SSDを安全にクリーンアップする方法を徹底解説。重要性や準備、手動での整理、専用ツールの活用方法まで、初心者でも安心して実践できる内容です。
SSD(ソリッドステートドライブ)は、パソコンのパフォーマンスを大きく左右する重要なパーツです。しかし、使用を続けるうちに不要なファイルが蓄積し、動作が遅くなることがあります。特に初心者にとっては「どうやって安全にクリーンアップすればいいのか?」という疑問がつきものです。
以下では、SSDのクリーンアップを行う理由や、実施しない場合に生じる問題について詳しく説明します。
パフォーマンスの低下を防ぐ |
SSDは、データが書き込まれる際に空きスペースを必要とします。しかし、不要なファイルや一時ファイルが蓄積すると空き容量が減少し、新しいデータの書き込み速度が低下します。 特に、空き容量が20%を下回ると、SSDはデータ管理に余分な処理を行う必要があるため、速度が大幅に低下することがあります。 |
ストレージ容量の効率的な活用 | 使用していないアプリケーションや重複したファイルがSSDに残っていると、必要なデータの保存スペースを圧迫します。これにより、新しいデータやアプリケーションを追加する余裕がなくなることがあります。 |
寿命を延ばすため | SSDの寿命は、書き込み回数に依存します。不要なファイルをクリーンアップすることで、不必要な書き込み作業を減らし、寿命を延ばすことが可能です。 |
◉動作が遅くなる
SSDの空き容量が減少すると、データの読み書き速度が低下します。特に、容量がほぼいっぱいの状態では、SSDが内部でデータの整理(ガベージコレクション)を頻繁に行うため、レスポンスが遅くなることがあります。
◉システムの不安定化
一部のSSDは、空き容量が少ないとファームウェアの動作が不安定になることがあります。その結果、OSのフリーズや突然のクラッシュといった問題が発生する可能性があります。
◉重要なデータの保存スペースが不足
必要なデータやアプリケーションを保存できない状態になると、外部ストレージを追加購入する必要が出るなど、余計なコストがかかります。
◉SSDの寿命が縮む
不要なファイルが多い状態で放置すると、SSD内部のセルが過剰に書き換えられ、寿命が短くなる可能性があります。 例えば、仮想メモリ(ページファイル)やキャッシュの一時データが溜まり続けると、SSDに不要な負荷がかかります。
►動作速度の回復
不要データを削除し、SSDの空き容量を確保することで、データの読み書き速度が向上します。特に、ゲームや動画編集といった容量を多く消費する作業では効果が顕著です。
►システム全体の快適さ向上
SSDはOSやアプリケーションの起動ディスクとして使われることが多いため、クリーンアップによってシステム全体の動作がスムーズになります。
►ストレージの寿命延長
定期的なクリーンアップで書き込み回数を抑えることにより、SSDの劣化速度を遅らせることができます。
補足情報:SSDはHDDと違う管理が必要
SSD(ソリッドステートドライブ)とHDD(ハードディスクドライブ)は、データを記録する仕組みが異なるため、管理方法にも違いがあります。
✦記録方式の違い
HDD:回転する磁気ディスクにデータを記録します。物理的な動作が中心のため、断片化が発生するとデータ読み書き速度が低下します。
SSD:フラッシュメモリを使用して電気的にデータを保存します。物理的な可動部分がないため、断片化の影響を受けません。
✦データ書き換えの制限
HDD:同じ場所に何度でもデータを書き込むことが可能で、書き換え回数による劣化を気にする必要はありません。
SSD:SSDのフラッシュメモリセルには、書き換え回数に上限があります(一般的に数千〜数万回程度)。書き換え回数の上限に達すると、そのセルはデータを書き込めなくなり、使用できない状態になります。この状態を「セルの劣化」または「寿命の到達」と呼びます。これ以上の使用は信頼性に欠けるため、新しいSSDに交換することをおすすめします。
✦空き容量の影響
HDD:単純に空き容量があればパフォーマンスへの影響は少なくなります。
SSD:データが削除された後もセルを物理的に上書きする必要があり、空き容量が少ないとパフォーマンスが低下します。
結論:SSDはHDDと比べて高速で信頼性が高い一方で、独自の管理が必要です。SSDを最適な状態に保ち、その寿命を大幅に延ばすことができます。
SSDを安全にクリーンアップするには、準備と手順が重要です。このセクションでは、クリーンアップを始める前の準備、手動での方法、専用ツールを使った方法に分けて詳しく解説します。
►バックアップの作成
クリーンアップ中に誤って必要なデータを削除するリスクを防ぐため、重要なデータは必ず外部ストレージやクラウドサービスにバックアップを取っておきます。おすすめの方法は次の通りです:
バックアップソフト:大量のデータを迅速に保存できます。
クラウドストレージ:Google DriveやDropboxを活用すると、インターネット経由でどこからでもアクセス可能です。
►不要ファイルの確認と分類
削除可能なファイル:古い一時ファイル、ダウンロードフォルダに残ったインストール済みのソフトウェアなど。
不要かもしれないファイル:大きなデータ(例:動画、古い写真)を他の場所に移動するか削除するか検討します。
►TRIMコマンドの確認
TRIM機能が有効か確認します。TRIMは、削除済みファイルの領域を最適化してSSDのパフォーマンスを維持します。
確認方法:管理者権限でコマンドプロンプトを開き、「fsutil behavior query DisableDeleteNotify」と入力します。結果が「DisableDeleteNotify = 0」ならTRIMは有効です。
手動でのクリーンアップはコストがかからず、細かく管理できる点が魅力です。以下のステップで進めます:
ステップ 1. ゴミ箱を空にする:SSDの容量を確保する第一歩です。ファイルを削除してもゴミ箱に残ったままだと、ストレージを圧迫します。
ステップ 2. 一時ファイルの削除:Windowsでは「ディスククリーンアップ」ツールを利用できます。
削除方法:スタートメニューで「ディスククリーンアップ」を検索して開き、削除する項目(例:一時ファイル、ダウンロードされたプログラムファイルなど)を選択して実行します。
ステップ 3. 不要なアプリケーションをアンインストール:使わなくなったアプリケーションがSSDにインストールされている場合、これを削除することで空き容量を確保できます。
ステップ 4. 大容量ファイルの整理:大容量の動画ファイルや画像データを外部ストレージやクラウドに移動します。これにより、SSDの空き容量が大幅に増えます。
手動では管理が難しいファイルやシステムの隠しデータを効率的に削除し、SSDをリセットするには、専用ツールAOMEI Partition Assistantを使用するのがおすすめです。このツールは、SSDを工場出荷時の状態にリセット(完全初期化)し、元のピークパフォーマンスに戻すことができます。
ステップ 1. SSDのデータをバックアップします。
ステップ 2. AOMEI Partition Assistantを起動し、メイン画面の上部にある「消去」をクリックして、「SSDの完全消去」を選びます。
ステップ 3. 完全消去に関する注意事項をよく読み、「次へ」をクリックします。
ステップ 4. 消去したいSSDを選択し、「次へ」をクリックします。
ステップ 5. 誤ってSSDを消去しないように、SSDの識別情報を再確認してください。下の画面でSSDがフリーズしていることがわかります。このロックを解除できない場合は、SATAケーブルを抜いて再接続してください。
ステップ 6. SSDを再接続した後、完全消去を再度試みてください。完全消去はほぼすぐに完了します。
完了後、SSDは未割り当て領域として表示されます。この完全消去により、SSDからすべてのデータが完全に消去され、SSDがリセットされます。最後はバックアップからデータを戻します。
もちろん、SSDの完全消去ではなく、ジャングファイルのクリーンアップもできます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistant上部メニューから「空間を解放」を選び、「PCクリーナー」をクリックします。
ステップ 2. 次に表示されるウィンドウで「スキャン開始」を押します。
ステップ 3. スキャンが始まったら、プログレスバーが表示されるまで待ちます。
ステップ 4. スキャンが終わると、削除可能なジャンクファイルのリストが表示されます。不要なデータが自動的に選ばれます。「すべてをクリーン」をクリックして削除できます。
ステップ 5. PCのクリーンアップが終わったら、「戻す」をクリックして作業を終了します。
「SSDの完全消去」と「PCクリーナー」以外にも、「重複ファイルファインダー」機能や、「大容量ファイルを削除」機能、「ディスクデフラグ(HDD用)」機能などがあり、PCの動作を軽くし、パフォーマンスを大幅に改善することができます。
SSDをクリーンアップすることで、パフォーマンスが向上し、寿命も延びます。本記事では、初心者向けにその重要性と具体的な方法を解説しました。クリーンアップ前の準備をしっかり行い、手動での整理や専用ツールを使って安全に不要ファイルを削除することで、SSDを最適な状態で維持できます。定期的なメンテナンスを習慣化して、快適なPCライフを楽しみましょう!