外付けHDDをNTFSでフォーマットする方法(Windows)
このページでは、外付けHDDを「NTFS」形式でフォーマットする4つの方法(Windows 11/10/8/7)についてご紹介しています。また、データを失うことなく(つまり、フォーマットを行わずに)外付けHDDのファイルシステムをNTFSに直接変換する方法も提供しています。
外付けHDDとは?
お使いのパソコンには写真や動画などの大切なデータがたくさん保存されているかと思います。一般的にデータはパソコン本体に内蔵されたHDD(Hard Disk Driveハードディスクドライブ)に保存されます。
HDDは衝撃や発熱に弱いため、日頃の利用環境や経年変化により故障することがあります。もし、HDDが故障した場合でも、事前にデータを別のメディア(媒体)にバックアップしておけば、より安心してパソコンを使えますよね。
また、パソコン本体内蔵のHDDは空き容量が少ない状態で使い続けると、パソコンの動作が不安定になることがあるため、普段使用しないデータは別のメディアへ移動することをおすすめします。パソコンのデータを別のメディアにバックアップしたいときは、USBケーブルでパソコンに接続するだけで使える外付けHDDが便利ですよ。
外付けHDDとは、文字どおりパソコンに内蔵しているHDDではなく、パソコンの外に設置し、USBケーブルなどで接続して使用するHDDのことです。パソコンに内蔵されているHDDの容量が足りなくなってきたとき、使える容量をすぐに増やせるといったメリットがあります。
外付けHDDは、大きく分けると手軽に持ち運ぶことのできる「ポータブル型」と大容量のデータ保存に適した「据え置き型」があります。外付けHDDを購入する際は、バックアップしたいデータの容量や目的にあわせて選んでください。
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【ポータブル型HDD】:小型で手軽に持ち歩きができる製品で、容量が1TB(テラバイト)以下のものが主流です。また、USBケーブルのみの接続でHDDを使用できる機種もあるため、外出先でUSBメモリでは一度に保存できないサイズの写真や動画をバックアップする際に便利です。※1TBはデジタルカメラで撮影した1枚あたり約7MBの容量の写真なら約15万枚分、 DVDなら約210枚分に相当します。
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【据え置き型HDD】:コンセントから電源を取る必要がありますが、ポータブル型よりも高速にデータ転送が行なえたり、2TBを超える大容量の機器が販売されています。そのため、パソコンの買い替えや初期化する際など、パソコン内のデータを丸ごとバックアップしたい場合に便利です。
NTFSとは?
外付けHDDを購入したら、まず初めに行うのは「フォーマット」です。フォーマットとはこれから使用する外付けHDDのファイルシステム(コンピューターがファイルを管理する仕組み)の定義付けで、最初にフォーマットしたファイルシステムにてデータを保存していくことになります。
市販モデルの大半は予め用途に合わせてフォーマットがされています。Windowsパソコン向けの外付けハードディスクは「NTFS」、Mac用のものは「HFS+」が主なフォーマットタイプです。WindowsとMac両方使用する前提のモデルは「exFAT」、古いモデルなら「FAT32」がフォーマットされています。
⭐【結論】NTFSはWindows専用のファイルシステムです。※つまり、最近のWindows(Windows NT系)で使われているファイル管理の仕組みです。
⭕長所:1ファイルが4GB以上でも保存できます(※容量制限はありません)。
❌短所:Windows Me/98SE/98/95(4.00.950/4.00.950a)、Windows NT、Windows 3.1、DOSなどでは使用できません(※Windows NT4.0はNTFSに対応しています)。
🚨注意・用途:Macでは読み取ることはできますが、書き込みができません。パソコン以外では、利用できないことが多いです。
🔎【補足】代表的なファイルシステムは3つ(「FAT32」、「NTFS」、「exFAT」)です。それぞれにメリットやデメリットがあります。
FAT32 | メリット | 現在使われている数多くのWindows(Mac)OSで扱うことができ、汎用性に富む |
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デメリット | 1ファイルの容量は最大4GBまでしか保存できない(OSにより扱える容量が違う) 保存領域は最大2TBまでしか作成できない OS標準機能で32GBまでしかフォーマットできない Windows95などの古いOSでは使えない |
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NTFS | メリット | 1ファイルの容量制限が事実上なし(最大16TB) Windowsの標準ファイルシステム(WindowsXP以降) |
デメリット | Windows以外で書き込む場合は専用ソフトの導入が必要 | |
exFAT | メリット | 1ファイルの容量制限が事実上なし(最大16EB※16TBの100万倍) Windowsに加えMacでも読み書きできる |
デメリット | 新しい規格なので、古いOSやLinuxでは取り扱いが難しい |
外付けHDDをNTFSでフォーマットする理由
最近の市販モデルではあらかじめexFATでフォーマットしているものが多くあるので、外付けHDDの購入時には初期フォーマットを確認し、使用環境に合わせ適切なファイルシステムにてフォーマットを行うことをおすすめします。NTFSフォーマットは、外付けハードドライブを使用する場合によく使用されます。
💦【質問】外付けHDDのおすすめフォーマット方法とは一体何でしょうか?
⭐【結論】Windowsパソコンのみで使用する環境であれば、外付けHDDを「NTFS」でフォーマットすることをおすすめします。
NTFSはMicrosoft社が開発したファイルシステムで、OSである各種WindowsのシステムドライブはNTFSで稼働しています。また、NTFSはジャーナリングファイルシステムの一種で、保存データの高い保護性を持つファイルシステムです。
最近の外付けHDDでよく使用されるexFATにはそのような機能はなく、トランザクション時にエラーが発生してしまう恐れがあり、データ保護の観点ではNTFSの方が優れています。
そのため、外付けHDDなどのデータドライブもNTFSでフォーマットする方が最も適切です。
外付けHDDをNTFSでフォーマットする方法
外付けHDDのフォーマットはいつでもパソコン側で行うことができます。FATなどでフォーマットされている外付けHDDを購入しても、パソコンでフォーマットを行うことによりNTFSや他のファイルシステムを使うことができます。
次は、Windows 11/10/8/7で外付けHDD(またはSSD)のファイルシステムを、FATなどからNTFSに変更する4つの方法をご紹介しましょう。
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外付けHDDをお使いのパソコンに接続します。外付けHDD(または外付けSSD)は基本的にUSBポートに挿すだけで、自動的にドライバを読み込み認識するため、そのまま「マイコンピューター」(OSによって、コンピューター・PCなどの表示)からアクセスが可能で、使えるようになります。
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フォーマットを行うと、外付けHDD内にあるデータはすべて削除されます。大切なデータを失わないために、事前にディスククローン(バックアップ)を作成することができます。
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フォーマットを行う対象の機器(外付けHDD)以外に、別のハードディスクやUSBメモリなどの外付け記憶装置は取り外した状態にしてください(※他の記憶装置を誤ってフォーマットしない為です)。
方法①:ディスクの管理
手順 1. タスクバーのWindowsアイコンを右クリックするか、Windowsキー+Xキーを押してクイックリンクメニューを開き、「ディスクの管理」を選択します。
手順 2. NTFSでフォーマットしたい外付けハードディスクを右クリックし、「ボリュームの削除」⇒「はい」をクリックします。
手順 3. 「未割り当て」に変わったら、フォーマットを行いたい外付けHDDを右クリックし、「新しいシンプルボリューム」をクリックします。
手順 4. 「新しいシンプルボリュームウィザード」が表示されたら、「次へ」をクリックします。「シンプルボリュームサイズ」でサイズを指定し、「次へ」をクリックします。
手順 5. 「次のドライブ文字を割り当てる」でサイズを指定し、「次へ」をクリックします。「このボリュームを次の設定でフォーマットする」で「ファイルシステム」をNTFSに指定し、「次へ」をクリックします。
「クイックフォーマットする」にチェックが付いていることを確認します。フォーマットしたいハードディスクにパーティションが1つも存在しないときは、「クイックフォーマットする」にチェックマークを付けないでください。チェックマークを付けると、フォーマットが正常に終了できないことがあります。
手順 6. 「完了」をクリックすると、フォーマットが始まります。
🔎【補足】「ディスクの管理」でフォーマットしたい外付けHDDを右クリック⇒「フォーマット」を選択⇒「ファイルシステム」から「NTFS」を指定⇒「OK」をクリックすることにより、外付けHDDをNTFSでフォーマットすることもできます。
外付けHDDを破棄したり譲渡しないのならば、「クイックフォーマット」にチェックを付ければフォーマットの時間が短くて済みます(フォーマット時間は容量によって変わります)。
以上でフォーマットは終了です。フォーマット後は再起動せずに、そのまま外付けHDDを使うことが可能です。
方法②:エクスプローラー
手順 1. 「コンピューター」(またはPC)を開き、フォーマットを行いたい外付けHDDの上でマウスを「右クリック」します。
手順 2. メニューの中の「フォーマット」をクリックします。
手順 3. 「ファイルシステム」のプルダウンメニューから「NTFS」を選択します。「クイックフォーマット」にチェックが入っているか確認します。
手順 4. 「開始」⇒「OK」をクリックします。「フォーマットが完了しました」と表示されるので「OK」をクリックし、完了です。
方法③:DiskPart
手順 1. Windowsキー+Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、「diskpart」と入力して「OK」をクリックします。
手順 2. DISKPART画面で「list disk」と入力し、Enterキーを押します。PCに接続されているSSD/HDDの一覧が表示されます。
手順 3. 「select disk *」と入力し、Enterキーを押します。*はNTFSでフォーマットしたい外付けHDDのディスク番号です。
手順 4. 「ディスク 1 が選択されました。」と表示されたら、「list partition」と入力し、Enterキーを押します。外付けHDD上のパーティションの一覧が表示されます。
手順 5. 「select partition *」と入力し、Enterキーを押します。*はNTFSでフォーマットしたい外付けHDD上のパーティションのパーティション番号です。
手順 6. 「format fs=ntfs quick」と入力し、Enterキーを押します。パーティションをNTFSでフォーマットします。「quick」はクイックフォーマットを指定することです。
手順 7. 「exit」と入力し、Enterキーを押します。diskpartを終了します。
🔎【補足】DiskPartで「list disk」⇒「select disk *」⇒「clean」⇒「create partition primary」⇒「format fs=ntfs quick」を実行することにより、外付けHDDをNTFSでフォーマットすることもできます。※また、「assign」を実行することにより、外付けHDDにドライブレターを割り当てることができます。
💡重要:コマンドプロンプトで「convert ドライブ文字: /fs:ntfs」を実行することにより、データを失うことなく(フォーマットを行わずに)NTFSへの変換を行うことができます。※例えば、外付けHDD(Zドライブ)をNTFSファイルシステムに変更する場合、「convert z: /fs:ntfs」と入力すれば良いです。
方法④:AOMEI Partition Assistant
AOMEI Partition Assistant Professionalは、優れたディスクパーティション管理ソフトだけでなく、強力なハードディスクフォーマットツールでもあります。外付けHDDはRAW/書き込み禁止になっているか、破損していても、NTFS/FAT32/exFATなどのファイルシステムでフォーマットすることができます。
そのほか、データを失うことなく、パーティションのサイズ変更/移動/削除/消去/結合/クローン、MBRとGPT間でのディスク変換などを行うこともできます。
手順 1. AOMEI Partition Assistant Professionalのデモ版をダウンロード、インストール、起動します。
デモ版は動作確認の目的でのみ使用されます。つまり、デモでは、すべての機能をプレビュー、すべての操作をシミュレートすることしかできません。
手順 2. NTFSファイルシステムでフォーマットしたい外付けHDDを右クリックし、「パーティションをフォーマット」を選択します。
手順 3. ポップアップウィンドウで「ファイルシステム」のドロップダウンメニューからNTFSを選択し、「はい」をクリックします。※また、ここではパーティションラベルを設定したり、クラスタサイズを変更したりすることもできます。
手順 4. 「適用」⇒「続行」をクリックすると、フォーマットが始まります。
🔎【補足】もちろん、AOMEI Partition Assistantでフォーマットしたい外付けHDDを右クリック⇒「パーティションを削除」または「パーティションを消去」⇒「パーティションを作成」を選択⇒「ファイルシステム」から「NTFS」を指定することにより、外付けHDDをNTFSでフォーマットすることもできます。
💡重要:AOMEI Partition Assistantでフォーマットしたい外付けHDDを右クリック⇒「詳細処理」⇒「NTFSパーティションに変換」を選択することにより、データを失うことなく(フォーマットを行わずに)外付けHDDのファイルシステムをNTFSに直接変換することができます。※また、「変換」タブ⇒「NTFS to FAT32 変換器」を選択することにより、データを失うことなく(フォーマットを行わずに)外付けHDDのファイルシステムをFAT/FAT32からNTFSに直接変換することもできます。
フォーマットした外付けHDDからデータ復元する方法
外付けHDDをフォーマットする前に、データのバックアップを取り忘れてしまった場合は、AOMEI Partition Assistant Professionalの「データ復元」機能を利用して、削除したデータを復元する可能性があります。
手順 1. AOMEI Partition Assistantを起動し、「復元」タブで「データ復元」をクリックします。
手順 2. Windowsデータ復元画面が表示されたら、NTFSでフォーマットした外付けHDDを選択し、「スキャン開始」をクリックします。
手順 3. スキャンが完了したら、復旧可能なデータがすべて表示されます。復元したいデータを選択し、「復元」をクリックします。
手順 4. 復元したデータを保存するパス(フォルダ)名を指定したら、データ復旧が始まります。
復元が正常に完了すると、指定したパスに復旧したデータが保存されています。
外付けHDDをNTFSでフォーマットすることに関するFAQ
外付けHDDをNTFSでフォーマットする必要性は何ですか?
外付けHDDをNTFS以外のフォーマットで使うことはできますか?
外付けHDDをNTFSでフォーマットする方法を教えてください。
NTFSでフォーマットした外付けHDDをMacで使えますか?
NTFSへのフォーマットにはデータの損失リスクがありますか?
外付けHDDをNTFSにフォーマットすると速度が向上しますか?
NTFSでフォーマットした外付けHDDをテレビやゲーム機で使用できますか?
NTFSフォーマットに失敗した場合、どうすれば良いですか?
まとめ
このページでは、外付けHDD、ファイルシステムNTFS、外付けHDDをNTFSでフォーマットする方法についてご紹介しました。Windows 11/10/8/7に標準搭載されている「ディスクの管理」「エクスプローラー」「DiskPart」&サードパーティ製の「AOMEI Partition Assistant Professional」4つのツールを使うことができます。また、「DiskPart」または「AOMEI Partition Assistant Professional」を利用して、データを失うことなく(フォーマットを行わずに)外付けHDDのファイルシステムをNTFSに直接変換する方法もご紹介しました。