「Windows 10でパーティションを拡張できない…」そんなときの原因と解決策を徹底解説!ディスクの管理ツールやパーティション移動の方法をわかりやすく解説します。
Windows 10でパーティションを拡張しようとした際に、「ボリュームの拡張」がグレーアウトして実行できないことがあります。この問題は、未割り当て領域の位置やパーティションの種類など、さまざまな要因によって発生します。
本記事では、Windows 10でパーティションを拡張できない主な原因を解説し、それぞれの状況に応じた4つの解決策をご紹介します。
Windows 10でパーティションを拡張できない原因として、以下のような問題が考えられます。
►(1) 未割り当て領域が隣接していない
Windows標準の「ディスクの管理」では、拡張したいパーティションのすぐ右隣に未割り当て領域がない場合、拡張することができません。例えば、Cドライブを拡張したいのに、その隣に回復パーティションやDドライブがあると拡張できません。
►(2) パーティションのファイルシステムがFAT32
「ディスクの管理」では、NTFS形式のパーティションしか拡張できません。そのため、拡張したいパーティションがFAT32の場合は、事前にNTFSに変換する必要があります。
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►(3) 拡張するパーティションと未割り当て領域の種類が異なる
ディスクには「プライマリパーティション」と「論理パーティション」の2種類があります。拡張したいパーティションと未割り当て領域が異なる種類になっている場合、「ボリュームの拡張」が利用できません。
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►(4) 回復パーティションが間にある
Windowsのシステム回復パーティションが拡張したい領域と未割り当て領域の間にあると、拡張が妨げられます。この場合、回復パーティションを移動する必要があります。
ここでは、パーティションを正常に拡張するための4つの方法を紹介します。
Windows 10には標準のディスク管理ツール「ディスクの管理」があり、パーティションの拡張が可能です。ただし、以下の条件を満たしている場合のみ、拡張できます。
上記の条件を満たしている場合、「ディスクの管理」を使ってパーティションを拡張できます。
ステップ 1. Windowsキー + Rを押し、「diskmgmt.msc」と入力してEnterを押します。
ステップ 2. 「ディスクの管理」ウィンドウが開き、パーティションの状態が表示されます。
ステップ 3. 拡張したいパーティション(例:Cドライブ)を探します。その右側に「未割り当て領域」があることを確認します。
ステップ 4. 拡張したいパーティションを右クリックし、「ボリュームの拡張」を選択します。
ステップ 5. 「ボリューム拡張ウィザード」が表示されるので、「次へ」をクリックします。
ステップ 6. 拡張に使用する未割り当て領域のサイズを指定し、「次へ」をクリックします。デフォルトでは、利用可能なすべての未割り当て領域が選択されます。
ステップ 7. 「完了」をクリックすると、パーティションの拡張が開始されます。
ステップ 8. 最後は、「ディスクの管理」画面で、パーティションのサイズが増えていることを確認します。
「ボリュームの拡張」がグレーアウトしている場合
「ボリュームの拡張」が選択できない(グレーアウトしている)場合、以下の原因が考えられます。
❌ 右隣に未割り当て領域がない → 方法2(未割り当て領域を移動)を試す
❌ 拡張するパーティションがFAT32 → 方法3(NTFSに変換)を試す
❌ 回復パーティションが邪魔をしている → 方法4(回復パーティションの削除または移動)を試す
「ボリュームの拡張」ができない場合は、次の方法を試してください!
Windowsの「ディスクの管理」では、パーティションの位置を変更できないため、拡張したいパーティションの右隣に未割り当て領域がないと「ボリュームの拡張」がグレーアウトしてしまいます。この問題を解決するには、サードパーティ製のパーティション管理ソフトを使用して未割り当て領域を移動し、拡張したいパーティションの隣に配置する必要があります。ここでは、ワンクリックで空き領域を調整できる機能を持つAOMEI Partition Assistantをおすすめします。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、Cドライブを右クリックして、「ワンクリックで空き領域を調整」を選びます。
ステップ 2. DドライブのスペースをCドライブに追加したい場合、Dドライブの先頭にあるドラッグポイントを後ろに引っ張って縮小し、その空き領域をCドライブに割り当てます。そして「OK」をクリックします。
ステップ 3. 「適用」>「続行」をクリックして、調整プロセスを開始します。
Windowsの「ディスクの管理」では、FAT32形式のパーティションは拡張できません。そのため、拡張するにはまずFAT32をNTFSに変換する必要があります。
ステップ 1. Windowsキー + Rを押し、「diskmgmt.msc」と入力してEnterを押します。
ステップ 2. 「ディスクの管理」ウィンドウが開いたら、拡張したいパーティションを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
ステップ 3. 「全般」タブで、「ファイルシステム」が「FAT32」になっているか確認します。FAT32だった場合、次の手順でNTFSに変換します。
ステップ 4. Windowsには、データを削除せずにFAT32をNTFSに変換するコマンドが用意されています。Windowsキー + S を押し、「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を管理者として実行します。
ステップ 5. 次のコマンドを入力し、Enterを押します。
convert X: /fs:ntfs
ステップ 6. 変換が完了すると、「ファイルシステムがNTFSに変換されました」と表示されます。
ステップ 7. 「ディスクの管理」に戻り、ファイルシステムが「NTFS」になっていることを確認します。
ステップ 8. NTFSに変換後、方法1でパーティションを拡張します。
「ボリュームの拡張」がグレーアウトする原因の一つに、回復パーティションが邪魔をしているケースがあります。回復パーティションが拡張したいパーティションと未割り当て領域の間にあると、拡張作業ができません。この場合、回復パーティションを削除するか、移動することでパーティションの拡張が可能になります。回復パーティションを削除せずに移動する場合、AOMEI Partition Assistantをおすすめします。ここでは、回復パーティションを削除する方法を紹介します。
ステップ 1. Windowsキー + R を押し、「diskmgmt.msc」と入力してEnterを押します。
ステップ 2. 「ディスクの管理」が開いたら、拡張したいパーティションの右隣に「回復パーティション」があるか確認します。もしあれば、削除して未割り当て領域に変換します。
ステップ 3. 回復パーティションは「ディスクの管理」から削除できないため、コマンドプロンプトを使って削除します。Windowsキー + Sを押し、「cmd」と検索し、「コマンドプロンプト」を管理者として実行します。
ステップ 4. 次のコマンドを順番に入力し、Enterを押します。
diskpart
list disk(ディスクの一覧が表示されるので、対象のディスク番号を確認します。)
select disk 0(対象のディスクを選択します。)
list partition(パーティションの一覧が表示されるので、回復パーティションの番号を確認します。)
select partition X(回復パーティションを選択します。)
delete partition override(回復パーティションを削除します。)
ステップ 5. 「ディスクの管理」に戻り、回復パーティションが未割り当て領域に変わったことを確認します。
ステップ 6. 削除後、方法1でパーティションを拡張します。
Windows 10でパーティションを拡張できない場合、多くは未割り当て領域の位置やファイルシステムの制限が原因です。本記事で紹介した4つの方法を試せば、多くのケースで拡張が可能になります。「ディスクの管理」を使う方法、未割り当て領域を移動する方法、FAT32をNTFSに変換する方法、回復パーティションを削除・移動する方法の中から、ご自身の状況に合った解決策を実行してください。