不良セクタとは何ですか?ハードディスクに不良セクタが発生した時の修復方法は何ですか?この記事では、不良セクタがあるHDDをチェックして修復する3つの方法についてご紹介します。
Windows11/10/8/7 で「システムイメージの作成」を実行した際、「エラー0x8078012D」と「エラー0x8007045D」が発生し、システムイメージの作成に失敗してしまう場合がありますか?バックアップ元(Cドライブ)またはバックアップ先のディスクに不良セクタが存在するのは原因となるかもしれません。
不良セクタとは何ですか?なぜHDDに不良セクタが発生しますか?Windows10/11で不良セクタを修復する方法は何ですか?
ウィキペディアによりますと、不良セクタ(bad sector)とはハードディスクまたはフラッシュメモリなどの記憶媒体において、何らかの障害によって利用できなくなったセクタのことです。基本的には、ハードディスク(HDD)でデータの読み書きがうまく出来なくなったセクタが不良セクタということになります。
不良セクタが存在すると、データを読み書きするというハードディスクの機能に支障をきたすので、ハードウェア、ソフトウェアの各段階で、不良セクタを回避する仕組みが用意されています。通常、不良セクタは自動的に処理されます。ハードディスクのSMART情報を確認して、問題となる不良セクタが存在するかどうかを調べることができます。
不良セクタの発生原因については、主に以下の3つが考えられます。
不良セクタは工場出荷時から必ず存在します。現在のHDD製造技術では不良セクタを0にすることはできません。ただ、出荷時の不良セクタは読み書き時のスキップ処理で原則回避可能です。一般的な初期不良と違って、直ちにトラブルに結びつくわけではありません。
経年劣化・熱・磨耗・衝撃が原因でHDDの磁気ヘッド(データの読み書き部分)が破損すると、読み書き時にプラッタ(データ記録面)と接触しやすくなり、最悪の場合「スクラッチ」と呼ばれる傷を付けてしまいます。このプラッタに付いた傷は、全て読み込めない「不良セクタ」となります。
原則この部分からデータを読み込むことはできません。また、ヘッド破損によって発生する不良セクタは広範囲に及ぶことが多いため、HDDのデータ障害では最も修復が難しい「重度物理障害」に区分されています。
不良セクタは、基本的にプラッタに塗布されている磁性体が劣化、もしくは剥離することで発生します。HDDは消耗品なので、いつかは寿命がきてしまいます。磁性体は、経年劣化で徐々に磁性が低下していき、いずれ不良セクタとして読み込めなくなります。
不良セクタで起こるHDDのトラブルは様々です。必ずしも特定の症状があるわけではありません。
上記のような症状(不良セクタによるトラブル)が頻発すると、機器はすでに故障寸前の状態となります。早急にデータのバックアップなどを取り、通電を極力控えるようにしましょう。
上述のように、HDDに不良セクタが出てしまうとパソコンの動作が遅くなったり、データが失われる可能性があります。従って、Windows11/10/8/7で不良セクタの修復を行う必要があります。
Windowsに標準搭載されているツール(Windowsのエクスプローラー&コマンドプロンプト)またはサードパーティ製のHDDパーティション管理ソフトを使用して、不良セクタをチェックして修復することができます。次は、不良セクタのチェックと修正に3つの方法を提供しています。
ステップ 1. 【Windowsロゴ】キー+【E】キーを押してエクスプローラーを起動します。「PC」をクリックし、不良セクタがあるディスクを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
ステップ 2. 「ツール」タブ→エラーチェック欄にある「チェック」をクリックします。
ステップ 3. Windows10の場合、自動的にドライブの状態が確認されます。「このドライブをスキャンする必要はありません」というメッセージが出た場合にも、念のためドライブをスキャンしてみましょう。
ステップ 1. 「スタート」→「コンピューター」の順にクリックします。チェックしたいディスクを右クリックし、「プロパティ」を選択します。※ここでは例として、「Windows 7(C:)」のエラーをチェックします。
ステップ 2. 「ツール」タブ→「チェックする」をクリックします。
ステップ 3. 「ディスクのチェック」が表示されたら、必要に応じて「ファイルシステムエラーを自動的に修復する」または「不良セクターをスキャンし、回復する」にチェックを入れて「開始」をクリックします。
ステップ 4. 「ディスク使用中にそのディスクを検査できません」というメッセージが表示されたら、「ディスク検査のスケジュール」をクリックします。※ 次回Windows起動時にチェックディスクが起動します。
ステップ 5. 「プロパティ」画面に戻ったら「OK」をクリックします。パソコンを再起動します。
ステップ 6. パソコン起動時にチェックディスクが実行されます。「Checking file system on C:」というメッセージが表示されるので、ディスクチェックが完了するまでしばらく待ちます。
ほとんどのOSでは、不良セクタを検出してマークする機能(WindowsではCHKDSKやSCANDISK)があります。これらの機能によってマークされたセクタは使用されなくなり、データは消失します。そのため、前もってデータ復旧やデータバックアップなどを実行しておく必要があります。
「スタート」をクリックし、検索ボックスに「CMD」と入力し、検索結果から「コマンド プロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」で起動します。コマンドプロンプトで次のコマンドを入力し、各コマンドの入力後にEnterキーを押します。
●sfc /scannow
システムファイルチェッカーツール(SFC.exe)はWindowsのシステムファイル(Windowsを動作させるためのファイル)に、破損などの異常がないか確認し、修復するソフトウェアです。
保護されたファイルが上書きされていることを検出すると、キャッシュフォルダまたはWindowsインストールソースファイルから正しいバージョンのファイルを取得し、正しくないファイルを置き換えます。こうして、不良セクタを修復することができます。
●chkdsk c: /f /r
不良セクタが少数で、手軽に対処しておきたい場合は、「chkdsk」を実行するのが効果的です。「chkdsk」は、ファイルシステムのエラーをチェックし、修復するためのプログラムです。
chkdsk c: /fコマンドはCドライブのエラーをチェックし、見つかったエラーを修復し、/rコマンドはドライブ上の不良セクタを発見して読み取り可能な情報を回復します。
👍Windows 10でHDDのエラーをチェック、修復する方法
●bootrec /fixmbr(MBRのみを修復する)
●bootrec /fixboot(パーティションの先頭にあるブート情報を修復する)
●bootrec /scanos(ブート可能なWindowsをスキャンし、BCDストアにない情報を列挙する)
●bootrec /rebuildbcd(ブート可能なWindowsをスキャンし、BCDストアに追加するかどうかを選択する)
Bootrec.exeツールは、スタートアップの問題を解決し、修復します。Windows REのスタートアップ修復が機能していない場合に有効です。
👍【修復】Windows 10で「bootrec /fixboot」コマンドがアクセス拒否になる
AOMEI Partition Assistant版は、誰でも簡単に使える無料のディスク管理ツールです。パーティションのチェック機能を使用すると、Windows 11/10/8/7で不良セクタを直接確認して修復することができます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードし、インストールし、起動します。メイン画面で、チェックしたいパーティション(不良セクタがあるドライブ)を右クリックし、「詳細処理」⇒「パーティションをチェック」を選択します。
ステップ 2. エラーをチェックする方式を選択します。この例では「パーティション上の不良セクタをチェックします」を選択し、「はい」をクリックします。
ステップ 3. ポップアップウィンドウで「開始」ボタンをクリックして不良セクタのチェックを実行します。
すべての方法で不良セクタを修復できない場合、不良セクタが発生したハードディスクから、正常なハードディスクへデータを移行することができます。つまり、不良セクタが多数存在するハードディスクを、正常動作するハードディスクと交換することができます。
AOMEI Partition Assistantは強力なHDDパーティション管理ソフトとして、「ディスククローン」機能も持っています。「ディスクの高速クローン」方式を選択すると、不良セクタを意図的にスキップしてデータを別のディスクにコピーしますが、「セクタ単位のクローン」方式を選択すると、不良セクタにあるデータを含めてすべてのデータを別のディスクにコピーします。
※ヒント:起動ディスクをMBRからGPTへまたはGPTからMBR/GPTへクローンすることもできます。
通常、HDDは不良セクタが発生しても、予備のセクタを使って読み書きの代替処理を行ったり、不良セクタのスキップ処理を行うことで正常な動作を維持します。しかし、この予備領域やスキップ処理にも許容量があり、これを超えてしまうとHDDの処理動作が遅くなったり、ヘッドが不良セクタを読み込もうとデータ記録面に接触して「ヘッド破損」「スクラッチ」を誘発したり、さまざまな動作不良とデータ障害を起こした末、HDDは寿命を迎えて完全に動作しなくなります。
そのようなことに備え、事前にバックアップを作成したり、不良セクタを修復したりしておいてください。ここまでWindows 11/10/8/7で不良セクタを修復する3つの方法と1つの最終手段を紹介しました!状況に応じて、最適な対処法を選んでよろしいと思います。ご参考になれば、幸いです。もしご不明な点などがありましたら、遠慮なくご質問ください。弊社のメールは:support@aomeitech.com。
最後!問題を解決しておめでとうございますヽ(〃'▽'〃)ノ☆!