VHDXは、Windowsで利用できる仮想ハードディスク形式で、VHDよりも高いパフォーマンスと信頼性を備えています。この記事では、WindowsでのVHDX作成方法をわかりやすく解説し、さらに便利なVHDX作成ツールも紹介します。
VHDXファイルとは、Windowsがサポートしている仮想ディスク形式のひとつです。 簡単に言えば、パソコンの中に仮想のハードディスクを作り出すためのファイル形式です。 通常のHDDやSSDと同じようにドライブとして認識され、データ保存・バックアップ・テスト環境の構築などに活用できます。
VHDX(Virtual Hard Disk v2)は、古い形式のVHDの後継としてWindows 8以降で標準的に使われるようになった形式です。 拡張子は.vhdxで、最大64TBの容量をサポートしています。 以前のVHD(最大2TB)と比べると、圧倒的にスケーラブルになりました。VHDXは、MicrosoftのHyper-V(仮想化技術)で仮想マシンのストレージとして使われるだけでなく、 個人ユーザーでもバックアップやデータ保護、複数のOS環境を作るために、さまざまな用途で利用されています。
これによって、仕事の環境から個人の利用まで、柔軟で安定した仮想ディスクの運用ができるようになります。
▼VHDとの違い
| 項目 | VHD | VHDX |
|---|---|---|
| 最大容量 | 約2TB | 約64TB |
| 互換性 | Windows 7以前でも可 | Windows 8以降 |
| 耐障害性 | 弱い(破損しやすい) | 強い(自己修復構造) |
| 速度 | 普通 | 高速化(4Kアライメント対応) |
| 拡張性 | 固定サイズ中心 | 動的/固定両対応 |
この部分では、WindowsでVHDXファイルを作成する3つの方法をご紹介します。
VHDXの作成は、特別なソフトを使わなくてもWindows標準機能で可能です。 「ディスクの管理」ツールを使えば、初心者でも数クリックで仮想ディスクを作成できます。
1. スタートボタンを右クリックしてメニューから「ディスクの管理」を選択します。
2. 「ディスクの管理」ウィンドウが開いたら、 上部メニューの「操作」→「VHDの作成」をクリックします。
1. 保存先を指定します。
2. 容量を入力(例:100GB)します。
3. 「VHDX形式」を選択します。
4. 「容量固定」または「可変容量」を選択します。
1. 作成が完了したら、仮想ディスクが「未初期化」として表示されます。 以下の手順で使用可能な状態にします。
2. 新しく表示されたディスクを右クリックして「ディスクの初期化」を選択(GPT推奨)します。
3. 「新しいシンプルボリュームの作成」をクリックします。
4. ドライブ文字(例:E:)とファイルシステム(NTFS)を設定します。
フォーマットが完了すれば、仮想ディスクが利用できます。エクスプローラーに新しいドライブが表示され、 まるで物理ドライブのように使えます。
Windows標準機能やPowerShellでもVHDXファイルを作成できますが、 操作に慣れていない初心者や効率を重視する方には、 専用ツールを使った方法がおすすめです。 中でも人気が高いのが、無料のAOMEI Partition Assistant Standardです。
AOMEI Partition Assistant Standardは、Windows用の無料パーティション管理ソフトです。 ディスク管理やクローン、パーティション分割・結合、SSD最適化など 幅広い機能を1つにまとめたオールインワンツールです。
特に注目すべきは、VHDXファイルをGUI操作で簡単に作成できる点です。 複雑なコマンド入力や管理者権限の手間もなく、 わかりやすいウィザード形式でVHDXを作成できます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをダウンロードしてインストールします。「仮想ディスク」タブをクリックした後、「VHDの作成」オプションを選択します。
ステップ 2. 仮想ディスクの場所とサイズを指定できます。「参照」をクリックして、VHDを作成する場所を選択します。仮想ディスクのファイル名を入力し、「保存」をクリックしてください。
オプションで、「詳細設定」オプションをクリックして、仮想ハードディスクのフォーマットと種類を設定することもできます。(デフォルトでは、VHDX形式と「可変容量」タイプが選択されています。)
ステップ 3. 仮想ディスクの場所とサイズを設定したら、「OK」をクリックしてVHDの作成を開始します。
ステップ 4. リロードプロセスが完了すると、VHDが正常に作成されたことが表示されます。VHDは自動的に接続されます。
コマンド操作に慣れている方は、PowerShellを使えばより高速にVHDXを作成できます。
ステップ 1. 管理者としてPowerShellを開き、以下のコマンドを実行します。
New-VHD -Path "C:\path\to\NewDisk.vhdx" -SizeBytes 100GB
New-VHDコマンドレットは、容量固定ディスクを作成することもできます。-Fixedオプションを使用します。
New-VHD -Path "C:\path\to\FixedDisk.vhdx" -SizeBytes 50GB -Fixed
ステップ 2. 差分ディスクを作成することも可能です。-Differencingオプションを使用します。
New-VHD -Path "C:\path\to\DiffDisk.vhdx" -Differencing -ParentPath "C:\path\to\ParentDisk.vhdx"
せっかく作成したVHDXファイルが「認識されない」「開けない」といったトラブルは、 意外と多くのユーザーが経験しています。 もしVHDXファイル自体が破損している場合は、以下の手順で修復を試みます。AOMEI Partition Assistantの「パーティションをチェック」機能により、ファイル内部のエラーや不良セクタを自動修復できます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを起動し、チェックしたいディスクのパーティションを右クリック、「詳細処理」をクリック、「パーティションをチェック」をクリックします。
ステップ 2. エラーチェックの方法を選択するウィンドウが表示されます。必要に応じて1つを選択し、「はい」をクリックします。
ステップ 3. パーティションチェック操作は数秒または数分以内に完了できます。ポップアウトウィンドウで処理の進捗状況を確認できます。完了後に「はい」をクリックしてこのタスクを終了します。
VHDXは、現代のWindowsユーザーにとって非常に便利な仮想ディスク形式です。 大容量対応・耐障害性・柔軟性など、VHDXが持つ性能は 従来のVHDを大きく上回ります。Windows標準機能でも作成できますが、 より直感的に管理したいならAOMEI Partition Assistantのようなツールを活用するのがベストだと思います。
.vhdxとは何ですか?
「.vhdx」は、仮想ハードディスク(Virtual Hard Disk)ファイルの一種です。 これは、物理的なハードディスクを仮想的に再現したもので、 Hyper-Vなどの仮想化ソフトウェアで使用されます。
.vhdxファイルは、仮想マシン上でOSをインストールしたり、 バックアップ・データ保存用の仮想ディスクとして利用することができます。 また、物理ディスクより安全にデータを管理・移動できる点も特徴です。
VHDX形式は従来のVHDよりも新しく、Windows 8以降でサポートされています。
VHDファイルの作成方法は?
Windows 10/11では、ディスクの管理ツールを使って簡単にVHD(仮想ディスク)を作成できます。
作成後は、「ディスクの初期化」「ボリュームの作成」「フォーマット」を行うことで、 通常のドライブと同じように利用できます。
VHDとVHDXの最大ストレージスペースは?
VHDは最大 2TB まで、VHDXは最大 64TB までです。