初心者でもできる!M.2 SSD換装の完全ガイド【OS再インストール不要】

M.2 SSD換装を初心者向けに徹底解説。換装に必要な準備や手順、そして換装後のパフォーマンスを最大化する方法を知り、PCを高速化しましょう。

カオル

投稿者:カオル/更新日:2025年02月12日

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PCの動作が遅いと感じたら、HDDからM.2 SSDに交換することを考えてみましょう。特にゲームや動画編集、重いアプリをよく使う方には、M.2 SSDが大きな性能向上をもたらします。この記事では、初心者でも簡単にできるM.2 SSDの交換方法(取り付け方からOS以降まで)を詳しく説明します。

M.2 SSD

M.2 SSDの基本知識

M.2 SSDは、従来のSATA接続のSSDよりも速いデータ転送ができるストレージデバイスです。特に、NVMe(Non-Volatile Memory Express)規格に対応したM.2 SSDは、SATA SSDに比べて数倍の読み書き速度を持ち、PCの起動やアプリの読み込みが大幅に早くなります。

M.2 SSDの主な特徴は、その小型のデザインと高速な転送能力です。このため、薄型ノートPCやゲーミングPCで非常に優れた性能を発揮します。

M.2の端子形状

M.2 SSDの換装手順:詳細ステップガイド

ここでは、M.2 SSDの交換方法を説明します。難しくはない作業ですが、手順を守って注意深く進めていきましょう。

換装前の準備
M.2 SSDを換装するには、いくつかの準備が必要です。まず、以下のアイテムを確認して用意しましょう:
M.2 SSD:使用するSSDがPCのM.2スロットと合うか確認します。また、容量や速度は自分の使い方に合ったものを選ぶことが重要です。
ドライバー:換装作業に必要なドライバーを用意しましょう。M.2 SSDの取り付けには小さなネジを使うため、精密ドライバーセットが便利です。
バックアップ:データを失わないように、必ずバックアップを行いましょう。特に、OSやアプリのデータを移すときは、データ損失を避けるために大切です。
静電気防止マット:静電気でPCの部品が壊れるのを防ぐために、静電気防止マットの使用をおすすめします。

ステップ 1. M.2 SSDをマザーボードに取り付ける

1. PCの電源を切る:作業を始める前に、PCの電源を完全にオフにし、電源ケーブルを抜きます。ノートPCの場合は、バッテリーを外しておくとさらに安全です。

静電気対策:静電気防止マットを使って、静電気による部品の損傷を防ぎます。

ドライバー

2. PCケースを開ける:デスクトップPCの場合、サイドパネルを外して内部にアクセスします。ネジで固定されている場合は、ドライバーを使って外します。

3. M.2 SSDスロットを探す:マザーボード上のM.2スロットを見つけます。通常、「M.2」や「NVMe」と表示されています。

4. スロットの互換性を確認:使用するM.2 SSDのサイズ(2280、2230など)が互換性があるか確認します。

5. M.2 SSDを差し込む:M.2 SSDを斜めに差し込みます。約30度の角度でスロットに差し込み、しっかりと接続します。

注意:無理に押し込まず、優しく差し込んでください。

差し込む

6. SSDを固定する:M.2 SSDを所定の位置に差し込んだ後、ネジで固定します。マザーボードに付属の小さなネジを使い、SSDがしっかりと固定されているか確認します。

固定

ステップ 2. M.2 SSDをフォーマットする

1. ディスク管理ツールを開く:「Windowsキー + X」を押して「ディスクの管理」を選びます。

2. 新しいM.2 SSDを選ぶ:「未割り当て」と表示されるM.2 SSDがあります。これはまだフォーマットされていません。

3. 新しいボリュームを作成する:M.2 SSDを右クリックし、「新しいシンプルボリューム」を選択します。ボリュームサイズを設定し(通常は「最大容量」を選び)、次に進みます。

新しいシンプルボリューム

4. フォーマット形式を選択する:ファイルシステムを「NTFS」に設定し、「クイックフォーマット」を選びます。「次へ」をクリックしてフォーマットを完了させます。

5. 完了:フォーマットが終わると、M.2 SSDは「ローカルディスク(D:)」や「E:」として表示されるはずです。

📍関連記事:Windows 11/10/8/7でSSDを初期化する方法

ステップ 3. OSをM.2 SSDに移行する

1. クローンソフトをインストールする:M.2 SSDにOSを移すには、クローンソフトが必要です。OSの移行は難しそうに見えますが、AOMEI Partition Assistantを使えば簡単にできます。このソフトは、システムドライブを新しいSSDにそのままコピーし、コピーしたSSDからコンピューターが起動できるようにするので、心配がなくなります。

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2. クローン作業を始める:ここでは、手順を詳しく説明します。

手順 1. AOMEI Partition Assistantを起動します。

手順 2. ツールバーの「クローン」タブ⇒ドロップダウンメニューから「OSをSSDに移行」をクリックします。

OSをSSDに移行

手順 3. ポップアップウィンドウで「OSをSSDに移行」操作を確認して「次へ」をクリックします。

次へ

手順 4. M.2 SSD上の未割り当て領域を移行先として選択して「次へ」をクリックします。

次へ

手順 5. 移行先のパーティション(M.2 SSD上のシステムパーティション)のサイズ、位置、それにドライブ文字などを変更することができます。デフォルト設定を維持してもいいです。そして「次へ」をクリックします。

設定

手順 6. 移行先のM.2 SSD(ターゲットドライブ)から起動する方法&注意事項について説明します。よく読んだ後「完了」をクリックします。

注意事項

手順 7. 操作実行結果が表示され、確認して問題なければ「適用」⇒「続行」をクリックし、M.2 SSDへのOS移行が始まります。

OS移行が始まり

ステップ 4. 現在のストレージを取り外す

1. PCを電源オフにする:ストレージを取り外すために、まずPCの電源を切ります。

2. ストレージを外す:デスクトップPCの場合、ケースを開けて、HDDやSATA SSDを取り外します。通常はネジで固定されているので、ドライバーを使ってネジを外します。

3. ストレージの取り外し作業:ストレージを外したら、接続しているケーブル(SATAケーブルや電源ケーブル)を外し、完全に取り出します。

4. 取り外したストレージの扱い:取り外したストレージは、バックアップとして保管するか、他のPCで使うことができます。

ステップ 5. M.2 SSDから起動したことを確認する

1. PCを再起動する:PCの電源を入れて、再起動します。

2. BIOSに入る:PCの起動時に特定のキー(通常はF12、F2、F8、Esc、またはDelキー)を連打してBIOSに入ります。BIOS画面でブート順を確認します。

📍関連記事:Windows 11/10でBIOSの5つの開き方

3. M.2 SSDを起動ディスクに設定:「SETTINGS」>「Boot」>「Set boot priority」を順番に選択します。「Boot Option #1」をシステムディスクとして設定します。

システムディスクとして設定

4. PCを再起動してM.2 SSDから起動:設定を保存してBIOSを終了し、PCを再起動します。PCがM.2 SSDから正しく起動するか確認します。

5. Windowsが起動するか確認:Windowsのロゴが表示されるのを確認し、M.2 SSDから正常に起動しているか確認します。

換装後のパフォーマンス最適化

M.2 SSDに換装した後、さらにPCのパフォーマンスを最大限に引き出すために、いくつかの設定を行いましょう。

1. TRIM機能の確認と有効化

TRIMは、SSDのパフォーマンスと寿命を維持するために非常に重要です。TRIMは、未使用の領域を定期的にクリアして、SSDの書き込み性能を維持します。多くの現代的なSSDは、TRIMに対応していますが、設定を確認しておくことをお勧めします。

TRIMはSSDの性能と寿命を保つために非常に大切です。TRIMは使われていない領域を定期的に消去し、SSDの書き込み速度を維持します。多くの最新のSSDはTRIMに対応していますが、設定を確認することをお勧めします。

手順 1. 検索欄に「cmd」と入力し、表示された「コマンド プロンプト」の下の「管理者として実行」をクリックします。

cmd

手順 2. 次のコマンドを入力します:

fsutil behavior query DisableDeleteNotify

結果が「DisableDeleteNotify = 0」と表示されていれば、TRIMが有効です。

手順 3. TRIMが無効な場合は、次のコマンドを入力して有効にします:

fsutil behavior set DisableDeleteNotify 0

TRIM機能を有効にすることで、SSDの書き込み性能と寿命が向上します。

📍関連記事:SSD Trim:SSDの基礎知識

2. SSD専用のドライバをインストール

ほとんどのM.2 SSDは、Windowsの標準ドライバで動作しますが、製造元が提供する専用ドライバをインストールすると、パフォーマンスが向上することがあります。

手順 1. SamsungやWestern Digital、Crucialなどの主要なSSDメーカーは、SSDのパフォーマンスを向上させるためのツールやドライバを提供しています。これらの情報は製造元のWebサイトで確認できます。

手順 2. ソフトウェアをインストールします。例えば、Samsung SSDの場合は「Samsung Magician」をインストールすることで、SSDのパフォーマンスを調整できます。Western Digitalの「WD Dashboard」やCrucialの「Storage Executive Tool」も同様の機能を持っています。

3. SSDのファームウェアをアップデートする

SSDのファームウェアは、性能を向上させたり、バグを修正したり、新しい機能を追加したりするために改善されることがあります。定期的にファームウェアをチェックし、最新のバージョンにアップデートすることが大切です。

手順 1. まず、SSDのメーカーの公式ウェブサイトに行き、最新のファームウェアがあるか確認します。

手順 2. 一般的に、メーカーの提供するソフトウェア(「Magician」や「Dashboard」など)を使って簡単にファームウェアのアップデートができます。アップデートがあれば、指示に従って最新のファームウェアに更新しましょう。

4. Windowsのパフォーマンス設定を最適化する

SSDの性能を最大限に引き出すためには、Windowsの設定を調整することが重要です。高速スタートアップはSSDの性能を妨げることがあるので、無効にすることをおすすめします。

手順 1. 「コントロールパネル」→「電源オプション」→「電源ボタンの動作を選択する」の順でクリックします。

電源ボタンの動作を選択する

手順 2. 「現在利用できない設定を変更します」をクリックします。

手順 3. 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外し、「変更の保存」をクリックします。

なお、SSDは通常、仮想メモリに適しており、Windowsが自動で管理します。しかし、パフォーマンスを向上させるために、仮想メモリの設定を手動で変更することもできます。

手順 1. 「コントロールパネル」→「システム」→「システムの詳細設定」→「詳細設定」→「パフォーマンス」→「仮想メモリ」の順でクリックします。

設定

手順 2. 自動管理をオフにして、必要な設定に変更します。特に、CドライブにSSDを使っている場合、仮想メモリもSSDに保存されるようにします。

まとめ

M.2 SSDを交換することは、PCの性能を大きく向上させる良い方法です。初心者でも安心してできる手順を守ることが大切です。交換前にしっかり準備をし、M.2 SSDを正しく取り付けて、Windowsのクローン作業を終えることで、スムーズに進められます。交換後は性能を最適化し、SSDの寿命を延ばすための設定やケアを行いましょう。このガイドに従えば、あなたのPCの動作を大幅に速くすることができます。

カオル
カオル・編集者
カオルはパソコンの基礎知識や、各ソフトに関することなど、幅広く紹介します。わかりやすく、初心者やパソコンに苦手の方でも分かるように工夫をして、IT業界に対しても深い興味を持っています。パーティション管理に関する問題に関心があり、同じ問題に遭遇したユーザーは是非ともブログを参照してください。