自分でパソコンのHDD(ハードディスクドライブ)をSSD(ソリッドステートドライブ)にアップグレード・交換したいですか?この記事では、Windows 7/8/10/11でOS再インストールなしにHDDをSSDに変えてSSDから正常に起動する方法をご紹介します。
HDDをSSDに変える
パソコンのパフォーマンスをアップするときに検討したいのが、起動ドライブをSSDに換装することです。しかし、いざ換装するとなると「OSを移行できるのか?」「ハードの交換は難しくないか?」「SSDから正常に起動できるのか?」など、不安な点も多いでしょう。ここでは、HDDからSSDへの換装を行う際に知っておきたいことをご紹介します。
🔊【結論】SSDは従来のHDDより優れた性能を持って、コンピュータの実行速度を上げます。より多くのユーザーはコンピュータの性能を向上させるために古いHDDを新しいSSDに変更・換装・交換・アップグレードしたいかもしれません。
SSDはSolid State Drive(ソリッド・ステート・ドライブ)の略で、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)と同じように使える記憶装置です。HDDは回転する円盤に磁気でデータを読み書きしていますが、SSDはUSBメモリーと同じように内蔵しているメモリーチップにデータの読み書きをしています。
SSD、HDDそれぞれの良さ | SSD | HDD |
速度 | ◎ | △ |
容量 | △ | ○ |
静音性 | ◎ | △ |
耐衝撃 | ◎ | △ |
軽量 | ◎ | △ |
価格 | △ | ○ |
上述のとおり、SSDは多くのメリットがあるため、HDDの次世代の記憶装置としてガンガン普及してきます(今主流として多くのパソコンやスマートフォンに使われています)。また、メーカー製のパソコンにもSSDを搭載する製品が増えてきたことから、今後はSSDがもっと普及になると思われます。
パソコンに内蔵されているハードディスクをSSDに交換したくなる理由によっては、「交換の必要がない」「そもそもパソコン自体を交換すべき」など、SSDに交換しなくても良いということになるかもしれません。内蔵HDDをSSDに交換しようと思ったケース別に、本当に必要かどうかを考えてみましょう。
例えば、「ハードディスクが壊れた」「ハードディスクから異音がするようになった」といった場合は、ハードディスクを別のハードディスクかSSDに交換する必要があります。
しかし、「壊れる」または「壊れそう」という状態になった原因は何でしょう。もし、原因が経年劣化であるなら、パソコン自体もすでに旧式となっているかもしれません。特に、2020年にはWindows 7のサポートが終わります。ですから、もし使用しているパソコンが、Windows 7以前のパソコンであれば、いっそのこと買い替えを検討してもいいでしょう。
前述したように、仮にハードディスクが壊れておらず「現在Windows 7を使っているので、Windows 10/11にアップグレードするタイミングでSSDに交換したい」という場合も、マシンスペックによっては買い替えが有効です(Windows 10/11をインストールするなら、それなりのマシンスペックが必要です)。
お使いのパソコンが、Windows 7発売時に購入した物であれば対応可能かもしれませんが、Windows 7より前のOSからアップグレードを重ねている物であればきびしい可能性もあるのです。スペックを確認し、問題なければSSDへの交換をするようにしましょう。
OSやアプリケーションの起動が遅く感じる場合は、ぜひ交換すべきです。SSDは、データの読み込み速度と書き込み速度が速いことが最大のメリットですから、換装すればユーザーの作業効率を格段にアップさせることでしょう。これは、ビジネスユースに限らず、ゲームをプレイする場合も、ゲームの起動やマップデータの読み込み速度などに効果があります。
ハードディスクの容量が足りなくなった場合はどうでしょうか。容量に限っていえば、SSDよりもハードディスクのほうが安価で大容量のタイプが多くあります。ですから、現在使っているハードディスクが、交換するSSDよりも容量が小さければ意味がありますが、そうでなければ容量の問題は解決しません。
特に、SSDは容量不足になると書き込みスピードが落ちてくるので、あまりおすすめしません。外付けのストレージやクラウドストレージを利用して、データを外部に移行させましょう。
また、もし現在使っているハードディスクが、64GBとか120GBの場合、やはりマシンスペック的に古い可能性があるので、新規購入を検討してください。
以上の点から、現行のサポートを受けられるOSが動くパソコンで、「OSやアプリケーションの起動を速くしたい」という人が、HDDをSSDに変えるメリットが大きいといえるでしょう。
もちろん、古いパソコンに愛着を持って使い続けるのはいいことですが、古いパソコンは故障のリスクもありますから、SSDに換装してすぐに故障ということもありますし、OSのメーカーサポートがなければセキュリティ面でのリスクもあります。使い続けるのであれば、万が一の備えを意識する必要があるでしょう。
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では、実際にHDDからSSDへ変更・換装・交換・アップグレードするにはどうしたらいいのでしょうか。方法は大きく分けて2種類あります。どちらも、メリット・デメリットがあるので、行いやすい方法を選びましょう。
ハードディスクにあるデータは使わず、手動でゼロからOSをインストールして起動ディスクを作成します。これは、クリーンインストールと呼ばれており、パソコンを使い続けるうちに溜まってしまったデータなどを引き継がないため、パソコンにとって健康的な方法です。
しかし、いくらSSDが高速とはいえ、ゼロからOSだけでなくアプリケーションをすべてインストールするのは手間がかかります。環境の設定も最初からやり直すことになるため、時間的なデメリットがあります。この方法を選択するのは、OS自体をアップグレードしたときなどが最適でしょう。
アプリケーションを使って、ハードディスクにあったデータのクローンをSSDに作成する方法があります。この方法であれば、これまでとまったく同じ環境を継承することができるので、すぐにパソコンを使うことができます。一般的には、クローンを作るためのアプリを使うので、手間はかからず移行することができます。
問題点は、SSDの容量がHDDの容量(使用容量)と同等かそれよりも大きい必要があることです。そのため、コスト的に問題なければハードディスクの容量以上のSSDを買うか、買えないのであればハードディスクの使用容量を、移行する予定のSSDの容量以下にする必要があります。
ただし、交換後にOSをアップグレードするのであれば、極力古い設定ファイルなどは引き継ぎたくはありません。その場合はクローンを作るよりも、クリーンインストールが最適でしょう。
一般のパソコンユーザーにとっては、クリーンインストールには時間も手間もかかりますし、OSを変更したり古いデータを破棄したりしたくないかもしれません。自分でどのようにHDDを簡単にSSDに変えますか?クローンを作るのがベストです。次は、WindowsのOSを再インストールせず(データを失うことなく)、HDDをSSDに変える手順について詳しく解説しましょう。
二度と使用しないプログラムをアンインストールしたり、SSDに移動したくない不要なファイルを削除します。また、HDDに保存されている大きなフォルダを別の場所に移動します。そうすると、たくさんのディスク領域を解放することができます。HDDをSSDにコピーする時、より少ない時間が必要ですし、HDDをより小さなSSDに移行する時にもとても役立ちます。
データの紛失・破損を防ぐために、事前にディスクバックアップを作成しておいてください。
PC(デスクトップまたはノートパソコン)に適したSSDを選択します。SSDを購入する前に、SSDのフォームファクタをチェックする必要があります。ドライブはデスクトップまたはノートパソコンに合うことを確認してください。選択可能なSSDのブランド(例えば、Samsung SSD、Seagate SSD、Toshiba SSD)はたくさんあります。自分のニーズによってそれらの1つを選択しましょう。
ディスククローンソフトを選択します。Windowsに標準搭載されているアプリはHDDをSSDに直接コピーすることができません。そのため、HDDからSSDへのクローンができるディスククローンソフトを見つけるのは必要です。AOMEI Partition Assistant Professionalはそのようなツールで、簡単かつ安全にHDDの中身を丸ごとコピー・移行したり、HDDパーティションを分割することができます。
ステップ 1. SSDをPCに接続します。コンピュータがSSDを認識できることを確認します。※認識しない時、AOMEI Partition AssistantまたはDiskpartを使用してSSDを初期化する必要があります。
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ステップ 2. AOMEI Partition Assistantをダウンロード、インストール、起動します。
ステップ 3. ディスクの構成情報が表示されます。HDDをSSDにコピーするために、古いHDDを右クリックしてドロップダウンメニューの「ディスクをクローン」を選択します。
ステップ 4. SSDをクローン先(ターゲットドライブ)として選択します。
ターゲットディスク上のすべてのデータとパーティションが削除されるため、重要なデータがあれば、「いいえ」をクリックして、事前に強力なバックアップフリーソフトAOMEI Backupper Standard(無料)でファイル、パーティションまたはディスクをバックアップしておいてください。バックアップを取ったら、「はい」をクリックして次のステップに進みましょう。
ステップ 5. 確認画面に移動してソースドライブ(クローン元)とターゲットドライブ(クローン先)を確認します。問題なければ「確認」ボタンをクリックして続行します。
「設定」をクリックしてターゲットディスク上のパーティションのサイズを変更することができます。或いは、クローン処理が完了した後、このAOMEI PA Proを使用してSSDを再分割することもできます。
ターゲットディスクはSSDの場合、「4Kアライメント」チェックボックスにチェックを入れてください。SSDを最高の状態にするために、これはSSDの4Kアライメントを行います。
「セクタ単位のクローン」にチェックを入れる場合、「セクタ単位のクローン」を実行します。この方法はソースディスク上の使用済みセクタと未使用セクタをすべてクローンするため、より長い時間がかかります。ターゲットディスクのサイズはソースディスクのサイズに等しいかそれより大きくなければなりません(ソースディスクはMBR形式の場合、ターゲットディスクもMBR形式になっています)。
「セクタ単位のクローン」にチェックを入れない場合、「ディスクの高速クローン」を実行します。この方法はソースディスク上の使用済み領域だけをクローンするため、大容量のソースディスクを小容量のターゲットディスクにクローンすることができます(ターゲットディスクの空き容量はソースディスクの使用済み容量より大きいか等しい必要があります)。クローン中にターゲットディスク上の各パーティションのサイズを調整することができます。
ステップ 6. 最後は、クローン操作の結果をプレビューし、問題なければツールバーにある「適用」⇒「続行」をクリックします。全ての操作をPreOSモードで実行します。
ステップ 1. コンピュータを再起動し、電源投入直後に「Delete(DEL)」または「F2」キーを断続的に押し、BIOS設定画面を表示させます。
ステップ 2. 方向キーで「Boot」タブを選択します。「Boot Option Priorities」で現在の起動順番を確認することができます。
ステップ 3. 1番目に起動するデバイスを新しいSSDに設定するには、方向キーで「Boot Option #1」を選択し、「Enter」キーを押します。
ステップ 4. 「Boot Option #1」画面が表示されます。方向キーで「優先したい起動デバイス」(ここでは、クローンしたSSD)を選択し、「Enter」キーを押します。
ステップ 5. 「F4」キーを押し、設定を保存する確認画面が表示されます。方向キーで「Yes」を選択し、「Enter」キーを押します。
パソコン初心者でも簡単に使えるAOMEI Partition Assistantの助けを借りてWindows OS再インストールなしにHDDをSSDに変えるのは簡単なことになります。AOMEI Partition Assistantはデータ移行ソフト(パーティションクローン、ディスククローン、OS移行)だけじゃなく、ディスクパーティション管理のために他の機能も多くあります。
例えば、データを失うことなくパーティションのファイルシステムをFAT32からNTFSに変換、削除/紛失したパーティション/データを復元、ドライブのフォーマットを高速に実行することができます。Windows Serverユーザーである場合、AOMEI Partition Assistant Server版も提供しています。