可変容量の仮想ディスクの利用メリット・作り方・使い方「完全ガイド」

仮想ディスクには「固定サイズ」と「可変容量」の2種類がありますが、日常的なデータ管理やバックアップ用途で特に便利なのが可変容量(動的拡張型)仮想ディスクです。必要に応じて容量が自動で増えるため、ストレージを無駄なく効率的に使えるのが最大の魅力です。本記事では、可変容量仮想ディスクの主なメリット、固定サイズとの違い、Windows 11/10での作成手順を、初心者でも理解しやすいように丁寧に説明します。

ひとみ

投稿者:ひとみ/更新日:2025年11月17日

この記事を共有: instagram reddit

可変容量仮想ディスクとは?

可変容量の仮想ディスクは、Windowsで使えるVHD/VHDX機能の中でも、特に柔軟性が高くて人気のあるタイプです。 「固定容量」のように最初から容量を全部確保するのではなく、保存したデータの量に応じて「あとから自動的にサイズが増えていく」のが最大の特徴です。

例えば、最大100GBとして作成しても、実際に保存されているデータが3GBなら、その時点でのファイルサイズは3GB前後のままです。ほとんどの人にとって、「使う分だけ容量を増やしたい」というニーズに応えてくれるのが、この可変容量VHDXなのです。

可変容量と固定容量の違い

仮想ディスクには「固定容量」と「可変容量」の2つがあります。

固定容量(Fixed) → 100GBで作ると、実際のVHDXファイルも最初から100GB

可変容量(Dynamic / 可変) → 実データに応じて後からファイルサイズが増えていく

つまり、可変容量の最大の特徴は「無駄にストレージを食わない」という点です。 HDDやSSDが小さい人ほど、このメリットはかなり大きくなります。

可変容量仮想ディスクを利用するメリット

可変容量仮想ディスクにはたくさんの良い点があります。まず、ストレージを節約できることです。最大容量が大きくても、実際に使う分だけ物理的なスペースを使うので、無駄に空いているスペースをあらかじめ確保する必要がありません。これによって、ノートPCや小さいストレージの環境でも簡単に仮想ディスクを使うことができます。

次の良い点は、複数の仮想ディスクを簡単に扱えることです。固定容量の場合、作成するときにたくさんのストレージを使ってしまいますが、可変容量なら必要な分だけ大きくなるので、たくさんのVHD/VHDXを作ってもストレージが足りなくなりにくいという特徴があります。

さらに、バックアップや検証、暗号化データの保存などで「必要なときだけ容量が増える」設計はとても便利です。ストレージの管理がしやすく、物理ディスクの空き容量を最大限に活用できる点も大きな魅力です。

Windows 10/11で可変容量の仮想ディスクを作成する方法

可変容量仮想ディスクは、Windows標準機能だけで簡単に作成できます。さらに、より操作しやすいGUIを提供するサードパーティツールを利用することも可能です。ここでは2つの代表的な方法を紹介します。

方法1. 「ディスクの管理」から可変容量を作成する

Windowsの標準ツールである「ディスクの管理」から、可変容量タイプのVHD/VHDXを簡単に作成できます。

1. スタートを右クリックし、「ディスクの管理」を開きます。

2. 上部メニューから「操作」→「VHDの作成」をクリックします。

VHDの作成

3. 保存先フォルダーとファイル名を指定し、ディスク形式をVHDまたはVHDXから選択します。

4. 容量を設定し、「可変容量」を選択して「OK」をクリックします。

仮想ハードディスクの作成と接続

これで可変容量の仮想ディスクが作成され、続けて初期化とフォーマットを行えばすぐに仮想ドライブとして使えるようになります。追加ソフト不要で手軽なため、もっとも一般的な方法です。

方法2. サードパーティツールから可変容量を作成する

AOMEI Partition Assistant Standardなどのツールを利用すると、より直感的で迷いにくい操作で可変容量の仮想ディスクを作成できます。

無料ダウンロードWin 11/10/8.1/8/7
安全かつ高速

1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードしてインストールします。「仮想ディスク」タブをクリックした後、「VHDの作成」オプションを選択します。

VHDの作成

2. 仮想ディスクの場所とサイズを指定できます。「参照」をクリックして、VHDを作成する場所を選択します。仮想ディスクのファイル名を入力し、「保存」をクリックしてください。

VHDを作成する場所を選択

オプションで、「詳細設定」オプションをクリックして、仮想ハードディスクのフォーマットと種類を設定することもできます。(デフォルトでは、VHDX形式と「可変容量」タイプが選択されています。)

詳細設定

3. 仮想ディスクの場所とサイズを設定したら、「OK」をクリックしてVHDの作成を開始します。

VHDの作成を開始

このソフトを使えば、作成後の初期化パーティション作成・サイズ変更までワンストップで実行でき、初心者でも迷わず仮想ディスク環境を整えることができます。

ディスク初期化

パーティションを作成

サードパーティツールのメリットは、作成後の初期化・フォーマット・サイズ変更などが同じ画面でまとめて行える点です。仮想ディスクを頻繁に使う場合や、複数のVHDを管理する環境では特に便利です。

まとめ

可変容量仮想ディスクは、必要なデータ量に応じて自動的にサイズが大きくなるので、ストレージを効率的に使えるとても柔軟な仮想ディスクの形式です。 固定容量と比べると物理ストレージの節約が得意で、いくつかの仮想ディスクを扱う時でも管理が簡単になります。 Windows 10/11では「ディスクの管理」から簡単に作成でき、さらにAOMEI Partition Assistantのようなツールを使えば、直感的に操作して短時間で作成できます。 用途に合わせて最適な方法を選び、可変容量仮想ディスクを使って効率的な仮想環境を作りましょう。

ひとみ
ひとみ・編集者
こんにちは、2023年に入社したひとみです。子供の頃からパソコンに触れるのが好きで、身近な人の「これどうしたらいいの?」という質問に答えているうちに、自然とIT関連の知識を深めてきました。今は、バックアップ&復元、クローン、ディスク&パーティションの管理などを中心に記事を書いています。私の記事は、日常的にパソコンを使う中で「困った」「どうしたらいいの?」と悩んだときに役立つことを目指しています。