「このPCでは回復ドライブを作成できません」エラーの原因と解決策
「このPCでは回復ドライブを作成できません」エラーの原因とその解決方法を解説。回復パーティションの確認やUSBドライブ容量のチェックなど、具体的な対策方法をご紹介します。
Windowsで回復ドライブを作成する際に、「このPCでは回復ドライブを作成できません」というエラーが出ることがあります。このエラーは、システムの復元やトラブルシューティングのための重要な回復ドライブを作ろうとしたときに起こります。エラーメッセージが表示される理由はさまざまで、解決策もいくつかあります。
この記事では、回復ドライブが作成できない理由とその対策、さらにエラーを防ぐための方法について詳しく説明します。
- 他のエラーメッセージ:
- 回復ドライブの作成中に問題が発生しました。
- 回復ドライブの作成が進まないです。
- 回復ドライブが動作しません。
- 回復ドライブに問題が発生しました。
「このPCでは回復ドライブを作成できません」エラーの原因
このエラーが発生する原因は、主に次のようなものがあります。
►回復パーティションが存在しない
回復ドライブを作るには、PCに回復パーティションが必要です。このパーティションには、システム修復やリカバリに必要なファイルが入っています。もしこのパーティションが削除されていたり、存在しないと、回復ドライブを作成できません。
►十分なストレージ容量がない
回復ドライブを作成するには、一定のストレージ容量(通常は16GB以上)が必要です。使用しているUSBドライブの容量が足りないと、エラーが出ます。
►システムの復元ポイントが無効化されている
Windowsのシステム復元が無効だと、回復ドライブを作成するための復元ポイントを作れません。これが原因でエラーが起こることもあります。
►Windowsエディションの制限
一部のWindowsエディション(例:Windows 10 Home)では、回復ドライブを作成するための機能が制限されていることがあります。このため、回復ドライブを作成できない場合があります。
►USBドライブや接続ポートに問題がある
USBドライブに不具合があったり、PCとの互換性に問題があるとエラーが発生することがあります。また、古いUSBポートを使用していると、正常に動作しないこともあります。
「このPCでは回復ドライブを作成できません」エラーの対処方法
このエラーを解決するためには、以下の対処法を試してみてください。
1. 回復パーティションの確認と修復
原因:回復パーティションがない、または破損している
回復ドライブを作るには、PCに「回復パーティション」が必要です。このパーティションには、PCを修復するためのデータが入っています。もし回復パーティションが消えていたり、壊れていると、回復ドライブを作成できません。
対処法:
ステップ 1. 「スタート」ボタンを右クリックして、「ディスクの管理」を選びます。
ステップ 2. ディスクの管理画面が開いたら、右下の「ボリューム」欄で回復パーティション(通常は「回復パーティション」などの名前)を探します。
※回復パーティションが見つからない場合、削除されたか、まだ作成されていない可能性があります。
※もし回復パーティションが削除されたか、或いは破損していた場合、AOMEI Partition Assistantを利用しましょう。このソフトには「パーティションを復元」ウィザードがあり、Windows 11、10、8、7で削除された回復パーティションを復元できます。さらに、パーティション内のデータも復元されるのが大きなポイントです。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを実行します。メイン画面の上部にある「復元」から「パーティションを復元」を選択します。
ステップ 2. 失われた回復パーティションを含むディスクを選択してください。そして、「次へ」をクリックして継続します。
ステップ 3. このウィンドウでスキャン方法を選択します。「高速スキャン」をお勧めします。この方法が失敗した場合は、「完全スキャン」を実行できます。そして「次へ」をクリックします。
ステップ 4. 選択したハードディスクをスキャンし、紛失や削除されたすべてのパーティションを一覧表示し、失われた回復するパーティションにチェックマークを付け、「続行」をクリックします。
ステップ 5. 次に、プロセスが完了するのを待ちます。
2. ストレージ容量を確認
原因:使用するUSBドライブに十分な空き容量がない
回復ドライブを作成するには、通常16GB以上の空き容量が必要です。容量が不足しているとエラーが出ます。
対処法:
ステップ 1. USBドライブをPCに接続し、「Win + E」キーを押して「エクスプローラー」を開きます。
ステップ 2. USBドライブのアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選びます。
ステップ 3. 空き容量を確認し、16GB以上の空きがあるかをチェックします。
※USBドライブの容量が足りない場合は、別の16GB以上のUSBドライブを使用してください。容量が不足していると、回復ドライブの作成はできません。
3. システムの復元ポイントの有効化
原因:システムの復元ポイントが無効化されている
回復ドライブを作成するには、システムの復元機能を有効にする必要があります。無効の場合、復元ポイントが作成できず、回復ドライブを作成できません。
対処法:
ステップ 1. 「PC」を右クリックし、「プロパティ」→「システムの保護」を開きます。
ステップ 2. システムの復元を有効にしたいディスクを選択し、「構成」をクリックします。
ステップ 3. 「システムの復元を有効にする」にチェックを入れます。
ステップ 4. 設定を保存し、システムの復元ポイントが作成されるようにします。
※復元ポイントが作成されていない場合、手動で作成する方法は次の通りです。
ステップ 1. 「システムの保護」画面で「作成」を選択します。
ステップ 2. 復元ポイントの名前を入力し、「作成」を選択します。
4. Windowsエディションの確認
原因:使用しているWindowsエディションが回復ドライブ作成に対応していない
一部のWindowsエディション(特に「Windows 10 Home」など)では、回復ドライブを作成する機能に制限があります。
対処法:
ステップ 1. まずはWindowsエディションを確認しましょう。「スタート」メニューから「設定」を開き、「システム」→「バージョン情報」を選択します。「Windowsの仕様」セクションで、使用しているエディション(Home、Pro、Enterpriseなど)を確認します。
回復ドライブ作成に対応していないWindowsエディション
▸Windows 10/11 S モード:
Windows 10 SモードやWindows 11 Sモードは、主にMicrosoft Storeからのみアプリをインストールできる制限があります。このモードでは、回復ドライブを作成するための機能が制限されているため、作成できません。Sモードを解除すれば、回復ドライブを作成できます。解除するには、「設定」→「更新とセキュリティ」→「アクティベーション」→「Sモードを終了する」を選択します。
▸Windows 10/11 Home エディション:
Windows 10 HomeやWindows 11 Homeでは、回復ドライブを作成できますが、システムイメージバックアップはできません。これが回復ドライブの作成に影響することがあります。システムイメージバックアップはProエディションやEnterpriseエディションでのみ利用可能です。必要なら、Proエディションにアップグレードすることもできます。
▸Windows 10/11 Education エディション:
Windows 10 EducationやWindows 11 Educationエディションは、教育機関向けに設計されています。Proエディションに似ていますが、回復ドライブの作成は可能でも、システムイメージバックアップができない場合があります。Homeエディションと同様に、必要に応じてProエディションへのアップグレードを検討する必要があります。
ステップ 2. 使用しているエディションが回復ドライブ作成機能に対応していない場合、Windows 10 ProやEnterpriseエディションにアップグレードする必要があります。アップグレード方法は、「設定」→「更新とセキュリティ」→「ライセンス認証」から確認できます。
5. USBドライブや接続ポートの確認
原因:使用しているUSBドライブやポートに問題がある
USBドライブや接続ポートの問題で回復ドライブが作れないことがあります。
対処法:
ステップ 1. USBドライブを外して、別のUSBポートに差し込んでみてください。
ステップ 2. 他のUSBドライブを使って、問題がドライブにあるか確認します。
ステップ 3. 古いUSBポート(USB 2.0など)を使っている場合は、USB 3.0ポートに変更してみてください。
ステップ 4. 別のPCで回復ドライブを作成して、問題がPCのハードウェアに関係しているか確認します。
6. システムファイルの修復
原因:システムファイルが破損している
システムファイルが破損していると、回復ドライブ作成に必要なファイルが正常に動作せず、エラーが発生する場合があります。
対処法:
sfc /scannowコマンドでシステムファイルを修復
ステップ 1. 「スタート」メニューで「cmd」と入力し、右クリックして「管理者として実行」を選びます。
ステップ 2. コマンドプロンプトが表示されたら、次のコマンドを入力してEnterキーを押します:
sfc /scannow
ステップ 3. 修復が終わるのを待ちます。完了したら、PCを再起動し、再度回復ドライブの作成を試みてください。
chkdskコマンドでディスクのエラーチェック
ステップ 1. コマンドプロンプトを開き、次のコマンドを入力してディスクのエラーチェックを行います:
chkdsk /f C:
ステップ 2. 修復が終わったら、PCを再起動し、回復ドライブの作成をもう一度試みてください。
予防策とおすすめの管理方法
回復ドライブ作成エラーを未然に防ぐためには、いくつかの予防策を講じることが重要です。
1. 定期的なバックアップを取る
データが失われないように、回復ドライブが作れない場合でも、定期的にシステムバックアップを取ることをおすすめします。Windowsの「バックアップと復元」機能を使って、大切なデータを守りましょう。
ステップ 1. スタートメニューを開き、「設定」を選択します。「更新とセキュリティ」をクリックし、左側のメニューから「バックアップ」を選びます。
ステップ 2. 「バックアップを追加」をクリックし、バックアップ先のドライブを選びます。外付けハードドライブやネットワークドライブが利用できます。
ステップ 3. スタートメニューで「コントロール パネル」を検索して開きます。「システムとセキュリティ」を選び、「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックします。
ステップ 4. 「バックアップの設定」を選びます。「自動バックアップを設定」をクリックし、バックアップの頻度(毎日、毎週、毎月)やバックアップする内容を選択します。
ステップ 5. 「今すぐバックアップ」をクリックすると、選んだ設定でバックアップが始まります。
※設定した頻度で自動的にバックアップが行われます。バックアップの状態を確認するには、「バックアップと復元」の画面で「バックアップの状態」をチェックできます。
2. システム復元機能の確認と有効化
システム復元機能が無効になっていないか、定期的に確認しましょう。復元ポイントが有効であれば、問題が起きたときにすぐに対処できます。
ステップ 1. スタートメニューを開き、「コントロールパネル」を検索して開きます。「システムとセキュリティ」をクリックし、「システム」を選択し、左側のメニューから「システムの保護」を選びます。
ステップ 2. 「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されます。「システムの保護」タブをクリックします。
ステップ 3. 「システムの保護」が有効なドライブ(Cドライブ)を確認します。
※「有効」と表示されていれば、システム復元は有効です。
※「無効」と表示されている場合は、後で説明する手順でシステム復元を有効にできます。
ステップ 1. 「システムの保護」タブで、復元を有効にしたいドライブ(Cドライブ)を選びます。
ステップ 2. 「構成」ボタンを押します。「システムの保護を有効にする」を選び、必要なディスク容量を設定します。この容量分、復元ポイントが保存されます。
ステップ 3. 「適用」をクリックし、「OK」を押して設定を終了します。
3. 回復パーティションの維持
回復パーティションは削除しないことが大切です。これにより、システムの修復機能を保つことができます。もし削除してしまった場合は、回復オプションを再設定する方法を考えてみてください。
ステップ 1. まず、システムに回復パーティションがあるか確認します。「スタートメニュー」で「ディスクの管理」を検索して選びます。
ステップ 2. 「ディスクの管理」ウィンドウが開いたら、システムドライブ(Cドライブ)の隣に「回復パーティション」が表示されているか確認します。
ステップ 3. 回復パーティションが削除されていたら、Windowsインストールメディアを使ってPCを起動し、「コンピュータの修復」を選択します。
ステップ 4. 「トラブルシューティング」を選び、「詳細オプション」から「システムの復元」を選択します。これで回復オプションが再設定されます。
まとめ
「このPCでは回復ドライブを作成できません」というエラーが出るのは、いくつかの理由がありますが、それぞれに対処法があります。回復パーティションを確認したり、ストレージの空き容量を確保したり、システムの復元機能を有効にすることで解決できます。また、定期的にバックアップを取ったり、回復パーティションを管理することで、将来の問題を防ぐことができます。もし問題が解決しない場合は、専門のサポートを受けることも考えてみてください。