仮想ディスクは、マウント(接続)することで通常のドライブと同じように利用でき、作業が終わったら解除して安全に管理できます。この記事では、仮想ディスクのマウント(接続)と解除(アンマウント)の方法を、初心者でも分かりやすくステップ形式で説明します。Windows 10・Windows 11どちらにも対応しています。
仮想ディスクとは、物理的なストレージ(HDDやSSD)とは異なり、ソフトウェア的に作られた論理的な記憶領域のことです。OSから見ると物理ディスクのように振る舞い、仮想化環境での利用や、バックアップ、テスト環境の作成などに使われます。
仮想ディスクをマウントすることは、仮想ディスクファイルをWindowsに「接続」して、実際のハードディスクのように使えるようにすることを意味します。 通常、仮想ディスクは1つのファイルとして保存されていて、そのままでは中のデータを直接操作することはできません。
でも、マウントをするとシステムがその仮想ディスクを物理ドライブとして認識し、エクスプローラーに「新しいドライブ(例:E:やF:)」として表示されます。 これによって、ファイルのコピーや削除、編集などが普通のディスクと同じようにできるようになります。 仮想マシンの運用だけでなく、データのバックアップや復元、テスト環境の構築にも必要な操作です。
仮想ディスクのマウントには、Windows標準機能を使う方法と、サードパーティツールを使う方法の2種類があります。以下では、代表的な3つのマウント手順を紹介します。
最も簡単な方法は、エクスプローラーを使って直接仮想ディスクをマウントする手順です。
ステップ 1. 仮想ディスク(.vhdまたは.vhdx)ファイルを右クリックします。
ステップ 2. コンテキストメニューから「マウント」を選択します。
ステップ 3. 数秒後、仮想ディスクが新しいドライブとしてエクスプローラーに表示されます。
この方法は操作がシンプルで、特別な権限やツールを必要としません。手軽に中のファイルを確認したい場合に最適です。
より詳細な設定や複数のディスクを扱いたい場合は、「ディスクの管理」ツールを利用します。
ステップ 1. デスクトップの「PC」を右クリックし、「管理」を選択します。「ディスクの管理」をクリックします。
ステップ 2. メニューバーの「操作」→「VHDの接続」をクリックします。
ステップ 3. 「参照」から仮想ディスクファイルを選択し、「OK」を押します。
ステップ 4. ディスクが接続され、エクスプローラー上に新しいドライブとして表示されます。
この方法では、読み取り専用モードで接続したり、複数のVHD/VHDXを同時に管理したりと、より高度なマウント操作が可能です。特に管理者権限での作業が必要な場合や、ディスク設定を変更したい場合に向いています。
より簡単で柔軟な操作を求める場合は、AOMEI Partition Assistant Standardのようなサードパーティ製ツール(無料)を使うのがおすすめです。Partition Assistantでは、GUI操作で仮想ディスクをマウント・アンマウントでき、仮想ディスクの作成やサイズ変更、フォーマット、パーティション編集なども同時に行えます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードしてインストールします。「仮想ディスク」タブをクリックした後、「VHDの作成」オプションを選択します。
ステップ 2. 仮想ディスクの場所とサイズを指定できます。「参照」をクリックして、VHDを作成する場所を選択します。仮想ディスクのファイル名を入力し、「保存」をクリックしてください。
オプションで、「詳細設定」オプションをクリックして、仮想ハードディスクのフォーマットと種類を設定することもできます。(デフォルトでは、VHDX形式と「可変容量」タイプが選択されています。)
ステップ 3. 仮想ディスクの場所とサイズを設定したら、「OK」をクリックしてVHDの作成を開始します。
ステップ 4. リロードプロセスが完了すると、VHDが正常に作成されたことが表示されます。VHDは自動的に接続されます。
作成されたVHDは未初期化のため、データやファイルシステムが含まれない空の状態です。使用するには、ディスクを初期化し、パーティションを作成し、ドライブ文字を割り当てる必要があります。
Partition Assistantでディスクを初期化できます。その後、パーティションを作成し、ドライブ文字を割り当てます。これで、VHDを通常通り使用できるようになります。
この方法は初心者にも分かりやすく、コマンド操作が苦手な人でも安全に仮想ディスクを扱える点が魅力です。
● 仮想ディスクの中身は通常のファイルと同じく削除可能です。誤って消さないよう注意。
● 外部HDDに保存しているVHDをマウントする場合、取り外す前に必ずアンマウントしましょう。
● 「読み取り専用」でマウントすれば、誤操作による変更を防げます。
● マウント中にVHDファイルを移動・リネームしないこと。破損の原因になります。
仮想ディスクの使用を終えたら、アンマウント(切断)を行うことで、安全にシステムから取り外すことができます。これを怠ると、ディスクファイルの破損やシステムエラーを引き起こす場合があるため注意が必要です。
ステップ 1. 「ディスクの管理」を開きます。
ステップ 2. 接続中の仮想ディスクを右クリックし、「VHDの切断」を選択します。
ステップ 3. 「ディスクを削除せずに切断する」を確認して「OK」をクリックします。
この操作により、仮想ディスクはシステムから切断されますが、ファイルそのもの(.vhd/.vhdx)は削除されずに保存されたままです。
AOMEI Partition Assistantなどのツールを使えば、マウントと同様にワンクリックでアンマウントが可能です。
Partition Assistantで接続されたVHDを右クリックし、「VHDの切断」オプションを選択して切断できます。数秒で安全にディスクが切断されます。
GUI操作で誤操作のリスクが少なく、複数の仮想ディスクを一括でアンマウントすることもできます。
Windows標準の「ディスクの管理」やエクスプローラーから簡単に操作できるため、特別なソフトは不要です。 もし複数の仮想ディスクを効率よく管理したい場合は、AOMEI Partition Assistantなどの専用ツールを使うとより便利です。 仮想ディスクを上手に使うことで、物理ディスクに頼らないスマートなストレージ運用が可能になります。
1. 仮想ディスクをマウントしたまま再起動しても大丈夫ですか?
はい、基本的には仮想ディスク(VHD/VHDX)をマウントしたまま再起動しても問題ありません。 再起動後も、同じドライブレター(例:E:やF:など)で自動的に再マウントされることがあります。 ただし、手動でマウントした場合は、再起動後に自動的に外れる(アンマウントされる)こともあります。 再起動後も自動でマウントしたい場合は、タスクスケジューラやスタートアップスクリプトでマウントを設定しておくと便利です。
2. 仮想ディスクを削除したら中身も消えますか?
はい、仮想ディスクファイル(.vhd/.vhdx)を削除すると中のデータもすべて消えます。 仮想ディスクは1つの大きなファイルとして扱われており、その中にフォルダやファイルが格納されています。 つまり、VHDXファイルそのものが“仮想的なHDD”なので、削除=中身の全消去ということになります。 大切なデータが入っている場合は、削除前に仮想ディスクをマウントして必要なファイルをコピーしておくようにしましょう。
3. 複数の仮想ディスクを同時にマウントできますか?
はい、複数の仮想ディスクを同時にマウントすることが可能です。 Windowsでは複数のVHD/VHDXファイルを同時に読み込むことができ、それぞれが別ドライブとして表示されます。 たとえば、「バックアップ用」「テスト環境用」など用途別に複数の仮想ディスクを使い分けることもできます。 ただし、ディスク管理画面で同じドライブ文字が重ならないよう注意しましょう。
4. 仮想ディスクをBitLockerで暗号化できますか?
はい、仮想ディスクもBitLockerで暗号化できます。 仮想ディスクをマウントして通常のドライブとして認識された状態で、右クリックメニューから「BitLockerを有効にする」を選べばOKです。 暗号化すれば、仮想ディスク内のデータを不正アクセスから守ることができます。 ただし、暗号化をかけるとアクセス時にパスワードが必要になるため、パスワードを忘れないよう注意してください。
5. 仮想ディスクのファイルをUSBメモリで持ち運べますか?
はい、VHD/VHDXファイルは通常のファイルとしてUSBメモリや外付けHDDにコピーして持ち運べます。 他のパソコンに接続してマウントすれば、中のデータをそのまま利用できます。 ただし、ファイルサイズが大きい場合は、USBメモリがFAT32形式だと4GB以上のファイルを保存できないため、 exFATやNTFSにフォーマットしておくことをおすすめします。