「パーティション拡張ができない!」よくある原因と解決策
「パーティション拡張ができない!」そんなときの原因と解決策を紹介。未割り当て領域の移動やMBR→GPT変換など、最適な対処法をわかりやすく解説します。
パソコンのストレージ容量を効率的に活用するために、パーティションの拡張を試みる方は多いでしょう。しかし、実際に「ディスクの管理」から拡張しようとしても、「ボリュームの拡張」がグレーアウトして選択できない、エラーが表示されるなどのトラブルが発生することがあります。
本記事では、パーティション拡張ができない主な原因と、それを解決する具体的な方法について解説します。
パーティション拡張ができない主な原因
パーティションを拡張しようとしても、「ボリュームの拡張」がグレーアウトしていたり、エラーメッセージが表示されたりすることがあります。その原因として、以下のようなケースが考えられます。
►①未割り当て領域がない、または隣接していない
原因:Windowsの「ディスクの管理」では、拡張したいパーティションの直後に未割り当て領域がないと、拡張することができません。
たとえば、以下のようなディスク構成では、Cドライブを拡張できません:[C: 100GB] [D: 200GB] [未割り当て 50GB]
この場合、Cドライブの後ろにはDドライブがあり、未割り当て領域が隣接していないため、「ボリュームの拡張」オプションが無効になります。
解決策1:Dドライブを削除して未割り当て領域を作成(ただし、データが失われる)します。
解決策2:パーティション管理ソフトを使用し、未割り当て領域を移動してCドライブの隣に配置(データを失わずに対応可能)します。
►②MBRディスクの制限:2TB以上のディスクで拡張不可
原因:ディスクにはMBR(マスターブートレコード)とGPT(GUIDパーティションテーブル)の2種類のパーティション形式があります。
- MBR:最大2TBまでの領域しか認識できない(2TB以上は未割り当て領域として扱われる)
- GPT:2TB以上の容量を認識可能
そのため、MBRディスクを使用している場合、2TBを超える未割り当て領域があっても拡張できません。
解決策:MBRをGPTに変換することで、2TB以上のディスクをフル活用できます。
►③Cドライブの拡張が制限されている
原因:Cドライブ(システムドライブ)を拡張しようとしても、Windowsの「ディスクの管理」ではDドライブを削除してもCドライブを拡張できないという制限があります。
たとえば、以下のようなディスク構成では、Cドライブを拡張できません:[C: 100GB] [D: 200GB] [未割り当て 50GB]
この場合、Dドライブを削除しても、「未割り当て領域」はDドライブの位置にあるため、Cドライブには隣接しません。
解決策1:Dドライブを移動して、未割り当て領域をCドライブの隣に配置します。
解決策2:Dドライブのデータを一時的に他のディスクに移し、Dドライブを削除した後にCドライブを拡張(手間がかかる)します。
►④プライマリパーティションと論理パーティションの違い
原因:Windowsの「ディスクの管理」では、プライマリパーティションと論理パーティションの間で拡張ができない制限があります。
- プライマリパーティション:OSやシステム関連のデータが含まれる
- 拡張パーティション(論理ドライブ):1つの拡張パーティションの中に複数の論理パーティションが存在する
たとえば、以下のようなディスク構成では、Cドライブを拡張できません:[プライマリ(C: 100GB)] [拡張(D: 200GB)] [未割り当て 50GB]
Cドライブはプライマリパーティションですが、未割り当て領域が拡張パーティション内にある場合、拡張できないためです。
解決策1:論理パーティションをプライマリパーティションに変換します。
解決策2:未割り当て領域をプライマリパーティションの一部に統合します。
►⑤ディスクのファイルシステムが異なる(NTFSとFAT32の違い)
原因:パーティションの拡張は、基本的に同じファイルシステム(NTFSまたはFAT32)でないと実行できません。
たとえば、以下のようなディスク構成では、パーティションを拡張できません:[NTFS(C: 100GB)] [FAT32(D: 200GB)] [未割り当て 50GB]
Cドライブを拡張しようとしても、隣のDドライブがFAT32形式だと問題が発生することがあります。
解決策1:FAT32をNTFSに変換(Windowsの「convert」コマンドでデータを保持したまま変換可能)します。
解決策2:NTFSのパーティションのみで構成されるように管理します。
パーティション拡張ができないときの解決策
上記の原因に応じた解決策を紹介します。
▌方法1:未割り当て領域を隣接させる
Windowsの「ディスクの管理」では、拡張したいパーティションの直後に未割り当て領域がないと、拡張できません(ケース①未割り当て領域がない、または隣接していない)。しかし、Windows標準の「ディスクの管理」にはパーティションの移動機能がないため、手動で移動することはできません。そのため、専用のパーティション管理ソフトを使うのが最も簡単で安全な方法です。ここでは、専門的なパーティションマネージャーAOMEI Partition Assistantをお勧めします。このソフトウェアは、Windows 11、10、8、7(32ビットおよび64ビット)と互換性があります。Windowsのディスク管理機能の制約を克服し、パーティションの移動、クローン作成、不良セクタのチェック、パーティションの削除など、さまざまなディスクパーティション管理機能を提供します。
ステップ 1. まずAOMEI Partition Assistantをダウンロードし、インストールし、起動します。Dドライブを右クリックし、「パーティションをリサイズ/移動」を選択してください。
ステップ 2. このウィンドウで、バーを右側にドラッグして、Dドライブを未割り当て領域の後に移動します。
ステップ 3. これで、Cドライブの右側に未割り当て領域が表示されます。ここでは、Cドライブを右クリックし、「パーティションをリサイズ/移動」を選択してください。
ステップ 4. ここでは、バーを右にドラッグすることで、未割り当て領域をCドライブに追加できるウィンドウが表示されます。「はい」クリックして、メインインターフェイスに戻ります。
ステップ 5. 最後に、ツールバーの「適用」>「続行」をクリックします。
▌方法2:MBRをGPTに変換する
MBR(マスターブートレコード)形式のディスクでは、2TBまでしか認識できません。2TB以上の領域がある場合、MBRの制限により未割り当て領域として扱われ、パーティションの拡張ができません(ケース②MBRディスクの制限:2TB以上のディスクで拡張不可)。この制限を回避するには、MBRをGPTに変換する必要があります。MBRをGPTに変換する方法は2つあります。
方法① 「ディスクの管理」で変換(データ損失)
ステップ 1. 「Windows+R」キーを押して、ボックスに「diskpart」と入力し、「管理者として実行」を選択します。
ステップ 2. ポップアップウィンドウで、次のコマンドを入力し、各コマンドの後に「Enter」を押します。
list volume
list disk
select disk n(ディスク1が選択されます。)(「n」は、MBRをGPTに変換する必要があるディスク番号です。)
clean
convert gpt
方法② 専用ソフトを使って変換(データ保持)
DiskPartを使用すると、パーティションやボリュームなしのMBRディスクからGPTに変換することができますが、データを失うことなくMBRからGPTに変換したい場合は、専用ソフトを使うことをおすすめします。AOMEI Partition Assistantは、Windows PCのユーザーに向けて設計されたディスク管理ソフトウェアです。このソフトウェアは、使いやすいインターフェイスを提供しており、MBRからGPTへの変換や、逆にGPTからMBRへの変換を容易に行うことができます。特に重要なのは、MBRディスク上のデータを失うことなく、MBRからGPTに変換できる点です。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを起動します。メインインターフェイスが表示されます。GPTへ変換するディスクをクリックし、「GPTディスクに変換」を選択します。
ステップ 2. GPTへ変換するという操作を確認するためのウィンドウが表示されます。「はい」をクリックします。
ステップ 3. ここで再確認します。問題がなければ、ツールバーの「適用」>「続行」をクリックします。
▌方法3:Cドライブを直接拡張する
Windows「ディスクの管理」を使うと、Cドライブの直後に未割り当て領域がある場合にのみ有効です。直後に未割り当て領域がないと、「ボリュームの拡張」がグレーアウトしています(ケース③Cドライブの拡張が制限されている)。より柔軟にパーティションサイズを調整したい場合は、専用のパーティション管理ソフトウェアを使用することが最も簡単で推奨されます。AOMEI Partition Assistantを利用すれば、ワンクリックでCドライブの拡張や、空き領域を他のパーティションに割り当てることが可能です。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを起動します。Cドライブを右クリックして、「ワンクリックで空き領域を調整」を選びます。
ステップ 2. DドライブのスペースをCドライブに追加したい場合、Dドライブの先頭にあるドラッグポイントを右に引っ張って縮小し、その空き領域をCドライブに割り当てます。そして「OK」をクリックします。
ステップ 3. 「保留中の操作」を表示して、操作内容を確認できます。ツールバーの「適用」>「続行」をクリックします。
▌方法4:プライマリパーティションと論理パーティションを変換する
Windowsでは、プライマリパーティションと論理パーティションの違いによって、パーティションの拡張ができないことがあります(ケース④プライマリパーティションと論理パーティションの違い)。特に、MBR(マスターブートレコード)方式のディスクでは、最大4つまでしか作成できない、拡張パーティション内に作成されたパーティション(論理パーティション)は、別の論理パーティションとしか結合できない制限があります。解決策として、論理パーティションをプライマリパーティションに変換することで、パーティションの拡張が可能になります。
方法① 「ディスクの管理」で変換(データ損失)
ステップ 1. 「Windows+R」キーを押して、ボックスに「diskpart」と入力し、「管理者として実行」を選択します。
ステップ 2. ポップアップウィンドウで、次のコマンドを入力し、各コマンドの後に「Enter」を押します。
list disk
select disk n(「n」は、プライマリパーティションに変換する必要のある論理パーティションを含むディスクのディスク番号です。)
list partition
select partition m(「m」は変換する論理パーティションのパーティション番号です。)
delete partition
create partition primary
方法② 専用ソフトを使って変換(データ保持)
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを起動します。変換する論理パーティションを右クリックして、「詳細処理」>「プライマリパーティションに変換」を選択します。
ステップ 2. 「はい」をクリックして続行します。
ステップ 3. ツールバーの「適用」>「続行」をクリックします。
▌方法5:ディスクのファイルシステムを統一する
FAT32とNTFSの違いによって、パーティションの統合や拡張が制限されることがあります(ケース⑤ディスクのファイルシステムが異なる)。特に、Windowsの「ディスクの管理」では、FAT32のパーティションとNTFSのパーティションを結合できません。そのため、FAT32のパーティションをNTFSに変換すれば、異なるファイルシステムが原因でパーティションを拡張できない問題を解決できます。Windowsには、データを保持したままFAT32をNTFSに変換する「convert」コマンドが用意されています。
方法① コマンドプロンプトで変換(操作が複雑)
ステップ 1. 「Windows+R」を同時に押し、「diskpart」と入力して「Enter」を押し、コマンドプロンプトを開きます。
ステップ 2. コマンドプロンプトで「convert E: /fs:ntfs」と入力します。「E」は変換したいディスクのドライブレターです。
方法② 専用ソフトを使って変換(操作が簡単)
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを起動します。ツールバーの「変換」をクリックし、ドロップダウンメニューから「NTFS to FAT32変換器」をクリックします。
ステップ 2. 「NTFS to FAT32」と「FAT32 to NTFS」の2つのオプションが表示されます。ここでは「FAT32 to NTFS」を選択します。
ステップ 3. NTFSに変換するディスクを選択して「次へ」をクリックします。
ステップ 4. 「変換する前に、パーティションをチェック、修復します」前のチェックボックスにチェックを入れることができます。そして「続行」をクリックして操作を実行します。
まとめ
パーティション拡張ができない原因として、未割り当て領域の位置、ディスクのフォーマット(MBR・GPT)、ファイルシステムの違い、プライマリと論理の違いなどが挙げられます。適切な方法を選ぶことで、多くのケースでパーティションを拡張できます。特に、専用ソフトを活用すれば、データを保持したまま安全に操作できるためおすすめです。パーティションの管理を適切に行い、快適なPC環境を維持しましょう!