、や現在動かしているPCと同じWindowsをインストールしたい場合、「現在のシステムでWindows To Goを作成」を選んで「次へ」をクリックします。

手順 5. Windows Server 2019のインストール先のUSBドライブを選択します。パソコンに接続されているUSB機器が候補に出てくるので、ここから選びます。

💡USB接続であれば、外付けHDDやSSDでも構いません。

手順 6. 「データが完全に消去される」という警告メッセージが表示されます。事前にバックアップを取っておいたため、「はい」をクリックして作業を開始します。完了までさほど時間はかかりません。

作成したポータブルUSBドライブ(Windows To Go)を任意のPCに接続し⇒電源を入れ⇒BIOS設定に入り⇒起動順序を変更(USBメモリを一番最初に読み込むように設定)します。USBドライブから起動したら、同一Windows Server 2019を使用することができます。Windows Server 2022、2016、2012、2008(R2)などにも適用できます。

🔧コマンドプロンプト

これは、OSをインストールするためにWindows Server 2019をUSBにコピーする方法です。

手順 1. USBメモリをPCに接続します。「スタート」メニューをクリックし、検索ボックスに「cmd」と入力し、検索結果から「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」します。

手順 2. コマンドプロンプトが起動したら、「diskpart」と入力し、Enterキーを押し、Diskpart.exeツールを開きます。次のコマンドを 1 つずつ実行します。

🧿コマンドを実行するためにEnterキーを押す必要があります。
list disk
select disk x(xはUSBメモリのディスク番号です。)
clean
create partition primary
select partition 1
format fs=ntfs quick(UEFIブータブルUSBを作成する場合は、「format fs = fat32 quick」と入力します。)
active

手順 3. 「exit」と入力し、Enterキーを押し、diskpartを閉じます。

USBメモリが起動可能になりました。コマンドプロンプトを閉じないでください。次の手順に従って、Windows Server 2019のISOファイルをマウントし、USBにコピーします。

手順 4. コマンドプロンプトで「xcopy D:\*.* E: /s/e/f」(D:はISOイメージファイルの保存先のドライブ文字、E:はUSBのドライブ文字)と入力し、Enterキーを押します。

手順 5. 「D:\Boot\Bootsect /NT60 E: /force /mbr」と入力し、USBドライブにブートローダーを書き込みます。

注意:Xcopyコマンドでは、「パラメーターが間違っています」または「イメージが大きすぎます」というメッセージが表示されることがあります。ファイルを分割するか、FAT32をNTFS(FAT32ファイルシステムでは制限が多すぎるため)に変換することで解決できるかもしれません。

インストールディスクを作成

📌Rufus

Rufus(ルーファス)を利用して、Windows Server 2019のISOファイルをUSBへ書き込んでWindows To Goを作成する方法の手順3で「イメージオプション」欄のプルダウンメニューを開き、「標準のWindowsインストール」を指定して、インストールディスクを作成します。

作成したUSBインストールメディアから起動すると、「Windowsセットアップ」画面が表示されます。「今すぐインストール」をクリックしてWindows Server 2019をクリーンインストール/再インストールするか、「コンピューターを修復する」をクリックして「トラブルシューティング」を実行することができます。

🔑AOMEI Partition Assistant Server

AOMEI Partition Assistant Serverの「ブータブルCD/USBを作成」機能でブータブルUSBを作成することもできます。そのUSBメモリから起動すると、AOMEI Partition Assistant Serverが自動的にロードされ(読み込まれ)、Windows Server 2019を起動せずにディスクやパーティションを管理するか、「不良セクタをチェック」「MBRを再構築」などの機能でシステム問題を修復することができます。

おまけ:USBメモリから起動する方法

Windows Server 2019のISOファイルをUSBへ書き込んだあと、そのUSBメモリを任意のパソコンに接続して、USBメモリから起動する手順は次の通りです。

手順 1. パソコンを再起動し、画面に何も映っていないうちに、F2キーやDeleleキーなどを押してBIOSセットアップメニューに入ります。

💻ヒント:BIOS設定メニューは、一部のコンピューターではF10キー、F8キーまたはF6キーを押すことによりアクセス可能です。

手順 2. BIOSが開いたら、ブート設定にアクセスします。上に表示されているドライブから優先的に起動するようになっています。

ノートブックコンピュータ:「Storage」(ストレージ)>「Boot Options」(ブートオプション)を選択します。
デスクトップコンピュータ:「System Configuration」(システムの設定)>「Boot Options」(ブートオプション)を選択します。

手順 3. 上下の矢印キーを使用してUSBメモリ(ブータブルUSB) を選択し、「+/-」キーを使用して起動順位の一番上に移動します。

手順 4. Enterキー・カーソルキー・Escキーなどで操作します。Save&Exitで保存して、BIOSから出ます。その後、変更された設定でパソコンは再起動します。

🔎【関連記事】起動ドライブの優先順位を変更するには

ISOをUSBに書き込むことに関するFAQ

Q1:USBへのISO書き込みとは何ですか?

A1:USBへのISO書き込みは、コンピュータに関するソフトウェアやオペレーティングシステムのイメージファイル(ISOファイル)をUSBフラッシュドライブに転送するプロセスです。これにより、USBドライブを使用してコンピュータを起動したり、ソフトウェアをインストールしたりすることができます。

Q2:ISOファイルをUSBに書き込むメリットは何ですか?

A2:ISOファイルをUSBに書き込むことで、コンピュータの再インストールやトラブルシューティング、新しいオペレーティングシステムの試用などが簡単に行えます。USBドライブは携帯性が高く、コンピュータの起動や修復作業を迅速に行うのに役立ちます。

Q3:ISOファイルをUSBに書き込む手順は何ですか?

A3:まず、ISOファイルを選択して、専用のソフトウェアを使用してUSBドライブに書き込む必要があります。多くの場合、ソフトウェアは無料で提供されており、ユーザーガイドに従って手順を進めることができます。

Q4:どのソフトウェアがおすすめですか?

A4:ISOファイルをUSBに書き込むためには、AOMEI Partition Assistant、RufusやBalenaEtcherなどの人気のあるツールがあります。これらのツールは使いやすく、多くのオペレーティングシステムに対応しています。

Q5:書き込みが失敗した場合、どうすればいいですか?

A5:書き込みが失敗した場合は、まず他のUSBドライブを試してみることを検討してみてください。また、ISOファイル自体が破損している可能性もあるため、元のファイルを再ダウンロードしてみることもおすすめです。

Q6:注意すべきポイントはありますか?

A6:書き込みの際には、正しいISOファイルを選択し、誤って重要なデータを上書きしないように注意してください。また、USBドライブの容量が十分であることを確認し、手順に従って進めることが大切です。

Q7:どのようにUSBへのISO書き込みを活用できますか?

A7:USBへのISO書き込みは、新しいオペレーティングシステムを試す、コンピュータの修復作業を行う、セキュリティツールを実行するなど、さまざまなシナリオで活用できます。

おわりに

ディスクという物理的な媒体から離れて存在するのがISOイメージです。この記事では、Windows Server 2019のISOイメージをUSBに書き込んで、ポータブルUSBドライブ(Windows To Go)またはUSBインストールメディア(インストールディスク)を作成する方法についてご紹介しました。Rufus、AOMEI Partition Assistant Server、コマンドプロンプトの3つのツールを使用することができます。コマンドプロンプトとRufusを使うのは、少し複雑です。簡単かつ一番実用的な方法はAOMEI Partition Assistant Serverを使うことです。パソコン初心者にも強くお勧めします。

また、AOMEI Partition Assistant Serverを利用して、アプリを2つのパーティション間で移行、MBRディスクとGPTディスクの間で変換、SSDまたはHDDへOSを移行、SSDを完全消去することもできます。さらに、企業向けAOMEI Partition Assistant Unlimited版もあります。Server版のすべての機能をカバーするほか、社内の台数無制限のWindows PCとサーバーで使用できるため、大幅なコスト削減が見込めます。

ご参考になれば、幸いです。もしご不明な点などがありましたら、遠慮なくご質問ください。弊社のメールは:support@aomeitech.com。ここまでありがとうございました。