【初心者向け】HDDのパーティション操作ガイド:作成・変更・削除まで解説
HDDのパーティション操作を初心者向けに解説!作成・サイズ変更・結合・分割・削除の方法を詳しく紹介します。
パソコンのHDD(ハードディスク)を効率的に管理するために、「パーティション操作」を行うことが重要です。パーティションとは、HDDの中でデータを整理するための「区画」のようなもの。例えば、「Cドライブ」と「Dドライブ」に分かれているのも、パーティションによるものです。
本記事では、初心者でも簡単にできるHDDのパーティションの「作成」「サイズ変更」「削除」の方法を分かりやすく解説します。
HDDのパーティションとは?基本知識を解説
▌パーティションの基本概念
HDDは通常、1つの物理ディスクとして存在しますが、それを複数のパーティションに分割することで、複数の「論理ディスク」として扱うことができます。 例えば、1TBのHDDを「C: 500GB」「D: 500GB」に分けることで、異なる用途に活用できます。
▌パーティションの種類(MBRとGPTの違い)
パーティションには、主に「MBR」と「GPT」という2つの形式があります。
パーティションの種類 | MBR(Master Boot Record) | GPT(GUID Partition Table) |
最大対応容量 | 2TBまで | 2TB以上の大容量HDD対応 |
作成できるパーティション数 | 最大4つ | 128個以上 |
互換性 | 旧OS(Windows 7以前)も対応 | 最新OSに最適(Windows 10/11推奨) |
最新のPCや大容量HDDを使用する場合は、GPTを選ぶのがベストです。
HDDのパーティション操作の準備
HDDのパーティションを作成・変更・削除する前に、いくつか準備しておくべきことがあります。適切な準備を行うことで、データ損失や操作ミスを防ぎ、安全に作業を進めることができます。
▌操作前にすべきこと
① 大切なデータをバックアップする
パーティション操作は基本的に安全に行えますが、万が一のトラブルに備えて重要なデータは事前にバックアップしておきましょう。特に、パーティションの削除やサイズ変更を行う場合、データが消失する可能性があるため注意が必要です。
② 使用するツールを準備する
HDDのパーティション操作には、Windowsの標準機能やサードパーティソフトを利用できます。それぞれの特徴を理解し、用途に合ったツールを選びましょう。
ツール名 | 特徴 | おすすめの用途 |
ディスクの管理(Windows標準機能) | インストール不要・基本操作が可能 | シンプルなパーティション作成・削除 |
コマンドプロンプト(diskpart) | 高度な操作が可能・上級者向け | システムドライブの変更・詳細設定 |
サードパーティソフト(例:AOMEI Partition Assistant) | 直感的な操作・制限なし | サイズ変更・結合・分割など柔軟な管理 |
▌現在のパーティション構成を確認
パーティション操作を始める前に、まずHDDの現在の状態を確認することが重要です。以下の手順(Windowsの「ディスクの管理」で確認する方法)で確認しましょう。
ステップ 1. 「Windows + R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
ステップ 2. 「diskmgmt.msc」と入力して「OK」をクリックします。
ステップ 3. 「ディスクの管理」ウィンドウが開き、HDDのパーティション構成が表示されます。
確認するポイント:
✅ システムパーティション(通常「C:」)の空き容量
✅ 未割り当て領域があるかどうか
✅ 変更・削除したいパーティションの状態
次のステップでは、HDDのパーティション操作を実際に行う方法を解説します。
HDDのパーティションを作成する方法
方法1:Windowsの「ディスクの管理」を使ってパーティションを作成する(初心者向け)
ステップ 1. 「Windows + R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「diskmgmt.msc」と入力し「OK」をクリックします。
ステップ 2. 「ディスクの管理」ウィンドウが開くので、未割り当て領域を探します。
ステップ 3. 未割り当て領域を右クリックし「新しいシンプル ボリューム」を選択します。
ステップ 4. 「新しいシンプル ボリューム ウィザード」が開くので、「次へ」をクリックします。
ステップ 5. 作成するパーティションのサイズを指定(例:100GB)し「次へ」をクリックします。
ステップ 6. ドライブ文字を割り当て(例:G: ドライブ)て「次へ」をクリックします。
ステップ 7. ファイルシステム(通常はNTFS)を選択し、「クイックフォーマット」にチェックを入れます。
ステップ 8. 「次へ」→「完了」をクリックすると、新しいパーティションが作成されます。
「新しいシンプルボリューム」がグレー表示され、選択できない場合
ディスクの管理において「新しいシンプルボリューム」がグレーアウトしている理由は、主に使用しているディスクがMBR形式であるためです。MBRの最大の制限は、4つのプライマリパーティションまたは3つのプライマリパーティションと1つの拡張パーティションしか作成できない点です。
方法2:コマンドプロンプト(diskpart)を使ってパーティションを作成する(中級者向け)
ステップ 1. 「Windowsキー + S」を押し、「cmd」と入力して「管理者として実行」をクリックします。
ステップ 2. 以下のコマンドを順番に入力します。各コマンドの後に「Enter」を押してください。
diskpart(DiskPartを起動)
list disk(接続されているディスクを表示)
select disk 0(0は対象のディスク番号に変更)
create partition primary size=10240(サイズはMB単位。ここでは10GB)
assign letter=F(Fは任意のドライブ文字)
format fs=ntfs quick(NTFS形式でクイックフォーマット)
exit(DiskPartを終了)
注意:「diskpart」コマンドでの操作は取り消せないため、操作中に大きな損害を引き起こす可能性があります。
方法3:サードパーティソフトを使ってパーティションを作成する(柔軟な管理が可能)
Windowsの標準機能では一部の制限があるため、より直感的で便利なサードパーティ製のパーティション管理ソフトを使う方法もあります。例えば、AOMEI Partition Assistantという専門のパーティション操作ソフト使うと、GUIで簡単に操作でき、サイズ変更や結合も自由に行えます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantの主な画面で未割り当て領域を右クリックしてドロップダウンメニューから「パーティションを作成」を選択します。
ステップ 2. ポップアップウィンドウでパーティションサイズ、ドライブ文字、ファイルシステムを指定できます。更に、「詳細」をクリックして、パーティションラベル、パーティションタイプなども設定できます。そして「はい」をクリックして続行します。
ステップ 3. ツールバーの「適用」をクリックして新規パーティションの作成を実行します。
HDDのパーティションをサイズ変更する方法
このセクションではHDDのパーティションをサイズ変更・結合・分割する方法を詳しく説明します。
方法1:Windowsの「ディスクの管理」を使ってパーティションを変更する(初心者向け)
▌パーティションを縮小する手順
ステップ 1. 「ディスクの管理」を開き、変更したいパーティション(例:Dドライブ)を右クリックし、「ボリュームの縮小」を選択します。
ステップ 2. 縮小するサイズを指定し、「縮小」をクリックします。
ステップ 3. 未割り当て領域が作成されたことを確認します。
▌パーティションを拡張する手順
ステップ 1. 拡張したいパーティション(例:Cドライブ)を右クリックし、「ボリュームの拡張」を選択します。
ステップ 2. 未割り当て領域を選択し、「次へ」→「完了」をクリックします。
注意点:
✅ パーティションの拡張は、後ろに未割り当て領域がある場合のみ可能です。
✅ 縮小できるサイズは、パーティション内のデータの配置状況によって変わります。
方法2:コマンドプロンプト(diskpart)を使ってパーティションを変更する(中級者向け)
▌パーティションを縮小する手順
ステップ 1. 「Windowsキー + S」を押し、「cmd」と入力して「管理者として実行」をクリックします。
ステップ 2. 以下のコマンドを順番に入力します。
diskpart
list volume
select volume 2(2は縮小するパーティションの番号に変更)
shrink desired=10240
exit
▌パーティションを拡張する手順
ステップ 1. コマンドプロンプトを管理者権限で開き、以下のコマンドを順番に入力します。
diskpart
list volume
select volume 1(1は拡張するパーティションの番号に変更)
extend size=10240
exit
方法3:サードパーティソフトを使ってパーティションを変更する(柔軟な管理が可能)
Windows標準機能では、未割り当て領域の位置によって拡張できないことがあります。コマンドライン操作は初心者にとって難解であり、誤った操作によってデータが失われるリスクが存在します。そのため、より簡単かつ柔軟にパーティションサイズを調整できる専用ソフトウェアであるAOMEI Partition Assistantの使用をお勧めいたします。このソフトウェアは、初心者でも簡単にパーティションサイズを変更できる機能を提供しており、「ワンクリックで空き領域を調整」する機能により、ドラッグ操作だけで手軽にパーティションのサイズを調整することができます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、Cドライブを右クリックして、「ワンクリックで空き領域を調整」を選びます。
ステップ 2. DドライブのスペースをCドライブに追加したい場合、Dドライブの先頭にあるドラッグポイントを後ろに引っ張って縮小し、その空き領域をCドライブに割り当てます。そして「OK」をクリックします。
ステップ 3. 「適用」と「続行」をクリックします。
HDDのパーティションを結合する方法(複数のドライブを1つにまとめる)
方法1:Windowsの「ディスクの管理」を使ってパーティションを結合する(データ損失)
Windowsの「ディスクの管理」では、パーティションを直接結合する機能はありません。ただし、「ディスクの管理」を使って間接的に結合する方法はあります。それは、1つのパーティションを削除し、未割り当て領域にした後、隣接するパーティションを拡張するという方法です。
✘ 注意:この方法は、データを失うことになります。
ステップ 1. 「ディスクの管理」を開き、結合したいパーティションのうち、データを削除しても問題ない方を右クリックし、「ボリュームの削除」を選択します。
ステップ 2. 削除すると、その部分が「未割り当て領域」になります。結合したいパーティション(未削除の方)を右クリックし、「ボリュームの拡張」を選択します。
ステップ 3. 未割り当て領域を選択し、「次へ」→「完了」をクリックすると、パーティションが拡張されます。
方法2:コマンドプロンプト(diskpart)を使ってパーティションを結合する(データ損失)
コマンドプロンプト(diskpart)でも、直接パーティションを結合するコマンドはありません。しかし、「ディスクの管理」と同じように、不要なパーティションを削除し、その領域を他のパーティションに拡張することで、間接的に結合することは可能です。
✘ 注意:この方法は、データを失うことになります。
ステップ 1. コマンドプロンプトを管理者権限で開き、以下のコマンドを順番に入力します。
diskpart
list volume
select volume 3(3は削除するパーティションの番号に変更)
delete volume(削除)
select volume 2(2は拡張するパーティションの番号に変更)
extend
exit
diskpartで結合できないケース:
diskpartでは、未割り当て領域が拡張したいパーティションのすぐ後ろになければ、拡張できません。例えば、このような状態では拡張できません:「C: 100GB | D: 200GB | 未割り当て 50GB」。サードパーティ製のパーティション管理ソフトを使用すると、データを保持したまま、パーティションを移動・結合できます。
方法3:サードパーティソフトを使ってパーティションを結合する(データ損失なし!)
データを失うことなく2つのパーティションを統合する別の方法があります。それは、AOMEI Partition Assistantというパーティション管理ツールを利用することです。このツールを使用すれば、数回のクリックでパーティションを削除することなく、2つのパーティションを直接結合できます。データのバックアップを作成する必要もなく、NTFSパーティションにも対応しています。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、結合するパーティション(この例ではCドライブ)を右クリックして「詳細処理」⇒「パーティションを結合」を選択します。
ステップ 2. 隣接しているパーティションまたはディスク上の未割り当て領域を選択して「はい」をクリックします。
ステップ 3. 「適用」と「続行」をクリックします。
HDDのパーティションを分割する方法
方法1:Windowsの「ディスクの管理」を使ってパーティションを分割する(制限有り)
「ディスクの管理」では、既存のパーティションを縮小し、新しく未割り当て領域を作成することで、パーティションを分割できます。ただし、分割できるのはNTFSフォーマットのパーティションのみ(FAT32では縮小不可)です。縮小後にできた未割り当て領域を使って、新しいパーティションを作成する必要があります。
✘ 注意:以下のパーティションの縮小は、既存のデータがある領域を避けて行われるため、データは保持されます。パーティションの縮小が既存のデータ領域を避けない場合、データの損失や破損のリスクがあります。
ステップ 1. 「ディスクの管理」を開き、分割したいパーティションを右クリックし、「ボリュームの縮小」を選択します。
ステップ 2. 縮小する領域のサイズ(MB)を入力します。
ステップ 3. 「縮小」ボタンをクリックして、未割り当て領域を作成します。
ステップ 4. 未割り当て領域を右クリックし、「新しいシンプルボリューム」を選択します。
ステップ 5. 「次へ」をクリックし、ボリュームサイズを指定(基本的にそのままでOK)します。
ステップ 6. ドライブレター(例:Eドライブ)を割り当て、「次へ」をクリックします。
ステップ 7. ファイルシステム(NTFS推奨)を選択し、「クイックフォーマット」にチェックを入れます。
ステップ 8. 「次へ」→「完了」をクリックします。
方法2:コマンドプロンプト(diskpart)を使ってパーティションを分割する(制限有り)
コマンドプロンプト(diskpart)でも同様の操作が可能です。
ステップ 1. コマンドプロンプトを管理者権限で開き、以下のコマンドを順番に入力します。
diskpart
list volume
select volume 2(2は分割するパーティションの番号に変更)
shrink desired=10240
create partition primary
format fs=ntfs quick
assign letter=E(新しいパーティションにドライブレターを割り当て)
exit
方法3:サードパーティソフトを使ってパーティションを結合する(制限なし!)
フォーマットや重要なものを失うことなく、大きなパーティションを2つの小さなパーティションに分割するには、AOMEI Partition Assistantを使用することをお勧めします。このソフトは、「パーティションを分割」機能を提供します。ディスクの管理と比較すると、最初にパーティションを縮小する必要がないため、この方法は時間を節約し、より安全です。また、NTFSパーティションとFAT32パーティションを分割することもできます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、分割したいパーティションを右クリックして「パーティションを分割」を選択してください。
ステップ 2. 新しいパーティションのサイズと場所を決定して、「はい」をクリックして続行します。
ステップ 3. 「適用」と「続行」をクリックします。
HDDのパーティションを削除する方法
HDDのパーティションを削除すると、そのパーティション内のすべてのデータが消去され、復元が難しくなるため、事前に必要なデータのバックアップを取っておきましょう。
⚠ パーティション削除の注意点
✅ Cドライブ(システムパーティション)は削除できない
✅ 削除するとデータが完全に消えるため、バックアップを取ることを推奨
✅ 削除後の未割り当て領域は、新しいパーティションを作成するか、隣接するパーティションと結合可能
方法1:Windowsの「ディスクの管理」を使ってパーティションを削除する(初心者向け)
ステップ 1. 「ディスクの管理」を開き、削除したいパーティションを右クリックし、「ボリュームの削除」を選択します。
ステップ 2. 確認ダイアログが表示されるので、「はい」をクリックします。
ステップ 3. パーティションが削除され、「未割り当て領域」になります。
方法2:コマンドプロンプト(diskpart)を使ってパーティションを削除する(中級者向け)
ステップ 1. コマンドプロンプトを管理者権限で開き、以下のコマンドを順番に入力します。
diskpart
list disk
select disk 0(0は削除するパーティションが存在するディスクの番号に変更)
list partition
select partition 2(2は削除するパーティションの番号に変更)
delete partition
ヒント:論理パーティションを削除する場合は以下のコマンドを使用:delete partition override
方法3:サードパーティソフトを使ってパーティションを削除する(柔軟な管理が可能)
サードパーティ製ツールAOMEI Partition Assistantを利用して、たった3つの手順でパーティションを簡単かつ効率的に削除することもできます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、削除したいパーティションを右クリックして「パーティションを削除」を選択してください。
ステップ 2. ポップアップウィンドウで「パーティションの高速削除」を選択し、「はい」をクリックして次のステップに進みます。
高速削除とデータ消去の違い:
パーティションを削除することは、Windowsコンピュータのハードドライブの空き容量を増やすための有効な手段です。ただし、パーティションを削除したからといって、すべてのデータが失われるわけではありません。パーティションの消去は、そのパーティション内の全データを安全かつ完全に消去するために行われます。消去したい場合は、「パーティションを削除して、そのデータを消去します」を選択してください。
ステップ 3. 「適用」と「続行」をクリックします。
まとめ
HDDのパーティション操作は、データ管理やストレージの最適化に役立ちます。本記事では、パーティションの基本知識から作成・サイズ変更・結合・分割・削除までの方法を詳しく解説しました。Windowsの「ディスクの管理」、diskpartコマンド或いはサードパーティソフトを使えば、誰でも簡単にパーティション操作が可能です。ただし、作業前には必ずデータのバックアップを取り、誤った操作をしないよう注意しましょう。