Windowsでは、複数のユーザーをまとめて管理するための「ユーザーグループ」機能が用意されています。グループを作成しておけば、アクセス権限を一括で設定できるため、管理がとてもラクになります。この記事ではWindowsに対応した「ユーザーグループの作成・管理方法」を初心者向けにわかりやすく解説します。個人利用から企業システム管理者まで役立つ内容です。
ユーザーグループは、たくさんのユーザーをまとめて管理するための「権限の単位」です。Windowsでは、個々のユーザーにアクセス権を設定するのではなく、「グループ」に入れることで、共通の権限や制限を一緒に管理できます。
例えば、同じコンピューターを何人かが使うとき、全員に個別に設定するのは大変ですが、グループを使えば簡単に管理できます。特定のフォルダーやアプリへのアクセス権を「グループ単位」で設定すれば、そのグループにいる全てのユーザーが同じ権限を持つことになります。
これは家庭用のPCだけでなく、会社や学校などの複数のユーザーがいる環境でもとても大事です。グループをうまく管理することで、セキュリティを保ちながら運用を効率よくすることができます。
Windowsには、あらかじめいくつかの標準グループが用意されており、それぞれ異なる役割や権限を持っています。主なグループは次のとおりです。
● 管理者(Administrators)グループ
このグループに入っているユーザーは、システム全体を操作できます。新しいユーザーを追加したり、ソフトウェアをインストールしたり、セキュリティ設定を変更したりと、あらゆる管理作業ができます。
● 標準ユーザー(Users)グループ
一般的なユーザーが入るグループで、日常的な操作(アプリを使ったり、個人ファイルを管理したり)はできますが、システム設定を変更することはできません。
● ゲスト(Guests)グループ
一時的にアクセスを許可するためのグループです。権限は最も制限されていて、PCを短期間使う人に向いています。
● リモートデスクトップユーザー(Remote Desktop Users)グループ
このグループのメンバーは、リモートデスクトップ機能を使って他のPCに接続できます。
● Backup OperatorsやPower Usersなどの特別グループ
これらは特定の業務や役割に応じた中間的な権限を持つグループです。たとえば、Backup Operatorsはシステムのバックアップ操作ができますが、すべての管理機能は持っていません。
このように、Windowsではユーザーごとではなくグループごとに権限を割り当てることで、安全で効率的なアクセス管理を実現しています。
ここでは3つの代表的な新しいユーザーグループを作成するを紹介します。
Windowsの「コンピューターの管理」ツールを使えば、GUI(画面操作)で簡単に新しいグループを作成できます。手順は以下の通りです。
ステップ 1. スタートメニューを右クリックし、「コンピューターの管理」を選択します。
ステップ 2. 左側のメニューから「ローカルユーザーとグループ」>「グループ」をクリックします。
ステップ 3. 「グループ」タブを右クリックし、「新しいグループ」を選択します。
ステップ 4. グループ名と説明を入力し、「追加」をクリックして参加させたいユーザーを選択します。
ステップ 5. 「作成」をクリックすれば、新しいグループが完成します。
この方法は視覚的にわかりやすく、管理者権限を持つユーザーなら誰でも簡単に実行できます。特に複数のユーザーをまとめて管理したい場合に便利です。
コマンド操作に慣れている場合は、コマンドプロンプトを使ってグループを素早く作成できます。以下の手順で実行します。
ステップ 1. スタートメニューの検索バーに「cmd」と入力し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。
ステップ 2. 新しいグループを作成するコマンドを入力します:
net localgroup グループ名 /add
成功すると、「コマンドは正常に完了しました」と表示されます。
ステップ 3. 作成したグループにユーザーを追加する場合は、次のコマンドを使用します:
net localgroup グループ名 ユーザー名 /add
コマンドライン操作は一見難しそうに見えますが、慣れればGUIよりも高速に管理できるのが利点です。
WindowsのHomeエディションでは「ローカルユーザーとグループ」機能が使えないため、代わりにAOMEI Partition Assistantのようなサードパーティツールを利用するのが効果的です。
このツールはもともとディスク管理ソフトですが、ユーザーアカウントやグループ管理機能も搭載されています。操作手順は簡単で、ソフトを起動し、「ユーザーとグループ」→「新しいグループ」を選択し、グループ名を入力するだけです。
また、作成時にメンバーの追加や権限レベルの設定も可能で、Windows標準機能では難しい操作も直感的に行えます。特にWindows Homeを使っている人や、システム設定が壊れて管理ツールが開けない人におすすめです。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。「ツール」メインタブをクリックし、「ユーザーとグループ」を選択します。
ステップ 2. 「グループ」タブをクリックし、「新しいグループ」ボタンをクリックして新しいグループを作成します。
ステップ 3. 次に、新しいグループの名前と説明を入力します。グループのメンバーとしてユーザーアカウントを選択することもできます。
ステップ 4. すべて設定したら、「作成」をクリックして新しいグループを作成します。
ユーザーグループを作成したら、次はそのグループの管理を行う必要があります。メンバーの追加や削除、権限設定の変更などを適切に行うことで、システムの安全性と運用効率を保てます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。「ツール」メインタブをクリックし、「ユーザーとグループ」を選択します。
ステップ 2. 「グループ」タブでは、ローカルグループを管理することもできます。管理したいグループを見つけて、管理用の3点ボタンをクリックします。
ステップ 3. グループのメンバーを管理したり、グループの名前を変更したり、削除したり、グループのプロパティを編集したりできます。
「コンピューターの管理」からグループを開き、編集したいグループをダブルクリックすると、現在のメンバー一覧が表示されます。 「グループに追加」をクリックしてユーザー名を入力すれば新しいメンバーを追加でき、削除したい場合は対象を選んで「削除」をクリックします。 コマンドプロンプトでも次のように実行できます。
追加:net localgroup グループ名 ユーザー名 /add
削除:net localgroup グループ名 ユーザー名 /delete
これにより、管理者は効率的にユーザー構成を変更できます。
また、AOMEI Partition Assistantでは、GUI上からグループメンバーの権限の設定を簡単に切り替えられるため、専門知識がなくても安全に管理が可能です。
「プロパティ」オプションをクリックすると、グループのプロパティを確認できます。グループの説明を変更したり、グループにユーザーアカウントを追加/削除したりできます。変更を適用するには、「適用」または「OK」をクリックしてください。
ユーザーグループは、Windowsでのユーザー管理の基本であり、セキュリティと運用の効率を両立させる大切な仕組みです。
既存のグループ(Administrators、Users、Guestsなど)を利用することで、一般的な利用環境はしっかりと管理できますが、業務や役割に応じて新しいグループを作ることで、もっと細かいアクセス制御が可能になります。
作成には「コンピューターの管理」「コマンドプロンプト」「AOMEI Partition Assistant」などいくつかの方法があり、環境やスキルに応じて使い分けることが大切です。
特にAOMEI Partition Assistantは、Homeエディションや初心者でも安心して使える強力なサポートツールです。ユーザーやグループを正しく設定し、適切に管理することで、安全で安定したWindows環境を保つことができます。