BitLockerの暗号化が99.9%で止まる・終わらない原因と対処法
「BitLockerの暗号化が99.9%から進まない…何時間待っても終わらない!」「BitLockerがフリーズしたように見えるけど止めても大丈夫?」こうした問題に悩まされている方へ。この記事では、BitLocker暗号化が途中で止まってしまう原因と、安全に完了させるための対処法を説明します。
BitLockerとは?
BitLocker(ビットロッカー)は、Windowsに標準搭載されているドライブ暗号化機能で、ハードディスクやSSD内のすべてのデータを強力に保護するために使用されます。BitLockerで暗号化すると、PCの盗難や紛失などのリスクがあっても、パスワードや回復キーがなければデータを読み取ることができません。特に企業やセキュリティ意識の高いユーザーにとっては、個人情報や仕事のデータを守るための強力な方法です。
通常、BitLocker暗号化はバックグラウンドでスムーズに進行しますが、まれに「99.9%で止まる」「完了しない」といったトラブルが報告されることがあります。この状態が長時間続くと、ユーザーは「フリーズしたのでは?」と不安になります。
Windows 10 ProでBitLockerを有効にして、SSDの暗号化を始めたのですが、99.9%まで来たところでピタリと止まりました。そのまま一晩放置しても終わらず…。PCを再起動するのも怖いし、中断の仕方も分からないので困っています。どなたか同じような経験をされた方、アドバイスいただけませんか?補足: デバイスの正常性には問題なし。SSDはSamsung製。
- ユーザーからの質問
- BitLockerで暗号化を始めたけど、いつまで経っても終わらない…
- 99.9%で止まったまま何時間も進まない…
このようなトラブル、意外と多いんです。
Windows標準の暗号化機能BitLockerは便利な一方で、途中で暗号化が止まる・進まないという問題が多発します。特に「99.9%でフリーズ」するケースは、ユーザーに大きな不安を与えますよね。この記事では、BitLocker暗号化が99.9%で止まる原因と、実際に効果があった対処法を徹底解説します。
BitLocker暗号化が99.9%で止まる主な原因
BitLockerの暗号化が99.9%で止まってしまう場合、その原因として以下のようなものが考えられます。
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ディスクに不良セクタがある:物理的なディスクエラーが暗号化処理を妨げている可能性があります。
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BitLockerサービスの一時停止:システムやバックグラウンドサービスが一時的に停止していることで、暗号化処理が中断されることがあります。
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バックグラウンドの書き込み/読み取りが干渉している:ウイルス対策ソフトや他のアプリがディスクにアクセスしていると、BitLockerの進行が妨げられることがあります。
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電源のスリープ・休止による中断:PCが暗号化途中でスリープや休止状態に入った場合、処理が止まってしまうことがあります。
BitLockerの暗号化が99.9%で止まる・終わらない時の対処法
こうしたトラブルが発生した際には、以下の対処法を順番に試してみましょう。強制終了や解除を行う前に、慎重な操作が重要です。
方法1. BitLockerの状態をコマンドで確認
まず最初に、暗号化の進行状況とステータスを正確に把握することが重要です。以下のコマンドでBitLockerの状態を確認できます。
ステップ 1. 検索バーに「コマンドプロンプト」と入力し、管理者としてコマンドプロンプトを実行します。
ステップ 2. コマンド「manage-bde -status」を入力し、Enterキーを押します。そして各ドライブの状態が表示されます。そこでBitLockerの有効無効を確認できます。
特定のドライブのBitLockerの状態を確認する場合は、コマンドプロンプトで「manage-bde -status [ドライブ文字]: 」と入力します。例えば、Cドライブの状態を確認するには、コマンドプロンプトで「manage-bde -status C:」と入力し、Enterキーを押してください。
このコマンドは「PowerShell」でも実行できます。「進行中」「保留中」「完了」などの状態が表示され、現在のステータスを確認できます。進行中であれば、しばらく様子を見るという選択肢もあります。
方法2. PCを再起動して再開されるか確認
一時的なフリーズやサービスの停止で99.9%から進まない場合、PCの再起動を行うことで、BitLockerが自動的に処理を再開することがあります。再起動後、先ほどの「manage-bde -status」を再実行して、暗号化が継続されているかを確認しましょう。
※重要:
再起動前にPCがAC電源に接続されていること、バッテリー残量が十分であることを確認してください。
方法3. ディスクエラーをスキャンして修復
ディスクにエラーがあると、BitLockerの暗号化が止まる原因になります。コマンドプロンプトを使って、対象ドライブのエラーをチェックして修復することができます。
(☞゚ヮ゚)☞関連記事:chkdskコマンドでディスクチェックを実行、ディスクエラーを修復
Windowsキー+Rキーを合わせて押し、「cmd」と入力してEnterキーを押します。管理者としてコマンドプロンプトを実行します。
その後、コマンドプロンプトが表示され、「chkdsk C: /f /r」と入力してEnterキーを押します。※「C:」は対象のドライブに置き換えてください。
AOMEI Partition Assistant StandardはWindows chkdskの代替手段であり、本当に操作しやすいし、安全です。AOMEI Partition Assistant Standardは、ディスクパーティション上のエラーをチェックし修復するための無料のディスクパーティションマネージャであり、パソコン初心者までも簡単に操作できる簡潔なインターフェイスを提供し、Windows 11、10、8.1、8、7をサポートしています。では、ここでAOMEI Partition Assistant Standardを使ってディスクエラーをチェックし修復する方法を解説します。
ステップ 1. このソフトウェアをダウンロード、インストール、起動します。チェックしたいディスクのパーティションを右クリック、「詳細処理」をクリック、「パーティションをチェック」をクリックします。
ステップ 2. エラーチェックの方法を選択するウィンドウが表示されます。必要に応じて1つを選択し、「はい」をクリックします。
- ※NOTE:エラーチェックの方法が3つありますので、以下の中から1つを選びます。
- chkdsk.exeコマンドを使用して、ディスクをチェックしディスクエラーを修復します。
- chkdsk.exeコマンドを使用して、ディスクエラーをチェックします。
- パーティション上の不良セクタをチェックします。
ステップ 3. パーティションチェック操作は数秒または数分以内に完了できます。完了後に「はい」をクリックしてこのタスクを終了します。
方法4. 暗号化を一時停止・再開
暗号化が一時的に停止してしまっただけの場合、BitLockerの一時停止と再開を手動で操作することで復旧することがあります。
ステップ 1. スタートボタン右側にある「検索バー」で「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックします。表示されたメニューの中から「管理者として実行」を選択します。
ステップ 2. 次のコマンド「manage-bde -pause C:」を入力して実行し、BitLocker暗号化を一時停止します(C:は保護を中断したいドライブのドライブ文字に置き換えてください)。
ステップ 3. 作業が完了したら、コマンド「manage-bde -resume C:」を入力して実行し、BitLocker保護を再開します。
一時停止してから少し待ち、再開することで暗号化プロセスが再び動き出す可能性があります。
方法5. BitLockerマネージャーを使用
BitLockerの暗号化プロセスが「99.9%」で止まってしまい、何時間待っても完了しないという現象は、多くのWindowsユーザーが経験しているトラブルのひとつです。BitLockerの暗号化が99.9%で止まる・終わらない場合、サードパーティーソフトを試してみることをお勧めします。そこでおすすめしたいのが、BitLockerマネージャー機能を搭載したAOMEI Partition Assistant Professionalです。
AOMEI Partition Assistant Professionalは、多機能で強力なWindowsパーティションマネージャーです。高度なBitLocker機能を備えており、Windows 11/10/8/8.1/7のすべてのバージョン、Homeエディションを含む、と互換性があります。※このソフトウェアのBitLockerマネージャー機能は、Windows 10/11 Pro以降で無料でご利用いただけます。したがって、Windows 10/11 Pro以上の場合は、Standard版で十分です。
(☞゚ヮ゚)☞関連記事:Windows10 HomeでBitLockerを使用する方法(Windows 11にも対応)
このソフトウェアを使用すると、WindowsユーザーはUSBフラッシュドライブ、外付けHDD、内蔵ディスクを暗号化することができます。バックアップの回復キーを作成したり、ロック解除/ロックを行ったり、BitLockerのパスワードを変更したりするなど、効果的なBitLocker管理タスクを実行できます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistant Professionalをインストールして開きます。「ツール」タブに移動し、「BitLocker」を選択します。
ステップ 2. すべてのドライブ(オペレーティングシステムドライブ、固定データドライブ、リムーバブルドライブなど)が表示されたら、暗号化したいドライブを見つけ、「BitLockerを有効化」をクリックします(この例ではDドライブを選択して暗号化します)。
ステップ 3. ドライブを暗号化するためのパスワードを設定・入力してから確認し、「次へ」をクリックします。
ステップ 4. 回復キーをバックアップする方法「ファイルに保存」または「回復キーを印刷」を選択します。
ステップ 5. ドライブの暗号化プロセスには時間がかかる場合があります。プロセスが完了するまで、プログラムを中断したり、ドライブを取り外したり、電源を切ったりしないでください。暗号化プロセスが完了したら、「完了」をクリックしてください。
まとめ
この記事では、BitLockerの暗号化が99.9%で止まる・終わらない原因と対処法について紹介しました。
まずコマンドプロンプトで「manage-bde -status」を実行し、暗号化の進行状況を確認してください。進行中であれば、処理が再開される可能性があるため、PCを再起動して確認することが推奨されます。また、ディスクエラーが原因の場合は、「chkdsk」コマンドやパーティション管理ソフトを使用してディスクのエラーチェックと修復を行うことが有効です。これらの操作により、暗号化プロセスが正常に完了する可能性があります。
それでも問題が解決しない場合は、BitLockerの暗号化を一時停止し、再開することで進行が再開されることがあります。また、BitLockerの代替ソフトとしてAOMEI Partition Assistantを使用して、直感的にBitLockerを管理することができます。
よくある質問
1. 止まったBitLockerを無理に中断したらどうなる?
BitLockerの暗号化や復号が途中で止まった状態で、PCを強制終了したり、電源を切るなどして無理に中断すると、ドライブが「部分的に暗号化された状態」になるリスクがあります。この状態では、OSが正常に起動しなくなったり、データにアクセスできなくなることがあります。
ただし、BitLockerは復旧性を考慮して設計されているため、多くの場合、再起動後に自動的に処理が再開されます。しかし、バッテリー切れや突然の電源断などで破損が起きた場合は、回復キーが必要になったり、最悪データを失う可能性もあります。そのため、中断は極力避け、処理が完了するまで待つのが安全です。
2. BitLockerを強制解除するコマンドは?
BitLockerをコマンドで無効化(=解除)したい場合は、「管理者として実行したコマンドプロンプト」で以下のコマンドを使います:manage-bde -off C:
このコマンドは、Cドライブの暗号化を無効にして、復号処理を開始します。強制的に解除したい場合でも、完全な復号が終わるまでドライブは通常の状態に戻らないため、PCの電源を落とさずに処理を完了させる必要があります。
状況によっては、回復キーの入力が必要になることもあるため、事前にBitLocker回復キーをバックアップしておくことが大切です。
3. BitLockerの暗号化にかかる時間は?
BitLockerの暗号化にかかる時間は、主に次の3つの要素によって変わります:
1) ドライブの容量と使用領域
ドライブ全体の暗号化(フル暗号化)か、使用領域のみを暗号化(空き領域は除外)するかによって大きく変わります。使用領域のみの暗号化は、比較的速く終わります。
2) ストレージの種類
HDDよりもSSDの方が、暗号化処理は速くなります。たとえば256GBのSSDなら、使用領域が100GB程度の場合は1時間以内に完了することもありますが、HDDだと数時間かかる場合もあります。
3) PCの性能(CPU・メモリ)
BitLockerはソフトウェアベースの暗号化処理なので、CPUの性能が高いほど速く終わります。TPM(セキュリティチップ)付きのPCでは処理の安定性も向上します。
一般的に、暗号化中もPCは使用できますが、処理が重くなる場合もあるため、可能ならアイドル状態で放置して完了させるのがおすすめです。