パソコンを起動したら黒い画面に「Operating System Not Found」と表示され、正常に起動しなかったという経験はないでしょうか。「Operating System Not Found」はパソコンの起動に関するエラーメッセージなのですが、HDD/SSDの交換や増設時や、いつも通り使用していたPCでも突然表示されるケースもあります。今回は「Operating System Not Found」のエラーメッセージの意味や、表示される原因、対処法を紹介します。
「本日、電源を投入しましたら、『Error 1962: No operating system found. Boot sequence will automatically repeat.』というメッセージが出て、立ち上がりません。これって、ハードディスクダメになったんでしょうか?」–クチコミ掲示板からの質問
「Lenovoのパソコンなんですけどもエラーコード1962が表示されてパソコンが起動出来なかったので自分で調べてエラーを直そうとした所、直す方法の1つとしてBIOSで起動の順番を変更すればいけるらしいという所まで分かったのですがこの画面になった後の進み方が全く分からなくて手詰まりになってしまいました。機器に詳しい方宜しければどうすれば良いか教えてください。お願いします。」–Yahoo!知恵袋からの質問
「Operating System Not Found」のようなエラー画面に遭遇したことがありますか?オペレーティングシステム(OS)が起動する前の段階で、「Operating System Not Found」(オペレーティングシステムが見つかりませんでした)というメッセージが出てくるのは珍しくありません。
「Operating System Not Found」とは何ですか?なぜ、オペレーティングシステムが見つかりませんか?このエラーメッセージが表示された際の対処法は何ですか?
「Operating System Not Found」(オペレーティングシステムが見つかりませんでした)とは、何らかの原因でBIOSというハードウェアの起動にかかわるシステムが、OS(Windows)を見失った際に表示されるエラーメッセージです。つまり、Windowsのシステムファイルが格納されている場所が見つからない時に表示されるエラーメッセージです。
BIOS(バイオス:Basic Input Output System)とは、パソコンのハードウェア(キーボード・マウス・メモリ・CPU・ハードディスク等)を制御してオペレーティングシステム(OS)が動作できるようにするプログラムです。これはマザーボードに組み込まれたROM(読み取り専用メモリ)に格納されています。
なお、こうしたエラーメッセージは、パソコンの機種によって表示が異なります。以下のメッセージが表示された場合も、同様のエラーが生じているとみられます。
Windows10で「Operating System Not Found」エラーを修復するために、まずは「Operating System Not Found」が表示される原因を知る必要があります。
①電源を入れる
②BIOSが起動する
③ストレージ先頭のマスターブートレコード(MBR)が起動する
④Windowsが起動する
⑤パソコンの通常操作ができるようになる
「Operating System Not Found」エラーは、①~④のどこかに何らかの障害が起きていることが考えられます。「Operating System Not Found」が表示される時に主に考えられる原因が次のとおりです。
※そのほか、Windows Updateが何らかの形で間違って実行され、Windowsが使用できなくなる場合、ドライバーの更新がうまくいかない場合や、同じマシンに複数のバージョンのWindowsをインストールしようとする場合などに、「Operating System Not Found」エラーが発生する可能性もあります。これは、多くの場合、「スタートアップ修復」で修正することができます。
次はWindows10で「Operating System Not Found」エラーを修復しましょう。原因により対処法が異なります。
BIOSは通常、内蔵ストレージからOSを起動するように設定されています。しかし何かの理由でUSBメモリや外付けハードディスクなどから起動するように設定が変更されてしまうと、内蔵ストレージが起動デバイスだと認識されなくなってしまい、内蔵ストレージも、Windows 11/Windows 10などのシステムファイルも正常なのにパソコンが起動できなくなります。
パソコンのUSB端子に接続されているすべての機器(USBメモリ、外付けHDD、プリンター、スピーカーなどの外部機器)をいったん取り外してから、パソコンを起動します。内蔵ストレージが正常であれば、最初に読み込まれることで起動できるようになります。
BIOSの起動は通常、Windowsから起動するように設定されていますが、何らかの原因で起動の優先順位が入れ替わると「Operating System Not Found」と表示されます。内蔵ストレージが複数搭載されている場合は、USB機器のように取り外しができないので、一度BIOSの設定が間違っているかを確認する必要があります。
BIOS呼び出しキー(よく使われるキー:「F2」や「Del/Delete」、「F1」、「F10」など)と設定方法はメーカーや機種によって異なるので、お使いのパソコンの取扱説明書またはメーカーサイトのサポートページを参照してください。
まずはBIOSから起動順位の設定を見直しましょう。一般的に「Boot Menu」もしくは「Change Boot Order」の項目から起動順位を確認することができます。
また、何らかの理由でブードモードの設定が変更されてしまい、起動できなくなることがあります。ブートモードには「UEFI」と「Legacy」があり、古いパソコンは「UEFI」で起動することができないので、BIOS設定を確認し、「UEFI」になっていた場合は「Legacy」に変更してください。
👉【関連記事】Windows11/10/8/7でLegacy BIOSをUEFIブートモードに変更する方法
パソコンの内蔵HDD/SSDは、データを保存するいくつかの「パーティション」と、それを管理する「MBR(マスターブートレコード)」に分かれています。通常はパソコンの電源を入れるとMBRのデータが読み込まれ、次にパーティションに保存されているOSのシステムファイルが読み込まれます。MBRのデータが破損していると、パーティションのデータを正しく読み込めなくなり、OSを起動することができません。
Windowsインストールメディアから起動して、Windowsセットアップの画面左下の「コンピューターを修復する」をクリックします。「オプションの選択」画面から「トラブルシューティング」→「詳細オプション」画面から「スタートアップ修復」を選択すると、自動的にMBRエラーが修復されます。
ちなみに「コマンドプロンプト」で「bootrec /fixmbr」コマンドを実行してMBRを修復することもできますが、この方法は「x86-ベース PC」のみに対応します。また、一般ユーザーにとって複雑すぎるかもしれません。
ここでは、MBRを再構築するのにもっと簡単な方法があります。それはAOMEI Partition Assistantを使用することです。AOMEI Partition Assistantによって作成されたブータブルメディアからコンピューターを起動した後、ただ3つの手順だけでMBRの再構築を完成させることができます。
AOMEI Partition Assistant Professional版はブータブルCD/USBの作成、パーティションのアクティブ化、MBRの再構築など、多くの強力な機能を持っています。また、サーバーや企業のためにほかのエディションもあります。もっと見る »
PCが「Operating System Not Found」エラーで起動しない時にサードパーティ製プログラムを利用して、正常に動作している他のPCでブータブルメディアを作成することができます。
1. AOMEI Partition Assistant Professionalをダウンロードし、インストールし、起動します。
2. ツールバーの「ツール」タブをクリックし、ドロップダウンメニューから「ブータブルCD/USBを作成」を選択し、ポップアップで「次へ」をクリックします。
3. 次の画面で「USBブートデバイス」を選択し、「続行」をクリックします。
4. 操作が完了した後に「完了」をクリックします。
5. AOMEI Partition Assistantによって作成されたブータブルメディアを、起動しないパソコンに挿入し、BIOS設定画面に入り、このブータブルメディアを一番最初の起動ドライブに設定します。
パソコンがブータブルメディアから起動した後、AOMEI Partition Assistantの機能を利用して、トラブルシューティングを行うことができます。
1. AOMEI Partition Assistantのメイン画面で、対象のシステムディスクを右クリックして、「MBRを再構築」を選択します。
2. 「MBRを再構築」画面で、お使いのOSにより、MBRのタイプを指定します。
3. MBR再構築を実行するには、ツールバーの「適用」 をクリックします。
何らかの理由でOSのシステムファイルが破損している場合にも、パソコンがシステムファイルを見つけられず、「Operating System Not Found」等のエラーメッセージが表示されることがあります。この場合は、Windowsに搭載されている自動修復機能で解決するケースもあります。
システムファイルの破損状態によっては強制終了と起動を何度か繰り返すことで、スタートアップ修復が起動できる場合があります。スタートアップ修復が起動した後、自動修復を行うので、終了後に再起動してください。
また、MBR修復と同様の方法(Windowsインストールメディア)でスタートアップ修復を実行してシステムファイルを修復することもできます。
スタートアップ修復による自己修復が失敗した場合には、さらに「システムの復元」を実行することで、正常に動作していた以前の状態に戻すことができます。
1. スタートアップ修復完了画面で「詳細オプション」をクリックします。
2. 「オプションの選択」画面から「トラブルシューティング」を選択します。
3. 「トラブルシューティング」画面から「詳細オプション」を選択します。
4. 「詳細オプション」画面から「システムの復元」を選択します。
BIOSの電池切れや、電気ノイズの影響、BOISアップデートの失敗などが原因で、BIOSが破損してしまった時にも、「Operating System Not Found」等のエラーメッセージが表示されることがあります。BIOSの破損は、初期化によって修復することができます。BIOSの初期化を行う手順は、次の通りです(NECを例にしましょう)。
1. NECパソコンの電源を入れる際に「F2」キーを押し続ける(複数回連打する)と、BIOS設定画面「BIOSセットアップユーティリティ」が起動します。
2. 次に「F9」キーを押します。「Load Optimized Defaults?」という、デフォルト値に関するメッセージが表示されます。「Yes」を選択しましょう。
3. 次に「F10」キーを押します。「Save configuration and reset?」という、設定の保存に関するメッセージが表示されます。「Yes」を選択しましょう。
システムパーティションはアクティブとしてマークされていない場合、Windows10が起動する直前に「Missing Operating System」というエラーメッセージが表示されるかもしれません。そのため、システムパーティションをアクティブに設定するのはこの問題を解決できるかもしれません。
1. AOMEI Partition Assistantによって作成されたブータブルメディアからコンピューターを起動します。
2. AOMEI Partition Assistantのメイン画面で、ブートパーティションを右クリックし、「詳細処理」⇒「パーティションをアクティブとしてマーク」を順に選択します。
3. 後はブータブルメディアを取り外して、Windowsパソコンが正常に起動するか確認します。
上述のように、Windows10でシステムディスクが認識されない場合、「Operating System Not Found」のエラーが表示されます。BIOS設定画面でOS入りのHDDが認識されるかどうかを確認してください。
1. Windows10パソコンの起動中にF10/F12キーを押します。
2. 「BIOS SETUP UTILITY」(BIOSセットアップユーティリティ)が表示された後、F10/F12を放します。
3. 「Primary IDE Master」(プライマリIDEのマスタ)、「Primary IDE Slave」(プライマリIDEのスレーブ)、「Secondary IDE Master」(セカンダリIDEのマスタ)、及び「Secondary IDE Master」(セカンダリIDEのスレーブ)を確認して、HDDが認識されるかどうかが分かります。
4. 「None」または「Not Detected」が表示されるなら、BIOSはHDDを認識しないことを意味します。こういう時、「None」/「Not Detected」を「Autod」に変更する必要があります。
BIOSで表示される接続デバイスの一覧の中に内蔵HDD/SSDがない場合は、HDD/SSDが故障している可能性があります。この場合はHDD/SSDの交換が必要です。
👉【関連記事】Windows 10でデータを失うことなくHDDを交換する
「Operating System Not Found」と表示される原因の4割以上は、内部のHDDの物理的衝撃や経年劣化、読み書き中の強制終了などが原因で起こる「磁気ヘッド障害」/「モーター破損」です。このような物理障害が起きている場合、内蔵ストレージ(HDD/SSD)が物理的に破損しているため、部品交換やファームウェア修復など専門的な作業を行う必要があります。もし通電時に「カチカチ」「ジージー」といった異音がする場合は「物理障害」の可能性が極めて高いので、直ちに通電をやめてください。症状が悪化する危険があります。
内蔵ストレージ(HDD/SSD)が「物理障害」のほか、「論理障害」も起こしています。
「論理障害」は、HDD自体が壊れていないものの、データを管理する目次が壊れてしまっている「ファイルシステム障害」や、ヒューマンエラー(誤操作)に起因する削除、初期化、フォーマットといった「データ紛失」などの症状を指しています。
市販のデータ復旧ソフト(例えばAOMEI Partition Assistantの「データ復元」や「パーティション復元」)で破損したファイル・データやパーティションを修復できる場合があります。しかし、対処の仕方によってはデータを取り出せなくなるなど、状態が悪化する可能性があるため、トラブル原因がわからない状態では、むやみに操作しないよう注意しましょう。
「Operating System Not Found」と表示されるとき、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか?具体的な4つの注意点について紹介します。
通電・作業は控える:自分でむやみに通電・作業を繰り返すと、状態が悪化してしまう可能性があります。特に物理障害が疑われる場合は自己修復もあまり意味がありません。
強制終了・再起動は控える:PCが起動できなくなってしまうと、一度電源を落として強制終了や再起動を繰り返してみようと考えてしまいますが、実はこれらの作業はPCにとても大きな負荷がかかります。データの記録中に強制終了してしまうと、正常にデータが保存されません。また、再起動を繰り返してしまうとHDD内の部品に負荷がかかり、正常な部品に障害が発生し、障害が悪化してしまう可能性が高くなります。
交換修理はデータが初期化される:多くの方はパソコンを修理するものと思われます。しかし、パソコン修理の際は、基本的に「内蔵ストレージの交換」を前提としている場合も多く、この場合は全ての内蔵データが初期化されることになるため、購入時の状態に戻ってしまいます。ここまで紹介してきた方法でも解決しなかった場合、速やかに大切なデータを取り出して保存することができます。
OSの再インストールはしない:OSの再インストールをすることによって、PCの動作を回復できる、エラーメッセージの対処は可能ですが、保存されているデータはすべて消去されてしまいます。OSの再インストールやリカバリー(初期化)によって削除されてしまったデータはデータ復旧業者の技術力でも復旧が難しくなってしまう可能性があります。OSの再インストールをする際には必ずバックアップを取ってから作業するようにしましょう。
パソコンの不具合はある日突然やってくるものです。不具合といっても様々ですが、黒い画面に白文字で「Operating System Not Found」と表示された場合は正常に起動できなくなります。
このような不具合が起きる原因や解決方法はあるのでしょうか?この記事では、「Operating System Not Found」と表示された場合の意味、原因、解決方法などを紹介しました。
「Operating System Not Found」とエラーが出た時にはHDDやSSDが物理的に故障していることも多く、慎重な対応が求められます。
また、強力なパーティション管理ソフトAOMEI Partition Assistantはディスクをうまく管理するために、上記の機能のほかに、より多くの機能を提供しています。たとえば、ディスク/パーティションのクローン、HDD/SSDの消去、高速パーティション分割、SSDへのOS移行などです。