【買い替え前に】パソコンのデータを安全に丸ごと移行する方法と注意点
PCを買い替える前に!データを安全に丸ごと移行する方法4選と、失敗しないための注意点を詳しく解説。移行後の確認や古いPCの処分方法も紹介。
パソコンを買い替えた際、古いPCから新しいPCへデータを安全に移行することは、多くの人にとって重要な作業です。写真、ドキュメント、アプリの設定など、大切なデータを失うことなくスムーズに移行する方法を知っておけば、買い替え後も快適に作業ができます。
本記事では、データを丸ごと移行する方法と注意点を詳しく解説します。自分に合った方法を選び、トラブルを防ぎながらデータ移行を成功させましょう!
データ移行の方法(どの手段が適しているか)
データを移行する方法には専用ソフトを使う方法、外付けHDD/SSDを活用する方法、クラウドストレージを利用する方法、LAN経由での転送など、いくつかの選択肢があります。それぞれの特徴とメリットを紹介します。
方法1:データ移行ソフトを使う(簡単&高速)
おすすめ度:★★★★★(初心者向け)
専用のデータ移行ソフトを使えば、システム、アプリ、設定、個人データを丸ごと新しいPCへコピーできます。技術的な知識が不要で、短時間で移行できるため、初心者にもおすすめです。特に、システムやアプリ、設定まで含めて一括で移行したい場合は、クローン機能を持つソフトが便利です。AOMEI Partition Assistantなら、数クリックでディスク全体をクローンできるため、現在の環境をそのまま新しいPCへ移行できます。複雑な設定は不要で、初心者でも簡単に操作可能です。
- ✅メリット:
- 数クリックでデータ移行が可能
- アプリや設定もそのまま移行できる
- 作業時間を短縮できる
- ✎注意事項:
- まずは、新しいPCのHDD/SSDを取り出して、古いPCに接続しましょう。古いPCはラップトップである場合は、SATA-USBアダプターを準備する必要があります。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。「クローン」メインタブをクリックし、「ディスクをクローン」を選択します。
ステップ 2. ソースディスクとしてクローンする必要のあるハードディスク(古いPCのHDD/SSD)を選択して、「次へ」をクリックします。
ステップ 3. ターゲットディスク(新しいPCのHDD/SSD
)を選択し、「次へ」をクリックします。ステップ 4. 確認画面に移動して、クローン元のディスクとクローン先のディスクを確認します。問題なければ「確認」ボタンをクリックして、続行します。
- 「セクタ単位のクローン」にチェックを入れることができます:
- チェックを入れる場合、「セクタ単位のクローン」を実行します。使用済みセクタと未使用セクタをすべてクローンするため、より長い時間がかかります。ターゲットディスクのサイズはソースディスクのサイズに等しいかそれより大きくなければなりません(ソースディスクはMBR形式の場合、ターゲットディスクもMBR形式になっています)。
- チェックを入れない場合、「ディスクの高速クローン」を実行します。ソースディスク上の使用済み領域だけをクローンするため、大容量のソースディスクを小容量のターゲットディスクにクローンすることができます(ターゲットディスクの空き容量はソースディスクの使用済み容量より大きいか等しい必要があります)。クローン中にターゲットディスク上の各パーティションのサイズを調整することができます。
- 「設定」をクリックして、ターゲットディスク上のパーティションを編集することができます:
- パーティションのサイズを変更せずにクローン:ソースパーティションのサイズを維持します。
- コピー先に合わせる:ターゲットディスク全体に合わせてパーティションのサイズを自動的に調整します。
- 手動で編集する:ターゲットディスク上のパーティションのサイズを手動で調整します。
ステップ 5. ツールバーの「適用」をクリックし、「続行」をクリックます。
方法2:外付けHDD/SSDを使う(手動)
おすすめ度:★★★★☆(コストを抑えたい方向け)
外付けHDDやSSDを使う方法は、追加のソフトを使わずに手動でデータを移行できるシンプルな手段です。特に、大容量のデータを一括でコピーしたい場合や、インターネット環境がない場合に便利です。ただし、この方法ではシステム(OS)やアプリケーションの移行はできず、手動で再インストールが必要になります。そのため、個人データ(ドキュメント、写真、音楽、動画など)を移行する場合に適しています。
- ✅メリット:
- コストが比較的安い
- インターネット環境が不要
ステップ 1. まず、古いPC内の移行したいファイルを整理しましょう。不要なデータを削除しておくことで、移行時間を短縮できます。
- ✔ チェックポイント:
- ドキュメント(Word/Excel/PDFなど)
- デスクトップ上の重要なファイル
- ダウンロードフォルダの必要なデータ
- 写真や動画、音楽ファイル
- ブラウザのお気に入り・ブックマーク(エクスポート推奨)
ステップ 2. 次に、外付けHDDやSSDをUSBポートに接続します。認識されると、「エクスプローラー(Windows)」に新しいドライブとして表示されます。
ステップ 3. 古いPCのエクスプローラーを開いて、「ドキュメント」「ピクチャ」「ビデオ」「音楽」フォルダを開きます。
ステップ 4. 必要なデータを選択し、ドラッグ&ドロップで外付けHDD/SSDへコピーします。
ステップ 5. 「設定」→「更新とセキュリティ」→「バックアップ」 を開いて、「ドライブの追加」をクリックし、外付けHDD/SSDを選択します。「今すぐバックアップ」或いは「ファイルのバックアップを自動的に実行」オプションをクリックします。
ステップ 6. 新しいPCをセットアップし、外付けHDD/SSDを接続します。
ステップ 7. データをコピーする方法は手順3と同様に、エクスプローラーを使い、データを新PCの適切なフォルダへドラッグ&ドロップで移動します。
- ✔ 推奨フォルダ構成:
- ドキュメント類 → C:\Users\ユーザー名\Documents
- 写真や動画 → C:\Users\ユーザー名\Pictures & Videos
- 音楽 → C:\Users\ユーザー名\Music
ステップ 8. コピーが完了したら、外付けHDD/SSDを安全に取り外します。
方法3:クラウドストレージを活用(OneDrive・Google Drive)
おすすめ度:★★★☆☆(普段からクラウドを使っている人向け)
クラウドストレージを使えば、外付けHDDやSSDがなくてもデータ移行が可能です。特に、インターネット環境が整っている場合、OneDriveやGoogleDriveを利用すれば、簡単にファイルをクラウドにバックアップして新しいPCにダウンロードできます。ただし、クラウドストレージの無料プランには容量制限があるため、大容量のデータを移行する場合は有料プランの検討や、必要なデータのみを移行する工夫が必要です。
- ✅メリット:
- どこでもアクセス可能
- 自動同期機能で移行が楽
- 外付けHDDやUSBが不要
ステップ 1. まずは、クラウドストレージのアカウントを準備しましょう。以下のサービスが代表的です。
クラウドサービス | 無料プランの容量 | 有料プランの例 |
OneDrive | 5GB | 100GB/月額299円、1TB/月額1,490円(Microsoft 365付属) |
Google Drive | 15GB | 100GB/月額250円、2TB/月額1,300円 |
Dropbox | 2GB | 2TB/月額1,500円 |
ステップ 2. 古いPCでデータをクラウドにアップロードします。ここでOneDriveを例に説明します。
ステップ 3. タスクバーのOneDriveアイコン(雲の形)をクリックして、サインイン(Microsoftアカウントが必要)します。
ステップ 4. エクスプローラーを開き、移行したいファイルをOneDriveフォルダにコピーします。
ステップ 5. 自動的にクラウドに同期されるのを待ちます。
ステップ 6. 新しいPCでOneDriveをアップロードし、Microsoftアカウントにログインします。
ステップ 7. エクスプローラーの「OneDrive」フォルダにアクセスします。自動的に同期されるため、必要なデータをローカルにコピーしましょう。
方法4:LANケーブルで直接転送(Windows標準機能)
おすすめ度:★★★☆☆(2台のPCを同時に操作できる人向け)
LANケーブルを使って2台のPCを直接接続し、データを高速転送する方法です。USBメモリや外付けHDDを使わず、大容量のファイルを一度に移行できるのがメリットですが、設定に少し手間がかかるため、パソコンに慣れている人向けです。この方法にはクロスLANケーブル(またはルーターを介した通常のLAN接続)が必要です。
- ✅メリット:
- 外付けHDDやUSBが不要
- インターネット環境が不要
ステップ 1. 両方のPCで「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサネット」を開きます。
ステップ 2. 「ネットワークのプロパティ」で、両方のPCが「プライベート」に設定されているか確認します。
ステップ 3. 「ネットワークと共有センター」→「共有の詳細設定」を開き、以下を有効にします:
- 「ネットワーク探索を有効にする」
- 「ファイルとプリンターの共有を有効にする」
- 「パスワード保護共有を無効にする(任意)」
ステップ 4. 古いPCで移行したいフォルダを右クリック→「プロパティ」→「共有」タブを開きます。
ステップ 5. 「共有」ボタンをクリックして、「追加」をクリックし、「Everyone」を選択します。
ステップ 6. 「アクセス許可のレベル」を「読み取り/書き込み」に変更し、「適用」→「OK」をクリックします。
ステップ 7. 新しいPCのエクスプローラーを開いて、アドレスバーに「\(古いPCのIPアドレス)」を入力します。
- PCのIPアドレス確認方法:
- ステップ 1. 「Win + R」→「cmd」と入力し、Enterを押します。
- ステップ 2. 「ipconfig」と入力し、Enterを押します。
- ステップ 3. 「IPv4アドレス」の数値(例:192.168.1.10)がIPアドレスです。
ステップ 8. 古いPCの共有フォルダが表示されるので、必要なデータをコピーして新しいPCに保存します。
データ移行時の注意点(失敗を防ぐために)
パソコンのデータを移行する際、適切な準備や確認を行わないと、大事なデータが消失したり、移行後に正常に動作しないことがあります。ここでは、データ移行をスムーズに進めるための重要な注意点を詳しく解説します。
▌注意点1:重要データのバックアップを取る
データ移行中に予期せぬトラブルが発生すると、ファイルが破損したり消えてしまう可能性があります。そのため、移行前に必ずバックアップを作成しておきましょう。
🔹 おすすめのバックアップ方法
✅ 外付けHDD/SSDにデータをコピー(手軽で確実)
✅ クラウドストレージ(Google Drive・OneDrive)に保存(インターネット経由で安全)
✅ システムイメージを作成(Windows標準機能)(OSごと保存できる)
▌注意点2:不要なデータを整理する
データ移行前に不要なファイルを削除し、整理しておくと、移行作業がスムーズになります。
🔹 整理すべきデータ
✅ 一時ファイル・キャッシュを削除(「ディスククリーンアップ」ツールを使用)
✅ 古いソフト・アプリをアンインストール(不要なアプリのデータ移行を防ぐ)
✅ 重複ファイルを削除(整理アプリを利用すると便利)
▌注意点3:移行するデータの選別を行う
すべてのデータを無差別に移行すると、不要なファイルまで引き継がれて容量を圧迫することがあります。以下のように、データを分類して選別するのが重要です。
🔹 移行すべきデータ
✅ ドキュメント、写真、動画、音楽などの個人ファイル
✅ メールデータ(Outlookの場合、PSTファイルをエクスポート)
✅ ブラウザのブックマークやパスワード(Google ChromeならGoogleアカウントで同期)
▌注意点4:移行後にデータが正しく転送されているか確認する
移行後にすべてのデータが正常に移行できているかチェックしましょう。特に、以下のポイントを重点的に確認してください。
🔹 データチェック項目
✅ ファイルやフォルダが正しく移行されているか
✅ 重要なドキュメントや写真が開けるか
✅ アプリやソフトウェアが正しく動作するか
✅ メール・ブラウザの設定が元通りか
移行後のデータ確認と古いPCの処分方法
古いPCを適切に処分しないと、個人情報の流出リスクがあるため、安全な方法で処分しましょう。
🔹 1. 古いPCのデータ完全消去
PCを処分する前に、HDD/SSDのデータを完全に削除する必要があります。単に「ゴミ箱を空にする」だけではデータが復元される可能性があるため、完全消去しましょう。
🔹 2. PCの処分方法(売却・リサイクル・廃棄)
古いPCの処分方法には、売却・寄付・リサイクル・廃棄の選択肢があります。
① 売却する(中古買取業者を利用)
② リサイクルに出す(メーカー回収サービス)
③ 不要なPCを安全に廃棄する(自治体の回収サービスやPCリサイクル業者)
まとめ
パソコンのデータ移行は、方法を選ぶことでスムーズに進められます。データ移行ソフトなら簡単&高速、外付けHDD/SSDなら手動で確実、クラウドならネット経由で便利、LANケーブルなら直接転送が可能です。ただし、移行前にはバックアップを取り、移行後はデータの整合性をしっかり確認しましょう。また、古いPCを処分する際はデータの完全消去が必須です。適切な方法で移行し、新しいPCを安心して使い始めましょう!