Windowsでデータを安全に完全消去したい方必見!おすすめ消去方法と注意点を初心者向けに紹介。
「パソコンを初期化したから、もうデータは完全に消えたはず」と思っていませんか?
実は、一般的な削除や初期化だけでは、データはHDDやSSD上に残っており、誰かに復元されてしまうリスクがあります。これは、中古PCを売却したり、会社のパソコンを廃棄したあとに、情報漏えいが発生する原因のひとつです。
とくに現在、個人情報の取り扱いに対する意識や法律もますます厳しくなってきており、「データを完全に消す」ことの重要性は高まる一方です。
本記事では、Windowsパソコンをお使いの方向けに、
▸復元されないようにデータを完全消去する方法
▸手軽にできる3つのおすすめ手段
▸実行前に注意すべきポイント
をわかりやすく解説いたします。
パソコンを手放す予定のある方や、「消したはずのデータが不安…」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
パソコンのデータを削除する方法にはいくつか種類がありますが、「削除した=データが完全に消えた」というわけではありません。実は、見た目には消えているように見えても、データ自体はハードディスクやSSD上に残っていることがほとんどです。
● 普通の削除(ゴミ箱やShift+Deleteなど)
操作例:右クリックで削除/ゴミ箱に入れる/Shift+Deleteで直接削除
実際の状態:ファイル管理情報(インデックス)だけが消え、中身(データ本体)はそのまま残っている
結果:専用の「データ復元ソフト」を使えば、高確率で元のデータが復元可能
これは、図書館で「本の目次カードだけを取り除いた」ような状態です。本そのものは棚に残っているため、探そうと思えば探せてしまう、というイメージです。
● 完全消去(データ本体も復元できないようにする方法)
方法例:上書き消去ソフトの使用/ドライブのクリーンアップ付きリセット/物理破壊など
実際の状態:ファイル本体のデータ領域にもランダムなデータが何度も上書きされるため、読み出し・復元が不可能に
結果:データ復元ソフトを使っても、情報の復元が困難または完全不可能
特にHDDでは、上書き処理によって物理的に情報が書き換えられるため、「痕跡ごと消す」ことができます。SSDでは仕組みが異なるため注意点もありますが、後述の方法で対応可能です。
ここでは、データを完全消去できる方法3つを詳しく説明します。
Windowsには、標準機能として「このPCをリセットする」という便利な機能が搭載されています。この機能を使えば、インストールされていたアプリやファイルを削除し、Windowsを初期状態に戻すことができます。
ステップ 1. 画面左下の「スタートボタン」をクリックし、「設定(歯車のアイコン)」を開きます。
ステップ 1. 左側のメニューから「システム」を選び、その中にある「回復」をクリックします。
ステップ 2. 「このPCをリセット」という項目の右にある「PCをリセットする」をクリックします。
ステップ 3. 2つの選択肢が表示されます:「すべて削除する」「個人用ファイルを保持する」。ここでは、「すべて削除する」を選びます。
ステップ 4. 「ローカル再インストール」または「クラウドダウンロード」を選び、「ファイルを削除してドライブのクリーニングも実行する」を選びます。
ステップ 5. 最終確認画面が表示されたら、「リセット」をクリックして処理を開始します。
Windowsの「このPCをリセットする」機能でもある程度のデータ削除は可能ですが、より高度で確実な消去を求める場合は、データ消去専用ソフトの利用がおすすめです。AOMEI Partition Assistantは、ドライブに対して複数回の上書きを行うことで、復元不可能な状態にする機能を備えています。特に業務用や法人向けでは、このレベルの消去が求められることが多くなっています。
▌HDDを完全消去する手順
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。完全消去したい対象HDDを右クリックして「ハードディスクを消去」を選択します。
ステップ 2. 次のポップアップウィンドウで消去方式を一つ選択します。ここでは「全セクタにゼロを書き込む(安全かつ迅速)」を例として選択しましょう。
ステップ 3. 「はい」をクリックした後、メインな画面に戻ります。ツールバーの「適用」⇒「続行」をクリックしてHDD完全消去を始めます。
▌SSDを完全消去する手順
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。メインインターフェイスの上部にあるのメニューから「消去」をクリックし、「SSDの完全消去」を選択します。
ステップ 2. SSDを選択して「次へ」をクリックします。
ステップ 3. SSDを間違って削除した場合に備えて、SSD識別情報を確認してください。「次へ」をクリックして続行します。
ステップ 4. 次の画面では、SSDが凍結状態であるメッセージが表示されます。従って、まずフリーズ状態を解除する必要があります。
ステップ 5. ホットスワップ後、もう一度「次へ」をクリックして続行できます。そして、プロセスが完了するのを待ちます。
ステップ 6. SSDが正常に消去されたら、「完了」をクリックします。
HDDとSSDで消去方法が異なる理由
HDDとSSDでは構造が異なるため、データの消去方法も違います。HDDは磁気ディスクにデータを記録しており、上書きによる消去が有効です。一方SSDはフラッシュメモリを使用し、上書きしてもデータが残る可能性があるため、専用のセキュアイレース機能を使う必要があります。
最も原始的かつ確実なデータ消去方法として、「物理的に記録媒体を破壊する」という手段があります。HDDやSSDを物理的に壊して読み取れない状態にすることで、理論上100%のデータ消去が可能になります。この方法は、一部の官公庁や企業などでも採用されており、特に極秘情報や個人情報の漏えいリスクを絶対に避けたい場合に有効です。
注意:ただし、いくつか注意点がありますので、正しい手順と安全対策を守って実施しましょう。なお、破壊後のHDD/SSDは「電子機器の産業廃棄物」に分類されます。自治体や専門の回収業者へ適切に処分を依頼してください。
ステップ 1. 必要なもの(プラスドライバー、金槌やドリルなどの工具、軍手・ゴーグルなどの保護具)を用意します。
ステップ 2. パソコンの電源を切り、内部のHDDを慎重に取り外します。
ステップ 3. HDD本体にあるネジをすべて外し、金属製のカバーを開きます。
ステップ 4. 中にある銀色の円盤(プラッター)が記録媒体です。これを金槌で数カ所叩いて変形させるか、ドリルで複数の穴を開けてください。
ステップ 5. SSDの場合は黒い四角のチップ(NAND型フラッシュメモリ)が記録部分です。ニッパーやハンマーを使って粉砕・切断・ひび割れを起こすことで、データは完全に読み取れなくなります。
データを完全に消去する方法にはいくつか種類がありますが、どの方法を選んでも共通して意識しておくべき重要な注意点があります。ここでは、作業ミスやトラブルを防ぐために確認しておきたいポイントを詳しくご紹介いたします。
■ 1. 消去するデータをよく確認する
完全消去を実行すると、データの復元は不可能になります。そのため、操作の前に以下の点をよく確認しましょう。
本当に削除してよいデータか?
必要なファイルのバックアップは済んでいるか?
誤って他のドライブやパーティションを選んでいないか?
特に複数のストレージが接続されている場合、誤消去のリスクがあるため、操作対象のドライブを慎重に選ぶことが大切です。
■ 2. 消去方法によっては時間がかかることがある
データ消去ソフトを使用したり、上書きを複数回行う場合、消去に数十分から数時間かかることがあります。 途中で電源を切ったり、強制終了してしまうと消去が不完全になる場合があるため、時間に余裕があるタイミングで作業を行いましょう。
■ 3. OSやブート領域の削除にも注意が必要
システムドライブ(Cドライブ)を消去する場合、Windowsが起動しなくなるため、作業には特別な手順や準備が必要です。たとえば:
「パソコンを譲渡・廃棄するのでまるごと消去したい」といったケースでは、完全初期化ツールや回復機能を利用する方が安全です。
■ 4. 消去後の処分・譲渡にも配慮を
データを完全に消去した後も、次の点にご注意ください。
信頼性の高いソフトを使えば、消去履歴や証明書の出力が可能なものもあります。特にビジネス用途では、証明機能の有無もソフト選定の重要ポイントとなります。
Windowsでの「完全なデータ消去」は、通常の削除とは異なり、復元不可能な状態にする作業です。不要になったパソコンやドライブを処分・譲渡する際には、適切な消去方法を選ぶことが大切です。今回紹介した方法を活用し、さらに注意点にも気をつけることで、大切な情報をしっかり守ることができます。安心してデータを手放すためにも、一つひとつのステップを丁寧に進めていきましょう。