Windows 11/10で「ローカルユーザーとグループ」が表示されない時の原因と対処法

Windowsのユーザー管理を行う際に便利な「ローカルユーザーとグループ」ですが、Windows 11/10で表示されない・開けないというトラブルが発生することがあります。特に、Homeエディションを使用している場合や、グループポリシーの制限がかかっている場合にこの問題が多く見られます。本記事では、「ローカルユーザーとグループが表示されない原因」と「代替のユーザー管理方法」について詳しく説明します。

ひとみ

投稿者:ひとみ/更新日:2025年10月22日

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「ローカルユーザーとグループ」が表示されない問題

Windowsのユーザー管理でよく使われる「ローカルユーザーとグループ(lusrmgr.msc)」ですが、 いざ使おうとすると「表示されない」または「このスナップインはこのエディションでは使用できません」と表示されて困った経験はありませんか?

特にWindows 10 HomeやWindows 11 Homeを使っている場合、この現象は非常に一般的です。

これはパソコンの故障ではなく、Windowsのエディションによる仕様制限が原因であることが多いのです。

「ローカルユーザーとグループ」は、ユーザーアカウントの作成・削除、パスワード変更、グループ権限の管理などを行うための重要なツールです。企業ではシステム管理者が社員のアカウントを一括管理する際に使われますが、家庭用のHomeエディションではこの機能が標準で無効化されています。

つまり、「ローカルユーザーとグループ」が表示されない=Home版の仕様による制限である可能性が非常に高いのです。

▶ そもそも「ローカルユーザーとグループ」とは?

「ローカルユーザーとグループ」は、Windowsに内蔵されている管理ツールのひとつで、正式名称は「lusrmgr.msc(Local Users and Groups Manager)」です。

このツールを使うと、次のような操作が可能になります。

ユーザーアカウントの作成・削除
パスワードの変更・リセット
ユーザー権限(管理者・標準ユーザー)の設定
グループ(Administrators、Usersなど)の追加や編集

たとえば、PCを複数人で使う場合に、「親:管理者」「子ども:制限付きユーザー」といった使い分けを簡単に設定できます。 企業のIT管理では、社員ごとにアクセスできる範囲を限定するために欠かせないツールでもあります。

このように非常に便利なツールですが、Windows Homeエディションでは標準で利用できず、「コンピューターの管理」を開いても項目そのものが非表示になっています。

Windows 11/10で「ローカルユーザーとグループ」が表示されない主な原因

1. Windows Homeエディションの制限

最も多い原因がこれです。Windows 10/11 Homeでは、「ローカルユーザーとグループ」機能が標準で無効化されています。 これは家庭向けエディションとして設計されているため、複雑な管理機能を省略し、軽量化と簡略化を優先しているためです。

そのため、「コンピューターの管理」を開いても「ローカルユーザーとグループ」の項目が表示されません。

「ローカルユーザーとグループ」が表示されない

また、「lusrmgr.msc」を直接入力しても、「このスナップインはこのWindowsのバージョンでは使用できません」というエラーが出ます。

このスナップインはこのWindowsのバージョンでは使用できません

2. 管理者権限やポリシーの制限

もう一つの原因は、現在使っているアカウントが標準ユーザーであり、管理者権限を持っていないケースです。 管理者権限がないと、「コンピューターの管理」自体の中に表示されないこともあります。

また、会社や学校などのドメイン参加PCでは、システム管理者がグループポリシーでこのツールを非表示にしている場合もあります。 その場合は、「lusrmgr.msc」を有効化することはユーザー側ではできません。

Windows 11/10で「ローカルユーザーとグループ」が表示されない時の対処法

ここで、Windows 11/10で「ローカルユーザーとグループ」が表示されない時の6つの対処法をご紹介します。

対処法① Windowsのエディションを確認する

まず確認すべきは、自分のPCがどのエディションのWindowsを使っているかです。 Windows Homeでは使えないため、Proエディションにアップグレードしなければ「ローカルユーザーとグループ」は使えません。

▌自分のWindowsがHomeかProかを確認する方法

ステップ 1. 「設定」→「システム」→ 「バージョン情報」を開きます。

ステップ 2. 「Windowsの仕様」欄に「エディション」が表示されます。例:Windows 11 HomeまたはWindows 11 Pro。

Windowsの仕様

または、コマンドプロンプトで「systeminfo | find "OS 名"」を入力して確認できます。ここで「Home」と表示されれば、機能制限があるバージョンです。

▌Proエディションへアップグレードする手順

ステップ 1. 「設定」→「システム」→「ライセンス認証」を開きます。

ステップ 2. 「Microsoft Storeを開く」をクリックします。

Microsoft Storeを開く

ステップ 3. Microsoft Storeの「Windows 10/11 Proにアップグレードする」が表示されるので「購入」をクリックします。

Windows 10/11 Proにアップグレードする

アップグレード後は再起動することで「lusrmgr.msc」が利用可能になります。 もし業務で複数アカウント管理を行うなら、Proエディションへの変更は強くおすすめです。

対処法② 「lusrmgr.msc」を使って直接開く

もしPro版を使用しているのに「ローカルユーザーとグループ」が見つからない場合、直接コマンドから開く方法があります。

「Windowsキー + R」を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。「lusrmgr.msc」と入力し、Enterキーを押します。

ファイル名を指定して実行l

正常であれば、ローカルユーザーとグループの管理画面が開きます。 ここから、ユーザーの追加・削除・パスワードリセットなどが行えます。

▌Home版で開けない場合の代替手段

Home版ではこのコマンドは無効ですが、代わりに以下の方法でユーザーを管理できます。

コマンドプロンプトを開き、「net user 新しいユーザー名 パスワード /add」と入力することで、手動でユーザーを追加できます。

例:net user Michael hello123 /add

net user Michael hello123 /add

このように、lusrmgr.mscが使えなくても、コマンドライン操作で同様の結果を得ることができます。

対処法③ サードパーティツールを使って代替管理する

もしWindows 11/10 Home版を使っていて、ユーザー管理をGUI(画面操作)で行いたい場合は、サードパーティ製ツールの利用が便利です。

AOMEI Partition Assistantはディスク管理ソフトとして有名ですが、 実はユーザーパスワードのリセットや管理者アカウントの修復など、 「ローカルユーザーとグループ」と似た操作をHome版でも実現できます。

特に、パスワードを忘れた場合やログインできない場合に、安全にアカウント修復が可能です。さらに、ディスクやパーティションの管理機能も備わっているため、PCのパフォーマンス維持やバックアップにも役立ちます。

このソフトを使うと、以下のようなことが簡単にできます:

機能 内容
パーティション管理 Cドライブ容量の拡張や分割が簡単
ディスククローン SSD/HDDの完全コピー
パスワードリセット ログインできない場合でもアカウント修復
不要ファイル削除 クリーンアップで動作を軽くする
システム移行 OSを新しいSSDに安全移行
ディスク変換 ディスクのMBR/GPT変換

つまり、Windowsのメンテナンスツールとしてとても優れていて、特に「Home版」で制限があるユーザーには必要不可欠な存在です。「ローカルユーザーとグループ」が使えない環境でも、AOMEI Partition Assistantを使えば、ユーザーの修復や管理作業をGUIで簡単に行うことができます。

 

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安全かつ快適
注:デモ版は動作確認の目的でのみ使用されます。つまり、デモでは、すべての機能をプレビュー、すべての操作をシミュレートすることしかできません。※保証:❶24時間メールサポートを提供します。❷90日以内無条件で返品・返金致します。

ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。「ツール」メインタブをクリックして、「ユーザーとグループ」を選択します。

ユーザーとグループ

ステップ 2. 「ユーザー」タブをクリックし、「新しいユーザー」ボタンをクリックして新しいユーザーアカウントを作成します。

新しいユーザー

ステップ 3. 次に、ダイアログボックスに適切な情報を入力します。新しいユーザーの名前と説明を入力し、パスワードを設定できます。

また、「ユーザーは次回ログオン時にパスワードの変更が必要」、「アカウントを無効にする」、「ユーザーはパスワードを変更できない」、「パスワードを無期限にする」のチェックボックスをオンまたはオフにすることができます。

パスワードを設定

ステップ 4. すべて設定したら、「作成」をクリックして新しいユーザーを作成します。

作成

ステップ 5. 最後に、Windowsのローカルユーザーとグループでユーザーが正常に作成されたことを確認できます。新しいユーザーアカウントを簡単に管理できます。

ユーザーアカウントの作成が完了

(☞゚ヮ゚)☞関連記事:コンピューター上でローカルユーザーとグループを作成と管理する方法

対処法④ 新しいユーザーを作成して修復する

もし今使っているアカウントの設定が壊れている場合、新しいユーザーを作成することで問題を解決できることがあります。 特に、長期間同じアカウントを使っていると、ユーザープロファイルが破損し、設定が正常に読み込まれなくなることがあります。

ステップ 1. 「設定」→「アカウント」→「家族とその他のユーザー」を開き、「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリックします。

ステップ 2. ポップアップウィンドウで、「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックします。そして、「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします。

このユーザーのサインイン情報がありません

Microsoft アカウントを持たないユーザーを追加する

ステップ 3. 新しいユーザー名・パスワードを入力して作成します。

このPCのユーザーを作成します

ステップ 4. 作成したユーザーを選び、「アカウントの種類を変更」→「管理者」に設定します。

アカウントの種類の変更

管理者

これで、新規アカウントから「lusrmgr.msc」を実行してみましょう。 もし表示されるようになれば、元のアカウントが破損していた可能性が高いです。

プロファイル破損の場合、以下のような症状が出ます:
ユーザー設定が毎回リセットされる
管理ツールが開かない
デスクトップアイコンやファイルが消える

この場合、システムフォルダの中でプロファイル情報が破損しているため、新規アカウントにデータを移行するのが最も安全です。

対処法⑤ システムの復元・修復を試す

ここまでの手順で直らない場合、Windows自体のファイルが破損している可能性があります。その際は「システムファイルの修復」と「システムの復元」を行ってみましょう。

▌システムファイルの破損をチェック

ステップ 1. 検索バーに「cmd」と入力し、「管理者として実行」をクリックします。

ステップ 2. 次のコマンドを入力します:sfc /scannow

これでシステムファイルチェッカーが破損を自動修復します。

ステップ 3. もし修復が完了しない場合は、さらに以下を実行します:DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

これにより、Windowsの内部イメージが修正され、ツールが正しく動くようになります。

▌システムの復元ポイントを利用

以前は「ローカルユーザーとグループ」が表示されていたのに、最近急に出なくなった場合は、復元ポイントを利用するのが効果的です。

ステップ 1. 検索ボックスに「system restore」と入力して検索結果から「復元ポイントの作成」を選択します。

ステップ 2. 「システムの保護」→「システムの復元」を選択します。

システムの復元

ステップ 3. トラブルが起きる前の日付を選んで実行します。

復元ポイント

これでWindows設定が以前の状態に戻り、ツールが復活することがあります。

対処法⑥ Windowsの再インストール・リセット

どうしても直らない場合は、Windowsの初期化または再インストールを検討する必要があります。 ただし、データを失わずに行う方法もあるため、焦る必要はありません。

▌設定から「このPCをリセット」する

ステップ 1. 「スタート」ボタン→「設定」→「回復」→「このPCをリセット」セクションの「PCをリセットする」ボタンをクリックします。

PCをリセットする

ステップ 2. このウィンドウが表示されたら、必要に応じて、「個人用ファイルを保持する」または「すべてを削除する」を選択できます。

すべて削除する

ステップ 3. 次に、リセット後にWindows 11を再インストールする方法を選択します。

Windowsを再インストールする方法

ステップ 4. 次に、「データのクリーニングを実行しますか?」または「すべてのドライブからファイルを削除しますか?」を決定する必要があります。

データのクリーニング

ステップ 5. デバイスをリセットする準備ができているかどうか尋ねられます。目の前にリストされている影響について問題がない場合は、「リセット」をクリックして、Windows 11 PCを工場出荷時の状態にリセットするプロセスを開始します。

リセット

Windowsが自動的に再構築され、破損した管理ツールも復元されます。

この方法ならデータを残したままOSの修復ができるため、初心者にもおすすめです。

クリーンインストールを行う場合の注意点
  • 完全にWindowsを再インストールする場合は、 事前にバックアップを取ることが絶対条件です。

  • 特にシステムドライブ(Cドライブ)のデータを保護するために、 「AOMEI Partition Assistant」を使ってバックアップを作成しておくと安心です。このソフトは、システムクローン・パーティションバックアップなどを数クリックで行えるため、 再インストール後にデータを安全に戻すことが可能です。

まとめ

  • Home版では機能制限により表示されないのが正常。
  • Pro版へのアップグレードで機能が解放される。
  • コマンドでも代替管理が可能。
  • システムファイル破損の場合はSFCやDISMで修復。
  • AOMEI Partition Assistantを併用すれば、より安全に管理・修復ができる。

「ローカルユーザーとグループ」が表示されないからといって焦る必要はありません。 上記の手順を順に試せば、必ず原因を特定し、元の状態に戻すことができます。Pro版へのアップグレードやAOMEI Partition Assistantなどのツールを使えば、 Home版でも同等の管理操作が可能になります。 

よくある質問

1. Home版で「ローカルユーザーとグループ」を使う方法はありますか?

公式には非対応ですが、「AOMEI Partition Assistant」などの代替アプリを使えば同等の機能が利用できます。

2. 「lusrmgr.msc」を実行しても何も起きません。

その場合はHome版の制限、または管理者権限不足が原因です。Pro版では管理者として実行してみてください。

3. AOMEI Partition Assistantは安全ですか?

はい。世界中で使われている正規のディスク管理ソフトです。Microsoft認証も取得しており、安心して利用できます。

ひとみ
ひとみ・編集者
こんにちは、2023年に入社したひとみです。子供の頃からパソコンに触れるのが好きで、身近な人の「これどうしたらいいの?」という質問に答えているうちに、自然とIT関連の知識を深めてきました。今は、バックアップ&復元、クローン、ディスク&パーティションの管理などを中心に記事を書いています。私の記事は、日常的にパソコンを使う中で「困った」「どうしたらいいの?」と悩んだときに役立つことを目指しています。