Windowsでパーティションを削除するコマンドと手順を解説。diskpartコマンドを使った削除方法を詳しく紹介し、削除できないパーティションの対処法も説明。さらに、簡単に削除できる方法もご紹介!
「不要なパーティションを削除したいのに、削除ボタンがグレーアウトしている…」そんな経験はありませんか?
Windowsの「ディスクの管理」ツールを使えば、一部のパーティションは簡単に削除できます。しかし、「回復パーティション」や「OEMパーティション」などは通常の方法では削除できず、困ってしまうことも。
そこで役立つのが、Windows標準のコマンドツール「diskpart」です。diskpartを使えば、通常の操作では削除できないパーティションも削除することが可能になります。本記事では、diskpartの基本的な使い方から、安全にパーティションを削除する手順、削除できない場合の対処法まで詳しく解説します。
パーティション整理に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
「diskpart(ディスクパート)」は、Windowsに標準搭載されているコマンドラインツールで、ディスクやパーティションの管理を行うための機能を備えています。通常、Windowsの「ディスクの管理」ツール(GUI)を使えば、パーティションの作成や削除が可能ですが、一部のパーティションは削除できない場合があります。たとえば、以下のようなパーティションです。
◉回復パーティション(Windowsの復旧用領域)
◉OEMパーティション(PCメーカー独自のシステム領域)
◉システム予約済みパーティション(Windowsのブート関連領域)
▸ これらのパーティションは「ディスクの管理」では削除できませんが、「diskpart」なら削除できる場合があります。
ただし、「diskpart」は強力なツールであり、誤った操作をすると重要なデータを失うリスクがあります。そのため、慎重に操作することが重要です。
ただし、「diskpart」は強力なツールであり、誤った操作をすると重要なデータを失うリスクがあります。そのため、慎重に操作することが重要です。
ここでは、「diskpart」を使用して不要なパーティションを削除する方法を詳しく解説します。慎重に操作を行い、誤って必要なパーティションを削除しないようご注意ください。
ステップ 1. キーボードの Windowsキー + Sを押し、検索ボックスを開きます。「cmd」と入力し、検索結果に表示された「コマンドプロンプト」を右クリック します。「管理者として実行」を選択し、管理者権限でコマンドプロンプトを起動します。
ステップ 2. コマンドプロンプトが開いたら、以下のコマンド「diskpart」を入力して「diskpart」を起動し、Enterキーを押します。数秒後に「DISKPART>」と表示され、「diskpart」のコマンド入力モードになります。
ステップ 3. 接続されているディスクの一覧を表示するには、コマンド「list disk」を入力してEnterキーを押します。画面に「ディスク 0」「ディスク 1」など、接続されているディスクが一覧表示されます。
ステップ 4. 削除したいパーティションが含まれるディスクを選択します。例えば、削除したいパーティションが「ディスク 1」にある場合はコマンド「select disk 1」を入力してEnterキーを押します。
ステップ 5. 選択したディスク内のパーティションを確認するには、コマンド「list partition」を入力します。「パーティション 1」「パーティション 2」などの一覧が表示されます。
ステップ 6. 削除したいパーティションを選択します。例えば、削除したいするパーティションが「パーティション 2」の場合はコマンド「select partition 2」を入力してEnterキーを押します。
ステップ 7. 通常のパーティションを削除する場合は、コマンド「delete partition」を入力します。「指定されたパーティションが削除されました」と表示されれば、削除完了です。
ステップ 8. 一部のパーティション(回復パーティションやOEMパーティション)は、通常の「delete partition」コマンドでは削除できません。その場合、コマンド「delete partition override」を使用してください。「override」オプションを使用すると、システムによって保護されているパーティションでも削除できます。
ステップ 9. パーティション削除が完了したら、「diskpart」を終了するためにコマンド「exit」を入力します。コマンドプロンプトも閉じて作業完了です。
補足:削除後のディスクの管理
パーティションを削除すると、その領域は「未割り当て」となります。削除後のディスクを有効活用するためには、以下のいずれかの操作が必要です。
✅ 新しいパーティションを作成する
「ディスクの管理」ツールを開き、新しいボリュームを作成します。
✅ 既存のパーティションを拡張する
「未割り当て」領域を使って、既存のパーティションを拡張することができます。
✅ ディスク全体を初期化する(必要な場合)
すべてのパーティションを削除した後、新しくフォーマットを行うことでディスクを再利用できます。
「diskpart」を使用してパーティションを削除しようとしても、エラーメッセージが表示されて削除できないことがあります。特に、以下のようなパーティションは通常の方法では削除できませんが、「diskpart」の「override」オプションを使うことで削除可能になります。
削除できないパーティション | 対処法 |
回復パーティション | delete partition overrideを使用 |
OEMパーティション | delete partition overrideを使用 |
EFIシステムパーティション | Windowsインストールメディアを使用 |
システム予約済みパーティション | Windowsインストールメディアを使用 |
Cドライブ | Windowsインストールメディアを使用 |
豆知識:
EFIシステムパーティション(ESP: EFI System Partition) は、Windowsを含むUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)対応のオペレーティングシステム(OS)の起動に必要なパーティションです。ESPには、OSの起動やファームウェアの管理に関わる重要なファイルが含まれています。
システム予約済みパーティション(System Reserved Partition)は、Windowsのインストール時に自動的に作成される領域で、重要な機能を持っています。ブートマネージャーとブート構成データ(BCD)の保存をし、BitLockerの回復キー保存します。
「delete partition overrideを使用」する方法は削除手順ステップバイステップで書きました。以下は、「Windowsインストールメディアを使用」する方法を説明します。
ステップ 1. Windowsのインストールメディア(USBまたはDVD)でPCを起動します。
ステップ 2. 「Windowsのセットアップ」画面が表示されたら、「Shift + F10」キーを押し、コマンドプロンプトを開きます。
ステップ 3. コマンド「diskpart」を入力して「diskpart」を起動し、Enterキーを押します。
ステップ 4. 残りの手順は、「delete partition overrideを使用」する方法と同じです。
コマンドプロンプトを使ったパーティション削除は、手順が多く間違えるとシステムに影響を与える可能性があります。もっと簡単に、安全にパーティションを削除したい方には、Windowsパーティション管理ソフトAOMEI Partition Assistantをおすすめします。このソフトの「パーティションを削除」機能(無料)は、初心者でも簡単にパーティションを管理できるソフトです。直感的な操作で、わずか数クリックで不要なパーティションを削除できます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールし、起動します。削除したいパーティションを見つけて右クリックし、「パーティションを削除」を選択します。
ステップ 2. ポップアップウィンドウで「パーティションの高速削除」を選択し、「はい」をクリックして次のステップに進みます。
ステップ 3. そしてメイン画面に戻ります。「適用」→「続行」をクリックしてパーティション削除の操作を実行します。
パーティションを削除したからといって、データが完全に消えるわけではありません。実際、パーティション削除後もデータは物理的にはディスク上に残っていることが多いです。これは、パーティション削除がディスク上の領域の「インデックス」を削除するだけだからです。
►パーティション削除:パーティションを削除すると、そのパーティションに関連するファイルシステムの情報(MBRやGPTのエントリなど)が消去されます。この時点で、パーティション内のデータを直接アクセスすることはできなくなりますが、データそのものはディスク上に残ります。
►データが消えない理由:パーティション削除後、データの実体(ファイルやフォルダなど)はディスク上に残っており、単にその領域が「未割り当て」としてマークされているだけです。つまり、上書きされるまではデータが復元可能な状態で存在することが多いです。
►データの復元について:削除されたパーティション内のデータは、適切なツールを使用すれば復元できる場合があります。データが上書きされるまで、復元ソフトを使うことで多くのファイルを取り戻すことができます。
完全にデータを消去する方法:もしパーティションを削除した後に、データを完全に消去したい場合は、AOMEI Partition Assistantの「パーティションを消去」機能を使って、ディスク上の領域を上書きする必要があります。これにより、元のデータは完全に消去され、復元が不可能になります。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを起動し、消去したいパーティションを選択し、右クリックして「パーティションを消去」を選択します。
ステップ 2. 「消去方法」をクリックし、適切な消去方式を選択してください。より徹底的な消去方式はもちろんより長い時間がかかります。デフォルトでは、ワイプ方法は「全セクタにゼロを書き込む」です。
ステップ 3. 操作を実行するには、ツールバーの「適用」 をクリックします。
パーティション削除に関しては、diskpartコマンドを使うことで、細かな操作が可能になります。まずはコマンドプロンプトを開き、diskpartを実行して、削除したいパーティションを選択。その後、delete partitionコマンドで削除することができます。ただし、システムパーティションや回復パーティションなど、重要なパーティションを誤って削除しないように注意が必要です。もし削除できないパーティションがある場合は、原因を特定し、対処法を試すことで解決できることが多いです。コマンド入力に自信がない場合や、より簡単に作業を進めたい方には、専用ソフトを使用する方法もおすすめです。