Windows Server 2025が勝手にアップグレードされる原因と対策
古いWindows Serverが勝手にWindows Server 2025へアップグレードされたという状況は、設定ミスやグループポリシーの設定、WSUS(Windows Server Update Services)の誤設定などが原因で発生することがあります。以下に、自動アップグレードを防ぐ方法と修正手順を解説します。
職場のWindows Server 2022が勝手にWindows Server 2025へアップグレードされる
職場のWindows Server 2022が勝手にWindows Server 2025へアップグレードされる
Arriving at work this morning, an "SME" sized business in the UK, something seemed a little off. Further investigation showed that all of our Windows 2022 Servers had either upgraded themselves to 2025 overnight or were about to do so. This obviously came as a shock as we're not at the point to do so for many reasons and the required licensing would not be present.
(訳:今朝、イギリスにある中小企業(SME)のオフィスに出勤すると、何かおかしな雰囲気を感じました。調査を進めたところ、社内のすべてのWindows 2022サーバーが一晩のうちにWindows 2025にアップグレードされているか、アップグレード直前の状態であることが判明しました。これには非常に驚きました。なぜなら、さまざまな理由でまだアップグレードの準備が整っておらず、必要なライセンスも用意していなかったからです。)
We manage the updating of clients and servers using the product Heimdal, so I would be surprised if this instigated the update, so our number one concern is why the update occured and how to prevent it.
(訳:私たちは、クライアントやサーバーの更新を「Heimdal」という製品で管理しています。そのため、このツールが更新を引き起こしたとは考えにくいですが、まず最も懸念しているのは、なぜこのようなアップデートが発生したのか、そしてそれをどう防ぐかです。)
Is 2025 being pushed out as a simple Windows update to our servers, just like "Patch Tuesday" events, have we missed something we should have set or are we just unlucky?
(訳:Windows 2025は、「Patch Tuesday」イベントのように通常のWindowsアップデートとして配信されているのでしょうか?それとも、私たちが設定すべき何かを見落としてしまったのでしょうか?それとも単なる不運なのでしょうか?)
Is this happening to anyone else?
(訳:同じような現象が他の方にも起きていますか?)
Windows Server 2025は、2024年11月1日(米国時間)に正式リリースされました。一部のユーザーから、意図せずWindows Server 2025にアップグレードされてしまうトラブルが報告されています。普段の場合、Windows Updateの設定や自動更新のポリシーが原因で、運用中のシステムに予期しない変更が加えられることがあります。今回、勝手にWindows Server 2025へアップグレードされる問題の原因は何でしょうか?本記事では、Windows Serverが勝手にアップグレードされる原因を明らかにし、それを防ぐための具体的な対策を詳しく解説します。
Windows Server 2025が勝手にアップグレードされるのはなぜ?
マイクロソフト公式サイトによると、一部のデバイスは、Windows Server 2025(KB5044284)に自動的にアップグレードされる根本的な原因は、Microsoftの更新プログラムの誤分類です。Microsoftは誤ってWindows Server 2025を「KB5044284」にアップグレードしました。
具体的には、「KB5044284」という番号のWindows 11アップデートは2024年10月にリリースされ、実際にはWindows Server 2025へのアップグレードとなります。つまり、OSの「アップデート」と「アップグレード」が逆になります。
🔍詳細についてはこちら:Windows Server 2025 の既知の問題と通知
Windows Server 2025が勝手にアップグレードされる場合、ほかにも原因があります。
1. Windows Updateの自動設定
Windows Updateの設定が「自動ダウンロードとインストール」に設定されている場合、Microsoftが推奨するアップデートや機能アップグレードが自動的に適用されることがあります。これには、累積更新プログラムだけでなく、メジャーバージョンのアップグレードが含まれる場合もあります。
原因:「重要な更新プログラム」を自動的に承認する設定が有効になっている
2. グループポリシーの誤設定
企業環境では、Windows Updateの動作をグループポリシーで制御することが一般的です。しかし、ポリシー設定のミスや適用が正しく行われていない場合、意図せずアップグレードが実行されることがあります。
例:「アップグレードとビルドのインストールをスケジュールする」設定が有効化されている
3. Microsoft製品のアップグレード契約
Microsoftのサブスクリプション契約(例:Software AssuranceやMicrosoft 365)には、新バージョンへのアップグレード権が含まれていることがあります。この契約に基づき、サーバーが自動的にアップグレードされるケースも報告されています。
Windows Server 2025が勝手にアップグレードされる場合の対処法
この部分では、Windows Server 2025の自動アップグレードを防ぐ方法と勝手にアップグレードされる場合の対処法をご紹介します。
▶ Windows Serverの自動アップグレードを防ぐ方法
Windows Update設定を変更する
Windows Updateの設定を手動に変更することで、Windows Server 2025への勝手なアップグレードを防ぐことができます。
ステップ 1. 「スタート」メニューを開き、「設定」をクリックします。
ステップ 2. Windowsの設定が開いたら、「更新とセキュリティ」をクリックします。左ペインで「Windows Update」を選択します。右ペインで、「更新を7日間一時停止」をクリックします。
ステップ 3. 停止期間を任意で指定したい場合は、「詳細オプション」をクリックして「更新の一時停止」の「日付の選択」で停止する日付(最大で5週間/35日間)を選択してください。
グループポリシーでアップグレードを無効化する
グループポリシーエディターを使用して、Windows Server 2025への自動アップグレードを無効化します。
ステップ 1. 「Windows」+「R」キーを押し、「gpedit.msc」と入力し、「Enter」キーを押して、グループポリシーを開きます。
ステップ 2. 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「Windows Update」を選択します。
ステップ 3. 右側「設定」に表示されている「自動更新を構成する」を右クリックし、「編集」をクリックします。
ステップ 4. 「自動更新を構成する」画面が開くので、[自動更新を構成する]では「無効」を選択します。「適用」、「OK」をクリックします。
ステップ 5. そして自動更新の無効を確認します。「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開きます。
ステップ 6. 「自動更新の構成」の設定が、「未構成」以外に設定されていれば、「*一部の設定は組織によって管理されています」というメッセージが表示されます。下にある「構成されている更新ポリシーを表示」をクリックします。
ステップ 7. 「構成されている更新ポリシー」が表示される。「自動更新を無効にする」と表示されているのを確認します。 これで自動更新の無効化の設定は完成しているのが分かります。
レジストリで設定を変更する
ステップ 1. 「Windows」+「R」を押して実行ボックスに「regedit」と入力し、レジストリエディタを開きます。
ステップ 2. 以下のパスに従って「Windows Update」フォルダに移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate
ステップ 3. 「WindowsUpdate」を右クリックし、「新規」→「キー」をクリックして、「AU」という新しいキーを作成します。
ステップ 4. AUフォルダを選択し、ウィンドウ右側の一覧で空の領域を右クリックして「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択します。
ステップ 5. 値の名前ボックスに「NoAutoUpdate」と入力し、「値のデータ」を「0」から「1」に変更し、「OK」をクリックします。
- 値のデータの意味
- 1:停止
- 2:更新の通知のみ
ステップ 6. レジストリエディタのウィンドウを閉じ、コンピュータを再起動します。
▶ アップグレード後の復元方法
Windows Server 2025を2022にダウングレードできるか?
Windows Server 2025のサーバーライセンスでは、旧バージョンのOSを実行する権利(ダウングレード)が認められています。たとえば、Windows Server 2025 Standardのライセンスを保有しているサーバー上で、Windows Server 2022 Standardを実行させることができます。
ダウングレードを行うには、旧バージョンのOSのメディアとプロダクトキーが必要になります。また、旧バージョンにダウングレードした後も、ライセンス定義(ライセンス条項)はWindows Server 2025のものに従います。
Windows Serverでは公式なダウングレード方法が提供されていないため、一度アップグレードされたサーバーを元のバージョンに戻すには、過去のバックアップデータを活用するか、サードパーティのリカバリーソリューションを使用する必要があります。
システムの復元を使用する
事前にシステム復元ポイントを作成しておけば、Windows Server 2025が勝手にアップグレードされる場合、システムの復元を使って、システムをアップグレード前の状態に戻すことができます。
ステップ 1. タスクバーの検索ボックスに「システムの復元」と入力し、検索結果に表示される「復元ポイントの作成」をクリックします。
ステップ 2. 「システムのプロパティ」が表示されたら、「システムの保護」タブをクリックし、「システムの復元」欄から「システムの復元」をクリックします。「システムの復元」がグレーアウトしている場合は、システムの復元が有効になっていません。
ステップ 3. 「システムの復元」が表示されたら、 「次へ」をクリックします。
ステップ 4. 日付と説明などにより、復元したい項目(復元したい日時の復元ポイント)を選択して、「次へ」をクリックします。
ステップ 5. 「復元ポイントの確認」画面が表示されるので、問題がなければ「完了」をクリックします。
ステップ 6. 「いったんシステムの復元を開始したら・・」というメッセージ画面が表示されます。そこで、「はい」を選択すると、システム復元の処理実行が始まります。
バックアップから復元する
Windowsサーバーには標準で「Windows Server Backup」機能が搭載されています。Windows Server 2025が勝手にアップグレードされた場合、アップグレード前に取得したシステムバックアップを利用して復元することが可能です。
ステップ 1. スタートメニューから「Windows Server Backup」を開きます。
ステップ 2. 「アクション」メニューから「復元」を選択します。
ステップ 3. 必要なバックアップ日時を選び、目的のファイルまたはフォルダーを指定します。
ステップ 4. 復元先を選択し、「復元」ボタンをクリックします。
おまけ:日常でWindows Serverをバックアップ、管理する方法
Windows Server 2025が予期せずアップグレードされてしまった場合、システムバックアップを利用して元の状態に復元することができます。さらに、日常的にシステムをバックアップし、柔軟に管理することは、トラブルを最小限に抑えるために重要です。AOMEI Partition Assistant Serverは、これらの操作を効率的かつ安全に行うための最適なツールです。
Windows Serverの標準バックアップ機能は設定が複雑で柔軟性が限られていますが、AOMEI Partition Assistant Serverは簡単な操作でシステムディスクをクローンできます。ディスククローン以外にも、MBRからGPTへの変換、OS移行、アプリ引っ越しなど多彩な機能を搭載しています。
Windows Server 2025/2022/2019/2016/2012、およびWindows 11/10/8/7に対応します。小規模な企業サーバーや複数のデバイスを管理する中規模組織に適しています。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistant Serverをインストールして実行します。クローン元のディスクを右クリックして、「ディスクをクローン」を選択します。
ステップ 2. クローン先のディスクを選択し、「次へ」をクリックします。
ステップ 3. 確認画面に移動して、クローン元のディスクとクローン先のディスクを確認します。問題なければ「確認」ボタンをクリックして、続行します。
- 「セクタ単位のクローン」にチェックを入れることができます:
- チェックを入れる場合、「セクタ単位のクローン」を実行します。使用済みセクタと未使用セクタをすべてクローンするため、より長い時間がかかります。ターゲットディスクのサイズはソースディスクのサイズに等しいかそれより大きくなければなりません(ソースディスクはMBR形式の場合、ターゲットディスクもMBR形式になっています)。
- チェックを入れない場合、「ディスクの高速クローン」を実行します。ソースディスク上の使用済み領域だけをクローンするため、大容量のソースディスクを小容量のターゲットディスクにクローンすることができます(ターゲットディスクの空き容量はソースディスクの使用済み容量より大きいか等しい必要があります)。クローン中にターゲットディスク上の各パーティションのサイズを調整することができます。
- 「設定」をクリックして、ターゲットディスク上のパーティションを編集することができます:
- パーティションのサイズを変更せずにクローン:ソースパーティションのサイズを維持します。
- コピー先に合わせる:ターゲットディスク全体に合わせてパーティションのサイズを自動的に調整します。
- 手動で編集する:ターゲットディスク上のパーティションのサイズを手動で調整します。
ステップ 4. 「適用」⇒「続行」をクリックして、この操作を実行します。
まとめ
今回のWindows Server 2025が勝手にアップグレードされる原因として、主にMicrosoftの更新プログラムの誤分類です。ほかにWindows Updateの設定ミスや自動更新ポリシーの管理不足が挙げられます。これを防ぐには、グループポリシーやレジストリ設定を適切に構成し、重要な更新を手動で管理することが有効です。
また、更新の前に十分なバックアップを取ることで、万が一のトラブルにも対応可能です。AOMEI Partition Assistant Serverのような強力なパーティション管理を使って、ディスク全体をクローンでき、バックアップ対策として役立ちます。