初心者向け:HDDのブートセクタとは?その役割と修復方法
初心者のために、ブートセクタの基本を説明し、問題が発生したときの修復方法を簡単に紹介する記事です。難しい言葉を使わず、わかりやすい言葉で説明します。
HDDのブートセクタが壊れているかもしれない?
HDD(ハードディスクドライブ)の問題で、パソコンが起動しないことがよくあります。その原因の一つに、「ブートセクタ」という大事な部分が壊れていることが考えられます。
この記事では、初心者向けにブートセクタの役割や、壊れたときの修復方法をわかりやすく説明します。
HDDのブートセクタの基本知識
このセクションではHDDのブートセクタの基本知識を紹介します。
▌ブートセクタとは何か?
ブートセクタ(英語:boot sector)とは、HDDの中で特に重要な「起動情報」が保存されている部分です。パソコンの電源を入れると、最初にブートセクタがマザーボードのBIOSによって読み取られ、HDDにあるオペレーティングシステム(OS)が立ち上がります。ブートセクタに問題があると、HDDの動作にに致命的な支障をきたします。
►ブートセクタについてさらに詳しい情報
ブートセクタは、主にMBR(マスターブートレコード、HDDの最初のセクタ)とPBS(パーティションブートセクタ、パーティションの最初のセクタ)の2つに分かれます。つまり、各ハードディスクには1つのMBRと、パーティションの数だけPBSがあります。時には、ブートセクタというとPBSだけを指すこともあります。
パソコンがHDDにアクセスすると、最初にHDDの先頭セクタ(MBR)を読み込みます。MBRにはパーティションテーブルという部分があり、ここにはどの位置にどの種類のパーティションがあるかの情報が含まれています。MBRを読み込んだ後、ブートパーティションのPBSを読み込みます。このPBSは、起動時に重要な役割を果たします。
このようなイメージです:
▌ブートセクタが壊れるとどうなる?
ブートセクタが壊れると、パソコンが正しく起動しなくなります。以下のような症状が見られる場合、ブートセクタの修理が必要かもしれません。
◉「Operating System Not Found(日本語:オペレーティングシステムが見つかりません)」や「No Bootable Device Found(日本語:ブートデバイスが見つかりません)」といったエラーメッセージが表示される
◉何度も再起動を繰り返す(ループ)
◉起動ロゴのままで進まない(下の図)
▌ブートセクタが破損する原因は?
ブートセクタが壊れるよくある原因には、次のようなものがあります。
✦突然の電源オフ:電源が急に切れると、HDDがデータを正しく保存できず、壊れることがあります。
✦ウイルスの影響:特定のウイルスがHDDのブートセクタに損傷を与えることがあります。
✦不適切なシャットダウン:正しい手順でシャットダウンしないと、データが壊れる可能性があるので注意が必要です。
自分で行えるブートセクタの修復方法
ブートセクタが壊れているとき、いくつかの修復方法があります。以下はWindowsユーザー向けの手順です。
▌方法1:Windowsインストールディスクとコマンドの利用
ステップ 1. Windowsのインストールディスク或いは修復用のUSBメディアを用意します。持っていない場合は、他のパソコンを使って作成できます。
ステップ 2. パソコンをWindows修復メディアで起動し「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選びます。
ステップ 3. 次に、ブートセクタを修復するために、以下のコマンドを一つずつ入力します。
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /rebuildbcd
これでブートセクタが正常に修復されることがあります。
▌方法2:専門のブート修復ツールの利用
Windowsのコマンドに自信がない方や、修復が難しいと感じる場合は、専門のブート修復ツールを使うのも良い選択です。
AOMEI Partition Assistantは、使いやすい「ブート修復」機能を備えた強力なディスク管理ツールです。数回のクリックでブートセクタの問題を簡単に解決できます。ブートのトラブルを解消し、システムを正常に戻すことが可能です。初心者から上級者まで幅広く利用できます。Windows 11、10、8/8.1、7でのシステム起動の問題や、更新後のトラブル、マルチブートの競合、ブートセクタの破損などの修正に効果的です。
ステップ 1. USBメモリ(8GB以上)を別の動作中のPCに入れて、AOMEI Partition Assistantを実行し、「復元」→「ブート修復」とクリックします。
ステップ 2. 「ブータブルディスクを作成」をクリックして修復ディスクを作成します。
ステップ 3. 起動できないPCを作成したシステム修復ディスクで起動します。ブート修復ツールが自動的にロードされ、スキャンが始まり、修復可能なブートエントリが表示されます。
- 「詳細オプション」をクリックして、修復されたブートエントリを保存する場所を選択します。
- 現在のディスクに修復:システムは現在のディスクから起動し、ブートファイルが完全で正常に動作するように修復します。(デフォルト)
- 別のディスクに修復:この操作は、システムが選択したディスクから起動できるように、システムブートエントリーを修復または新規作成します。
ステップ 4. 修復したいエントリを選んで「修復」をクリックし、ブート修復を開始します。修復が完了するまで待ちます。修復が成功した場合、「修復に成功しました」という結果が表示されます。
これで、ブートセクタの修復が完了したら、システム修復ディスクを取り外し、元のシステムドライブからWindowsを再起動しましょう。
おまけ:トラブルを防ぐための方法
このセクションでは、ブートセクタの損傷を防ぐためのポイントをいくつか紹介します。
▸定期的にバックアップを取る:重要なデータは外部ドライブなどに定期的にバックアップしましょう。
▸ウイルス対策ソフトを使う:信頼できるウイルス対策ソフトを導入し、定期的にスキャンを行うことが大切です。Microsoft Defenderもおすすめです。
▸安定した電源で使用する:電源が不安定な場所での使用は、HDDやブートセクタの損傷を引き起こす可能性があります。
まとめ
HDDのブートセクタは、パソコンを起動するために重要です。もし破損しているかもしれないと思ったら、紹介した方法を試して修復してみましょう。普段からメンテナンスやバックアップを行い、大切なデータを守ることが大事です。
AOMEI Partition Assistantはブート修復ツールでけでなく、オールインワンディスク管理ツールとして、さらに他の便利な機能も備えています。例えば、データの損失なしでMBR/GPTへの変換、ディスククローンの作成、フォルダやインストール済みプログラムの移動など、強力な機能がたくさん備えています。