BitLockerの仕組みを徹底解説!データを守る暗号化技術とは?

BitLockerの仕組みとその暗号化技術を解説し、データ保護に役立つ方法を紹介。さらに、BitLockerの管理機能を強化するために必要なツールとその設定手順を説明し、セキュリティ対策をサポートします。

投稿者 @カオル 2024年12月23日 @カオル 最後の更新 2024年12月16日

個人情報や機密データを守るためには、強力な暗号化技術が必要です。その中で、Windowsに標準で搭載されている「BitLocker」(ビットロッカー)は、多くのユーザーにとって使いやすく、信頼性の高い選択肢です。

この記事では、BitLockerの仕組みや特徴を詳しく説明し、その利点や設定方法についても紹介します。

BitLockerの仕組み:データを守る仕組みを解説

BitLockerとは?

BitLockerとは、Windowsに備わっているドライブ暗号化機能です。特にノートパソコンや外付けドライブを使う際に、データの盗難リスクを減らすための強力なツールとして知られています。

BitLockerは、AES(高度な暗号化標準)という強力な暗号化技術を使ってデータを守ります。また、TPM(信頼できるプラットフォームモジュール)と連携し、暗号化キーを安全に管理します。これにより、デバイスが物理的に不正にアクセスされても、暗号を解除するのが非常に難しくなります。

BitLockerの仕組みを簡単に説明すると、次のようになります:

  • ドライブ全体を暗号化:未使用のデータやファイルシステムの情報も保護します。
  • TPMを利用:ハードウェアで暗号化キーを管理し、セキュリティを強化します。
  • 起動前認証:パスワードやPINコードでデバイスを守ることができます。

暗号化アルゴリズムの詳細

BitLockerでは、以下の暗号化アルゴリズムが主に使用されています:

  • XTS-AES 128ビット(既定値)

鍵長は128ビットで、XTS(XEX-based Tweaked CodeBook mode with ciphertext stealing)モードを使用します。このモードはディスク暗号化に特に適しており、データの安全性を向上させるために設計されています。XTSはブロックサイズを変更せず、データの整合性を保ちながら、高速な処理が可能です。

  • XTS-AES 256ビット

鍵長は256ビットで、XTSモードの特性を持ちつつ、より強力なセキュリティを提供します。特に機密性の高いデータに対して推奨されます。

  • AES-CBC 128ビット

鍵長は128ビットで、ブロック暗号の一種です。CBC(Cipher Block Chaining)モードでは、各ブロックが前のブロックの出力に依存するため、同じ平文が異なる暗号文に変換されます。セキュリティは高いですが、並列処理が難しく、パフォーマンスに影響を与えることがあります。

  • AES-CBC 256ビット

鍵長は256ビットで、さらに強力なセキュリティを提供します。AES-CBCと同様の特性を持ちますが、より強固な暗号化が必要な場合に適しています。

これらのアルゴリズムは、高いセキュリティを提供しつつ、パフォーマンスへの影響を最小限に抑えるように設計されています。

暗号化アルゴリズムの選択基準

セキュリティレベル:AES-256はAES-128よりも強力ですが、通常の用途ではAES-128でも十分なセキュリティを提供します。重要なデータや機密情報を扱う場合は、AES-256を選ぶことが推奨されます。

  • パフォーマンス:XTSモードはCBCモードよりも速く、大容量ストレージデバイスに対して効率的です。特にSSDなどの高速ストレージでは、そのパフォーマンスの向上が目立ちます。
  • 互換性:古いシステムやアプリケーションの中には、新しい暗号化方式と互換性がないものもあります。これらの点も考慮して選ぶ必要があります。

BitLockerの暗号化にかかる時間の目安

  • 500MBあたり約1分:Microsoftによると、BitLockerの暗号化には500MBごとに約1分かかります。これを基にすると、100GBのドライブは約3時間20分、1TBのドライブは約33時間かかることになります。
  • 1GBあたり約1分:別の情報源では、1GBあたり約1分という目安もあります。この場合、100GBは約100分(1時間40分)、1TBは約1000分(約16時間40分)となります。
  • ストレージの種類や構成:SSDとHDDでは暗号化の速度が異なり、一般的にSSDの方が速いです。また、ディスクの使用状況やCPUの負荷、I/O性能も影響を与えます。

BitLockerはバックグラウンドで暗号化を行うため、ユーザーは暗号化中でも他の作業ができます。ただし、暗号化中はシステムのパフォーマンスに影響が出ることがあります。

コントロールパネルでBitLockerの設定方法

BitLockerを有効にするためには、以下の手順を実行します:

ステップ 1. コントロールパネルをを検索して開く:「システムとセキュリティ」を選び、「BitLockerドライブ暗号化」をクリックします。

ステップ 2. ドライブの選択:暗号化したいドライブを選び、「BitLockerを有効にする」をクリックします。

ステップ 3. 回復キーの保存:回復キーをMicrosoftアカウントやファイルなど、安全な場所に保存します。

ステップ 4. 暗号化する範囲の選択:ドライブ全体を暗号化するか、空き領域のみを暗号化するかを選択します。通常は「ドライブ全体を暗号化」が推奨されます。次の画面で「使用する暗号化モードを選ぶ」でモードを選択します。「新しい暗号化モード」が推奨されます。

ステップ 5. 暗号化の開始:設定が終わったら、「BitLockerシステムチェックを実行する」を選択し、「開始」をクリックし、プロセスが始まります。暗号化には時間がかかることがありますが、その間もPCは通常通り使えます。

手動で設定することも可能ですが、時間がかかる場合や、複雑と感じる場合があります。そこで、専用のツールを使うと便利で、複数のデバイスを同時に管理し、解除作業を簡単に行えます。これにより、負担が大幅に軽減されます。AOMEI Partition Assistantの「BitLocker管理機能」は、Windows 11、10、8、7など多くのオペレーティングシステムと互換性があり、Home版にも対応しています。また、回復キーの管理もばばっちり、時間のかかる作業もリアルタイムで進捗を確認できます。

AOMEI Partition Assistant
強力なBitLocker暗号化機能:簡単かつ快適にセキュリティを強化
  • 簡素化されたBitLocker管理
  • Windows10・11のHome版でも対応
  • 安心なデータ保護
  • 業界標準のAES暗号化アルゴリズム
  • 強力なセキュリティ管理

まずは、画面の上部にあるツールバーから「ツール」タブを選び、「BitLocker」をクリックします。

BitLockerの有効化と無効化

メニューから対象のドライブを選び、BitLockerを有効または無効にするオプションを選択します。回復キーとパスワードを使ってドライブにアクセスできます。

回復キーのバックアップ

回復キーをバックアップしたい暗号化されたドライブを見つけ、「回復キーをバックアップ」オプションをクリックします。バックアップ方法は「ファイルに保存」または「回復キーを印刷」を選べます。

ドライブのロックとロック解除

ドライブがロックされていない場合、「ドライブをロック」オプションをクリックして直接ロックできます。ロックを解除するには、「ドライブロック解除」オプションをクリックします。

BitLockerのパスワード変更

AOMEI Partition Assistantを使って、今のパスワードや回復キーでパスワードを変更できます。

📍関連記事❶:BitLockerの暗号化解除が終わらない原因と対処法

📍関連記事❷:BitLockerが遅くなる原因とその解決策

まとめ

BitLockerは、Windowsで使える強力なデータ暗号化ツールです。ユーザーや企業の大切な情報を守るのにとても役立ちます。暗号化の仕組みやアルゴリズムを理解することで、より安全にデータを保護できます。また、複数のデバイスを効率よく管理するためには、BitLockerの管理機能を利用することが重要です。特に企業では、一元管理ができるツールが大きな利点となります。AOMEI Partition Assistantは、BitLockerの管理機能を強化し、暗号化の設定や監視、ポリシーの適用を簡単に行えるため、セキュリティの負担を減らし、効率的な運用を助けます。