本記事では、EFIシステムパーティションにあるBCD(ブート構成データ)ファイルが消失または破損し、OSが起動できなくなった場合の対処方法についてご紹介いたします。Windows11/10/7がBCDブートファイルの破損で起動きない時は、インストールメディアや回復ドライブから回復環境(修復機能)を立上げて、「スタートアップ修復」または「コマンドプロンプト」の二つの方法で修復することができます。
ブート構成データ(Boot Configuration Data、BCD)は、起動時の構成を格納する、ファームウェアに依存しないデータベースである。これはNTLDRで用いられたboot.iniに代わり、Microsoftの新しいWindows Boot Managerに用いられる。BCDは、レジストリと同等のフォーマットを持つデータファイルに格納される。このファイルは、(EFIファームウェアが用いられるマシン上で)EFIシステムパーティション、または(PC/AT互換機ファームウェアを用いるマシン上で)システム・ボリュームの\Boot\Bcdパスのいずれかに配置される。
Windows Boot Manager(Bootmgr)とは、Microsoft Windowsで採用されるブートローダーおよびブートマネージャーである。従来のNT OS Loaderに代わって、Windows VistaおよびWindows Server 2008以降で採用されている。Windows Boot Managerは、BCDを読み込み、オペレーティングシステムの選択メニューを表示する。
--出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
簡単に言うと、BCD(ブート構成データ)はOS(オペレーティングシステム)の起動時の構成情報を格納している場所です。つまり、BCDにはブート構成パラメータが含まれて、Windows Vista以降のバージョンでOSを起動する方法を制御します。
一般的にBCDファイルは、EFIシステムパーティションにあり、\EFI\Microsoft\Boot\BCDに配置されています。ちなみに、このBCDストアを追加・削除・編集するのがbcdedit.exeというコマンドラインツールです。
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上述のように、Windows Boot ManagerはBCDファイルを使い、Windows OSの起動処理を進めていくため、このファイルが消失または破損している場合は、OSを起動することができなくなります。BCDエラーが発生する場合は、Windows11/10/7の起動画面は表示されず、ブルースクリーンなどでエラーが表示されます。
BCDファイルが消失または破損し、Windowsが起動できない場合は、主に3種類の画面が表示されます。これらの画面が表示されたら、BCDファイルに消失または破損している可能性があります。
🔎ケース❶:File: \EFI\Microsoft\Boot\BCD(Error code: 0xc000000f)
🔎ケース❷:File: \EFI\Microsoft\Boot\BCD(Error code: 0xc000014c)
🔎ケース❸:回復環境が起動(トラブルシューティングとPCの電源を切るだけが表示)
私のお客様は、コンピュータの電源を入れたときに起動に失敗したと言います。画面の上に表示されたメッセージは次のようになります。彼は起動前にハードウェア変更しなかったと確信しています。彼はそのPCを3年前買ってきましたが、Windowsインストールディスクが見つからないため、指示通りに問題を解決することができません。それに1年前にPCに何らかの変更を加えたため、製造元の担当者との交渉はうまくいかないようです。それでWindows10でBCDエラーを修正するために彼は何をするべきですか?
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BCDファイルは消失または破損、BCDエラーが発生する原因はさまざまですが、主な理由は以下の通りです。
ハードウェア故障が原因であった場合、そのコンポーネント(例えば、ハードディスク、マザーボード、プリンターなど)を新しいものと交換することができます。それ以外の場合は、以下で紹介した方法を試してみて、破損したBCDを修復しましょう。
回復環境が起動しない場合は、インストールメディアや回復ドライブが必要になります。インストールメディアや回復ドライブがない場合は、別のPCで作成した後に修復作業を行います。
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回復環境を起動するためのインストールメディアや回復ドライブの起動方法はメーカーや機種により違います。基本操作はPC本体の電源を入れて直ぐに「Delete」や「F2」「F12」「F9」「F8」などを押します。
次は、起動モードがUEFIの環境において、BCDファイルの破損によりOSが起動できない場合の復旧方法について説明します(Windows10を例として挙げます)。
手順 1. インストールメディアでパソコンを起動してしばらくすると言語などの初期設定画面が表示されます。
手順 2. キーボートの種類や言語を選択して「次へ」をクリックします。
手順 3. 「コンピューターを修復する」をクリックします。
手順 4. 「オプションの選択」が表示されたら、「トラブルシューティング」をクリックします。
手順 1. 回復ドライブ(USBメモリ)でパソコンを起動します。
手順 2. 回復ドライブが起動したら、キーボードのレイアウトを選択します。
手順 3. 「オプションの選択」が表示されたら、「トラブルシューティング」をクリックします。
Windowsのスタートアップ修復(自動修復機能)は、Windowsのシステムファイルが壊れた場合や、正しく構成されていない、などの問題により、Windows が正常に起動ができない場合に利用します。スタートアップ修復を実行すると、PCの問題を診断して自動的に修復します。
手順 1. 「詳細オプション」が表示されたら、「スタートアップ修復」をクリックします。
手順 2. 「スタートアップ修復」が表示されたら、「Windows 10」をクリックして実行します。
手順 3. 「PCを診断中」と表示されるのでそのまま待ちます。
「PCを診断中」の後に、Windows10が起動すればBCDエラーは修復されいます。「PCを診断中」の後に、「スタートアップ修復」画面が表示されたら「詳細オプション」をクリックして「トラブルシューティング」に移動して、再度「スタートアップ修復」を実行してみます。
何度か「スタートアップ修復」を実行してもWindows10が起動しないようなら、次項の「コマンドプロンプト」でBCDエラーを修復しましょう。
「スタートアップ修復」でBCDエラーを修復することができない場合は、「詳細オプション」画面で「コマンドプロンプト」をクリック(起動)して、「コマンドプロンプト」でBCDエラーを修復することができます。
BCDファイルの再構成でBCDエラーを修復し、Windowsが起動しない問題を解決することが可能です。
手順 1. コマンド プロンプトが起動したら、「diskpart」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 2. 「list disk」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 3. 「select disk 0」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 4. 「list partition」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 5. 「select partition 1」と入力して「Enter」を押します。
手順 6. 「assign letter=s」と入力して「Enter」を押します。
手順 7. 「list vol」と入力して「Enter」を押します。
手順 8. 「exit」と入力して「Enter」を押します。
手順 9. 「bcdboot C:\Windows /s s: /f uefi /l ja-jp」と入力して「Enter」キーを押します。
「ブートファイルは正常に作成されました」と表示されれば、ブートレコードの再構築は完了です。回復環境(WinPE)で起動しているので、「wpeutil shutdownvol」と入力して「Enter」を押してシャットダウンします。
シャットダウンが完全に完了したら、インストールメディアや回復ドライブまたはWindows PEメディアを取り外し、電源をボタンを押してWindowsが正常に起動するか確認してください。
※BCDを再構築するもう一つの方法がありますが、ちょっと難しいと思います。詳細情報については「WindowsでBCDを再構築する方法」を参考にしてください。
BCDの再構築でも起動しない場合は、BCDブートファイルをインポートして再作成する方法もあります。
最初に、上記項目「BCDを再構築する」の「ドライブレターを付与する」手順(つまり、手順8:「desikpartの終了」)まで操作を進めます。
手順 9. 「s:」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 10. 「bcdboot c:\windows /l ja-JP r: /f ALL」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 11. 「bcdedit /createstore s:\boot\bcd.backup」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 12. 「bcdedit /store s:\boot\bcd.backup /create {bootmgr} /d "BOOTMGR"」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 13. 「bcdedit /import s:\boot\bcd.backup」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 14. 「bootrec /rebuildbcd」と入力して「Enter」キーを押します。
手順 15. 「wpeutil shutdownvol」と入力して「Enter」を押してシャットダウンします。
シャットダウンが完全に完了したら、電源をボタンを押してWindows10の起動を確認します。
BCDファイルを修復するために、コマンドプロンプトで次のコマンドを1行ずつ入力して「Enter」キーを押すことができます。
●bootrec /ScanOs
●bootrec /FixMbr
●bootrec /FixBoot
●bootrec /RebuildBcd
「bcdedit /enum」と入力して「Enter」キーを押すと、BCD情報が表示されます。問題なければ「exit」を実行してコマンドプロンプトを終了し、「続行」をクリックしてWindows10を再起動します。すべてがうまくいけば、Windows10のBCDブートファイルが修復されているので、システムは正常に起動します。
「Windows Boot Managerに\Boot\BCDが読めない」と言われて起動できない時の最終手段として、diskpartのcleanコマンドを使ってディスクの内容を消去し、あとでWindows10のクリーンインストールを実行して新しいBCDファイルを作成するという方法もあります。ブートマネージャー(Bootmgr)に関するエラー(つまり、PCを起動するための基本システムをどこから読み込めばいいのか分からなくなったエラー)を修正するためにこの方法を試すことができます。
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新規クリーンインストールのためのハードディスク消去を行うには、コマンドプロンプトで次のコマンドを1行ずつ入力して「Enter」キーを押します。
●diskpart
●list disk(ディスクの一覧を確認する)
●select disk n (「n」は、消去したいディスクの番号である)
●clean(選択したディスクからすべてのパーティションまたはボリュームのフォーマットを削除する)
●exit
どちらの方法でも、Windows10でBCDブートファイルのバックアップ・コピーを作成した方がよいと思います。BCDエラーでシステムが起動できない場合、BCDを修復するには破損したファイルをバックアップ・コピーと置き換えることだけでいいす。
コマンドプロンプトで「bcdedit /export c: bcdbackup」と入力して「Enter」キーを押すことでBCDバックアップを作成することができます。※このコマンドはBCDストアをファイルbcdbackupとしてエクスポートするために使用されます。ファイル拡張子を指定する必要はありません。
ご存知のように、PCが起動しないときは、非常に多くの原因が考えられます。そのひとつとして、Windows Vista以降であれば、マスターブートレコード(MBR)、もしくはブート構成データ(BCD)が破損している可能性があります。前の部分でBCDの修復方法をすでに述べましたので、次はMBRの再構築によりMBRを修復する簡単な方法を見てみましょう!※以前は、起動モードBIOSによる「MBR」のブートが多く使用されていました。
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前にも言及したAOMEI Partition Assistant Professionalは、MBRを再構築できる強力なハードディスク&パーティション管理ソフトです。ブートに関する問題を解決するためにブータブルメディア(USBメモリまたはCD/DVD)の作成もサポートします。Windows 11、10、8.1/8、Windows 7に対応します。
手順 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードし、インストールし、起動します。USBメモリ(またはCD/DVD)をパソコンに接続し、Windowsで認識できることを確認します。
手順 2. ツールバーの「ツール」タブをクリックし、ドロップダウンメニューから「ブータブルCD/USBを作成」をクリックします。ポップアップウィンドウで、USBブートデバイスを選択し、ウィザードの指示に従って残りの操作を進めます。
手順 3. そして、起動可能なメディアをパソコンに挿入します。BIOSで起動デバイスの優先順位を変更し、ブータブルメディアから起動するように設定します。
手順 4. AOMEI Partition Assistantが読み込まれた後に、修復したいディスクを右クリックして「MBRを再構築」を選択します。
手順 5. ここではWindowsのバージョンを指定します。
手順 6. 最後に、問題なければ「適用」→「続行」をクリックして保留中の操作を実行します。
手順 7. 完了後、起動可能なメディアをパソコンから外して、PCが正常に起動するか確認します。
Q1:BCDエラーとは何ですか?
BCDエラーは、Windowsブートマネージャーのデータベース(BCD)に問題があることを示すエラーです。これにより、コンピューターが正しく起動できなくなる場合があります。
Q2:BCDエラーが発生したらどうすればいいですか?
まずは、安心してください。BCDエラーは多くの場合、修復可能です。まずは、Windowsのリカバリーモードを使用して、自動修復を試みることができます。それでも問題が解決しない場合は、コマンドプロンプトで修復する方法を試みることができます。
Q3:BCDエラーが起きる主な原因は何ですか?
BCDエラーが発生する主な原因には、以下のようなものがあります。
Q4:BCDエラーを回避する方法はありますか?
BCDエラーを回避するためには、定期的なバックアップを作成し、システムのアップデートを適切に管理することが重要です。また、コンピューターを適切にシャットダウンすることも大切です。
Q5:BCDラーが解決しない場合、どうすればいいですか?
BCDエラーが解決しない場合は、専門家に相談することをお勧めします。データの損失を防ぐためにも、自己修復を試みる前にバックアップを取得することをお勧めします。
通常はコンピュータの電源を入れようとしていて、問題が発生することがあります。Windows 10が起動せず、画面にエラーメッセージが表示されます。この場合に発生する可能性のあるものは、エラーブートBCDです。この記事では、Windowsが起動しない時にBCDまたはMBRを修復するための方法についてご紹介しました。
何らかの理由によってお使いの環境でOSが起動しなくなってしまった場合は、本記事の手順をもとにBCDファイルを再構成/インポート/修復することで復旧できるかどうか、お試しいただけますと幸いでございます。
AOMEI Partition Assistant Professionalはディスクとパーティションの管理にとても役立ちます。HDDまたはSSDの完全消去、ブータブルメディアの作成、MBRの再構築だけでなく、ディスクとパーティションのクローン、SSDへのOS移行、アプリ引っ越しなど、より多くの高度な機能も提供しています。
また、Windowsサーバー(Windows Server 2022/2019/2016/2012 R2など)向けのAOMEI Partition Assistant Server版、台数無制限のパソコンで使用可能なAOMEI Partition Assistant Unlimited版、企業&技術者のためにデザインされているAOMEI Partition Assistant Technician版もあります。必要に応じて最適なエディションを選んでください。
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