「Please select boot device」エラーが発生した原因を特定し、5つの効果的な解決策をご紹介。HDD/SSDの交換や修復手順でPCを正常に戻す方法をわかりやすく解説します。
パソコンを起動した際に「Please select boot device」エラーが表示され、Windowsが立ち上がらないことがあります。このエラーは、PCが適切なブートデバイス(起動ディスク)を見つけられないときに発生します。原因はいくつか考えられますが、適切に対処すれば解決できることがほとんどです。
本記事では、エラーの原因を解説し、具体的な5つの解決策を紹介します。
「Please select boot device」エラーは、PCが起動時に適切なブートデバイス(OSが入っているストレージ)を認識できないときに発生します。主な原因として考えられるものを詳しく解説します。
►原因1:ブート順の設定ミス(BIOSの設定が間違っている)
BIOS(Basic Input/Output System)は、PCの起動時にどのストレージからOSを読み込むかを決定します。この設定が誤っていると、PCが正しいデバイスを読み込めず、「Please select boot device」エラーが発生します。
対処法:解決策1(BIOSでブート順を確認・修正する)を確認してください。
►原因2:HDD/SSDが正しく接続されていない(物理的な接続不良)
PC内部でHDDやSSDがしっかり接続されていない場合、BIOSがストレージを認識できず、起動エラーが発生します。特に、デスクトップPCや自作PCでは、ケーブルが緩んだり外れたりすることがよくあります。
対処法:解決策2(HDD/SSDの接続を確認する)を確認してください。
►原因3:OSのブートファイルが破損している(Windowsの起動ファイルが壊れている)
Windowsのブートファイルが破損すると、OSの読み込みができず、「Please select boot device」エラーが発生します。特に、Windows Updateの失敗やウイルス感染、不適切なシャットダウンが原因となることが多いです。
対処法:解決策3(Windowsのブートファイルを修復する)を確認してください。
►原因4:MBR(マスターブートレコード)が破損している
MBR(Master Boot Record)は、OSが入っているHDD/SSDの最初にあるブート情報の管理領域です。これが破損すると、OSを正常に読み込めなくなります。
対処法:解決策4(MBRを修復する)を確認してください。
►原因5:HDD/SSDの物理的故障がある
ストレージ自体が故障している場合、PCが起動ディスクを認識できず、エラーが発生します。特に、古いHDDや過去に異常動作をしていたSSDは要注意です。
対処法:解決策5(HDD/SSDを交換する)を確認してください。
上記の原因に応じた解決策を紹介します。
「Please select boot device」エラーは、PCが適切な起動ディスクを認識できないときに発生します。そのため、まずBIOS(UEFI)設定でブート順を確認し、OSがインストールされているHDD/SSDを最優先に設定することが重要です。
以下の手順で、BIOSのブート順を確認・修正しましょう。
ステップ 1. PCの電源を入れ、メーカーのロゴが表示されたら、「BIOSキー」 を素早く連打します。
一般的なBIOSキー(メーカーによって異なる)
[F2] … Dell、ASUS、Acer、Lenovo(多くのPC)
[Delete](Del) … 自作PC、ASUS、MSI、Gigabyte
[F1] … Lenovoの一部モデル
[F10] … HP
[ESC] … 一部のメーカー
ステップ 2. 矢印キー(← →)で「Boot」または「Advanced」メニューを探します。
ステップ 3. 「Boot (最優先のブートデバイス)」の設定を確認します。
ステップ 4. USBやDVDドライブが最優先になっている場合、HDD/SSDを最優先ブートデバイスに設定する必要があります。
ステップ 5. 最後は、設定を保存し、PCが再起動し、正常にWindowsが起動するか確認します。
「Please select boot device」エラーが発生する原因の一つに、HDD/SSDが正しく接続されていない ことが挙げられます。物理的な接続不良やケーブルの故障、ポートの不具合が原因で、PCがブートデバイスを認識できずにエラーが出ることがあります。
そのため、HDD/SSDの接続を確認し、必要に応じてケーブルの抜き差しや別のポートを試すことで、問題が解決する場合があります。以下の手順に沿って、HDD/SSDの接続状態をチェックしましょう。
ステップ 1. ノートパソコンの場合、可能であればバッテリーを取り外してください(バッテリーが取り外せない場合はこの手順を省略しても構いません)。デスクトップパソコンの場合は、電源を切ります。
ステップ 2. ドライバーを用いてPCのケースまたは底面のカバーを取り外し、HDDまたはSSDが設置されている位置を確認します。
ステップ 3. HDDまたはSSDに接続されているSATAデータケーブル(細いケーブル)と電源ケーブル(幅広いケーブル)を慎重に取り外します。
ステップ 4. コネクタ部分にホコリや異物がないかを確認し、ケーブルをしっかりと再接続します。可能であれば、別のSATAポート(マザーボード側)に差し替えて動作を確認します。
ステップ 5. 最後に、PCのケースやカバーを元に戻し、電源を入れてエラーが解消されているかを確認します。
「Please select boot device」エラーの原因の一つとして、Windowsのブートファイルが破損している 可能性があります。ブートファイルが壊れていると、OSが正常に起動できず、PCがブートデバイスを認識できなくなります。
この問題を解決するには、2つのアプローチがあります。以下の手順を参考に、ブートファイルの修復を試してみましょう。
▌方法1:Windowsの修復コマンドを使う(手動で修復)
ステップ 1. PCを強制的にシャットダウンするために電源ボタンを長押しし、その後3回起動を試みることで自動的にWindows回復環境に入ります(起動が可能な場合)。
ステップ 2. 自動的に回復環境に入らない場合は、別の正常なPCを使用してMicrosoftの公式サイトから「メディア作成ツール(MediaCreationTool.exe)」をダウンロードし、8GB以上のUSBメモリを用いてインストールメディアを作成します。作成後、そのUSBをエラーが発生しているPCに接続し、起動します。
Windows 10:https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
Windows 11:https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11
ステップ 3. 「Windowsセットアップ」画面が表示されたら、「コンピュータを修復する」を選択します。
ステップ 4. 「トラブルシューティング」 → 「詳細オプション」 → 「コマンドプロンプト」を選択します。
ステップ 5. 次のコマンドを順番に入力し、Enterキーを押してください。
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd
ステップ 6. 処理が完了したら、PCを再起動し、エラーが解消されたか確認してください。
▌方法2:専用ツールを使用する(初心者向け・簡単)
手動でコマンドを入力するのが不安な場合は、自動でブートファイルを修復する専用ツールを使うのも有効です。ここでAOMEI Partition Assistantという「ブート修復」機能を持つツールをおすすめします。「ブート修復」機能は、数回のクリックで起動の問題を簡単に解決できます。Windows 11、10、8/8.1、7でのシステム起動の問題や、更新後のトラブル、マルチブートの競合、ブートセクタの破損などの修正に効果的です。
ステップ 1. USBメモリ(8GB以上)を別の動作中のPCに接続し、AOMEI Partition Assistantを実行し、開いて「復元」→「ブート修復」を選択します。
ステップ 2. 「ブータブルディスクを作成」をクリックして、修復用のディスクを作成します。
ステップ 3. 作成したシステム修復ディスクを使って、問題のあるPCを起動します。ブート修復ツールが自動で起動し、スキャンが始まり、修復可能なブートエントリが表示されます。
ステップ 4. 修復したいエントリを選び、「修復」をクリックしてブート修復を開始します。修復が終わるまで待ちます。成功すると「修復に成功しました」と表示されます。
ステップ 5. 修復が完了したら、システム修復ディスクを取り外し、元のシステムドライブからWindowsを再起動します。
「Please select boot device」エラーは、MBR(マスターブートレコード)の破損が原因で発生することがあります。MBRが壊れると、PCが正しくOSを認識できず、ブートデバイスが見つからない状態になります。
この問題を解決するには、2つのアプローチがあります。
▌方法1:Windowsの修復コマンドを使う(手動で修復)
手順は、「解決策3:Windowsのブートファイルを修復する」の「方法1:Windowsの修復コマンドを使う(手動で修復)」と同じです。ブートファイルの修復とMBRの修復には同じbootrecコマンドを使用します。多くの場合、PCが「Please select boot device」エラーを出す原因はMBRとブートファイルの両方が破損しているため、まとめて修復するのが最善の方法です。
修復対象 | 役割 | 修復コマンド |
MBRの修復 | OSの起動位置を記録する | bootrec /fixmbr |
ブートセクターの修復 | OSをロードするための基本プログラム | bootrec /fixboot |
BCD(ブート構成データ)の修復 | OSのブート情報を管理するデータベース | bootrec /rebuildbcd |
▌方法2:専用ツールを使用する(初心者向け・簡単)
コマンド入力に慣れていない場合は、MBRを自動修復できる専用ツールを使うのがおすすめです。ここで、AOMEI Partition Assistantの「MBRを再構築」機能でMBRを修復する方法をご紹介します。
ステップ 1. 動作中のPCにAOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。メインインターフェイスで、「ツール」>「ブータブルCD/USBを作成」をクリックし、ウィザードに従ってWindows 10の起動可能なUSBドライブを作成します。
ステップ 2. 作成された起動可能なメディアを起動問題があるコンピュータに接続し、BIOSに入ってUSBドライブからコンピュータを起動します。
ステップ 3. ログインすると、AOMEI Partition Assistantが自動的に実行されます。メインインターフェイスで、破損したMBRを含むシステムディスクを右クリックし、「MBRを再構築」を選択します。
ステップ 4. ポップアップウィンドウでWindows OSのバージョンによって1つのオプションを選択します。
ステップ 5. 「適用」>「続行」をクリックして、MBRの再構築操作をコミットします。
「Please select boot device」エラーが発生する原因として、HDD/SSD自体が物理的に故障している可能性があります。特に、以下のような症状がある場合は、HDD/SSDの交換を検討しましょう。
HDD/SSDの故障が疑われる症状:
○BIOSでストレージが認識されない(解決策2を試しても認識されない)
○異音がする(HDDの場合、「カチカチ」「カリカリ」などの異常音)
○Windowsが頻繁にフリーズする/ブルースクリーンが発生する
○ディスクチェック(chkdsk)で多数のエラーが出る
○他のPCに接続しても認識されない
HDDまたはSSDの交換は、通常以下の手順で実施されます。
ステップ 1. 交換用のHDDまたはSSDを用意します。
ステップ 2. PCを分解し、既存のHDDまたはSSDを取り外します。
ステップ 3. 新しいHDDまたはSSDを取り付けます。
ステップ 4. Windowsをインストールします。
PCを分解する手間や、特にノートPCではHDD/SSDの取り外しが難しい場合もあります。専門店なら、作業を迅速に済ませてくれるので、自分で作業する時間を節約できます。HDD/SSDの交換を専門店でやるのはとても良い選択です。
「Please select boot device」エラーは、BIOSの設定ミスやHDD/SSDの接続不良、システムのブートファイルの破損などが原因で発生します。このエラーを解決するためには、まずBIOS設定を確認し、適切なデバイスをブートデバイスとして設定することが重要です。それでも解決しない場合は、HDD/SSDの接続状態をチェックし、必要に応じてデータ修復やHDD/SSDの交換を行いましょう。