バックアップ用の仮想ディスクの作り方を完全解説
データを安全に管理するためにバックアップを作成したいものの、外付けHDDやUSBを頻繁に使うのは面倒…という人も多いのではないでしょうか。そんなときに便利なのが、Windows標準機能で作成できる仮想ディスクです。バックアップ用の仮想ディスクを作成しておけば、パソコン内にバックアップ専用領域を持てるうえ、必要に応じてマウント/解除が簡単です。物理ストレージを追加しなくても柔軟に運用できるため、初心者にもおすすめの方法です。この記事では、Windowsでバックアップ用途に向いた仮想ディスクの作り方をわかりやすく説明します。
パソコンのバックアップを取る方法はいくつかありますが、その中でも「仮想ディスクをバックアップ用に使う」方法は、ここ数年で一気に人気が高まっています。 理由はシンプルで、物理ディスクを買わなくても、既存のストレージの中に仮想的なドライブを作り、そこへ安全にデータを保存できるからです。
特にWindows 10・Windows 11では、標準で「VHD」「VHDX」という仮想ハードディスク機能が使えるため、追加アプリなしで手軽にバックアップ領域を作成できます。 さらに、最近は Partition Assistant のような専用ツールを使えば、初心者でも数クリックでプロ並みの仮想ディスク管理ができるようになりました。
この記事では、仮想ディスクの仕組みから、バックアップに使うメリット、Windowsでの作成手順、そしてPartition Assistantによる最も簡単な方法まで、誰でも迷わずできる形で丁寧に解説します。
バックアップに仮想ディスクを使うメリット
仮想ディスクとは、物理ディスクの代わりにファイルとして存在する仮想的なハードディスクのことです。 簡単に言えば、1つの巨大なファイルの中にフォルダ・ドライブを作り、それをWindowsに「本物のドライブ」として認識させる仕組みです。
バックアップ用に仮想ディスクを利用する最大のメリットは、物理ドライブを追加購入しなくてもバックアップ領域を柔軟に確保できる点 です。必要な容量に応じて可変的に拡張できるため、保存先が不足するリスクを抑えることができます。
また、バックアップデータを「1つのファイル」として管理できるため、移動・コピー・暗号化が簡単です。バックアップ用ディスクを分離して管理できるので、万が一のマルウェア感染や誤操作による削除のリスクを軽減できます。
さらに、バックアップファイルをクラウドへアップロードしたい場合も、仮想ディスクを丸ごとアップロードするだけで済み、管理性が大幅に向上します。
仮想ディスク作成前に決めておくべき設定
1. VHDとVHDXのどちらを選ぶべきか
バックアップ用途ならVHDXが必須です。
理由は:
- 破損に強い
- サイズ拡張が高速
- Windows 10/11で最適化されている
- SSDとの相性が良い
一方、VHDは時代遅れであり、互換性が必要な場合にのみ必要になります。
2. 最大容量の決め方(用途別おすすめ容量)
用途別の推奨容量は次の通り:
| 用途 | 推奨容量 |
|---|---|
| ドキュメント・写真 | 30〜100GB |
| 動画・大量データ | 100〜500GB |
| システムバックアップ | 150〜300GB |
| 開発・検証 | 200GB〜1TB |
よくわからない場合は、200GBの可変容量VHDXが安全です。
3. 保存場所(物理ドライブ)の選び方
最適な保存先は次の順番。
- 外付けSSD/HDD(一番安全)
- PC内のDドライブなど別パーティション
- Cドライブ(空き容量が十分にある場合のみ)
Cドライブに保存すると容量残りが圧迫されやすいので注意してください。
Windows標準機能でバックアップ用仮想ディスクを作成する方法
Windows 10/11 には仮想ディスクの作成機能が標準搭載されており、追加ソフトなしでバックアップ用ディスクを準備できます。
1. スタートを右クリックし、「ディスクの管理」を開きます。
2. 上部メニューから「操作」→「VHDの作成」をクリックします。
3. 保存先フォルダーとファイル名を指定し、ディスク形式をVHDまたはVHDXから選択します。
4. 容量を設定し、「可変容量」を選択して「OK」をクリックします。
Partition Assistantで仮想ディスクを簡単に作成する方法
より簡単に仮想ディスクを作りたい場合は、AOMEI Partition Assistant Standardを使うと操作が直感的で、初心者でも迷わず作成できます。
1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードしてインストールします。「仮想ディスク」タブをクリックした後、「VHDの作成」オプションを選択します。
2. 仮想ディスクの場所とサイズを指定できます。「参照」をクリックして、VHDを作成する場所を選択します。仮想ディスクのファイル名を入力し、「保存」をクリックしてください。
オプションで、「詳細設定」オプションをクリックして、仮想ハードディスクのフォーマットと種類を設定することもできます。(デフォルトでは、VHDX形式と「可変容量」タイプが選択されています。)
3. 仮想ディスクの場所とサイズを設定したら、「OK」をクリックしてVHDの作成を開始します。
このソフトを使えば、作成後の初期化・パーティション作成・サイズ変更までワンストップで実行でき、初心者でも迷わず仮想ディスク環境を整えることができます。
まとめ
バックアップ用の仮想ディスクは、物理ディスクを増やすよりも柔軟で管理がしやすく、バックアップデータを安全に守るための良い方法の一つです。 VHD/VHDX形式で保存されるので、移動や暗号化が簡単で、バックアップの信頼性も高まります。 Windowsの標準機能でも十分に作成できますが、もっと簡単で効率的に準備したいなら、AOMEI Partition Assistantのようなサードパーティツールを使うと、初期設定から管理までスムーズにできます。 バックアップの質と管理の効率を上げるためにも、自分の用途に合った仮想ディスクを作り、定期的にバックアップを行うことが大切です。