パーティションリサイズとは?初心者向けに基礎知識と安全な方法を解説。Windows標準機能や専用ソフトを使った簡単な手順を紹介します。
パソコンを使っていると、「Cドライブの空き容量が足りない」「データ管理のためにパーティションを整理したい」と感じることはありませんか?そんなときに役立つのが「パーティションリサイズ」です。
パーティションをリサイズすれば、Cドライブの空きを増やしたり、未使用領域を有効活用したりできます。しかし、適切な方法を知らずに作業すると、データを失うリスクもあるため注意が必要です。
この記事では、初心者向けにパーティションリサイズの基本知識と安全な方法を詳しく解説します。
📝パーティションとは?
パーティションとは、HDDやSSDを複数の区画(ボリューム)に分割する仕組みのことです。たとえば、1TBのHDDを「Cドライブ(システム用)500GB」「Dドライブ(データ用)500GB」に分けると、それぞれ独立したドライブのように使えます。
パーティションのリサイズ(拡張・縮小)を行うことで、ディスクの容量を最適に管理し、パフォーマンスを向上させることができます。以下に、具体的なメリットを詳しく解説します。
►1. Cドライブの空き容量を増やし、パソコンの動作を快適にする
✘ 問題点:Cドライブ(システムドライブ)の容量が不足すると、Windowsの動作が重くなり、エラーが発生しやすくなります。例えば、Windowsのアップデートが適用できない、ソフトウェアのインストールができないなどの問題が発生することがあります。
✔ 解決策:Dドライブなどの未使用領域をCドライブに割り当てることで、システムの安定性を向上できます。特にSSDを使用している場合、十分な空き容量を確保することでパフォーマンスが維持されます。
►2. ディスクの空き領域を有効活用できる
✘ 問題点:HDDやSSDの中には、未使用の領域が存在していることがあります。特に、新しいPCではメーカーが独自にパーティションを分割しているため、「未割り当て領域」 が無駄に残っていることがあります。
✔ 解決策:パーティションを拡張して、未割り当て領域を有効活用することで、ディスク全体の管理を効率化できます。たとえば、Dドライブのサイズを縮小し、Cドライブの容量を増やすことも可能です。
►3. データ管理を整理し、バックアップしやすくする
✘ 問題点:システムファイルと個人データ(ドキュメント、写真、動画など)が同じドライブ(Cドライブ)に保存されていると、データ管理が複雑になり、バックアップもしにくいです。
✔ 解決策:Cドライブとは別に、データ用のパーティション(Dドライブなど)を作成することで、システムクラッシュ時にデータを守れる、データ整理がしやすくなる、バックアップ作業が簡単になるなどのメリットがあります。
パーティションのリサイズ(拡張・縮小)はディスクの管理を最適化するために便利な操作ですが、適切に行わないとデータ損失やシステム障害のリスクがあります。安全に作業を進めるために、以下の注意点を押さえておきましょう。
◉重要なデータ、特にCドライブのリサイズを行う場合、Windowsの起動に影響を与える可能性があるため、システムのバックアップを取ることが必須です。
◉パーティションの拡張には隣接する未割り当て領域が必要(Windows標準機能の場合)です。未割り当て領域がない場合、リサイズできないことがあります。
◉Cドライブ(システムドライブ)をリサイズする場合、Windowsのブート領域が影響を受ける可能性があります。慎重に行いましょう。
Windowsには標準でパーティションをリサイズする機能が搭載されています。ここでは、初心者向けの「ディスクの管理」と、上級者向けの「コマンドプロンプト(diskpartコマンド)」を使う2つの方法を解説します。
「ディスクの管理」は、Windowsに標準で搭載されているグラフィカルユーザーインターフェースを用いたツールです。このツールを使用することで、マウス操作のみでパーティションの拡張や縮小が行えるため、初心者でも容易に利用できます。
ステップ 1. 「Win + X」キーを押すか、スタートボタンを右クリックして「ディスクの管理」を選びます。
ステップ 2. ディスクの管理でDドライブを右クリックし、「ボリュームの縮小」を選択します。
ステップ 3. 縮小するサイズをMB単位で入力し、「縮小」をクリックします。未割り当ての領域が表示されます。
ステップ 4. Cドライブを右クリックし、「ボリュームの拡張」を選びます。
ステップ 5. ウィザードが開くので「次へ」をクリックし、拡張するサイズをMBで入力して「次へ」→「完了」をクリックします。
コマンドプロンプトにおける「diskpart」コマンドを利用することで、パーティション管理をより詳細に行うことができます。GUIの制約を避けることができるため、上級者にとっては推奨される手法です。
ステップ 1. WindowsキーとRを同時に押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「diskpart」と入力し、「Enter」キーを押してDiskpartユーティリティを開きます。
ステップ 2. 「diskpart.exe」と表示されれば成功です。
ステップ 3. 「list disk」と入力してEnterを押します。これで接続されているディスクの一覧が表示されます。
ステップ 4. 例えば、ディスク3を操作したい場合は、「select disk 3」と入力してEnterを押します。
ステップ 5. 「list partition」と入力してEnterを押します。これでディスク内のパーティションが見えます。
ステップ 6. 例えば、パーティション2を縮小したい場合は「select partition 2」と入力してEnterを押します。
ステップ 7. 1024MBを縮小するには「shrink desired=1024」と入力してEnterを押します。これで指定したサイズだけ縮小され、未割り当ての領域ができます。
ステップ 8. Cドライブのパーティション1を拡張したい場合は「select partition 1」と入力してEnterを押します。その後「extend size=1024」と入力してEnterを押します。
ステップ 9. 最後に「list partition」と入力してEnterを押し、拡張が成功したか確認します。パーティションのサイズが増えていれば成功です!
Windowsの標準機能を利用してパーティションのリサイズを行うことは可能ですが、「隣接する未割り当て領域が必要である」「システムドライブの縮小には制限がある」といった制約が存在します。また、コマンドライン操作は初心者には難しく、誤操作によるデータ損失のリスクも伴います。そのため、より簡単かつ柔軟にパーティションサイズを調整できる専用ソフトウェアであるAOMEI Partition Assistantの利用を推奨いたします。このソフトウェアは、初心者でもワンクリックでパーティションサイズを変更できる機能を備えており、「ワンクリックで空き領域を調整」する機能により、ドラッグ操作だけで簡単にパーティションのサイズを調整することが可能です。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、Cドライブを右クリックして、「ワンクリックで空き領域を調整」を選びます。
ステップ 2. DドライブのスペースをCドライブに追加したい場合、Dドライブの先頭にあるドラッグポイントを後ろに引っ張って縮小し、その空き領域をCドライブに割り当てます。そして「OK」をクリックします。
ステップ 3. 「保留中の操作」を表示して、操作内容を確認できます。実行するには、「適用」と「続行」をクリックしてください。
パーティションリサイズは、ディスクの空き容量を最適化し、PCのパフォーマンスを向上させる重要な作業です。Windows標準機能を使えば手軽にリサイズできますが、制約が多いため、自由度の高い専用ソフトを使うのが最も効率的です。特に、初心者でもワンクリックで調整できるソフトを活用すれば、安全かつ簡単にパーティション管理が可能です。目的に合った方法を選び、快適なPC環境を整えましょう。