Windows 11/10/8/7でM.2 SSDを簡単かつ安全にクローンする方法は何ですか?この記事では、サードパーティ製のM.2 SSDクローンソフトを使って、SATA M.2 SSDをNVMe M.2 SSDにクローンする方法を詳しくご紹介します。また、クローンしたM.2 SSDからWindowsのコンピューターを起動することもできます。
従来のハードディスク(HDD)にかわる記憶媒体として急速に利用が拡大しているのがSSDとなります。SSDは、パソコンに接続するインターフェースとしてさまざまなものに対応していますが、その中で最近使われ始めているのがM.2 SSDと呼ばれるものです。しかし、M.2 SSDは他のSSDとどのように異なっているのでしょうか。次はM.2 SSDについて、そのメリットや注意点などをご紹介します。
M.2(エムドットツー)とは、コンピュータの拡張カードにおいて接続端子となる規格(Intel 9シリーズ以降のマザーボードに採用された新しい規格)のことで、Serial ATA(シリアルATA)やPCIe(PCI-Express:パソコンの拡張スロットなどの接続規格)に対応するなど、機能性や柔軟性に優れています。
「M.2規格を接続端子としたSSD」を「M.2 SSD」と呼びます。接続はスロット式(ケーブルを用いず、直接マザーボードへ差し込む方式)を採用していて、基盤がむき出しになったような形が一般的です。またM.2端子はコンパクトな形状で、SSDそのものや採用する機器本体の小型化・軽量化にも寄与しています。
M.2にはどのようなメリットがあるでしょうか。次は、M.2 SSDが持つメリットについてご紹介します。
M.2 SSDは、従来の2.5インチSSDやモバイル型ノートPCで使われてきたmSATAよりも、さらにコンパクトな特徴を持っています。mSATA SSDは小型のカードのような形状で、約30mmの幅がありますが、M.2 SSDは細長いスティック状で幅が約22mm、さらに小型化されていることが分かります。
マザーボードのベイを占有しないという利点もあり、小型化が求められるモバイルノートPCやタブレット端末だけでなく、最近ではデスクトップPCでもM.2 SSDが採用されるケースが増えています。
M.2 SSDのメリットとして、インターフェイス次第でデータ転送速度を向上させられる点も挙げられます。特に、PCIe(NVMe)接続を採用したM.2 SSDは、その最大転送速度が「理論上40Gbps」となります。
それに対して、以前から存在する規格である「SATA3」(Serial ATA 3.0)の最大転送速度は6Gbps(理論値)とされているので、M.2を採用すれば、約7倍も最大転送速度が向上することになります。実際の転送速度は使用環境によって影響を受けますが、大容量のデータのインストールや移動が頻繁な場合には、M.2 SSDの採用が非常におすすめです。
メリットが多いように見えるM.2ですが、確認や注意が必要なポイントもあります。M.2 SSDの購入・導入に際して、どのような点に注意すればよいでしょうか。
M.2 SSDの接続コネクタは、大きくM-keyとB-key、B&M‐keyの3種類に分けられ、種類によって切り欠きの位置が異なります。マザーボードのスロットとM.2 SSDのコネクタ形状が異なると動作しないため、使用しているパソコンのマザーボードがどのコネクタに対応しているのか確認が必要です。
M.2 SSDは、基盤の種類によって3種類の長さのものに分けられます。
基盤のタイプ | M.2 type2280 | M.2 type2260 | M.2 type2242 |
サイズ(mm) | 22 × 80 | 22 × 60 | 22 × 42 |
M.2端子の幅は約22mmとなりますが、奥行きは製品によって異なります。主流となっているのは「奥行き80mm」のものですが、「奥行き42mm」や「奥行き60mm」といったサイズの製品もあるため注意が必要です。M.2のサイズは、スペック表やカタログに「○○2280」などと表記されていることが多いです。購入の際は、マザーボードのスペースに収まるサイズかどうかを確認するようにしましょう。
M.2 SSDは、接続方式(インターフェース規格)からSATA接続とPCIe(NVMe)接続の2種類に大きく分けることができます。SATAを採用しているM.2 SSDの場合、データ転送速度は従来のSSDと同じです。つまり、M.2を採用したからといって必ず高速化するわけではありません。データの転送速度を速くしたい場合は、PCIe(NVMe)接続を採用している製品を選ぶ必要があります。
また、PCIe(NVMe)接続のM.2 SSDを採用する際は、PCIeのレーン数や世代も確認しておきましょう。基本的には、記載してある世代やレーン数が大きいほど転送速度も速いです。
PCIe接続を使用しNVMeが採用されているM.2 SSDは、データ転送速度が非常に高速な反面、温度が高くなりやすいというデメリットがあります。特にM.2 SSDはサイズが小さいため発熱対策が難しく、データの書き込みや読み出しを長時間続けると温度が高くなりやすいです。温度が高くなると、SSDは処理能力を落として熱暴走を避けようとするため、データ転送速度が低下する恐れがあります。M.2 SSDを使用する際は、ヒートシンクやファンでSSDを冷却するなど、発熱対策が必要です。
M.2 SSDは大きく分けて以下の2つの接続の種類があり、端子部の切り欠きによって判断できる仕様です。
❀一般的に下位互換があり、以下の対応となりますが、製品によっては互換を制限している場合があるので、製品のホームページなどでご確認ください。
SATAの規格は従来からHDDや3.5インチSSDでも使われてきたもので、M.2での接続に対応しているものがあります。
メリット:
✔省電力
✔発熱が少ない
✔値段が安い
✔PCIe(PCI-Express)のレーン数を使用しない
デメリット:
✖容量単価が高い
✖読み込みや書き出しが遅い
主にPCI-Express接続を用いて、高性能や高速化を重視するユーザーに大変人気があります。
メリット:
✔読み込みや書き出しが圧倒的に速い
デメリット:
✖価格は高い
✖発熱量が大きい
M.2 SSDは接続方式がいくつかあり、種類によって性能や大きさも異なります。「M.2 SSDを選べばデータ転送速度が上がる」とは限らず、適当に選んでしまうと、「性能が上がらなかった」「使用しているマザーボードが対応していない接続方式だった」という事態にも陥りかねません。製品の種類ごとの特長をしっかり踏まえ、ご自身が求めている要素を実現するための選択を心がけることが大切です。
一般的に、SSDはより優れた性能を持っているため、HDDをSSDにクローンしてアップグレードしようとする人は少なくないでしょう。また、容量を増やすために、小容量SSDから大容量SSDにクローンして交換・換装しようとする人も少なくないでしょう。
同様に、NVMe M.2 SSDの転送速度が圧倒的に速いので、高性能や高速化を重視する人は、SATA M.2 SSDをNVMe M.2 SSDにクローンして交換・換装するしようとするでしょう。こうすると、パソコンやシステムを高速化、起動時間を短く、読み込みや書き出しを速くすることができます。
次は強力なM.2 SSDクローンソフトを利用して、SATA M.2 SSDをNVMe M.2 SSDに交換・換装する方法を詳しくご紹介しましょう。
SATA M.2 SSDをNVMe M.2 SSDに交換・換装するために、手動でOSをインストールし直すの(クリーンインストール)ではなく、アプリケーションを使ってクローンを作るのは、最も簡単な方法です。
ここでは、強力なM.2 SSDクローンソフト「AOMEI Partition Assistant Professional」を強くお勧めします。Windows 11/10/8/7(32ビット&64ビット)に対応します。SATA、PCI Express、U.2などのインターフェース(接続規格)採用のHDD/SSDをクローンすることができます。例えば、M.2 SSDからM.2 SSDへ、M.2 SSDからSATA HDDへ、SATA HDDからNVMe SSDへクローンすることができます。
2種類のディスククローン方式:「ディスクの高速クローン」は使用済みのセクタだけをクローンするため、大容量から小容量へクローンすることができます。「セクタ単位のクローン」は全てのセクタ(記憶領域)を別のHDD/SSDにクローンするため、時間がかかります。
SSDの性能を最適化:M.2 SSDの4Kアライメント調整を行って、PCのパフォーマンスを向上させることができます。
正常に起動:クローン後、BIOSの設定で起動順位の変更を行えば、クローンしたSSD(クローン先のSSD)から正常に起動することができます。
次は、SATA M.2 SSDをNVMe M.2 SSDに交換・換装する方法を詳しく解説しましょう。
まず、お使いのコンピュータにM.2 SSDスロットが利用可能であることを確認する必要があります。次に、対象のM.2 SSDをコンピュータに接続し、それはBIOS、デバイスマネージャー、ディスク管理で認識されることを確認する必要があります。必要があれば、新しく取り付けたSSDをGPTとして初期化します。
NVMe M.2 SSDをコンピュータに取り付けた後、必要があれば、クローン先のSSDをバックアップしてください。そして、以下の手順に従って、M.2 SSDのクローンを作成しましょう。
手順 1. AOMEI Partition Assistant Proをダウンロード、インストール、起動します。
手順 2. ソースM.2 SSD(SATA M.2 SSD)を右クリックし、「ディスクをクローン」を選択します。
手順 3. NVMe M.2 SSDをターゲットドライブとして選択します。
手順 4. 確認画面に移動し、ソースドライブ(クローン元)とターゲットドライブ(クローン先)を確認します。問題なければ「確認」ボタンをクリックします。
「設定」をクリックし、ターゲットドライブのパーティションを編集することができます。
大容量からHDD(またはSSD)小容量HDD(またはSSD)へクローンする時、「パーティションのサイズを変更せずにクローン」はグレーアウト表示されます。
「コピー先に合わせる」は、クローン先のSSD上のパーティションを自動的に調整します。大容量から小容量へのクローンも使用可能です。
「手動で編集する」を使用すると、左または右にスライドして、1度に1つのパーティションのサイズを変更することができます。
ここでは「コピー先に合わせる」を選択して「保存」をクリックします。
「4Kアライメント」チェックボックスにチェックを入れる必要があります。
「セクタ単位のクローン」は、すべてのセクタ(未使用セクタを含む)をクローン・コピーすることができます。ここでは「セクタ単位のクローン」にチェックを入れずに「ディスクの高速クローン」を実行します。
手順 5. 最後は、クローン操作の結果をプレビューして問題がなければ「適用」をクリックします。
※M.2 SSDのOSだけをクローンしたい場合、「OSをSSDに移行」機能を試すことができます。
SATA M.2 SSDからNVMe M.2 SSDへのクローンが完了したあと、クローンしたSSDからPCを起動するために起動順位を変更する必要があります。
手順 1. コンピュータを再起動し、画面に何も映っていないうちに、F10キーやDeleleキーなどを押してBIOSセットアップメニューに入ります。
手順 2. BIOSが開いたら、ブート設定にアクセスします。上に表示されているドライブから優先的に起動するようになっています。
手順 3. クローンしたNVMe M.2 SSDの起動順序をSATA M.2 SSDよりも優先することで、そのメディアから起動することができます。
手順 4. Enterキー・カーソルキー・Escキーなどで操作します。Save&Exitで保存して、BIOSから出ます。その後、変更された設定でコンピュータは再起動します。
上述のM.2 SSD交換・換装方法は、2つのM.2スロットを利用してデータをコピーするものですが、お使いのコンピュータにM.2スロットが1つしかない場合にはどうしたらいいですか?
クローン先のNVMe M.2 SSDをSATA-USB変換アダプタに接続し、アダプタをノートPCのUSBポートに差し込みます。すると、ノートパソコンはNVMe M.2 SSDを外付けハードディスクとして認識します。そして、クローン作成を行うことができます。クローン作成後、SATA M.2 SSDをパソコンから取り外し、NVMe M.2 SSDをコンピュータに取り付けます。
まず、AOMEI Backupper StandardのようなバックアップフリーソフトでNVMe M.2 SSDをバックアップして、外付けドライブ・ストレージ(例えば、USBメモリ・フラッシュドライブ)、NAS、共有フォルダなどにバックアップを保存します。その後、起動可能なUSBを作成します。SATA M.2 SSDをパソコンから取り外し、NVMe M.2 SSDをコンピュータに取り付けます。起動可能なメディアからコンピュータを再起動します。最後に、WinPE環境でバックアップしたファイルをNVMe M.2 SSDに復元します。
M.2 SSDは、小型ノートパソコンなどの普及に合わせて、ストレージ用の面積を小型化することを目的に開発されました。マザーボードと拡張カードを接続するM.2は、従来あるさまざまなインターフェース規格(高速の「PCI-E接続」と低速の「SATA接続」の両方)に対応しています。
この記事では2つのM.2スロットがある場合、SATA M.2 SSDをNVMe M.2 SSDにクローンして交換・換装する方法を紹介しました。また、M.2スロットが1つしかない場合の対処法も提供しています。M.2 SSDのクローン作成だけでなく、AOMEI Partition Assistant ProfessionalはWindows PCでUSBメモリ、SDカードなどのクローンを作成することもできます。
Windows Server 2022/2019/2016/2012でM.2 SSDをクローンするには、AOMEI Partition Assistant Serverを使用することができます。