Windows 11/10で不要になった仮想ディスクを安全に削除する方法

仮想ディスクは、ファイルとして保存される仮想的なハードディスクで、バックアップやデータの一時保存などに便利です。しかし、不要になった仮想ディスクをそのまま放置しておくと、ストレージ容量を圧迫してしまうことがあります。この記事では、Windows 11/10で仮想ディスクを安全に削除する方法を紹介します。ディスクの管理ツールやエクスプローラーを使って正しく削除する手順を、初心者にもわかりやすく説明します。

ひとみ

投稿者:ひとみ/更新日:2025年11月12日

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仮想ディスクを削除する理由

仮想ディスクを使っているうちに、次のような理由で削除したくなることがあります。

  • 容量不足の解消: 仮想ディスクは容量を多く消費するため、放置するとCドライブが圧迫されることがあります。
  • 不要になったVHD/VHDXファイルの整理: 古いバックアップやテスト環境用の仮想ディスクが残っていると、 無駄なストレージ使用につながります。
  • 誤ってマウントされたままになっている場合の整理: 起動時に自動的にマウントされ、いつまでも残っていることもあります。

削除自体は簡単ですが、手順を誤ると他の重要データを消してしまう危険もあるため、 以下の手順で慎重に進めることが重要です。

注意:仮想ディスクを削除すると、そこに保存されているすべてのデータが失われます。削除する前に重要なデータをバックアップしてください。

仮想ディスクの削除手順(Windows 11/10対応)

それでは実際に仮想ディスクを削除してみましょう。 削除には2段階あります。

1. 仮想ディスクをアンマウント(切断)する
2. VHD/VHDXファイルを削除する

手順①:仮想ディスクをアンマウントする

ディスクの管理ツールで「ディスクの切断」を選択

ステップ 1. スタートボタンを右クリックして「ディスクの管理」を選択します。

ステップ 2. 削除したい仮想ディスクを右クリックして「VHDの切断」を選択します。

VHDの切断

ステップ 3. 「この仮想ハードディスクファイルを削除しない」にチェックを入れて「OK」をクリックします。

この操作で仮想ディスクが安全に切断されます。 アンマウントされると、エクスプローラー上からも仮想ドライブが消えます。もし「VHDの切断」が表示されない場合は、 現在のディスクが物理ディスクであるか、または管理者権限が不足している可能性があります。

エクスプローラーから右クリックで取り出す方法

より手軽に仮想ディスクをアンマウントしたい場合は、エクスプローラー上から直接操作することもできます。こちらは日常的な作業に向いており、数回のクリックで完了します。

ステップ 1. エクスプローラーを開き、対象の仮想ディスクを右クリックして、表示されたメニューから「取り出し」をクリックします。

取り出し

ステップ 2. 数秒待つと、仮想ディスクがエクスプローラーから非表示になり、アンマウントが完了します。

サードパーティツールからより簡単な管理

仮想ディスクを頻繁にマウント・アンマウントするユーザーには、AOMEI Partition Assistant Standardのようなサードパーティ製ツールの使用がおすすめです。この無料ツールは、仮想ディスクの作成・管理・削除・接続・切断といった一連の操作をすべてGUI(グラフィカルインターフェース)で簡単に行うことができます。

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AOMEI Partition Assistantを使ってアンマウントする手順は非常にシンプルです。

接続されたVHDを右クリックし、「VHDの切断」オプションを選択して切断できます。数秒で安全にディスクが切断されます。

プログラムでVHDを切断する

このツールを使う最大のメリットは、初心者でも誤操作なく作業できる点です。特に複数のVHD/VHDXを同時に扱う場合や、ディスクの状態を可視的に確認したい場合に非常に便利です。さらに、アンマウント後にディスクを最適化したり、サイズを変更したりといった追加操作も可能で、仮想ディスク管理の効率が大幅に向上します。

手順②:VHD/VHDXファイルを削除する

切断後、VHD/VHDXファイルはただの通常ファイルになります。 エクスプローラーで該当の場所を開き、 対象のファイルを右クリック →「削除」で完了です。

削除後は「ごみ箱」に一時的に移動されるため、誤削除した場合でも復元可能です。完全に削除するにはごみ箱を空にします。

注意:ファイルが「使用中です」と表示され削除できない場合、 再起動してから再度削除を試してください。

仮想ディスクが削除できない場合の原因と対処法

仮想ディスクの削除は通常はスムーズに行われますが、「削除できません」や「使用中」などのエラーが発生する場合があります。これらのエラーの原因を正しく特定し、適切な対処を行えば、仮想ディスクを安全に削除できます。

原因1. 使用中の状態になっている

最も多い原因は、「仮想ディスクがまだマウントされている」ことです。 つまり、Windowsがそのディスクをまだ利用中の状態になっているため、削除がブロックされます。

もし通常モードで仮想ディスクを削除できない場合は、セーフモードで起動して削除する方法もあります。 セーフモードでは最低限のサービスしか動かないため、仮想ディスクが使用中になる可能性が大幅に減ります。

ステップ 1. ログイン画面でシフトキーを押しながら再起動します。

ステップ 2. 再起動後、「オプションの選択」が表示されるので「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」をクリックします。

スタートアップ設定

スタートアップ設定 再起動

ステップ 3. 状況に応じて、F4、F5、またはF6キーを押してセーフモードに入ります。画面の指示に従ってください。

セーフモードの起動オプション

ステップ 4. 仮想ディスクを削除します。

これで多くの場合、正常に削除できます。

原因2. アクセス権限やファイルロックの問題

次に多いのは「アクセス権限」や「ファイルロック」が原因で削除が拒否されるケースです。

対処法1:管理者権限で削除

エクスプローラー上で削除できない場合は、管理者としてPowerShellまたはコマンドプロンプトを起動し、「del "C:\VirtualDisks\test.vhdx" /f /q」を入力します。これで強制的に削除が実行されます。

対処法2:ロックを解除する

もし他のアプリやサービスがファイルを使用中で削除できない場合、 「Unlocker」や「Handle(Sysinternals)」といったツールを使うことで、 ロックを解除して削除できるようになります。

補足:バックアップソフトや仮想環境ツール(例:Hyper-V、VirtualBox)がVHDXを使っていることもあるため、 該当ソフトを終了してから再試行するのが安全です。

まとめ

この記事では、Windows 10や11で不要になった仮想ディスク(VHDやVHDX)を安全に削除する方法について説明しています。 まず、仮想ディスクを削除する理由として、ストレージの容量が足りなくなったり、古いバックアップを整理したり、誤ってマウントされたまま放置されている仮想ドライブがあることが挙げられます。 削除を行う前には、重要なデータのバックアップを取ることが大切だと注意が促されています。

次に具体的な削除手順と、うまく削除できない場合の原因・対処法について詳しく説明されています。手順としては、①「ディスクの管理」またはエクスプローラーから対象の仮想ディスクをアンマウント(切断)し、②アンマウント後にVHD/VHDXファイルを通常のファイルとして削除する、という2段階の流れが紹介されています。さらに削除ができない場合の理由として、「仮想ディスクがまだ使用中」「アクセス権限/ファイルロックの問題」があり、それぞれセーフモードでの削除、管理者権限でのコマンド実行などの対処法も示されています。

ひとみ
ひとみ・編集者
こんにちは、2023年に入社したひとみです。子供の頃からパソコンに触れるのが好きで、身近な人の「これどうしたらいいの?」という質問に答えているうちに、自然とIT関連の知識を深めてきました。今は、バックアップ&復元、クローン、ディスク&パーティションの管理などを中心に記事を書いています。私の記事は、日常的にパソコンを使う中で「困った」「どうしたらいいの?」と悩んだときに役立つことを目指しています。