仮想ディスクの作り方|手順とおすすめツールまとめ
仮想ディスク(Virtual Hard Disk/VHD)は、実際のHDDやSSDを使わずにソフトウェア的に作られるディスク領域のことです。外付けHDDのように使える上に、バックアップやデータ管理、検証環境の構築などに非常に便利です。この記事では、Windows 11で仮想ディスクを作成する方法とおすすめツールを説明します。「仮想ディスクって何?」「どうやって作るの?」という方もこの記事を読めば、すぐに扱えるようになります。
仮想ディスクとは?
仮想ディスク(Virtual Hard Disk:VHD/VHDX)とは、実際の物理ハードディスクのように動く「仮想的なストレージファイル」です。物理ドライブを分けたり、新しいハードディスクをつなげたりしなくても、ファイルとして仮想的にドライブを作ることができます。拡張子が「.vhd」または「.vhdx」のファイルとして扱われ、Windowsのディスク管理ツールやエクスプローラーで実際のディスクのように認識されます。仮想マシンの運用だけでなく、バックアップやテスト環境の構築などにも広く使われています。
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仮想ディスクの一番の利点は、物理ディスクを増やさなくても柔軟にストレージを管理できることです。例えば、特定のプロジェクトのために独立した仮想ドライブを作ると、データの整理やバックアップが簡単になります。
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また、ファイルとして存在するので、USBメモリや外付けHDDに簡単に移動したりコピーしたりできます。
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さらに、不要になったら削除するだけでディスクを解放できるので、効率的にストレージを運用できます。セキュリティの面でも、仮想ディスクを暗号化すれば特定のユーザー以外はアクセスできなくなるので、安全性が高まります。
仮想ディスクを作るには、Windowsの「ディスクの管理」ツールか、他のディスク管理ソフトが必要です。特にVHDX形式を使う場合は、Windows 8以降かWindows Server 2012以降が必要です。
仮想ディスクを作成するおすすめツール
より簡単かつ柔軟に仮想ディスクを作成・管理したい場合は、無料の「AOMEI Partition Assistant Standard」のようなツールを利用するのがおすすめです。Partition Assistantを使えば、GUI操作でVHD/VHDXの作成・マウント・サイズ変更が可能で、複雑なコマンドを覚える必要がありません。また、他の機能としてパーティション分割、ディスククローン、MBR/GPT変換なども行えるため、総合的なストレージ管理ツールとして優れています。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードしてインストールします。「仮想ディスク」タブをクリックした後、「VHDの作成」オプションを選択します。
ステップ 2. 仮想ディスクの場所とサイズを指定できます。「参照」をクリックして、VHDを作成する場所を選択します。仮想ディスクのファイル名を入力し、「保存」をクリックしてください。
オプションで、「詳細設定」オプションをクリックして、仮想ハードディスクのフォーマットと種類を設定することもできます。(デフォルトでは、VHDX形式と「可変容量」タイプが選択されています。)
ステップ 3. 仮想ディスクの場所とサイズを設定したら、「OK」をクリックしてVHDの作成を開始します。
ステップ 4. リロードプロセスが完了すると、VHDが正常に作成されたことが表示されます。VHDは自動的に接続されます。
Windows標準機能で仮想ディスクを作る方法
ステップ 1. 「Win + X」→「ディスクの管理」を選択して起動します。
ステップ 2. 「操作」メニューを開き、「VHDの作成」をクリックします。
ステップ 3. 「仮想ハードディスクの作成と接続」ダイアログが表示されます。「参照」ボタンをクリックして、保存場所を指定します。
ステップ 4. 仮想ディスクの容量を設定(例:20GB)します。
ステップ 5. 「仮想ハードディスクの形式」を選択(VHDまたはVHDX)します。
ステップ 6. 「ディスクの種類」を選択(固定サイズ/可変サイズ)します。
ステップ 7. 「OK」をクリックすると、指定した場所に仮想ディスクファイルが作成されます。
仮想ディスクを作成した後は、通常のHDDと同様に初期化とフォーマットが必要です。まず新しいディスクを右クリックして、「ディスクの初期化」を選択します。その後、「未割り当て領域」を右クリックして「新しいシンプルボリューム」を選択します。
仮想ディスクのサイズ変更方法
仮想ディスクのサイズを変更したい場合は、AOMEI Partition Assistantを利用すると便利です。GUI上で簡単に容量を拡張・縮小でき、既存データを保持したまま操作できます。Windows標準のディスクの管理でも、VHDX形式であれば一部サイズ変更が可能ですが、制限があるため専用ツールの利用が推奨されます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードして起動し、調整したいパーティションを右クリックして、「ワンクリックで空き領域を調整」を選択します。
※注意:この機能はパーティションスペースの調整だけなので、未割り当てスペースを選択して調整することはできません。未割り当て領域があり、隣接する未割り当て領域を使ってパーティションを調整したい場合、「パーティションをリサイズ/移動」機能をご利用ください。
ステップ 2. Cドライブを選択し、ドラッグポイントをドラッグしてパーティションサイズを変更します。そして 「はい」をクリックします。
ステップ 3. 「保留中の操作」を表示することで、操作をプレビューすることができます。保留されている操作を実行するには、「適用」と「続行」をクリックしてください。
ステップ 4. 処理が開始され、進行状況を確認できます(Cドライブの場合は直接再起動します)。処理が完了するまで時間がかかる場合があります。
まとめ
仮想ディスク(VHD/VHDX)は、物理ディスクを増やさずに柔軟なストレージの運用を可能にする便利な仕組みです。VHDX形式を使うことで、大きな容量と高い信頼性を持つ仮想ストレージを作成でき、バックアップや検証、データ管理など、いろいろな用途に対応できます。Windowsの標準機能でも作成できますが、もっと効率的に運用したいなら、AOMEI Partition Assistantのようなサードパーティのツールを使うと、作成から管理までスムーズに行えます。
よくある質問
1. Windows 11で仮想ディスクを作成するにはどうすればいいですか?
Windows 11では、標準機能を使って簡単に仮想ディスクを作成できます。手順は「ディスクの管理」を開き、「操作」>「VHDの作成」を選択します。その後、仮想ディスクの保存場所と容量を指定して作成します。作成後、「ディスクの初期化」と「新しいボリュームの作成」を行えば使用可能になります。
2. 仮想ディスクをマウントする方法は?
作成した仮想ディスクを使うには、まずマウント(接続)する必要があります。エクスプローラーでVHDまたはVHDXファイルを右クリックし、「マウント」を選ぶだけで仮想ドライブとして認識されます。必要がなくなった場合は、右クリックから「取り出し」を選択してアンマウントできます。
3. 仮想ディスクを削除するにはどうすればいいですか?
不要になった仮想ディスクは、まず「ディスクの管理」で該当する仮想ドライブを右クリックし、「VHDの切断」を選択します。その後、VHD/VHDXファイルをエクスプローラー上で削除すれば完了です。誤って削除するとデータが失われるため、必要なファイルが残っていないか確認してから行いましょう。