Windowsの起動問題に対して破損したブートセクタ(MBR)を修復する方法
マスターブートレコードがパソコンの起動に不可欠なものなので、破損すると、パソコンが起動しなくなります。そこで、この記事では、破損したブートセクタを修復するためのいくつかの効果的な方法を提供します。
ブートセクタとは?
ブートセクタとは、ストレージ(外部記憶装置)内の特殊な記憶領域の一つで、MBRと同じ、ブートセクタの一種です。ブートセクタには、ブートセクタが属するパーティションに必要な情報(コンピュータの起動用のプログラムや設定情報など)が収められています。ブートセクタは文字通り「セクタ」で、記憶媒体を分割する最小の記録単位であるセクタ(sector)一つ分(通常は容量512バイト)です。
Windwosが起動しない原因の一つとして、ブートセクター(起動に必要なプログラム)が、破損していることがあります。
ブートディスク:パーティションブートセクタが破損する
最初の説明から見ると、パーティションブートセクタには、ファイルシステムがボリュームにアクセスするために使用する情報が含まれていることがわかります。コンピューターでは、マスターブートレコードはシステムパーティション上のパーティションブートセクタを使用して、オペレーティングシステムのカーネルファイルをロードします。パーティションブートセクタは、パーティションの最初のセクタです。
コンピューターを起動しようとしたときに、パーティションブートセクタが破損している場合、「非システムディスクエラー」または「ディスクエラー」などというエラーが発生することがあり、コンピューターが起動できなくなります。
ブートセクタを修復する理由と破損によるエラーメッセージ
この部分では、ブートセクタを修復する理由と破損による悪い影響に関することを簡単に説明します。
ブートセクタが破損する理由
●マルウイルスの感染
●ディスクエラー・障害、システムクラッシュ
●コンピューターの動作中に突然停電
●起動ファイルが誤って削除された
●ブートローダーが破損した
●Windowsの再インストールや複数のOSをインストールする時に、前のMBRが上書きされた
●ハードディスクに不良セクタが発生した
●ディスクにエラーや故障が発生した
ブートセクタの破損によるエラーメッセージ
ブートセクタに問題がある場合、次のようなエラーメッセージが表示される場合があります。
▪ Error loading operating system(オペレーティングシステムの読み込みエラー。)
MBRの破損に加え、ハードディスクの設定情報が破損した場合などに不整合が発生した場合、オペレーティングシステムのロード時にこのエラーが発生することがあります。
▪ Missing operating system(オペレーティングシステムがありません。)
デバイスの読み込み順序のエラーの他に、MBRエラー、破損したシステムファイル、および破損したBIOSがこのエラーの原因となることがあります。
▪ Reboot and select proper boot device(再起動して適切なブートデバイスエラーを選択します。)
SATAスロットの損傷やハードディスクの故障により、BIOSが起動ディスク見つけられない、またBIOSの起動順序が正しくない可能性があります。
▪ Invalid partition table(無効なパーティションテーブル。)
このエラーは、MBRの破損以外にも、正しくない起動順序、古いBIOS、複数のアクティブパーティションなどで発生することがあります。
▪ Bootmgr is missing(Bootmgrが欠落しています。)
これは通常、MBRの破損、欠落、またはその他の損傷によって引き起こされるエラーです。
▪ FATAL: No bootable medium found! System halted(致命的:起動可能なメディアが見つかりません!システムが停止しました。)
これらのエラーメッセージのいずれかが表示された場合は、Windows 11/10を起動できず、Windows RE(リカバリ環境)を使用して問題を修正する必要があることを意味します。
ブートセクタを修復する三つの方法
ここでは、破損したブートセクタを修復するためのいくつかの効果的な方法を紹介します。
方法1.ウイルス対策ソフトでウイルスを駆除する
ブートセクタ上のウイルスによってパーティションテーブルが破損した場合は、ウイルス対策ソフト(Googleで最適なウイルス対策ソフトを検索して見つけることができます)が提供する起動ディスクを使ってパソコンを起動し、DOS環境下でシステム内のウイルスを検出・駆除することが可能です。ウイルスが検出されると、プログラムが自動的にクリーンアップし、システム全体をスキャンして隠れたウイルスを検出することもできます。一般的に、ウイルスが駆除されると、コンピューターは正常な状態に戻り、問題なく使用できるようになります。
方法2.コマンドプロンプトでマスターブートレコードを修復する
Windows回復環境(Windows RE)にアクセスして、マスターブートレコード(MBR)を修復することもできます。ここでは、Windows10を例として取り上げます。
手順 1. Windows REに入ります(一部のコンピューターには、物理ディスクを必要とせずに、特別なキーを直接押すことでWindows REを起動できる特別な回復パーティションがあります。PCにこのような回復パーティションがない場合は、Windowsインストールディスクを使用してWindows REにもアクセスできます)。
手順 2. Windowsの初期インストール画面が表示されたら、「コンピューターを修復する」をクリックします。
手順 3. その後、Windowsは回復環境をロードします。そして、「トラブルシューティング」オプションをクリックする必要があります。次に、「詳細オプション」画面に入ります。
ヒント:ここでは、最初に「スタートアップ修復」オプションを実行して、Windowsがロードできない問題を修正できるかどうか確認します。修復が成功した場合は、PCを再起動するか、「詳細オプション」画面に戻るかの選択肢が表示されます。もし「スタートアップ修復でPCを修復できませんでした」とメッセージが表示される場合は、「詳細オプション」をクリックし、コマンドプロンプトを選択してマスターブートレコードを修復するか、ブートセクタを再構築してみてください。
手順 4. 「コマンドプロンプト」をクリックし、「Bootrec.exe」と入力して、Enterキーを押します。次に、状況に合わせて次のコマンドを使用できます。
Bootrec.exe /FixMbr
このコマンドを使用すると、MBRの破損の問題を解決するか、MBRから非標準のコードを削除することができます。
Bootrec.exe /FixBoot
このコマンドは、使用しているWindows OSと互換性のあるブートセクタを使用して、システムパーティションに新しいブートセクターを書き込みます。ブートセクタが非標準のWindowsブートセクタに置き換えられた場合、またはブートセクタが破損した場合、このコマンドを実行できます。
Bootrec.exe /ScanOs
このオプションは、現在のWindows OSと互換性のあるディスクへのインストールをスキャンします。また、現在BCDストアに保存されていないすべてのエントリも表示します。ブートマネージャーメニューにリストされていない他のWindowsインストールがある場合は、このオプションを使用します。
Bootrec.exe /RebuildBcd
このコマンドは、在のWindows OSと互換性のあるディスクへのインストールをスキャンします。さらに、このオプションを使用すると、BCDストアに追加するインストールを選択できます。BCDストアを完全に再構築する必要がある場合は、このオプションを使用します。
コマンドプロンプトを使用して操作する時に、十分に注意する必要があります。操作をキャンセルすることはできません。したがって、コマンドに慣れていない場合は、元に戻せないエラーが発生する可能性があります。
方法3.Windowsインストールディスクなしでブートセクタを修復する
Windows 11/10インストールディスクをお持ちでない場合、どうすればブートセクタを修復しますか?幸い、AOMEI Partition Assistant Professionalを使用すると、より簡単な操作でブートセクタを修復できます。
その前に、次の準備をする必要があります:AOMEI Partition Assistantをダウンロードし、通常のコンピューターにインストールして起動し、それを使用して起動可能なメディア(USB、CD/DVD)を作成します。
次に、以下の手順に従って起動可能なメディアを作成し、マスターブートレコードエラーを修正できます。
手順 1. このソフトをダウンロードし、インストールして起動します。
手順 2. AOMEI Partition Assistant Professionalの上部のウィザードバーにある「ツール」をクリックして、「ブータブルCD/USBを作成」を選択し、「次へ」をクリックします。
手順 3. 「USBブートデバイス」にチェックを入れ、挿入されたUSBドライブを選択し、「続行」をクリックします。
手順 4. プロセスが完了するのを待ちます。
手順 5. 前に作成した起動可能メディアをMBRエラーのあるコンピューターに挿入し、起動可能なメディアからPCを起動します(BIOSで起動順位を変更する必要がある場合があります)。
手順 6. AOMEI Partition Assistantのメインインターフェイスが表示されます。システムディスクを右クリックし、「MBRを再構築」を選択します。
手順 7. ポップアップウィンドウで、現在のオペレーティングシステムのMBRタイプを選択します。
手順 8. 最後に、「適用」→「続行」をクリックしMBRの修復操作を実行します。
操作が完了したら、コンピューターをシャットダウンし、起動可能なメディアを取り外して、元のディスクからPCを起動します。
Windowsの起動時に問題が発生した場合は、ブートセクタの修復が必要です。 PCを修復し、PCを起動できるようになったら、CHKDSKを実行して、ファイルシステムとハードドライブの整合性をスキャンする必要があります。 または、AOMEI Partition Assistantを実行して不良セクタをチェックしたり、パーティションをチェックしてエラーを修正したりできます。さらに、破損したブートセクタからデータを復元したい場合は、このツールも役立ちます。
結語
この記事では、破損したブートセクタを修復するために、ウイルス対策ソフト、コマンドプロンプト、AOMEI Partition Assistantという三つの方法を提供します。ユーザーは必要に応じて、その中から適切な方法を選択します。その中で、強力なディスクパーティション管理ソフトであるAOMEI Partition Assistantはブートセクタを修復する最も簡単な方法だと思います。したがって、前の2つの方法はブートセクタを修復できないなら、最後の方法を使って試してみましょう。
また、強力なディスクパーティション管理ソフトとして、「MBRを再構築」機能のほか、AOMEI Partition Assistant Professionalは、Windowsの起動問題なしでOSをSSDに移行し、2つのドライブ間でアプリを移行するなど高度な機能も備えます。Windows Serverで使用可能なAOMEI Partition Assistant Server版もあります。
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