Windows 10/11でドキュメントフォルダを別の場所に移動

「ドキュメント」フォルダの保存先がCドライブに設定されていますが、Dドライブなど、指定の場所へ変更することができます。この記事では、Windows10・Windows11の「ドキュメント」フォルダを別のドライブに移動する方法をご紹介します。コピー・ペースト(貼り付け)を通して、「ドキュメント」のデータを移行することができません。

投稿者 @ゆき 2024年06月21日 @ゆき 最後の更新 2024年06月21日

ドキュメントフォルダって?(Windows 10・11)

Windowsには、ユーザーアカウントごとに作成されるユーザーフォルダというものがあります。ユーザーフォルダには、ドキュメント、デスクトップ、ダウンロード、ピクチャ、ビデオ、ミュージックなどのフォルダが入っています。

📂ユーザーフォルダの場所(パス)は「C:\Users\ユーザー名」です。つまり、ユーザーフォルダは、エクスプローラーで辿ると、PC⇒Cドライブ⇒ユーザー(フォルダの表示は「ユーザー」ですが、実際の名前は「Users」)⇒ユーザー名(またはアカウント名)のフォルダになります。※パスの確認と実際のフォルダ名は、アドレスボックス内の何もないところをクリックすれば表示されます。
📂ユーザーフォルダをすべてバックアップする場合は、エクスプローラーで辿り、ユーザーアカウント名の付いたこのフォルダをコピーします。
💡ユーザーフォルダのパスの環境変数「%userprofile%」は「C:\Users\ユーザー名」と同じ意味のパスになります。

ドキュメントフォルダは、作成したWordやExcelなどのファイルやテキストファイルなど、いわゆる書類や資料を思わせるファイルを保存する場所として使われます。またファイル保存時、特に保存先を指定しなかった場合、このドキュメントフォルダに保存されるように設定されています。

🔊以前のWindows(例えば、Windows 2000/XP/Server 2003など)では「マイドキュメント」という名前でしたが、現在(Windows 10から)は「ドキュメント」になっています。
📣「ドキュメントの中にあるファイルを…」などと指示された場合、このドキュメントフォルダのことを指すこともあるので注意してください。
🧿ドキュメントフォルダのパス「C:\Users\ユーザー名\Documents」を「%userprofile%\Documents」のようなパスに表すこともできます。※エクスプローラーのアドレスバーに、「%userprofile%\Documents」を貼り付けて、エンターキーを押すと、ドキュメントフォルダが表示されます。
ドキュメントは、ソフトウェア(例えば、アプリケーション)がデータ用のフォルダを作成していることがあります。個別にバックアップをとることができます。

ドキュメントフォルダを別のドライブに移動する理由

 

ユーザー事例:

容量の少ないSSDをCドライブに、容量の大きいHDDをDドライブにしているような場合に便利です。「ドキュメント」フォルダの場所をDドライブに設定し、Cドライブの容量を空けることができます。Cドライブの空き容量が少なくなって、Windowsのレスポンスが低下していた、といった事態を避けることができます。

 

上述のように、ドキュメントフォルダは「初めてPCを使った時、どこに保存すればよいか分からない場合に一先ず(デフォルト/初期設定)の保存先としてWindowsが提案してくれている」というのがイメージしやすいかもしれません。その後、保存先をドキュメントフォルダにし続けるか、種類別にフォルダを新規作成し振り分けて行くか、使い方は様々です。

ただ、ドキュメントフォルダは勝手に保存先になってくれるので大変便利ですが、ファイルを保存しすぎると、パソコンの動きが悪くなったり、Cドライブの容量不足問題が出て来たりすることがあります。

もし、このような症状が出た場合は、ドキュメントフォルダのあるCドライブ以外のドライブにデータ・ファイルを移動すれば、Cドライブの空き容量をその分増やすことができます。また、Windowsを再インストールする場合は、ドキュメントフォルダの保存場所を外付けHDDなどに指定すれば、フォルダの中身を丸ごとバックアップすることもできます。

🔊一般的なパソコンの使用では、このような移動はあまり行いませんが、Cドライブの容量が少ないなど、メンテナンス上の理由で移動させることがあります。
📣ちなみに、Windows XPの場合は「マイドキュメント」フォルダ全体の移動のみ可能となっています。

ドキュメントフォルダを別の場所に移動する方法

「ドキュメント」フォルダを別の場所に移動する方法は次の通りです。この例では、「ドキュメント」フォルダをDドライブへ移動しましょう。

📝【事前確認】
新規の保存先に、CドライブやDドライブを直接の保存先に指定しないでください。必ず、CドライブやDドライブの中にあるフォルダを指定(もしくは新規作成)して、そのフォルダを保存先に指定してください。※先にフォルダを作成して移動させてもいいし、移動の画面でフォルダを作成して移動させることもできます。
ドキュメントは、アプリケーションのデータの参照先に指定されていることが多いため、アプリケーションによっては環境設定などから、データのリンク先を変更しなければならないこともあります。
デスクトップ、ダウンロード、お気に入り、ビデオ、ミュージックもドキュメントと同じように移動させることができます。

方法①:Windows 10/11の標準機能を使う

移動するドキュメントフォルダの属性により手順が異なります。

※「OneDrive」は、Microsoft が提供するオンラインストレージです。PC上のフォルダ内の変更と同期してオンラインストレージ内も更新されます。

「OneDrive」属性ではないフォルダを移動

手順 1. タスクバーの「エクスプローラー」アイコン⇒「PC」をクリックします。

或いは「スタート」をクリックし、アプリ一覧から「Windowsシステムツール」⇒「PC」をクリックします。

手順 2. 「ドキュメント」フォルダを右クリックし、表示されたメニューから「プロパティ(R)」を選択します。

手順 3. 「ドキュメントのプロパティ」が表示されるので、「場所」タブを選択し、「移動(M)」ボタンを選択します。※または、移動ボタンを使用せず、テキストボックスにパスを直接入力し、「OK」をクリックすることもできます。

現在の「ドキュメント」フォルダは、Cドライブのユーザーアカウント下にあることを確認することができます。

手順 4. 「移動先の選択」が表示されるので、保存先に指定したいドライブ、ここではローカルディスク(D:)を、ダブルクリックします。

手順 5. Dドライブの中が表示されるので、任意のフォルダを選択します。

※ここでは、保存先のフォルダがない場合、ボリューム(D)内何もないところを右クリックし、「新規作成」⇒「フォルダー」の順に選択し、新しいフォルダを作成します。

Windows10・Windows11では先にフォルダを作成して移動させてもいいし、移動の画面でフォルダを作成して移動させることもできます。

手順 6. 指定したフォルダ名が、下部の「フォルダー:」欄に表記されていることを確認し、「フォルダーの選択」をクリックします。

フォルダ名は任意で構いませんが、今後フルパスを設定するときのために、なるべく判別しやすい名前にしておきましょう。※ここでは、「data」と言う名称のフォルダを新規作成し、保存先に指定します。

手順 7. 「ドキュメントのプロパティ」画面に戻り、前の手順で指定したフォルダ名が表記されていることを確認して、「OK」を選択します。

※ここでは、Dドライブの「data」フォルダを指定したため、「D:\data」と表記されています。

手順 8. 「フォルダーの移動」画面が表示され、新しい保存先への変更(移動元、移動先に誤りが無いこと)を確認するメッセージが表示されるので、「はい」を選択します。

この手順では、既存のファイルを移動先にすべて移動させるか、そのままにしておいて今後保存するファイルのみを移動先に保存するかを選択することができます。

移動処理の完了を待ちます。フォルダの移動と同時に保存されている全てのデータが移動先のフォルダへ移動されます。移動処理完了後、エクスプローラーを開き、「ドキュメント」フォルダがDドライブに移動していることを確認します。

【注意】Dドライブに「ドキュメント」フォルダがありますが、正確にはD→data→ドキュメントです。ドキュメントなどのフォルダは、通常のフォルダと違って特殊なフォルダであり、dataという作成したフォルダは見えないようになっています。

Windows XPでは、「マイドキュメントのプロパティ」ダイアログボックスの「ターゲット」タブにある「ターゲット フォルダの場所」の「リンク先」で設定します。
🔎【関連記事】「マイドキュメント」フォルダの場所を移動する

【参考情報】保存先を変更した後に、標準の保存先に戻したい場合は、対象のフォルダのプロパティの「場所」タブ内にある「標準に戻す(R)」⇒「OK」ボタンを押します。フォルダ新規作成の確認画面が表示されるので、「はい」をクリックします。新、旧のフォルダ名を確認し、全てのファイルのコピーが終了すると、「元の保存場所」にフォルダを戻す処理が完了します。

「OneDrive」属性( アイコン付きファルダ )フォルダを移動

しかし、ドキュメントフォルダをCドライブからDドライブへ移動しようとしたら、「同じ場所にリダイレクトできないフォルダーがあるため、フォルダーを移動できません。アクセスが拒否されました。」というエラーが出て、フォルダの場所を変更できない場合もあるでしょう。

このエラー・問題が発生した原因は、Onedrive同期フォルダの中にドキュメントフォルダがあることです。Onedriveフォルダは、「ネット同期」する特性上、場所の変更はできないため、Onedriveフォルダ内にあったドキュメントフォルダも移動できません。

「OneDrive」属性のドキュメントフォルダを移動するには、ドキュメントフォルダの「OneDrive」バックアップを停止する必要があります。

手順 1. 画面右下、通知領域の「OneDrive (雲のアイコン)」→「ヘルプと設定」→「設定(S)」の順にクリックします。

手順 2. 「Microsof OneDrive」設定画面が表示されるので、「バックアップ」タブを選択し、「バックアップを管理」をクリックします。

手順 3. 「フォルダーのバックアップを管理」画面で移動対象のドキュメントフォルダの「バックアップを停止」をクリックします。

手順 4. 「フォルダーのバックアップを停止しますか?」画面が表示されるので、「バックアップを停止」をクリックします。

手順 5. 「このフォルダーはバックアップされなくなりました」画面が表示されるので、「閉じる」をクリックします。

手順 6. 「フォルダーのバックアップを管理」画面に戻り、「バックアップを停止」表記がないことを確認します。

手順 7. 再度 、エクスプローラーでPCを展開し、OneDriveから解除されている(アイコンが無い)ことを確認します。この処理後、「OneDrive」属性ではないドキュメントフォルダを移動するに準じた操作が可能になります。

【注意】このような手順に従って、OneDriveを無効にしても、ドキュメントフォルダの移動にまた失敗した場合、OneDriveのフォルダをCドライブからローカルディスク(D)へ移動してから、ドキュメントフォルダの移動を再試行してください。

【参考情報】Microsof OneDrive設定画面(手順3の画面 )で「ドキュメント」を選択し、「バックアップの開始」をクリックし、設定を元に戻した場合、「ドキュメント」フォルダは変更前の場所に移動します。

おまけ:既定の保存場所を別のディスクに変更

手順 1. スタートメニューの「設定」をクリックします。

手順 2. 「システム」をクリックします。システムの項目の「ストレージ」をクリックします。

手順 3. ストレージの設定項目の「新しいコンテンツの保存先を変更する」をクリックします。

手順 4. 保存先を変更する画面が表示されるので、「新しいドキュメントの保存先:」の選択ボックスをクリックします。

手順 5. 保存場所にするローカルディスク(D:)をクリックします。選択されているローカルディスク(D:)を確認し、「適用」をクリックすれば完了です。

【注意】保存先の変更後には、選択したローカルディスクに新しいくフォルダが作成されます。以前に保存したファイルなどは、変更した保存先には移動せず、従来の既定の保存先にそのまま保存されています。

【参考情報】既定の保存先を元に戻すには、保存先を「ローカルディスク(C:)」に選択し、「適用」をクリックすれば、従来の既定の保存先に変更します。

既定の保存先を元に戻したり、再度保存先を変更しても、変更により既に新しく作成されたフォルダやファイルは、そのまま残っています(削除されません)。新しく保存するために、別のローカルディスクに作成されたフォルダを削除することもできますが、必要なファイルを移動した後に削除するようにしてください。

方法②:サードパーティ製ツールを使う

ここでは、優れたディスクパーティション管理ソフト「AOMEI Partition Assistant Professional」をお勧めします。強力なフォルダ移動機能「アプリ引っ越し」を備えています。Windows 11/10/8.1/8/7で簡単かつ安全にドキュメントフォルダのようなユーザーフォルダを別のドライブに移動することができます。

★注意事項:
ドキュメントフォルダのすべてのデータを保存するために、移動先のドライブに十分な空き領域があることを確認してください。もしストレージ容量が不足していると、まずはDドライブの空き容量を増やす必要があります。
NTFSパーティション間でフォルダを移行する場合のみ、この機能が使用可能です。FAT32パーティションから、またはFAT32パーティションへフォルダを移動する場合、まずはFAT32からNTFSへ変換する必要があります。
このツールを使用してドキュメントフォルダを移動する際に、移動元のフォルダと移動先のフォルダにあるファイルを移動したり、削除したりしないでください。

手順 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロード、インストール、実行します。

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注意:デモ版は動作確認の目的でのみ使用されます。つまり、デモでは、すべての機能をプレビュー、すべての操作をシミュレートすることしかできません。

手順 2. ツールバーの「空間を解放」をクリックし、「アプリ引っ越し」を選択します。

手順 3. ポップアップウィンドウで、「アプリを移動」と「フォルダーを移動」が表示されます。ここでは、ドキュメントフォルダを別のドライブへ移動するために、「フォルダーを移動」を選択します。

Cドライブにインストールされているアプリケーションやプログラムなどを別のドライブに移動したい場合、「アプリを移動」を選択します。移動後、アプリが正常に起動、実行することができます。

手順 4. 「フォルダーを追加」をクリックし、ドキュメントフォルダを選択します。そして、Dドライブの中にあるフォルダを移行先として、選択し、「移行」をクリックします。

手順 5. 移行中に、動作しているプログラム(起動中のアプリケーション)や開いているドキュメントなどを強制終了するという警告メッセージが表示されるので、問題なければ「OK」をクリックし、ドキュメントフォルダの移動を実行します。

ドキュメントフォルダ移動に関するよくある質問

Q:ドキュメントフォルダを移動すると、ファイルが失われる可能性はありますか?

A:基本的に、ドキュメントフォルダを新しい場所に移動してもファイルは失われません。ただし、移動する際に注意が必要です。誤ってファイルを削除したり、移動先を誤った場所に選んだりしないように注意してください。

Q:ドキュメントフォルダの移動中にファイルが破損する可能性はありますか?

A:基本的には、ファイルが破損する可能性は低いです。ただし、移動中に突然の停電やシステムのクラッシュなどが発生した場合、ファイルが損傷する可能性があります。重要なファイルは事前にバックアップしておくことをおすすめします。

Q:ドキュメントフォルダを移動するとき、注意すべきポイントは?

A:ドキュメントフォルダを移動する前に、重要なファイルやデータがすべてバックアップされていることを確認してください。また、移動先のフォルダの設定やアクセス権限にも注意し、必要な権限が設定されていることを確認しましょう。

Q:ドキュメントフォルダを移動した後、アプリケーションへの影響はありますか?

A:ドキュメントフォルダの移動は、一部のアプリケーションに影響を与える可能性があります。特に、アプリケーションがドキュメントフォルダ内のファイルを参照する場合に影響が出ることがあります。移動する前に、アプリケーションの仕様や設定を確認しておくことが大切です。

Q:ドキュメントフォルダの移動がうまくいかない場合、どうすればいいですか?

A:移動がうまくいかない場合、まず最初にエラーメッセージを確認し、どのような問題が発生しているかを把握してみてください。また、移動先のフォルダの設定やアクセス権限が適切に設定されているかも確認してみてください。問題が解決しない場合は、専門家に相談することをおすすめします。

Q:ドキュメントフォルダを移動した後、データが消えてしまいました。復元する方法はありますか?

A:データが消えてしまった場合、まずゴミ箱やバックアップファイルを確認してみてください。また、データ復元ソフトを使用して復元を試みることもできます。ただし、すぐに行動することが大切です。

まとめ

Windows 10 /11のドキュメントフォルダ、既定では(C:)ローカルディスクに保存されますが、保存先を(D:)や(E:)など別のディスクに変更することができます。ドキュメントのデータが大きい場合は、別のドライブに移動・移行することによって、Cドライブの空き容量を増やすことができます。

Cドライブの空き容量が少なくなってくると、だんだんPCの動作が重くなってきます。そこで、Cドライブが以外にDドライブがあるような場合は、ドキュメントフォルダをDドライブに移動し、少しでもCドライブの空きを増やす工夫をします。このページでは、ドキュメントフォルダの保存先を変更(ドキュメントフォルダのデータを移動・移行)する方法を紹介しています。ディスクドライブの空き容量が少なくなってきた時は便利です。

パソコン初心者でも簡単に使えるフォルダ移動ツールAOMEI Partition Assistant Professionalは、空き容量を増やすために、「アプリ引っ越し」のほか、「大容量ファイルを削除」機能も提供しています。また、データを失うことなく、ディスク速度の測定、ディスクのクローン、ファイルシステムの変換などを行うこともできます。さらに、Windows Server 2022/2019/2016/2012(R2)でドキュメントフォルダを別のドライブに移動する必要がある場合、AOMEI Partition Assistant Serverを試してみることができます。