BitLockerの暗号化解除が終わらない?進まない原因と対処法を徹底解説

BitLockerの暗号化解除が終わらない問題を解決するためのガイドです。進まない原因を分析し、再起動や回復キーの使用、ディスクエラー修復など、実践的な解決方法を詳しく解説します。

投稿者 @カオル 2024年11月19日 @カオル 最後の更新 2024年11月19日

よくある問題:BitLockerの暗号化解除が進まない、終わらない?

BitLocker(ビットロッカー)は、Windowsに搭載されたドライブ暗号化機能で、データ保護に非常に有効です。しかし、暗号化解除が進まないトラブルに遭遇すると、業務や日常生活に支障をきたすこともあります。本記事では、解除が進まない原因とその解決方法をわかりやすく解説します。

BitLockerの暗号化解除が終わらない理由

まずは解除が進まない原因について説明します。

1. システムリソースが不足している

暗号化解除にはCPUやメモリを多く使うため、他の作業でリソースが使われていると、処理が遅くなることがあります。

2. 大きなドライブを扱っている

HDDやSSD大きいと、暗号化解除に数時間から数日かかることがあります。特に古いPCや処理が遅いドライブでは、進行が遅くなることが多いです。

説明:BitLockerの暗号化と復号化にかかる時間

Microsoftによると、BitLockerの暗号化には500MBあたり約1分かかります。したがって、100GBのドライブでは約3時間20分、1TBのドライブでは約33時間かかります。暗号化や復号化中でも他の作業ができるので、気長に待ちましょう。

BitLockerが暗号化中です」というメッセージは、処理が進行中であることを示しています。そのまま電源を入れたままにしておいてください。完了すると「BitLockerを無効にする」が選べるようになります。

もし長時間(1~2日以上)経っても暗号化が終わらない場合は、何らかの問題が発生しているに違いないでしょう。

3. 中断やシャットダウンの影響

暗号化解除中に電源が落ちたり、システムが強制終了すると、プロセスが中断されることがあります。この場合、手動で再開する必要があることもあります。

BitLockerの暗号化や復号化中でも、再起動は可能です。

4. ハードディスクのエラー

ドライブ自体にエラーがあると、BitLockerの解除がうまくいかないことがあります。エラーが解決しないと、解除が進まないことがあります。

BitLockerの状態を確認する方法

暗号化解除が進まない時、まずはBitLockerの状態を確認しましょう。

BitLockerの状態を確認するには、次の手順を行います:

ステップ 1. スタートボタン右側にある「検索バー」で「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックします。表示されたメニューの中から「管理者として実行」を選択します。

ステップ 2. 「manage-bde -status」コマンドを入力して、解除状況を確認できます。

BitLockerの暗号化解除が進まない時の対処法

ここで、5つの対処法をまとめました。

1. システムを再起動する

暗号化解除中にシステムを再起動すると、解除が再開されることがあります。ただし、再起動中にエラーが起きないように気をつけてください。

2. 時間を十分に取る

暗号化解除には時間がかかることがあります。特に進行が遅いときは、システムに触れずにしばらく待つことが大切です。

3. エラーチェックツールを利用する

ステップ 1. 暗号化解除したいドライブを右クリックし、「プロパティ」を選びます。

ステップ 2. 「ツール」タブの「チェック」を使って、ドライブのエラーを修正します。

4. 負荷が高いタスクを終了する

ステップ 1. 「Altキー+Ctrlキー+Deleteキー」を同時に押して、タスクマネージャーでCPUやメモリ使用率をチェックし、負荷が高いタスクを終了させます。これにより、BitLockerの解除プロセスがスムーズになることがあります。

5. 回復キーを使用して解除を再試行する

BitLockerの回復キーが手元にある場合、それを使って解除プロセスを強制的に再開できます。回復キーは、Microsoftアカウントや印刷物に保存されていることが多いので確認しましょう。

📍関連記事:簡単に確認!BitLockerの回復キーを見つける方法

BitLocker保護を一時的に中断(停止)する方法

ここで、BitLockerの保護を一時的に中断(停止)する方法を2つ紹介します。

GUIでBitLocker保護の一時中断手順

ステップ 1. スタートメニューで「コントロールパネル」と入力して開きます。

ステップ 2. コントロールパネルで、「システムとセキュリティ」に移動し、「BitLockerドライブの暗号化」をクリックします。

ステップ 3. 保護されているドライブの隣にある「保護の中断」をクリックし、確認画面が表示されたら「はい」を選択します。

ステップ 4. 必要な作業が完了したら、保護を再開してください。

CMDでBitLocker保護の一時中断手順

ステップ 1. スタートボタン右側にある「検索バー」で「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックします。表示されたメニューの中から「管理者として実行」を選択します。

ステップ 2. 次のコマンドを入力して実行します(C:は保護を中断したいドライブのドライブ文字に置き換えてください)。

manage-bde -protectors -disable C:

ステップ 3. 作業が完了したら、保護を再開します。

注意事項

- 一時中断中はデータが保護されない状態になるため、外部からのアクセスに注意してください。

- 保護は再起動後に自動的に再開される場合もあります。

より簡単にBitLockerを管理する方法

BitLockerの設定が難しいと感じる人もいます。そこで、もっと簡単に使える無料AOMEI Partition AssistantBitLocker管理機能を紹介します。このソフトを使えば、BitLockerの有効化や無効化、回復キーのバックアップ、ドライブのロックやロック解除、BitLockerパスワードの変更が簡単にできます。

さらに、Windows HomeなどのBitLockerがサポートされていないWindowsバージョンでも利用可能です。HomeエディションでBitLocker機能したい方は、プロ版へアップデートする必要があります。

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まず、AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。次に、「ツール」をクリックし、BitLockerを選択します。ここで、必要に応じてBitLockerの設定ができます。

BitLockerの有効化/無効化

メニューからドライブを選び、BitLockerをオンまたはオフにすることができます。

回復キーのバックアップ

暗号化されたドライブの回復キーをバックアップしたい場合は、「回復キーをバックアップ」をクリックします。バックアップ方法は「ファイルに保存」または「回復キーを印刷」から選べます。

ドライブのロック/ロック解除

ドライブがロックされていない場合は、「ドライブをロック」を選んでロックできます。ロックを解除したいときは、「ドライブロック解除」をクリックしてください。

シャットダウン後に暗号化解除が中断した場合の対応

暗号化解除中にPCがシャットダウンした場合、再起動時にBitLockerが自動的に解除を再試行する場合があります。しかし、解除が進まない場合は次の方法を試してください:

◼️1. 回復環境から解除を再開

ステップ 1. Windows回復環境(WinRE)を起動し、コマンドプロンプトから解除を再試行します。

ヒントWindowsが起動する前に、電源を入れた後に何度かF8キーを押すことで、WinREにアクセスできます。或いは、電源ボタンを約10秒間長押しして、PCの電源を強制的にオフにします。2回繰り返します(電源を入れて、Windowsのロゴが出てくるまで待ち、その後再度電源を長押しして強制シャットダウン)。すると、WinREにアクセスできます。さらに、PCが起動する前にF11キーを連打することで、WinREに入ることが可能です。方法はPCのメーカーやモデルによって異なるため、メーカーが提供したマニュアルを確認するか、一度試してみてください。

manage-bde -unlock <ドライブ> -RecoveryPassword <回復キー>manage-bde -off <ドライブ>

◼️2. データ復旧ソフトの利用

必要に応じて専門のデータ復旧ソフトを使用してデータをバックアップし、安全に解除を進めます。

こんな時は、AOMEI FastRecoveryにような専門のデータ復元ソフトが役に立ちます。

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3ステップでデータ復旧:

ステップ 1. AOMEI FastRecoveryをインストールして起動します。データが失われたパーティションやディスクを選択し、「スキャン」をクリックします。

ステップ 2. 「クイックスキャン」で消したデータを迅速に検出し、その後「ディープスキャン」で他の失われたデータを検索します。スキャンが完了すると、削除されたファイルや紛失したファイルが表示されます。復元したいファイルを選択し、プレビューすることができ、「復旧」をクリックします。

ステップ 3. 「フォルダーの選択」ボタンをクリックして、復元したファイルを保存するパスを選択します。

ファイルの上書きを避けるため、復元されたファイルを元場所と異なるディスクで保存しなければなりませんので注意してください。

BitLocker解除トラブルを避けるための対策

定期的にバックアップを行う

解除に失敗した場合でもデータを守るために、外部ドライブやクラウドにバックアップを取ることを習慣にしましょう。

解除中はPCを使用しない

解除プロセスが中断されないように、暗号化解除中は他の作業をしないようにしましょう。

まとめ

BitLockerの暗号化解除が遅れる理由には、システムリソースの不足やドライブの問題などが考えられます。この記事で紹介した方法を試せば、多くの問題が解決できるでしょう。それでも解除が進まない場合は、専門家に相談することを考えてみてください。BitLockerを安全に利用するためには、定期的なバックアップと計画的な運用が大切です。

よくある質問 (FAQ)

Q1: BitLockerの暗号化解除にはどれくらいの時間がかかりますか?

A: ドライブのサイズやPCの性能によりますが、データが多い場合やPCが遅いと、数時間から数日かかることがあります。解除中は他の作業を避けて、プロセスが中断しないように注意してください。

Q2: 暗号化解除中にPCをシャットダウンしました。再開できますか?

A: 通常、PCを再起動するとBitLockerの解除が自動で再開します。ただし、進まない場合は回復キーを使って手動で再開する必要があります。manage-bdeコマンドで状況を確認することをおすすめします。

Q3: BitLockerの暗号化解除が「進行中」のまま進まない場合、どうすればよいですか?

A: まず、以下の点を確認してください:

  • PCの負荷を減らす:タスクマネージャーを開いて、リソースを多く使っているタスクを終了してください。
  • 十分な時間を待つ:ドライブのサイズによっては、処理が遅れることがあります。
  • システムを再起動する:再起動後に解除が再開されることがあります。

それでも解決しない場合は、ドライブのエラーを確認し、回復キーを使う方法を考えてみてください。

Q4: BitLockerの回復キーを失くしました。どうすればいいですか?

A: 回復キーがないと、暗号化されたデータを取り出すのはとても難しいです。

以下の場所を確認してください:

  • Microsoftアカウント(ログインすると保存されていることがあります)。
  • 印刷して保管している場所。
  • システム管理者が持っている(会社で使っている場合)。

これらを確認しても見つからない場合は、データ復旧の専門家に相談する必要があるかもしれません。

Q5: BitLockerの暗号化解除中にデータが失われることはありますか?

A: 通常、暗号化解除中にデータが失われることはありません。ただし、プロセスが中断されたり、ハードディスクに物理的な問題があると、データ損失のリスクが増します。暗号化解除を始める前に、必ずデータをバックアップすることをお勧めします。本当にデータを失った場合は、データ復元ソフトを使って試してみましょう。

Q6: BitLockerを無効にすると、暗号化は完全に解除されますか?

A: はい、BitLockerを無効にすると、暗号化が解除され、データは通常の非暗号化状態に戻ります。ただし、プロセスが終わるまで待つ必要があります。途中でシステムをシャットダウンしないように注意してください。

Q7: BitLockerの暗号化解除を完全に中断する方法はありますか?

A: BitLockerの解除を途中で止めることはお勧めしませんが、どうしても中断したい場合は以下の手順を試してください:

  • manage-bdeコマンドを使う:コマンドプロンプトで「manage-bde -pause」と入力すると、一時停止できます。
  • 再開する:必要に応じて、後で解除プロセスを再開できます。

ただし、データの整合性が保たれない可能性があるため、注意して行ってください。