BitLockerが勝手にかかる原因と対処法【徹底解説】

BitLockerが勝手にかかる原因とその対処法を詳しく解説。自動で有効化される理由や解除方法、さらに自動有効化を防ぐ設定方法まで、全ての問題に対する実践的な対策を紹介します。

投稿者 @カオル 2024年12月17日 @カオル 最後の更新 2024年12月11日

突然、パソコンのBitLocker(ビットロッカー)が有効になって、ファイルにアクセスできなくなったことはありませんか?『いつの間にか勝手にかかった!』と驚くと同時に、解除方法が分からず困ることもあるでしょう。この記事では、BitLockerが勝手にかかる理由とその対処法をわかりやすく説明します。初心者でも簡単に解決できる手順を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

BitLockerが勝手にかかる原因

まずはBitLockerが勝手にかかる原因を徹底解説します。BitLockerが自動で有効になるのは、いくつかの仕組みや状況が影響しています。これらは多くの場合、ユーザーが意図しない形で発生するため、「勝手にかかった」と感じられることが多いです。

新しいWindowsデバイスの初期設定:Windows 10やWindows 11を搭載したパソコンでは、新しいデバイスを設定する際に、BitLockerが自動的に有効になることがあります。Modern Standbyをサポートするデバイスでは、Microsoftが推奨するセキュリティ対策として、BitLockerが初めから有効になります。なお、セットアップ中にMicrosoftアカウントを使うと、BitLockerが有効になり、回復キーが自動的にMicrosoftアカウントに保存されます。

TPMチップによる自動暗号化:TPM(トラステッド・プラットフォーム・モジュール)チップは、デバイスの安全性を向上させるためのハードウェアです。TPMが有効な場合、ドライブの暗号化が可能と見なされます。この暗号化は、ユーザーが何もしなくても自動的に行われます。

OSのアップグレードやクリーンインストール:Windows OSのアップグレードやクリーンインストールを行った場合、アップグレード後のデフォルト設定により、BitLockerが有効化されることがあります。

Windows Defenderセキュリティセンターとの連携:Windows Defenderセキュリティセンターは、デバイスのセキュリティを一元管理します。この機能がBitLockerの自動有効化に影響を与えることがあります。

グループポリシーの影響:Windowsのグループポリシーは、企業や学校でのセキュリティ設定を統一するために使われます。これがBitLockerの有効化に直接関わることがあります。

ハードウェアの要件:TPM 2.0以降のチップが搭載されている場合、BitLockerの機能が強化され、自動暗号化が標準として適用されることがあります。さらに、セキュアブートを有効にすると、OSの整合性が保たれ、BitLockerの自動有効化が進む仕組みになっています。

勝手にかかったBitLockerの解除方法

このセクションでは、勝手にかかったBitLockerの解除方法をご紹介します。2つのステップに分かれます。

回復キーを使ってロック解除する(ステップ1)

手順 1. 別のデバイスでMicrosoftアカウントにログインし、「BitLocker回復キー」に移動して、回復キーを見つけます。 

手順 1. ログイン画面の指示に従って、回復キーを入力します。

手順 1. 回復キーを入力して、ロックを解除します。

ロック解除後にBitLockerを無効化する(ステップ2)

手順 1. スタートメニューの検索バーに「コントロールパネル」と入力して開きます。

手順 2. 「システムとセキュリティ」をクリックし、「BitLocker ドライブ暗号化」を選択します。

手順 3. 暗号化を解除したいドライブを選択し、「BitLockerを無効にする」をクリックします。

手動で解除する方法もありますが、時間がかかることがあります。そこで、専用のツールを使うと便利で、複数のデバイスを一度に管理し、解除作業を簡単にできます。これにより、負担が大きく減ります。AOMEI Partition Assistantの「BitLocker管理機能」は、Windows 11、10、8、7など多くのオペレーティングシステムと互換性があり、Home版にも対応しています。また、時間のかかる作業もリアルタイムで進捗を確認できます。

AOMEI Partition Assistant
強力なBitLocker暗号化機能:簡単かつ快適にセキュリティを強化
  • 簡素化されたBitLocker管理
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  • 安心なデータ保護
  • 業界標準のAES暗号化アルゴリズム
  • 強力なセキュリティ管理

BitLockerを簡単に無効化する

手順 1. 画面上部のツールバーから「ツール」タブを選択し、「BitLocker」をクリックします。

手順 2. すべてのドライブ(オペレーティングシステムドライブ、固定データドライブ、リムーバブルドライブなど)が表示されるので、無効にしたいドライブを見つけて「BitLockerを無効化」を選びます。

手順 3. ドライブを復号化する方法は「パスワードでドライブを復号化」「回復キーでドライブを復号化」の2つがあります。必要に応じて選んでください。

ヒントここで、「使用済みの領域のみ復号化」を選ぶと、解除が早く終わります。

手順 4. 復号化が始まります。完了したら「完了」をクリックしてください。

ヒント復号化の進捗をリアルタイムで確認でき、どれくらい進んでいるかがわかります。

回復キーのバックアップやパスワードの変更、ドライブのロック・アンロック、BitLockerの有効化・無効化が簡単に行えます。

BitLockerを有効にする

メニューから対象のドライブを選び、「BitLockerを有効化」を選択します。

回復キーをバックアップする

バックアップしたい暗号化されたドライブを見つけ、「回復キーをバックアップ」をクリックします。バックアップ方法は「ファイルに保存」または「回復キーを印刷」を選べます。

ドライブをロックまたはロック解除する

ドライブがロックされていない場合、「ドライブをロック」をクリックしてロックできます。ロック解除は「ドライブロック解除」をクリックします。

パスワードを変更する

「パスワードを変更」をクリックしてパスワードを変更できます。

BitLockerの自動有効化を防ぐ方法

BitLockerの自動有効化は便利な一方で、必要がない場合にはトラブルの原因となります。以下では、BitLockerが勝手にかからないようにするための具体的な対策を詳しく解説します。

1. 初期セットアップ時の対策

BitLockerが自動的に有効になる主な理由は、初期設定時の選択やデフォルトの設定です。これを避けるために、以下の方法を試してみてください。

(1) Microsoftアカウントを使わずにローカルアカウントで設定する

手順 1. 初期設定時に「Microsoftアカウントを使用せずにセットアップ」を選びます。

手順 2. オフラインでローカルアカウントを作成します。

手順 3. 設定後、必要に応じてMicrosoftアカウントを追加します(この場合、BitLockerは有効になりません)。

(2) 設定後にデバイスの暗号化を手動で無効にする

手順 1. 「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「BitLocker ドライブ暗号化」を開きます。

手順 2. 「BitLockerを無効にする」を選んで暗号化を解除します。

手順 3. 暗号化解除が終わったら、デバイスの暗号化設定をオフにします。

2. TPM(Trusted Platform Module)を無効にする

BitLockerの自動的な有効化は、TPMチップが有効であることに依存しています。これを無効にすることで、BitLockerの機能を停止できます。

手順 1. デバイスを再起動し、起動時に「F2」「F12」「DEL」などのキーを押し(デバイスによって異なります)、BIOSまたはUEFIの設定に入ります。

手順 2.セキュリティ設定から「TPM」を見つけます。コンピューターのマザーボードによってBIOS設定の名称が異なるため、指示に従ってTPMを無効にし、変更を保存して再起動します。

3. グループポリシーを変更する

Windowsのグループポリシーを使って、BitLockerの自動有効化を防ぐことができます。この方法は、Windows ProまたはEnterpriseエディションで利用可能です。

手順 1. Windowsキー + Rを押し、「gpedit.msc」と入力してEnterを押します。

手順 2. 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「BitLockerドライブ暗号化」→「リムーバブルドライブ」を開き、「Bitlockerで保護されていないリムーバブルドライブへの書き込みアクセスを拒否する」をダブルクリックし、新しい画面で「無効」にします。

手順 3. 「BitLockerドライブ暗号化」に戻り、「固定データドライブ」を開き、「BitLockerで保護されていない固定ドライブへの書き込みアクセスを拒否する」をダブルクリックし、新しい画面で「無効」にします。

ヒント企業や学校のデバイスではIT管理者がポリシーを管理しているため、変更できない場合があります。

まとめ

BitLockerが勝手にかかる問題は、Windowsの設定やセキュリティ機能が関係していることがあります。これを防ぐためには、グループポリシーやデバイス管理の設定を確認することが重要です。この記事では、BitLockerが自動的に有効になった場合の解除方法と、再発を防ぐための設定方法を説明しました。これにより、企業や個人のセキュリティを保ちながら、管理の手間を大幅に減らすことができます。特に、多くのデバイスを管理している場合は、効率的な管理ツールの導入が勧められます。

FAQ(よくある質問)

Q1:BitLockerが自動で有効になりましたが、解除しても問題ありませんか?

A:個人のデバイスなら解除できますが、会社や学校のデバイスの場合は管理者に確認してください。

Q2:BitLockerの回復キーがわかりません。どうすればいいですか?

A:Microsoftアカウントや印刷したコピー、IT管理者に確認してください。

Q3:BitLockerが有効な状態でデバイスを初期化するとどうなりますか?

A:データは暗号化されたまま消去され、復元できなくなります。

Q4:WindowsUpdate後にBitLockerが有効になりました。どうすれば防げますか?

A:更新前にBitLockerを無効にし、更新内容を確認してください。

Q5:グループポリシーでBitLockerを無効にできますか?

A:はい、Windows ProまたはEnterpriseで「gpedit.msc」を使って設定できます。

Q6:USBメモリにBitLockerが自動でかかるのを防ぎたいです。

A:グループポリシーを変更するか、デバイス暗号化をオフにしてください。

Q7:BitLockerが無効にできない場合はどうすればいいですか?

A:管理者権限を確認し、IT管理者またはMicrosoftサポートに相談してください。