古い(非対応)PCにWindows11をインストールする方法
「Windows10」のパソコンを「Windows11」へ無料で更新することができますが、PCに求める要件が厳しくて、多くのPCはそのままアップグレードすることが難しいです。今回は、「Windows11」の要件を満たさない「非対応・古いPC」に「Windows11」をインストールする方法(アップグレードとクリーンインストール)をお伝えします。※22H2にも対応します。
Windows11に必要なシステム要件
「Windows10」延長サポートの満了日は「2025年10月14日」です。安全にWindowsを利用するためには「Windows11」への更新が必要です。しかし、Windows11をインストールするためのシステム要件はかなり厳しいです。4年も前のPCになってしまうと、Windows11の対象から外れてしまう可能性があります。
- 【CPU】Intel第8世代~(第7世代の一部)、AMD初代Ryzen~2000シリーズ
- 【メモリ】4GB以上
- 【ストレージ】64GB以上
- 【セキュアブート】UEFI
- 【TPM】TPM2.0
- ......
👍【お見逃しなく!】Windows 11の最小システム要件は何ですか?
Windows11を古いPCにインストールできるのか
本来、古いPCはWindows11の必須要件を満たしていなければ、アップグレードツールやクリーンインストールツールを起動すると「このPCは、Windows11をインストールするための最小システム要件を満たしていません」「このPCではWindows11を実行できません」「このPCは現在Windows11のシステム要件を満たしていません」といったメッセージが表示され、先に進めずWindows11をインストールすることができません。
🥇更新要件を満たさない古いPCは「Windows Update」で以下のようなメッセージが表示されます。「PC正常性チェック」で確認すると、非対応PCでは例えばCPU:Corei5が対象外で公式のアップグレードはできないことが分かります。
🥈もちろんクリーンインストールでも実行することはできません。
しかし、本記事の手順に従うことで、Windows11必須要件を満たしていない古いPCでもWindows11をインストールすることができるようになります。唯一の条件として、CPUが「64bit」に対応している必要があります。「32bit」のCPUを搭載したPCは「Windows11」への更新はできません。
- 💡注意:
- OSが「32bit」でもCPUは「64bit」場合もあるので、ご注意下さい。
- メーカー非推奨のインストール・更新方法となるので、自己責任となります。トラブルに自信のない方はあきらめてパソコンを買いましょう。
Windows11を古いPCにインストールする方法(詳細)
上述のように、マイクロソフトの要件を満たさないパソコンでも、「Windows11」をインストールすることは可能です。古い・非対応PCにWindows11をインストールする場合は、アップグレードとクリーンインストールの二種類の方法(マイクロソフト非公式)があります。
アップグレード | ファイル・設定・アプリを引き継ぐことができます。 |
クリーンインストール | ファイル・設定・アプリを引き継ぐことができません。 |
非サポート・非推奨とは言えWindows11にできることは嬉しいです。Windows10のサポートが終了しても使えるようです。
Windows11にアップグレードする方法
Microsoftの要件を満たさない古いPCでも、Windows11へ無料で強制的に更新する裏技は次の通りです。
手順 1. Microsoftの「Windows11をダウンロードする」ページを開いて、「Windows11ディスクイメージ(ISO)をダウンロードする」下の「ダウンロードを選択」をクリックし、ドロップダウンリストから「Windows11(multi-edition ISO)」を選択し、「ダウンロード」をクリックします。
手順 2. 「製品の言語の選択」で「日本語」→「確認」をクリックし、「ダウンロード」→「Widows11日本語」を確認し、「64-bitダウンロード」をクリックし、任意の場所へファイルを保存します。
手順 3. ダウンロードしたファイルをダブルクリックして、開きます。ファイルの中身を確認します。
- 条件を満たしたPCであれば「Setup.exe」を実行し、メニューを進めるだけ「Windows11」へ更新することができます。
- 要件を満たさないPCで「Windows11セットアップ」を進めると、「このPCは現在Windows11のシステム要件を満たしていません」というメッセージで進めることが出来ません。
手順 4. 以下の画像のように、デスクトップなどで新しいフォルダーを作成し、先ほどのファイルをすべてコピーします。
手順 5. ファイルをすべてコピーした「新しいフォルダー」より、「sources」フォルダをダブルクリックして、開きます。
手順 6. 「appraiserrs.dll」というファイルを右クリックして、「プログラムから開く」を選択します。「メモ帳」を選択して、「OK」をクリックします。
手順 7. 文字化けした文字列がメモ帳に表示されるので、すべて「削除」して「上書き保存」します。
手順 8. 新しく作成したフォルダーの中にある「Setup.exe」をダブルクリックして、「Windows11セットアップ」が表示されるので、「セットアップでの更新プログラムのダウンロード方法の変更」を選択します。
手順 9. 「更新プログラム、ドライバー、オプション機能の入手」画面で、「今は実行しない」を選択して、「次へ」をクリックします。
手順 10. 「適用される通知とライセンス条項」が表示されるので、「同意する」をクリックします。
手順 11. 「インストール準備完了」画像が表示されたら、「インストール」をクリックして、「Windows11をインストールしています」という画面よりインストールが始まります。
インストールが完了すると、「Windows11」が立ち上がります。クリーンインストールではなく、アップグレードを行うので、「Windows11」で利用していたソフトやデータはそのまま移行されています。バージョン情報を確認すると、要件を満たしていない「Windows10」のパソコンを「Windows11の22H2」へ更新することが分かります。
以上で「Windows11」へのアップグレードは完了です。
Windows11をクリーンインストールする方法
Windows11の対象ではない古いPCにWindows11をクリーンインストールする方法は次の通りです。
ステップ①:Windows11インストール用メディア(USBメモリ)を作成する手順
手順 1. USBメモリ(8GB以上の空き領域)をPCに接続します。Microsoftの「Windows11をダウンロードする」ページを開いて、「Windows11のインストールメディアを作成する」下の「今すぐダウンロード」をクリックして、インストールメディア作成ツール(MediaCreationTool)をダウンロードします。
手順 2. ダウンロードした「MediaCreationTool」(mediacreationtool.exe)を管理者として実行します。
手順 3. 適用される通知とライセンス条項に「同意する」をクリックします。
手順 4. 「このPCにおすすめのオプションを使う」にチェックを入れるか、チェックをはずして、「言語」と「エディション」を選択します。「次へ」をクリックします。
手順 5. 「使用するメディアを選んでください」が表示されたら、「USBフラッシュドライブ」を選択し、「次へ」をクリックします。
手順 6. 保存先としての(インストールメディアの作製に使用する)USBドライブを選択し、「次へ」をクリックします。
手順 7. 「USBフラッシュドライブの準備ができました」と表示されたら、USBのインストールメディアの作成は完了です。「完了」をクリックして、画面を閉じます。
ステップ②:古いPCにWindows11をクリーンインストールする手順
手順 1. BIOSのブートメニューで、作成したWindows11インスール用USBメモリから古いPCを起動するように変更します。
手順 2. 「Windowsセットアップ」が起動したら、「次へ」をクリックします。
手順 3. 「今すぐインストール」をクリックします。
手順 4. 「このPCではWindows11を実行できません」と表示されたら、Shiftキー+F10を押して、「コマントプロンプト」を開きます。
手順 5. コマントプロンプトで、「regedit」と入力して、Enterキーを押します。
手順 6. レジストリエディター(regedit.exe)が起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setupに移動します。
手順 7. 「Setup」フォルダを右クリックして、「新規」⇒「キー」の順にクリックして、新しいキー「LabConfig」を作成します。
手順 8. 「LabConfig」フォルダを右クリックして、「新規」→「DWORD(32ビット)値」の順にクリックして、「Labconfig」の下に「BypassTPMCheck」と「BypassSecureBootCheck」という2つの新しいエントリーを作成します。
手順 9. 作成したDWORD(32ビット)値「BypassTPMCheck」と「BypassSecureBootCheck」を右クリックして、「修正」をクリックして、それぞれ「値のデータ」を「1」に変更して、「OK」ボタンをクリックします。
🔊【参考情報】以下の画像のようにHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetupに移動して、新規のエントリーキー「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」を作成することもできます。
これでWindows11の必須要件をごまかすことができるようになります。レジストリエディタとコマンドラインを右上の「☓」で閉じます。「Windowsセットアップ」の最初の画面表示に戻ります。先にすすめるようになっているので、「次へ」⇒「今すぐインストール」ボタンを押します。あとは、Windowsセットアップの指示にしたがってWindows11をインストールしてください。
インストールが完了すると、Windows11の必須システム要件を満たしていないパソコンでも、このようにWindows11がインストールされて普通に動かせるようになります。
Windows11を古いPCにインストールするデメリット
🎯Windows11を古いPCにインストールする操作が面倒で難しいです。
🎯Windows11を古いPCにインストールするのに問題が発生しやすいです。
🎯Windows11をインストールした古いPCをメインPCとして使用することをおすすめしません。
Windows11のポータブルUSBドライブを作成する方法(簡単)
非対応PCでWindows11を使用・実行したい場合、Windows11を古いPCにインストールすることをおすすめしませんが、優れたディスクパーティション管理ソフトAOMEI Partition Assistant Professionalの「Windows To Go Creator」機能を利用して、Windows11をUSBメモリ(外付けHDD)にインストールして、起動可能なポータブルUSBドライブ(ポータブルHDD)を作成することができます。
誰でも簡単に操作することができますし、どのPCでもWindows11を直接使用・実行することができます。もちろん、この方法であるとすれば、古いPCはWindows11の必須要件を満たしている必要がありません。
- ★事前準備:
- 64GB以上のUSBメモリ(推奨):USBメモリ内のデータは、全て削除されます。重要なデータがあれば、サードパーティ製ツールAOMEI Backupper Standardでバックアップを無料で取っておいてください。
- Windows11のISOファイルをダウンロードします。
手順 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロード、インストール、起動します。USBメモリをPCに接続し、認識していることを確認します。
手順 2. ツールバーの「ツール」タブをクリックし、ドロップダウンメニューから「Windows To Go Creator」をクリックして、開きます。
手順 3. 「Windows向け」か「Mac向け」か選択します。一般的に「パーソナルコンピュータ用のWindows To Goを作成」を選びますが、MacでWindows11を使いたいと考えているなら、「Macデバイス用のWindows To Goを作成」を選んで、「次へ」をクリックします。
手順 4. 「インストールディスク/ISOでWindows To Goを作成」にチェックを入れ、あらかじめダウンロードしておいたWindows11のISOイメージファイルを指定・選択します。
手順 5. Windows11のインストール先のUSBドライブを選択します。パソコンに接続されているUSB機器が候補に出てくるので、ここから選びます。
手順 6. 「データが完全に消去される」という警告メッセージが表示されます。事前にバックアップを取っておいたため、「はい」をクリックして作業を開始します。完了までさほど時間はかかりません。
作成したWindows11の起動可能なポータブルUSBドライブ(Windows To Go)を古い(非対応)PCに接続し⇒電源を入れ⇒BIOS設定に入り⇒起動順序を変更(USBメモリを一番最初に読み込むように設定)し、USBドライブから起動すると、Windows11を使用することができます。
🔊【参考情報】また、非対応PCでWindows11を使用・実行するために、AOMEI Partition Assistant Professionalの「OSをSSDに移行」または「ディスクをクローン」機能を使用して、アップグレードまたはクリーンインストールをせずにWindows11を古いPCに直接移行してみることができます。さらに、その「GPTディスクに変換」機能を使用して、古いPCに搭載されているMBRディスクからGPTディスクに変換することもできます。
古いPCにWindows11をインストールすることに関するFAQ
要件を満たさない古いパソコンでも更新できますか?
→Windows10の64ビット版が動作していれば、マイクロソフトの要件を満たさない古いパソコンでも、「Windows11」へ更新することは可能です。
要件を満たさないパソコンでのWindows11アップグレードはライセンス違反ではありませんか?
→元々正規ライセンスを持っていれば、問題ありません。
要件を満たさないパソコンは、Windows Updateが制限される可能性がありますか?
→Microsoft社はその可能性を示唆しています。
動作が重くなりますか?
→Windows10とWindows11の要件に大きな差はないため、これまでと同程度の動作感覚が期待できます。
Windows10のソフトは動きますか?
→Windows10とWindows11の互換性は高いため、大部分のソフトは問題なく動作すると思われます。ただし、ソフトによっては影響がある可能性があるため、更新は自己責任で行ってください。
まとめ
本記事の手順で、Windows11必須システム要件をごまかすと、対象外のパソコンでもWindows11をクリーンインストール、またはWindows11へアップグレードできるようになります。例えば、CPUはCore i5の第4世代、TPM2.0とUEFIセキュア非対応のPCなのですが、ちゃんとWindows11がインストールできています。
ただし、超重要な注意にも書いたとおり、本記事の方法でWindows11をインストールしたパソコンをメインパソコンとして使用するのをおすすめしません。また、これらの方法は正式な手段ではなく、互換性やセキュリティの問題が発生する可能性があります。予算があれば、新しいPCを検討することをおすすめします。
また、AOMEI Partition Assistant ProfessionalでWindows11のポータブルUSBドライブを作成して、USBから起動して、古い(非対応)PCでもWindows11を直接使用・実行することができます。