「仮想マシン(VM)」とは何か、Windows 11で簡単に仮想PCを作成・管理する方法を詳しく説明します。
仮想マシンとは、一言でいうと「ソフトウェアで作られた、ウィンドウの中で動く偽物(バーチャル)のパソコン」のことです。英語では「Virtual Machine(バーチャルマシン)」、略して「VM(ブイエム)」とも呼ばれます。
ゲームの『マインクラフト』の世界の中で、さらに別のコンピューターを組み立てて動かすようなワクワクする仕組みに似ています。
イメージしやすいように、パソコンの中の構造を表にまとめてみました。
| 呼び方 | 役割 | 実際のイメージ |
| ホストPC(本物) | あなたが今触っている、机の上にある本物のパソコン | 土台となるお家 |
| 仮想マシン(偽物) | 本物のPCのパワーを少しだけ分けてもらって動く画面の中のPC | お家の中に作った「秘密の子供部屋」 |
仮想マシンの中でどれだけウイルスを仕掛ける実験をしても、変な設定をして画面がバグっても、あなたの本物のパソコン(ホストPC)には1ミリも影響がありません。部屋の中でどれだけ暴れても、お家全体が壊れることはないのと同じです。
なぜ、わざわざパソコンの中に別のパソコンを作るのでしょうか?それには、以下のような非常に強力なメリットがあるからです。
古いソフトやゲームを動かす:今のWindows 11では動かなくなってしまった、昔の懐かしいゲームやソフトを仮想マシン(Windows 7など)を入れて動かせます。
パソコンの仕組みを勉強する:システムの大事なファイルを消しちゃったらどうなるんだろう?という実験も、仮想マシンならやり放題です。ボタン一つでいつでも元の綺麗な状態に巻き戻せます。
他のOS(Linuxなど)を試す:プログラミングでよく使われる「Linux(リナックス)」という別のOSも、パソコンをもう一台買うことなく、無料でお試しできます。
Windows 11の環境で仮想PC環境を作るには、主に以下の3つのツールが有名です。
Hyper-VはMicrosoftが提供しているWindows標準の仮想化機能です。Windows 11 Pro以上のエディションに最初から組み込まれているため、新しくソフトをダウンロードする必要がなく、非常に軽快に動作します(※Homeエディションでは使えません)。
ステップ 1. スタートメニューから「Hyper-Vマネージャー」を検索して開きます。
ステップ 2. 画面右側にある操作パネルから、「新規」>「仮想マシン」の順にクリックします。
「開始する前に」という画面が出たら「次へ」を押します。
ステップ 3. 仮想マシンの名前(例:「Windows11_Test」など)を入力します。保存場所は標準のままで問題ありませんが、Cドライブの容量を節約したい場合は別のドライブを指定することも可能です。
ステップ 4. 「この仮想マシンの世代を選択します。」では、「第2世代」を選択します。「次へ」をクリックします。
第1世代:古いOS(32bitのWindowsなど)を入れる場合
第2世代:最近のOS(Windows 11や最新のLinuxなど)を入れる場合 現在のパソコンであれば、基本的には「第2世代」を選んでおけば間違いありません。相違点についてはMicrosoftの説明をご覧ください。
ステップ 5. 仮想マシンに割り当てるメモリの量を決めます。お使いのパソコンの搭載メモリにもよりますが、快適に動かすなら「4096MB(4GB)」以上が目安です。
ステップ 6. インターネットに繋ぐために、接続方法のプルダウンから「Default Switch(デフォルトスイッチ)」を選択します。
ステップ 7. 仮想マシン専用の「仮想のハードディスク」をパソコン内に作ります。容量(サイズ)は、実験用なら「60GB〜127GB」程度あれば十分です。後から増やすこともできます。
ステップ 8. 「ブートイメージファイルからオペレーティングシステムをインストールする」にチェックを入れ、事前準備でダウンロードしておいたOSの「ISOファイル」を選択します。
ステップ 9. 最後に「完了」をクリックすれば、仮想マシンの箱(器)が完成します。
VirtualBoxはOracle社が開発している完全無料の仮想化ソフトです。Windows 11 Homeエディションをお使いの方でも制限なく利用でき、画面も分かりやすいため、世界中で多くの初心者に愛用されています。
ステップ 1. VirtualBoxを起動し、画面上部にある青い歯車マークの「新規」ボタンをクリックします。
ステップ 2. 名前:仮想マシンに好きな名前(例:「テスト用Win11」など)を入力します。「次へ」をクリックします。
ISOイメージ:プルダウンをクリックして「その他」を選び、事前準備で用意したOSの「ISOファイル」を選択します。
※最近のVirtualBoxでは、ここでISOファイルを指定すると、後のOSインストールを自動化してくれる「無人インストール」機能が使えて非常に便利です。
ステップ 3. 仮想マシンに、本物のパソコンのパワーをどれくらい分け与えるかを設定します。設定できたら「次へ」をクリックします。
メインメモリー:仮想マシンをスムーズに動かすため、緑色のゲージの範囲内で指定します(Windows 11なら最低でも4096MB(4GB)以上が目安です)。
プロセッサー(CPU):こちらも緑色の範囲内で、できれば「2」以上に設定すると快適に動きます。
ステップ 4. 仮想マシンがデータを保存するための「専用のファイル(偽物のハードディスク)」を作ります。「仮想ハードディスクを作成する」にチェックを入れます。
ディスクサイズ:仮想マシンの用途に合わせて容量を決めます(実験用なら標準のままでOK、Windows 11を入れるなら64GB以上がおすすめです)。
「次へ」をクリックし、最後に確認画面が出るので「完了」ボタンを押します。
これで、画面の左側に新しい仮想マシンの「箱」が作成されました!
Windows 11には最初から「Hyper-V」という仮想マシンを作る機能がついていますが、設定が難しかったり、普通のWindows(Home版)では使えなかったりする制限があります。
そこで今、一番簡単な仮想マシン作成のツールとしておすすめなのが、ディスク管理ソフトでおなじみの「AOMEI Partition Assistant」です。このソフトには、初心者でも数回クリックするだけで自動的に環境を整えてくれる「仮想マシン作成・管理」という最新の機能がついています。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、「仮想マシン管理」→「仮想マシンを作成」を選択します。
ステップ 2. ソフトは、パソコンにHyper-Vサービスがインストールされているかどうかを検出します。インストールされている場合、「インストール」ボタンをクリックして、Hyper-Vサービスのインストールを開始します。
ステップ 3. Hyper-Vサービスが正常にインストールされたら、マシンを再起動した後にVMを作成できます。「再起動」ボタンをクリックして、すぐにPCを再起動します。
ステップ 4. 「参照」ボタンをクリックして、VMを作成するためのWindowsシステムISOイメージファイルを選択します。ISOが選択されたら、「次へ」をクリックして続行します。
ステップ 5. その後、VMの名前や配置場所などを設定できます。設定が完了したら、「次へ」をクリックして、仮想マシンの作成を開始します。
処理が正常に完了すると、成功したことを示すポップアップが表示されます。「仮想マシンを管理」オプションをクリックすると、Hyper-Vマネージャーが開き、Hyper-V上の仮想マシンを確認したり管理したりできます。
仮想マシンとは、「本物のパソコンを傷つけることなく、何でも自由に試せる安全なデジタルスペース」です。
Windows 11を搭載したパソコンの性能(スペック)を活かせば、初心者でもツールを使って簡単に作成・運用することができます。
「新しいアプリを試してみたい」「別のOSを触ってスキルアップしたい」という方は、ぜひこの記事を参考に、自分だけの仮想マシンを作成して、安心・快適なパソコンライフを楽しんでみてくださいね!