BitLockerがない!原因と解決方法を徹底解説

BitLockerがない原因を5つの観点から解説!WindowsのエディションやTPMモジュールの無効化、管理者権限の問題など、問題の特定とその修正方法を詳しく紹介。この記事を読めば、簡単にBitLockerを活用できるようになります。

カオル

投稿者:カオル/更新日:2024年12月02日

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はじめに

BitLocker(ビットロッカー)が見つからないと悩んでいる人は多いです。設定画面にBitLockerが表示されない、使えない、そもそも存在しないといった問題が起こることがあります。この記事では、BitLockerがない理由を詳しく説明し、解決策を提案します。

bitlocker

BitLockerとは何か?機能の簡単な説明

まず、BitLockerについて少し知っておきましょう。

BitLockerは、Windowsに搭載されたデータ保護のための暗号化機能です。ドライブ全体を暗号化することで、不正なアクセスやデータの漏洩を大幅に防ぎます。BitLockerを有効にすると、PCを失ったり盗まれたりしても、他の人がデータにアクセスするのが難しくなります。

BitLockerの主な機能:

  • ドライブ全体の暗号化
  • TPM(Trusted Platform Module)との連携によるセキュリティ強化
  • 起動時のPINコードやリカバリーキーによるアクセス制限

ただし、すべてのWindows環境で使えるわけではなく、いくつかの条件があります。

「BitLockerがない、使えない、見つからない」理由はいくつかあります。以下で主な理由と対応する解決方法を一つずつ見ていきましょう。

1. Windowsのエディションが対応していない

BitLockerの対応エディション

BitLockerは、WindowsのPro、Enterprise、Educationエディションでのみ利用できます。Windows HomeエディションではBitLockerが使えないため、PCのドライブを暗号化することができません。この制限は、特に個人ユーザーや中小企業にとって問題となることが多いです。

Windows Homeエディションでは、BitLockerを利用できません。Windows Proエディション以降では、BitLockerが標準機能として含まれており、ドライブの暗号化が可能です。

この制約の影響

Windows Homeエディションを使っていると、BitLockerのセキュリティ機能が利用できず、データ保護に不安を感じることがあります。特に、仕事で重要な情報や機密データを扱う際には、ドライブの暗号化が必要です。

また、企業や団体で多くのPCを管理している場合、Proエディションにアップグレードする必要があり、BitLockerを使うための追加コストが発生することがあります。さらに、異なるエディションのPCが混在していると、統一したセキュリティポリシーを適用するのが難しくなることもあります。

AOMEI Partition Assistantの「BitLocker」機能は、Windowsのエディションに関係なく、すべてのWindows PCで使用できます。Windows HomeエディションでもProエディションでも問題なく動作し、BitLockerと同じ高いセキュリティを提供します。

✎AOMEI Partition Assistantが提供するメリット:
エディションに依存しない:AOMEI Partition Assistantは、Windows Homeエディションや他のエディションでも利用でき、Windows Proエディションにアップグレードする必要がありません。
簡単な導入と管理:導入や管理が非常に簡単で、特別な技術的知識がなくても使えます。回復キーのバックアップ、パスワードの変更、ドライブのロック・アンロック、BitLockerの有効化・無効化などができます。
強力な暗号化機能:業界標準のAES暗号化アルゴリズムを使用しており、データのセキュリティを高いレベルで保護します。バックアップや復号化機能も充実しており、データ復旧もスムーズに行えます。

具体的な利用シーン:

  • 個人ユーザー:Windows Homeエディションを使って、手軽にデータを暗号化し、守ることができます。
  • 中小企業:Proエディションに変更せずに、現在のPCで一貫したセキュリティ対策を実施できます。
  • 大企業:多くのPCを一括で管理し、全社的なセキュリティポリシーを統一することが可能です。

まずは、AOMEI Partition Assistantをインストールして開き、画面上部のツールバーで「ツール」タブをクリックし、「BitLocker」を選択します。

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bitlocker

BitLockerの有効化・無効化:対象のドライブを見つけて、ソフトウェアで「BitLockerを有効化」または「BitLockerを無効化」を選びます。

BitLockerを有効化

BitLockerを無効化

BitLocker回復キーのバックアップ:キーをなくした場合、再取得は難しいです。AOMEI Partition Assistantを使えば、キーをファイルに保存したり、印刷することができます。

📍関連記事:BitLocker回復キーを見つける方法

BitLocker回復キーのバックアップ

BitLockerのパスワード変更:AOMEI Partition Assistantを使って、今のパスワードや回復キーでパスワードを変更できます。

パスワード変更

ドライブのロック・アンロック:ドライブをロックすると、BitLockerボリュームの安全なデータにアクセスできなくなります。機密情報を取り戻すには、パスワードまたは回復キーを使ってドライブをアンロックします。

ドライブをロック

2. TPMモジュールが無効化されている

TPMとは何か?

TPM(Trusted Platform Module)は、PCのセキュリティを向上させるための特別なチップです。このチップは、暗号化キーを作成したり、安全に保存したりする機能があります。BitLockerは、このTPMを使って暗号化キーを安全に管理します。

TPMが無効になっていると、BitLockerの設定を有効にできず、「BitLockerがない」と感じることがあります。

TPMが無効になる主な理由は次の通りです:

  • 初期設定:一部のコンピュータでは、セキュリティ機能がデフォルトで無効になっている
  • BIOS/UEFIの設定変更:PCの所有者や管理者が意図的に無効にしていることがある
  • 企業の方針:組織のセキュリティ方針によって無効にされている場合がある
  • ハードウェアの互換性:古い機器ではTPMが搭載されていないこともある

TPMの状態を確認する方法

TPMが正しく有効になっているかを確認するには、Windowsで次の手順を行います:

手順 1. Windowsの検索ボックスに「tpm.msc」と入力し、Enterキーを押します。

手順 2. TPM管理ウィンドウが表示され、TPMの状態を確認できます。

状態1 - TPMが実装されている:(画像はTPM2.0です)

TPMが実装されている

状態2 - TPMを実装していないか、またはTPM機能が無効になっている:

TPMなし

TPMを有効にする手順

TPM機能があるのに、無効になっている場合、BIOSまたはUEFIの設定で有効にできます。以下の手順を参照してください:

手順 1. Windowsのサインイン画面で、Shiftキーを押しながら「電源」をクリックし、「再起動」を選択します。

手順 2. PCが再起動したら、「オプションの選択」画面で「トラブルシューティング」を選び、その後「詳細オプション」を選択します。

トラブルシューティング

手順 3. 「UEFIファームウェア設定」を選んで、BIOS設定に入ります。

UEFIファームウェア設定

手順 4. マザーボードによってBIOS設定の名称が異なるため、指示に従ってTPMを有効にします。

TPMをオンにする

手順 5. TPMを有効にしたら、設定を保存してPCを再起動します。

TPMが故障している場合の対処法

TPMに問題があるかもしれない場合、以下の手順を試してみてください:

  • TPMのリセット:「tpm.msc」を使ってTPM管理画面を開き、TPMのリセットを行います。
  • BIOSの更新:製造元の公式サイトから最新のBIOS/UEFIをダウンロードし、更新を行います。これによりTPMの問題が解決することがあります。
  • 外部TPMモジュールの使用:一部のPCでは、マザーボードに外部TPMモジュールを追加することで問題を解決できます。購入前に対応機種を確認してください。

TPMが物理的にない場合の対処法

古いPCや安価なモデルの中には、TPMが搭載されていないものがあります。しかし、以下の方法でBitLockerを使うことができるかもしれません:

1. TPMなしでBitLockerを有効にする方法

TPMがないデバイスでも、グループポリシーを変更することでBitLockerを有効にできます。手順は次の通りです:

手順 1. Windowsの検索バーに「gpedit.msc」と入力し、Enterキーを押してローカルグループポリシーエディターを開きます。

gpedit.msc

手順 2. 「コンピューターの構成」>「管理用テンプレート」>「Windows コンポーネント」>「BitLocker ドライブ暗号化」>「オペレーティング システム ドライブ」を選びます。

パス

手順 3. 「スタートアップ時に追加の認証を要求する」を有効に設定します。「互換性のあるTPMが装備されていないBitLockerを許可する」にチェックを入れ、最後は「OK」をクリックします。

有効に設定

手順 4. 設定を保存してPCを再起動します。再起動後、「スタート」メニューから「コントロールパネル」を開き、「システムとセキュリティ」→「BitLockerドライブ暗号化」を選択します。

BitLockerドライブ暗号化

手順 5. 暗号化したいドライブを選び、「BitLockerを有効にする」をクリックします。指示に従って進めてください。

BitLockerを有効にする

3. BitLockerがインストールされていない

時々、システムの設定や更新の問題でBitLocker機能がインストールされていないことがあります。この問題が起こる理由には以下のようなものがあります:

  • カスタムインストールの影響:Windowsのインストール時にカスタム設定を選んだため、一部の機能が省かれた可能性があります。
  • 管理者による制限:システム管理者がポリシーでBitLockerを無効にしたり、アンインストールしたりしていることがあります。
  • OSのアップグレードや更新の不具合:Windowsのアップデートやエディション変更の際に、BitLockerが正しくインストールされていないことがあります。
  • ソフトウェア環境の不整合:必要なシステムファイルが壊れたり、削除されたりしている可能性があります。

BitLockerがインストールされているかどうかを確認する方法

まず、BitLockerの有無を確認する必要があります。次の手順でチェックできます。

手順 1. コントロールパネルを開きます。

コントロールパネル

手順 2. 「システムとセキュリティ」を選び、次に「BitLockerドライブ暗号化」をクリックします。

手順 3. この画面に「BitLockerを有効にする」という選択肢が表示されない場合、BitLockerはインストールされていないかもしれません。

BitLockerを有効にする

BitLockerをインストールする方法

BitLockerがインストールされていない場合は、次の手順で再インストールまたは有効化を行います。

手順 1. まずはWindowsの機能を有効にします。「コントロールパネル」を開き、「プログラムと機能」から「Windowsの機能の有効化または無効化」を選びます。

手順 2. 「BitLockerドライブ暗号化」のチェックを入れます。「OK」をクリックし、インストールが終わったらPCを再起動します。

手順 3. そしてDISMコマンドを使ってインストールします。Windowsの設定で解決できない場合、コマンドを使ってBitLockerをインストールできます。検索バーに「cmd」と入力し、結果を右クリックして「管理者として実行」を選択します。

cmd

手順 4. 次のコマンドを入力してEnterを押してください:

DISM /Online /Enable-Feature /FeatureName:BitLocker /All

手順 5. インストールが完了したらPCを再起動し、BitLockerの機能を確認します。

手順 6. 最後はシステムファイルを修復しますBitLocker関連のシステムファイルが破損している場合、管理者権限でコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドで修復を試みます:

sfc /scannow

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

手順 7. 修復が完了したら再起動し、BitLockerを確認します。

インストール後のチェック

BitLockerをインストールしたら、コントロールパネルで正常に動作しているか確認してください。

手順 1. 「システムとセキュリティ」>「BitLockerドライブ暗号化」にBitLockerのオプションが表示されているか確認します。

4. 管理者権限がない

管理者権限とは?

Windowsでは、管理者権限(Administrator Privileges)が必要な機能があります。BitLockerの設定や暗号化を有効にすることもその一つです。管理者権限がないアカウントでは、BitLockerの設定を開いたり変更したりできません。

管理者権限がないと、次のような問題が起こることがあります:

  • BitLockerの設定画面が表示されない
  • 「この操作を実行するには管理者権限が必要です」というメッセージが出る
  • BitLockerに関するコマンドがエラーを返す

管理者権限がない理由

管理者権限がないのは、次のような場合があります:

  • 標準ユーザーアカウントでログインしている
  • 管理者権限がないアカウントでWindowsにログインしている。
  • システム管理者が権限を制限している
  • 職場や学校のPCでは、システム管理者がBitLockerの設定を制限している

管理者権限を確認、取得する方法

管理者権限があるかどうかは、次の手順で確認できます:

手順 1. 「コントロールパネル」>「ユーザーアカウント」>を選択します。

ユーザーアカウント

手順 2. 再度、「ユーザーアカウント」選択します。「アカウントの種類の変更」を選択します。

アカウントの種類の変更

手順 3. 「管理者」オプションで選択されている場合は、管理者です。「標準」オプションで選択されている場合は、管理者ではありません。「管理者」に変更して設定します。

管理者

ヒント:職場や学校のPCでは、管理者権限が制限されていることがあります。その場合は、BitLockerの設定変更を依頼する必要があります。

5. ハードウェアやソフトウェアの制約

BitLockerが利用できる条件

BitLockerは強力な暗号化技術を使っているため、利用するには特定のハードウェアやソフトウェアの要件があります。これらの要件を満たさないと、BitLockerを使えないことがあります。ここでは、主なハードウェアとソフトウェアの要件、そしてそれをクリアするための方法について詳しく説明します。

ハードウェアの制約

1. TPM(Trusted Platform Module)チップの未搭載

TPMは、BitLockerを使用する際に推奨されるセキュリティハードウェアです。このチップは、暗号化キーやパスワードなどのセキュリティ情報を物理的に守る役割を果たします。BitLockerは、通常TPM 1.2以上のバージョンに対応したPCにインストールされます。TPMがない、または無効になっていると、BitLockerによる暗号化の設定ができません。

解決方法:TPMなしでBitLockerを使用する

この記事の中の「TPMなしでBitLockerを有効にする方法」部分を参考にやってみてください。

2. UEFI/BIOSの非対応

BitLockerは、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)をサポートするPCでの使用が推奨されています。UEFIは従来のBIOSの代わりに使われる新しいファームウェアで、セキュアブートなどの機能を提供します。古いBIOSを使用しているPCでは、BitLockerの利用に制限があることがあります。

解決方法:UEFIモードに切り替える

もしPCがBIOSを使用している場合、UEFIモードに切り替えることでBitLockerの互換性を確保できます。UEFIとレガシーの切り替えは自由ですが、異なるパソコンで試すと少しずつ違いがあることがあります。

手順 1. 通常、PCの起動時にBIOSキーを連続で押してBIOSメニューに入ります。デスクトップではDel、ノートパソコンではF2が一般的です。どのキーを押すかわからない場合は、Escキーを押すと詳細なガイドが表示されます。

手順 2. 「Boot」タブの中に「UEFI/BIOS Boot Mode」というオプションがあるので、ここで2つのブートモードを切り替えてください。

📍関連記事:BIOSをUEFIブートモードに変更する方法

必要に応じて、Windowsを再インストールし、GPT(GUIDパーティションテーブル)形式にする必要があるかもしれません。これにより、BitLockerを利用できるようになります。変換手順は次の通りです:

手順 1. コマンドプロンプトを管理者権限で開きます。

手順 2. 次のコマンドを入力してディスクを変換します:

mbr2gpt /convert /allowfullos

📍関連記事:データを失うことなくMBRディスクからGPTディスクに変換

3. 古いハードウェアの性能制限

古いPCや性能が低いPCでは、BitLockerの暗号化が遅くなることがあります。特に、暗号化に必要なリソース(CPU、メモリ、ディスク容量)が不足していると、BitLockerの有効化や動作に影響が出ることがあります。

解決方法:ハードウェアのアップグレード

古いHDDをSSDに交換すると、データの読み書き速度が大幅に向上し、暗号化処理も速くなります。SSDはBitLockerのパフォーマンスを大きく改善するため、非常におすすめです。

📍関連記事:OS再インストールなしHDDをSSDにアップグレードする方法

ソフトウェアの制約

1. システムファイルや設定の不整合

BitLockerが正しく動作するためには、システムファイルや設定が適切に整っている必要があります。システムファイルが壊れたり、設定に不整合があると、BitLockerを有効にできないことがあります。

解決方法:システムファイルの修復

Windowsのシステムファイルが壊れている場合、システムファイルチェッカー(sfc /scannow)やDISMツールを使って修復できます。これらのツールを利用することで、壊れたファイルを修復し、BitLockerを正常に動作させることが可能です。

手順 1. 管理者権限でコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを実行します:

sfc /scannow

sfc /scannow

手順 2. システムファイルに問題がなければ、次にDISMツールを実行します:

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

まとめ

「BitLockerがない!」という問題は、主にWindowsのエディションや設定、ハードウェアの制限が原因です。この記事で説明した手順を試して、問題を解決しましょう。もしBitLockerが使えない場合は、AOMEI Partition Assistantを使うことをおすすめします。セキュリティを高めて、大切なデータを守りましょう。

カオル
カオル・編集者
カオルはパソコンの基礎知識や、各ソフトに関することなど、幅広く紹介します。わかりやすく、初心者やパソコンに苦手の方でも分かるように工夫をして、IT業界に対しても深い興味を持っています。パーティション管理に関する問題に関心があり、同じ問題に遭遇したユーザーは是非ともブログを参照してください。