仮想環境(VM)が重い・容量不足!VMwareのディスクを拡張する方法

VirtualBoxやVMwareなどの仮想環境で「ディスクの空き領域が不足しています」と出た時の対処法。仮想ディスクのサイズを拡張し、Windows内のパーティション(Cドライブ)を広げるまでの2ステップを、初心者にも分かりやすく解説します。作り直す必要はありません!

ひとみ

投稿者:ひとみ/更新日:2025年12月16日

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仮想マシンのCドライブが真っ赤!どうしよう?

  • 「VirtualBoxでWindowsを使っていたら、アップデートができなくなった!」
  • 「VMwareにソフトを入れたいのに、容量不足でエラーが出る…」

仮想環境を作るとき、「とりあえずこれくらいでいいか」と適当なサイズ(30GBとか)で設定してしまい、後から後悔することはよくあります。「もしかして、また最初から作り直さないといけないの?」と絶望しているあなた。大丈夫です。作り直す必要はありません!

仮想環境には、後からハードディスクの容量を「増築」する機能があります。この記事では、パンパンになった仮想マシンの容量を安全に増やして、使えるようにする手順を解説します。

作業は「2段階」あることを知ろう

ここが一番のポイントです。多くの人が「設定を変えたのに容量が増えない!」とパニックになります。実は、容量を増やすには2つのステップが必要です。

1. 【外側の工事】仮想ソフトの設定で、ディスクの枠を広げる

例:「30GBのハードディスク」を「50GB」という設定に変える。

2. 【内側の工事】仮想マシンの中で、パーティションを広げる

例:増えた「20GB分の空き地」を、Cドライブにくっつける。

この2つをやって初めて、容量不足が解消されます。

ステップ1:仮想ソフトの設定でディスクを拡張する

まずは、VirtualBoxやVMware自体の設定を触ります。

※注意:

必ず作業前に「スナップショット」を撮るか、仮想ディスクファイルのバックアップを取ってください!

▶ VirtualBoxの場合

1. 仮想マシンをシャットダウンします(電源オフ)。

2. 「ファイル」>「ツール」>「仮想メディアマネージャー」を開きます。

仮想メディアマネージャー

3. 容量を増やしたいディスクを選び、下のバーをスライドさせてサイズを増やします(例:30GB→60GB)。

サイズ変更

4. 「適用」を押します。

参考記事:VirtualBox仮想マシンのディスク拡張方法

▶ VMware Workstation Playerの場合

1. 仮想マシンをシャットダウンします。

2. 「仮想マシン設定の編集」>「ハードディスク」を選びます。

仮想マシン設定の編集

3. ディスクユーティリティーの項目から「展開」をクリックします。

4. 新しいサイズを指定して「展開」をクリックします。

新しいサイズを指定して「展開」をクリック

5. ポップアップ画面が閉じられ、「仮想マシンの設定」画面に戻るので、画面下の「OK」をクリックします。

6. 仮想マシン選択後の画面に戻るので、画面右の「仮想マシンの再生」をクリックして、仮想マシンを起動します。

参考記事:仮想マシンのディスク容量を拡張する

これで【外側の工事】は完了です。でも、まだ仮想マシンを起動しても容量は増えていません。

ステップ2:仮想マシンの中でCドライブを広げる

ここからが本番です。仮想マシンを起動してください。今の状態は、「家の敷地は広くなったけど、部屋(Cドライブ)は狭いまま。庭(未割り当て領域)だけが広大にある」という状態です。

「ディスクの管理」を確認しよう

1. 仮想マシン内のWindowsで、スタートボタンを右クリック>「ディスクの管理」を開きます。

2. Cドライブの右側に、黒い帯で「未割り当て」という部分ができているはずです。これがさっき増やした分です。

3. Cドライブを右クリックして「ボリュームの拡張」を選びます。

ボリュームの拡張

4. ウィザードに従って「次へ」を押していけば完了!

…といけば良いのですが、ここでトラブルが発生することがあります。

「ボリュームの拡張」が押せない!?原因と解決策

「ボリュームの拡張」が灰色になっていて押せない…。これは、Cドライブと「未割り当て(増やした分)」の間に、「回復パーティション」などの邪魔なデータが挟まっているからです。

Windowsの標準機能では、隣り合っていないと結合できません。「えっ、じゃあ無理なの?」 いえ、ここでパーティション管理ツール「AOMEI Partition Assistant」を使います。

AOMEI Partition Assistantなら「飛び地」も合併できる!

1. 仮想マシンの中に、AOMEI Partition Assistantをインストールします。

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2. 起動すると、Cドライブ、回復パーティション、未割り当て領域が見えます。

3. 空き容量があるドライブを右クリックし、「空き領域を割り当てる」を選択します。

空き領域を割り当てる

割り当てる空き領域のサイズを設定し、空き領域を追加するCドライブを指定します。

パーティション先を指定

左上の「適用」を押せば、邪魔なパーティションを飛び越えて、Cドライブと空き地を合体させてくれます!

パーティションを拡張

これで、無事にCドライブの容量が増えました!

未割り当て領域と対象パーティションが連続していない場合、「パーティションを結合」機能を使うことができます。

まとめ

仮想環境の容量不足は、以下の手順で解決できます。

  • 必ずバックアップ(スナップショット)を取る。
  • VirtualBox/VMwareの設定で、ディスクサイズを数字上で増やす。
  • 仮想マシン内の「ディスクの管理」か「AOMEI Partition Assistant」を使って、Cドライブを広げる。

特に「回復パーティションが邪魔で広げられない」というトラブルは頻発しますが、ツールを使えば一発で解決します。狭い環境で我慢せず、サクッと広げて快適な仮想環境ライフを送りましょう!

仮想マシン(VM)の遅延・容量不足に関するFAQ

Q1. 仮想マシンが動作中に遅延する主な原因は何ですか?

A. 仮想マシンの遅延のほとんどは、ホストPC(物理マシン)のリソース(資源)が不足していることに起因します。主な原因は以下の通りです。

  • RAM(メモリ)の割り当て不足:ゲストOS(VM内のOS)がスムーズに動作するために必要なメモリが十分に確保されていない。
  • CPUコアの割り当て不足:複数のCPUコアを必要とするタスクに対して、VMに割り当てられているコア数が少ない。
  • ディスクI/Oの競合:ホストPCとVMが同時に大量のディスク読み書き(I/O)を行っている。
  • 仮想化技術の未有効化:ホストPCのBIOS/UEFIでIntel VT-xまたはAMD-Vなどのハードウェア仮想化支援機能が有効になっていない(これが有効でないとVMのパフォーマンスは極端に低下します)。

Q2. 仮想マシンで容量不足のエラーが出た場合、どうすれば解決できますか?

A. 仮想マシンのディスク容量を拡張する必要があります。

  • 仮想化ソフトウェア側で容量を拡張:VirtualBoxやVMwareなどの仮想化ソフトウェアの設定から、仮想ディスクのサイズを大きく変更します。
  • ゲストOS(VM)側でパーティションを拡張:サイズを大きくしただけではOSに反映されないため、AOMEI Partition Assistantのようなパーティション管理ツールや、OS標準のディスクの管理ツールを使用して、未割り当て領域を既存のパーティションに結合します。

Q3. VMのパフォーマンスを最適化するために、他に確認すべき設定はありますか?

A. 以下の設定を確認し、最適化することが推奨されます。

  • グラフィックドライバ:ゲストOSにゲストアドオンやVMware Toolsといったツールをインストールし、仮想グラフィックドライバを最新の状態にする。
  • 仮想ディスクの種類:ディスクのパフォーマンスが遅い場合、固定サイズの仮想ディスク(作成に時間はかかるが、I/O速度が速い)に切り替えることを検討する。
  • 不要なサービスの停止:ゲストOS内で使用していない不要なサービスや自動起動プログラムを停止する。

Q4. VMの遅延を解消するために、ホストPCのどのリソースを優先的にアップグレードすべきですか?

A. VMのパフォーマンスにおいて最もボトルネック(処理の遅延原因)になりやすいのは、RAM(メモリ)とストレージの速度です。

  • RAM(メモリ):ホストPC自体のメモリを増設し、VMにより多くのメモリを安定して割り当てられるようにする。
  • ストレージ:ホストPCのストレージをHDDからSSD(SATAまたはNVMe)に交換することで、ディスクI/O速度が大幅に向上し、VMの動作がスムーズになります。
ひとみ
ひとみ・編集者
こんにちは、2023年に入社したひとみです。子供の頃からパソコンに触れるのが好きで、身近な人の「これどうしたらいいの?」という質問に答えているうちに、自然とIT関連の知識を深めてきました。今は、バックアップ&復元、クローン、ディスク&パーティションの管理などを中心に記事を書いています。私の記事は、日常的にパソコンを使う中で「困った」「どうしたらいいの?」と悩んだときに役立つことを目指しています。