BitLockerを無効化する方法:表示されない場合の対処法
BitLockerを無効化する方法を詳しく解説します。無効化オプションが表示されない原因や、Windowsエディションの確認、管理者権限の確認など具体的な手順を徹底解説。初心者でも安心して実践できます。
BitLocker(ビットロッカー)は、Windowsに内蔵されたドライブの暗号化機能です。データを守るための有効な手段ですが、時には無効にしたいこともあります。その際、「無効化」オプションが表示されないことがあります。
「BitLockerを無効にしたいのに、設定画面に『BitLockerを無効にする』オプションが見つからない!」と困っていませんか?
この記事では、BitLockerを無効にする方法と、設定オプションが表示されない理由とその解決策をわかりやすく説明します。
無効化オプションが表示されない理由
◉Windowsのエディション制限:HomeエディションではBitLockerが使えません。
◉管理者権限がない:管理者アカウントが必要です。
◉BitLockerが無効:暗号化されていないドライブには「無効化」の必要がありません。
◉TPMの設定:TPMが無効だと設定が表示されないことがあります。
◉グループポリシーの制限:IT管理者が設定を制限している場合があります。
BitLockerを無効化する具体的な手順
以下の手順で問題を解決し、BitLockerを無効化できます。
1. Windowsエディションを確認する
Windowsにはいくつかのエディション(Home、Pro、Enterprise、Educationなど)があり、それぞれ機能が異なります。BitLockerは主にPro、Enterprise、Educationエディションで使えますが、Homeエディションでは利用できません。したがって、Homeエディションを使っていると「BitLockerを無効化する」オプションが表示されないのは正常なことです。
▌Windowsエディションを確認する
ステップ 1. スタートメニューを開き、「設定」(歯車のアイコン)を選びます。
ステップ 2. 設定メニューから「システム」をクリックします。
ステップ 3. 左側のメニューで「バージョン情報」を選びます。
ステップ 4. 画面の下の方に「Windowsの仕様」のセクションがあり、現在のエディションが表示されます(例:Windows 10 Pro、Windows 11 Home、Windows Server 2022など)。
▌WindowsエディションがHomeの場合
BitLockerを利用したい場合は、Windows 10/11 Pro以上にアップグレードする必要があります。
ステップ 1. スタートメニューを開いて、「設定」→「更新とセキュリティ」→「ライセンス認証」をクリックします。
ステップ 2. 「Microsoft Store からアップグレード」を選び、Proエディションを購入してアップグレードを行います。
▌代替手段を検討する
Windows Homeエディションを使用していると、BitLockerのセキュリティ機能が使えず、データ保護に不安を感じることがあります。特に、仕事で重要な情報や機密データを扱う場合、ドライブの暗号化が必要です。Proエディションを購入してアップグレードしたくない場合はどうしますか?
AOMEI Partition Assistantの「BitLocker」機能は、Windowsのエディションに関係なく、すべてのWindows PCで利用可能です。Windows HomeエディションでもProエディションでも問題なく動作し、BitLockerと同じ高いセキュリティを提供します。
- 簡素化されたBitLocker管理
- Windows10・11のHome版でも対応
- 安心なデータ保護
- 業界標準のAES暗号化アルゴリズム
- 強力なセキュリティ管理
まずは、AOMEI Partition Assistantをインストールして開き、画面上部のツールバーで「ツール」タブをクリックし、「BitLocker」を選択します。
▸BitLockerの有効化・無効化:対象のドライブを見つけて、ソフトウェアで「BitLockerを有効化」または「BitLockerを無効化」を選びます。
▸BitLocker回復キーのバックアップ:キーをなくした場合、再取得は難しいです。AOMEI Partition Assistantを使えば、キーをファイルに保存したり、印刷することができます。
📍関連記事:簡単に確認!ビットロッカー回復キーを見つける方法
▸BitLockerのパスワード変更:AOMEI Partition Assistantを使って、今のパスワードや回復キーでパスワードを変更できます。
▸ドライブのロック・アンロック:ドライブがロックされていない場合、「ドライブをロック」オプションをクリックして直接ロックできます。ロックを解除するには、「ドライブロック解除」オプションをクリックします。
2. 管理者権限でログインする
管理者権限を持つアカウントは、Windowsの設定を変更したり、ソフトウェアをインストールしたり、BitLockerを有効または無効にしたりすることができます。標準ユーザーアカウントでは、これらの操作が制限されており、BitLockerの設定を変更できないことがあります。
▌現在のアカウントを確認する
ステップ 1. スタートメニューを開いて、「設定」→「アカウント」→「ユーザーの情報」を選びます。
ステップ 2. ここで、アカウントの種類が「管理者」または「標準ユーザー」と表示されます。
▌管理者権限がない場合
ステップ 1. 「標準ユーザー」と表示されている場合、管理者権限を持つアカウントでログインする必要があります。
▌管理者アカウントに切り替える
ステップ 1. スタートメニューを開いて、「設定」→「アカウント」→「家族とその他のユーザー」を選びます。
ステップ 2. 「他のユーザー」から種類を変更したいアカウントをクリックします。「アカウントの種類の変更」をクリックします。
ステップ 3. 「標準ユーザー」をクリックし、表示される一覧から「管理者」をクリックします。
▌管理者権限のあるアカウントが不明な場合
ステップ 1. PCを購入した際に初期設定で作成したアカウントが管理者であることが多いです。
ステップ 2. 他の家族や同僚が管理者権限を持っている場合は、その人に依頼します。
3. BitLockerの状態を確認する
BitLockerの無効化オプションが見えない場合、対象のドライブでBitLockerがそもそも有効になっていないかもしれません。状態を確認すれば、無効化が必要かどうかがわかります。
▌BitLockerの状態を確認する
ステップ 1. スタートメニューの検索バーに「コントロールパネル」と入力して選びます。
ステップ 2. コントロールパネルで「システムとセキュリティ」をクリックし、「BitLocker ドライブ暗号化」を選択します。
ステップ 3. 各ドライブの横に次のような状態が表示されます:
「BitLocker: 有効」:BitLockerが有効です。無効にしたい場合は「無効にする」を選びます。
「BitLockerを有効にする」:BitLockerが無効です。無効化の必要はありません。「無効化オプションが表示されない」のは、仕様です。
4. コマンドプロンプトで解除する
BitLockerの設定や状態をコントロールパネルやGUIで確認できないときは、コマンドプロンプト(CMD)を使うと、BitLockerをより簡単に管理できます。さらに、GUIでは見られない詳細な情報もチェックできます。
📍関連記事:コマンドプロンプトの使い方完全ガイド
▌コマンドプロンプトを開く操作方法
ステップ 1. スタートメニューに「cmd」と打ち込みます。
ステップ 2. 表示された「コマンドプロンプト」を右クリックして、「管理者として実行」を選びます。
注意:必ず「管理者として実行」を選ばないと、いくつかの操作で権限不足のエラーが出ます。
▌BitLockerに関する主要コマンド
以下は、BitLockerを管理する際によく使用するコマンドです。
▸1. BitLockerの状態を確認する
manage-bde -status
このコマンドは、すべてのドライブにおけるBitLockerの状態(暗号化の有無、保護状態、回復キーの有無など)を表示します。
▸2. BitLockerを無効化する
manage-bde -off <ドライブレター>
<ドライブレター>には、BitLockerを無効化したいドライブ(例: E:)を指定します。解除にはドライブサイズやデータ量に応じて時間がかかる場合があります。
▸3. BitLockerを有効化する
manage-bde -on <ドライブレター>
TPMを利用する場合、必要に応じて暗号化方法や保護方式を指定できます。
manage-bde -on C: -rp
▸4. 回復キーを確認する
manage-bde -protectors -get <ドライブレター>
回復キーや保護方式が一覧で表示されます。
▸5. BitLockerを強制的にロックする
manage-bde -lock <ドライブレター>
BitLocker保護を手動で有効にして、すぐにドライブをロックします。
5. TPM設定を確認する
- TPM(トラステッド・プラットフォーム・モジュール)とは?
- TPMは、ハードウェアによるセキュリティ機能を持つモジュールで、BitLockerを使ったドライブの暗号化を支援します。TPMは、暗号化キーを安全に保管し、システムの不正改変を検出する役割を担っています。
▌TPMの状態を確認する
ステップ 1. WindowsキーとRキーを同時に押して、「tpm.msc」と入力し、Enterキーを押します。
ステップ 2. ローカルコンピューターのTPM管理が開きます。次の2つの状況が表示されることがあります。
TPMが実装されている場合:(画像はTPM2.0です)
TPMを実装していないか、TPM機能を無効にしている場合:
▌TPMが無効化されている場合の対処法
ステップ 1. Windowsのサインイン画面で、Shiftキーを押しながら「電源」をクリックし、「再起動」を選びます。
ステップ 2. PCが再起動したら、「オプションの選択」画面で「トラブルシューティング」を選び、その後「詳細オプション」を選択します。
ステップ 3. 「UEFIファームウェア設定」を選んで、BIOS設定に入ります。
ステップ 4. コンピューターのマザーボードによってBIOS設定の名称が異なるため、指示に従ってTPMを有効にします。
ステップ 5. 設定を保存してコンピューターを再起動します。
▌TPMが搭載されていない場合の選択肢
一部の古いPCやエントリーレベルのデバイスでは、TPMが物理的に搭載されていない可能性があります。この時は、AOMEI Partition Assistantをおすすめします。「代替手段を検討する」の部分をご覧下さい。
まとめ
BitLockerを無効にする際に「無効化」オプションが表示されない理由には、Windowsのエディションが対応していないことや、管理者権限が不足していること、TPMの設定が無効になっていることなどがあります。この記事では、これらの問題を特定し、解決するための具体的な手順を詳しく説明しています。Windowsのエディションを確認したり、コマンドプロンプトで状態をチェックしたり、TPMを有効にする方法を順を追って説明していますので、初心者でも対応できます。一つずつ問題を解決し、安全にBitLockerを無効にしてください。