パソコン同士を直接接続!データ移行・共有の簡単な方法
PC同士をケーブルやワイヤレスで直接つなぎ、簡単にデータ共有・移行する方法を紹介。初心者でもすぐに実践できる手順を解説します!
パソコン同士を直接接続してデータを移行したいと思ったことはありませんか?
たとえば、新しいPCへの買い替え時や、オフライン環境でデータを共有したい場合、インターネットやクラウドサービスを使わずに直接接続できると便利です。
本記事では、LANケーブルやUSB転送ケーブル、Wi-Fi Directなどを使って、簡単にパソコンとパソコンを繋ぐ方法を紹介します。
パソコン同士を直接接続する主な方法
パソコンとパソコンを繋ぐ方法はいくつかあります。それぞれの特徴を踏まえながら、自分に合った方法を選びましょう。
方法1:クロスケーブルでPCを直接接続
LANクロスケーブルを使うと、2台のパソコンをネットワーク機器(ルーターやスイッチ)を介さずに直接接続できます。特に、大容量のデータを高速で転送したい場合や、インターネット環境がない場合に便利です。
- 必要なもの:
- LANクロスケーブル(カテゴリ5e以上推奨)
- ネットワークポートがあるパソコン2台
ステップ 1. クロスケーブルを2台のPCのLANポートに接続します。
ステップ 2. 接続後、PCが自動でネットワークを認識するかを確認します。自動でネットワークが認識されない場合は、手動でIPアドレスを設定します。
ステップ 3. 「スタート」→「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサネット」→「アダプターのオプションを変更する」を選択します。
ステップ 4. 接続したネットワークアダプター(ローカルエリア接続)を右クリック→「プロパティ」→「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」→「プロパティ」→「次のIPアドレスを使う」を選択し、以下のように設定します。
PC | IPアドレス | サブネットマスク | デフォルトゲートウェイ |
PC1 | 192.168.1.1 | 255.255.255.0 | 空欄 |
PC2 | 192.168.1.2 | 255.255.255.0 | 空欄 |
ステップ 5. IPアドレスの設定が完了したら、データを転送するために共有フォルダを設定します。
ステップ 6. データを保存したいフォルダを右クリックし、「プロパティ」→「共有」→「共有」ボタンをクリックし、共有するユーザーを「Everyone」に設定し、「追加」をクリックします。
ステップ 7. 「アクセス許可のレベル」で「読み取り/書き込み」を選択し、「共有」をクリックします。
ステップ 8. 画面の指示に従い、共有が完了したらフォルダのネットワークパスを確認します。
ステップ 9. Windowsキー + Rを押し、「\192.168.1.1」(または設定したPCのIPアドレス)を入力します。
ステップ 10. エンターを押すと、共有フォルダが表示されます。ここで必要なデータをコピー&ペーストして転送します。
⚠ トラブル発生時のチェックポイント
接続がうまくいかない場合は、以下の点を確認してください。
▸IPアドレスが正しく設定されているか(両方のPCで異なるアドレスを設定)
▸ファイアウォールがブロックしていないか(一時的に無効にする)
▸ネットワーク検出が有効になっているか(「設定」→「ネットワークと共有センター」から確認)
もし設定が難しいと感じる場合は、USB転送ケーブルやWi-Fi Directといった別の方法も検討してみてください。
方法2:USB転送ケーブルでPCを直接接続
USB転送ケーブル(データリンクケーブル)を使用すると、パソコンとパソコンを繋いて、簡単にデータを移行できます。特に、ネットワーク設定が不要で初心者でも扱いやすい方法です。
▸ USB転送ケーブルとは:2台のPC間でデータを直接やり取りできる特殊なUSBケーブルです。一般的なUSBケーブルとは異なり、内部にデータ転送用のチップが組み込まれています。
- 必要なもの:
- USB転送ケーブル(例:Plugable USB 3.0転送ケーブル、ELECOM製USBリンクケーブルなど)
- データを送受信するPC 2台(Windows 10/11推奨)
- 転送ソフトウェア(付属CDまたは公式サイトからダウンロード)
ステップ 1. USB転送ケーブルの片方をPC1のUSBポートに挿します。もう片方をPC2のUSBポートに挿します。
ステップ 2. 両方のPCがケーブルを認識し、ドライバーのインストールが自動で始まります(認識されない場合は手動でインストール)。
ステップ 3. ほとんどのUSB転送ケーブルには専用のソフトウェアが付属しています。付属CDまたは公式サイトから転送ソフトをダウンロードし、両方のPCに同じソフトウェアをインストールします。
ステップ 4. インストールが完了したら、ソフトウェアを起動し、「接続待機中」の画面が表示されていることを確認します。もう一方のPCにも同じ画面が表示されているかチェックします。
ステップ 5. 正しく接続されると、2台のPC間でファイルをドラッグ&ドロップできる画面が表示されます。
ステップ 6. PC1(送信元)の転送ソフト上で移動したいファイルやフォルダを選択し、PC2(受信先)の転送先フォルダを指定します。
ステップ 7. 「転送開始」ボタンをクリックし、転送が完了したら、データが正しくコピーされているか確認します。
⚠ トラブル発生時のチェックポイント
接続がうまくいかない場合は、以下の点を確認してください。
▸USBポートを変更してみる(USB 3.0が推奨)
▸セキュリティソフトが接続をブロックしていないか確認
▸ケーブルのドライバーが最新かどうか確認
方法3:Wi-Fi DirectでPCを直接接続
Wi-Fi Directを使うと、ルーターやアクセスポイントを介さずに2台のPCを直接ワイヤレス繋ぐことができます。ネットワーク環境がなくてもファイル共有が可能で、特にケーブル不要で手軽にデータをやり取りできるのが特徴です。
▸ Wi-Fi Directとは:デバイス同士が直接Wi-Fi接続できる技術です。Bluetoothより高速で、大容量のファイル転送にも向いています。Windowsでは標準でWi-Fi Directをサポートしていますが、一部の古いPCでは対応していない場合があります。以下の手順で確認しましょう。
- 必要なもの:
- Wi-Fi Direct対応のPC(Windows 10/11推奨)
- Wi-Fi Directに対応したワイヤレスアダプター
ステップ 1. Windowsキー + Rを押し、「cmd」と入力してコマンドプロンプトを開きます。
ステップ 2. 以下のコマンドを入力し、エンターを押します。
netsh wlan show drivers
ステップ 3. 表示された情報の中に「Wi-Fi Direct サポート: はい」とあれば対応しています。「いいえ」の場合は、Wi-Fi Directを利用できません。
対応していることが確認されたら、データをやり取り始めましょう。
ステップ 4. Windowsキー + Iを押して「設定」を開き、「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」を選択します。Wi-Fiをオンにします。
ステップ 5. Windowsキー + Rを押し、「ms-settings:network-wifisettings」と入力し、設定画面を開きます。
ステップ 6. 「Wi-Fi Direct」の設定に進み、PCのWi-Fi Directネットワーク名をメモします。
ステップ 7. 接続先のPC(PC2)で、Wi-Fiネットワーク一覧を開き、PC1のWi-Fi Directネットワークを選択します。接続要求が表示されたら許可し、PINコードを入力します。
ステップ 8. 両方のPCが接続されたことを確認し、共有したいフォルダを右クリックし、「プロパティ」を開きます。
ステップ 9. 「共有」タブをクリックし、「共有」を選択します。
ステップ 10. 「Everyone」を追加し、「アクセス許可」を「読み取り/書き込み」に設定して、「適用」を押して設定を保存します。
ステップ 11. ネットワークパス(例: \\PC1 \共有フォルダ)をメモしておきます。
ステップ 12. Windowsキー + Rを押し、「 \\PC1\共有フォルダ 」と入力し、エンターを押します。
ステップ 13. 共有フォルダが開くので、データをコピー&ペーストして、転送が完了したら、ファイルが正しく移動したか確認します。
⚠ Wi-Fi Directが使えない場合の代替方法
一部のPCではWi-Fi Directの設定が見つからないことがあります。その場合は、「モバイルホットスポット」機能を使ってPC同士を接続できます。
ステップ 1. 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルホットスポット」を開きます。
ステップ 2. Wi-Fiを有効化し、「このPCのインターネット接続を他のデバイスと共有する」をオンにします。
ステップ 3. SSIDとパスワードをメモし、もう一方のPCから接続します。そして「共有」の手順を始まります。
方法4:BluetoothでPCを直接接続
Bluetoothを使えば、ケーブル不要でPC同士をワイヤレス接続し、データをやり取りできます。特に、小容量のデータなら手軽にやり取りできるため、Wi-Fiを使わずにファイルを共有したい場合に便利です。
✘ 注意:大容量のデータ転送には向いていません。
- 必要なもの:
- Bluetooth対応のPC(Windows 10/11推奨)
- Bluetoothアダプター(内蔵されていないPCの場合)
ステップ 1. Windowsキー + Iを押して「設定」を開き、「デバイス」→「Bluetoothとその他のデバイス」に進みます。
ステップ 2. Bluetoothが「オン」になっているか確認します。オフの場合はスイッチをオンにします。
ステップ 3. PC1(送信側)で「設定」→「デバイス」→「Bluetoothとその他のデバイス」に移動し、「Bluetoothまたはその他のデバイスを追加する」をクリックします。
ステップ 4. 「Bluetooth」を選択し、PC2を検出します。PC2の名前をクリックし、「接続」ボタンを押します。
ステップ 5. PINコードが表示されるので、PC2にも同じコードが表示されるか確認します。
ステップ 6. PC2(受信側)で通知が表示されるので、「接続を許可」します。PINコードが一致していることを確認し、「ペアリング」をクリックします。
ステップ 7. 「接続済み」と表示されたら、Bluetooth接続が完了します。
ステップ 8. 送信側(PC1)で転送したいファイルを右クリックし、「送る」→「Bluetoothデバイス」を選択し、転送先のPC(PC2)を選択し、「次へ」をクリックします。
ステップ 9. ファイルの転送が開始されるので、完了するまで待ちます。
ステップ 10. 受信側(PC2)で通知が表示されるので、「ファイルを受け入れる」をクリックします。転送が完了すると、保存場所を指定できるので、保存して終了します。
おまけ:直接接続することでクローンする(一括データ移行)
専用のクローンソフトを使えば、システム、アプリ、設定、個人データを丸ごと新しいPCへ一括データ移行できます。AOMEI Partition Assistantなら、数クリックでディスク全体をクローンできるため、現在の環境をそのまま新しいPCへ移行できます。複雑な設定は不要で、初心者でも簡単に操作可能です。
まずは、PC2のHDD/SSDを取り出し、PC1に接続する必要はあります。
- 必要なもの:
- プラスドライバー(PCのケースやHDDマウンターを開けるため)
- SATA-USB変換アダプターまたはHDD/SSD外付けケース(ノートPCの場合推奨)
- SATA電源&データケーブル(デスクトップPCの場合推奨)
ステップ 1. PC2の電源を切り、コンセントを抜きます。プラスドライバーでPCケースのサイドパネルを外します。
ステップ 2. HDD/SSDを固定しているネジやブラケットを外して、SATAケーブルと電源ケーブルを慎重に抜きます。
ステップ 3. HDD/SSDを取り出し、SATA-USB変換アダプターに接続します。PC1のUSBポートにアダプターを差し込みます。
ステップ 4. エクスプローラー(Windows + E)を開き、ドライブが表示されていれば成功!
そしてクローン手順に入りましょう。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。「クローン」メインタブをクリックし、「ディスクをクローン」を選択します。
ステップ 2. ソースディスクとしてクローンする必要のあるハードディスク(古いPCのHDD/SSD)を選択して、「次へ」をクリックします。
ステップ 3. ターゲットディスク(新しいPCのHDD/SSD
)を選択し、「次へ」をクリックします。ステップ 4. 確認画面に移動して、クローン元のディスクとクローン先のディスクを確認します。問題なければ「確認」ボタンをクリックして、続行します。
- 「セクタ単位のクローン」にチェックを入れることができます:
- チェックを入れる場合、「セクタ単位のクローン」を実行します。使用済みセクタと未使用セクタをすべてクローンするため、より長い時間がかかります。ターゲットディスクのサイズはソースディスクのサイズに等しいかそれより大きくなければなりません(ソースディスクはMBR形式の場合、ターゲットディスクもMBR形式になっています)。
- チェックを入れない場合、「ディスクの高速クローン」を実行します。ソースディスク上の使用済み領域だけをクローンするため、大容量のソースディスクを小容量のターゲットディスクにクローンすることができます(ターゲットディスクの空き容量はソースディスクの使用済み容量より大きいか等しい必要があります)。クローン中にターゲットディスク上の各パーティションのサイズを調整することができます。
- 「設定」をクリックして、ターゲットディスク上のパーティションを編集することができます:
- パーティションのサイズを変更せずにクローン:ソースパーティションのサイズを維持します。
- コピー先に合わせる:ターゲットディスク全体に合わせてパーティションのサイズを自動的に調整します。
- 手動で編集する:ターゲットディスク上のパーティションのサイズを手動で調整します。
ステップ 5. ツールバーの「適用」をクリックし、「続行」をクリックます。
まとめ
パソコンとパソコンを繋ぐ方法は、用途や環境によって最適な手段が異なります。クロスケーブルなら安定した有線接続、USB転送ケーブルは簡単なファイル転送に最適。Wi-Fi DirectやBluetoothは、ワイヤレスで手軽にデータを共有できます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、状況に応じた方法を選びましょう。データ移行だけでなく、PCのクローン作成にも活用できるので、必要に応じて試してみてください。