Windows 11/10/8/7でGPT保護パーティションを解除する方法
GPT形式のディスクを接続しても、その内容(パーティション構成)が表示されず、「GPT保護パーティション」と表示され、何も操作(作成や削除も)できない場合、ユーザーはどうすればよいでしょうか?そのHDDを使用するために、「GPT保護」を解除する必要があります。この記事では、GPT保護パーティションの解除方法をご紹介します。
GPT保護パーティションについて
MBRディスクとGPTディスクでは、パーティションを管理する仕組みが違います。パーティション管理方式には、MBR形式とGPT形式の2種類があります。
MBR形式のディスク
MBR(マスタブートレコード)は古いパーティション方式です。レガシBIOSモードでWindowsシステムを起動する時にディスクがMBRである必要があります。
- ✎MBRの特徴:
- 古い規格
- Legacy BIOSブートモードに対応する
- 2TB未満のディスクに対応する(2TBを超えた領域は「未割当て」として表示される)
- 最大4つのパーティション(4つのプライマリパーティション或いは3つのプライマリパーティションと1つの拡張パーティション)を作成できる
GPT形式のディスク
GPT(GUIDパーティションテーブル)はMBRより新しいパーティション方式です。UEFIブートモードでWindowsシステムを起動する時にディスクがGPTである必要があります(マザーボードがUEFIブートに対応して、BIOS設定でUEFIモードを有効にする必要があります)。
👍Windows11/10/8/7でLegacy BIOSをUEFIブートモードに変更する方法
- ✎GPTの特徴:
- 新しい規格
- UEFIブートモードに対応する
- 2TB以上のディスクに対応する
- 最大128のパーティションを作成できる
- 起動ディスクとして使用するには、64bitが必要である
GPT保護パーティションとは何か
「GPT保護パーティション」とは、GPTディスクを保護するための表示です。別に、「GPT保護パーティション」という特別なパーティションがあるわけではありません。OSがGPTディスクに対応していないことによる誤操作を防ぐためのものです。
◉GPTディスクを保護する意味
「Windows XP」以前のWindowsは、GPTディスクに対応していませんでした。「Windows XP」のパソコンにGPTディスクを接続しても、ドライブはマウントされません(パーティションに関する情報を取得できません)。GPTディスクを不用意に操作してしまうと、GPTディスクのデータを保持できなくなってしまいます。これを防ぐためのものが、「GPT保護パーティション」です。
「GPT保護パーティション」は、GPTディスクであることだけをOSに伝え、GPTディスクに非対応なことで発生する誤操作からパーティションを守ります。従って、「GPT保護パーティション」とは一般的なパーティションの名称ではなく、「Windows XP」固有の機能と言ってもいいです。
「GPT保護パーティション」という名前ですが、GPTディスクを守るため、保護の対象はディスク全体です。パーティションが複数あったとしても、1つの「GPT保護パーティション」として表示されます。
◉「GPT保護パーティション」と、ファイルシステムを認識できないパーティション
「Windows XP」でパーティション管理ツールの「ディスクの管理」を開くと、GPTディスクは、「GPT保護パーティション」として表示されます。
ただし、すべてのGPTディスクが「GPT保護パーティション」として表示されるわけではありません。Windowsによって初期化されたGPTディスクに限ります。その他のGPTディスクでは、ファイルシステムを認識できないパーティションとして表示されます。「GPT保護パーティション」と、ファイルシステムを認識できないパーティションは、似て非なるものです。両方ともアクセスできない点では同じですが、その他の操作ができるかどうかが違います。
「GPT保護パーティション」では、パーティションのフォーマットや削除等、一切の操作ができません。つまり、これらの操作からパーティションを守るための仕組みが、「GPT保護パーティション」です。
◉「GPT保護パーティション」にアクセスする方法
前述のとおり、データを保護することが目的なので「GPT保護パーティション」に対しては、Windowsは一切アクセスできない仕様になっています。「GPT保護パーティション」にアクセスし、操作するためには、 GPTディスクに対応しているOSからアクセスすればいいです。つまり、Vista以降のWindowsや、Linux等からアクセスすれば、 「GPT保護パーティション」は、GPTディスクの通常のパーティションとして扱われます。もちろん、操作に対する制限も一切ありません。
GPT保護パーティションを解除する理由
上位のように、GPT形式のディスクをWindows XPにUSB経由で接続すると、「GPT保護パーティション」と表示され、新しいパーティションを作成したり保護パーティションを削除したりすることができません(ユーザーはこのディスクに対して何も操作できません)。そのため、Windows XPで「GPT保護パーティション」が設定されたHDDを再利用するには、GPT保護パーティションを解除する必要があります。
Windows XPパソコンにおいて「GPT保護パーティション」と表示されたディスクをWindows 11/10/8/7パソコンに接続したあと、Windows標準搭載のアプリ(「ディスクの管理」や「コマンドプロンプト」)またはサードパーティ製のパーティション管理ツールでGPTディスクをMBRディスクに変換して、GPT保護パーティションを解除することができます。
Windows標準搭載ツールでGPT保護パーティションを解除する方法
Windows XPでこのようなディスクを利用したい(通常のMBR方式で管理したい)場合は、Windows 11/10/8/7の標準ツールでディスクの管理情報を削除し(未使用状態に戻し)て、GPT形式からMBR形式へ変換する必要があります。
ただし、これにより、GPT保護パーティションが削除されるだけでなく、その上のデータもすべて消去されてしまうので、慎重に行う必要があります。重要なデータがある場合は、事前にバックアップを取っておくか、サードパーティ製のパーティション管理ツールを使用してデータを失うことなくGPT形式からMBR形式へ変換することを検討してください。
「ディスクの管理」でGPTディスクをMBRディスクに変換
手順 1. 「コンピューター」(または「PC」)を右クリックし、「管理」⇒「記憶域」の「ディスクの管理」を選択します。
手順 2. 「ディスクの管理」コンソールを開いた後、変換するディスクを見つけ、右クリックします。
手順 3. ディスク上の各パーティションを右クリックし、「ボリュームの削除」機能を選択します。ディスクにある全てのパーティションが削除されるまで、この手順を繰り返します。
手順 4. すべてのパーティションを削除したら、ディスクが「未割り当て」と表示されます。この時、ディスクを右クリックし、「MBRディスクに変換」を選択します。
手順 5. 後は「新しいシンプルボリューム」機能を利用してMBRディスクに1つまたは複数のパーティションを作成し、バックアップしたデータを復元することができます。
「コマンドプロンプト」でGPTディスクをMBRディスクに変換
Windows 11/10/8/7で「コマンドプロンプト」のDiskpartを使用してディスクをGPTからMBRに変換する方法は次の通りです。
手順 1. 「スタート」ボタンをクリックし、検索ボックスに「cmd」と入力し、検索結果の「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択し、コマンドプロンプトが開いたら、「diskpart」と入力し、「Enter」キーを押し、Diskpartを起動します。
手順 2. 「list disk」と入力し、「Enter」キーを押します。
手順 3. 「select disk 1」と入力し、「Enter」キーを押します。
手順 4. 「clean」と入力し、「Enter」キーを押します。
手順 5. 「convert mbr」と入力し、「Enter」キーを押します。
手順 6. 「exit」と入力し、「Enter」キーを押します。
- ★ヒント:
- この方法は「clean」でGPT保護パーティションを削除し、「convert mbr」でGPTディスクをMBRディスクに変換し、GPT保護を解除します。パソコン初心者にとって少し複雑で手間がかかると思います。
- DiskpartでディスクをMBRからGPTに変換する場合は、同じ手順を実行する必要がありますが、「convert mbr」コマンドの代わりに「convert gpt」コマンドを実行してください。
- 対象となるディスクは空ディスクでなければなりません。その上にボリュームまたはパーティションがあれば、すべて削除する必要があります。そのため、操作前に重要なデータをバックアップしておいてください。
データを失うことなくGPT保護パーティションを解除する方法
Windows標準搭載ツールを利用すれば、GPTディスクをMBRディスクに変換してGPT保護パーティションを解除することができますが、データ損失を引き起こします。また、Diskpartコマンドを実行するのは、常に成功するとは限らないし、パソコン初心者にとって少し複雑です。
ここでは、誰でも簡単に使えるサードパーティ製のパーティション管理ツールAOMEI Partition Assistant Professionalを強くお勧めします。データを失うことなくGPTディスクをMBRディスクに変換してGPT保護パーティションを正常に解除することができます。Windows 11/10/8/7を含むほぼすべてのWindows OSに対応します。
次は、AOMEI Partition Assistant Professionalを使用してGPT保護パーティションを削除する方法を紹介します。
手順 1. AOMEI Partition Assistant Professionalをダウンロードし、インストールして起動します。
手順 2. GPTディスク(GPT保護パーティション)を右クリックし、「MBRディスクに変換」を選択します。
手順 3. 「はい」をクリックして、ディスクをGPTからMBRに変換することを確認します。
手順 4. 「適用」をクリックします。
手順 5. 問題がなければ、「続行」をクリックして「GPTをMBRに変換」操作が行われます。
GPT保護パーティションに関するよくある質問
質問:GPT保護パーティションとは何ですか?
回答:GPT保護パーティションは、GPT形式のディスクにおいて、特定の操作を制限して保護する仕組みです。このパーティションにより、ディスクの内容を誤って変更したり削除したりすることを防止します。
質問:GPT保護パーティションが原因でディスクの内容が表示されない場合、どうすればよいですか?
回答:この問題を解決する方法として、以下の二つの手順があります。
- コマンドプロンプトを利用した方法:Windowsを管理者として起動し、diskpartコマンドを使用してGPT保護を解除します。
- パーティションマネージャーを利用した方法:Windowsを管理者として起動し、パーティションマネージャーでディスクの読み取り専用設定を解除します。
質問:GPT保護パーティションを解除する際に注意すべきことはありますか?
回答:はい、GPT保護パーティションを解除する前に、重要なデータのバックアップを行うことを強く推奨します。解除操作によりデータが損失する可能性があるため、バックアップを忘れないようにしてください。
質問:GPT保護パーティションの解除は、WindowsXP以外のOSでも可能ですか?
回答:はい、GPT保護パーティションの解除は、WindowsXP以外のバージョンのWindowsや他のオペレーティングシステムでも同様に行うことができます。ただし、OSのバージョンによって手順が異なる場合があるので、適切な手順を調査して実行してください。
質問:GPT保護パーティションを解除することで、ディスクに問題が発生する可能性はありますか?
回答:GPT保護パーティションを解除する操作自体は、通常は問題を引き起こしません。ただし、解除後にディスクの内容を誤って変更すると、データの損失やシステムの安定性に影響を及ぼす可能性があります。慎重に操作を行い、注意を払ってください。
質問:解除したGPT保護パーティションは再度設定できますか?
回答:はい、GPT保護パーティションを一度解除しても、後から再度設定することが可能です。再度保護したい場合は、同様の手順で設定することができます。
質問:GPT保護パーティションの設定はどのように行われますか?
回答:GPT保護パーティションの設定は、ディスク管理ツールを使用して行われます。特定のパーティションを保護状態に設定することで、そのパーティションへのアクセスを制限できます。
まとめ
Windows標準搭載のアプリ(「ディスクの管理」や「コマンドプロンプト」)は、GPT保護パーティションを削除するのに役立ちますが、すべてのデータは失われます。また、Diskpartを使用していつもGPT保護パーティション(GPTディスク)をMBRディスクに正常に変換するとは限りません。
データを失うことなくGPT保護パーティションを削除・解除するには、AOMEI Partition Assistantのようなサードパーティ製のパーティション管理ツールが必要です。パソコン初心者であっても、簡単に操作できます。そのほか、このソフトウェアはパーティションの移動、SSDへのOS移行、CDブータブルの作成、FAT32からNTFSへの変換など、より多くの機能を提供しています。
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