Windows 11 Homeでも「BitLocker」が勝手にアクティブとなった可能性とその対策
Windows 11 Homeでの「BitLocker」や「デバイスの暗号化」の仕様と注意点を説明し、無効化手順とデータ保護の方法を紹介します。
はじめに
Windows 11 Homeエディションでは、従来、BitLocker(ビットロッカー)という暗号化機能は使用できないと考えられていました。しかし、2023年以降に販売された一部の新しいPCでは、Windows 11 Homeでも「BitLocker」が自動的に有効化される場合があることが明らかになっています。もし、自分のPCが勝手にBitLockerを有効化していることに気づいた場合、どうすればよいのでしょうか?
この記事では、Windows 11 HomeエディションでもBitLockerが有効化される原因と、その対策方法を詳しく解説します。
1. Windows 11 Homeでも「BitLocker」が勝手に有効化される原因
►新品PCやアップデート後の暗号化
2023年以降に販売された新品のノートPCやデスクトップPCの中には、出荷時に自動でBitLockerが有効化されるものがあります。特に、TPM(Trusted Platform Module)チップが搭載されているPCでは、Windows 11がデフォルトで「BitLocker」または類似の暗号化機能を有効にすることが多いです。このため、Windows 11 Homeエディションでも暗号化が自動的に有効化されることがあります。
►デバイスの暗号化(Device Encryption)の影響
Windows 11 Homeエディションでは、BitLockerの代わりに、「デバイスの暗号化」機能が搭載されています。デバイスの暗号化は、BitLockerの簡易版ですが、基本的な動作は非常に似ています。TPMが有効であれば、初期設定時やOSインストール後に自動的に暗号化が開始されることがあります。
►ハードウェアとソフトウェアのセキュリティ設定
特に新しいPCや最新のソフトウェアアップデートでは、セキュリティ強化の一環として、出荷時にBitLockerやデバイス暗号化が有効化されるケースがあります。これにより、PCがより安全な状態で使用できるように設定されているのです。
2. Windows 11 Homeエディションでの「BitLocker」の仕様の違いと注意点
Windows 11 Homeエディションでは、Windows 11 ProやEnterpriseエディションで提供されている正式なBitLockerは使用できません。その代わり、「デバイスの暗号化」という簡易版の暗号化機能が提供されます。この機能は、特にTPM(Trusted Platform Module)が有効になっているデバイスで、自動的に有効化されることが多いです。
ただし、正式なBitLockerとは異なり、Homeエディションでは、以下の制約があります。
- 制約1:「BitLocker」を一度無効化すると再度有効化できない
- 制約2:「デバイスの暗号化」の解除が難しい
- 制約3:回復キーのバックアップのみが選択肢
Windows 11 Homeエディションで「BitLocker」や「デバイスの暗号化」を使用する場合、データを保護するために非常に重要な役割を果たしますが、一度無効化してしまうと再度有効化できないため、慎重に設定を行う必要があります。
3. Windows 11 Homeで「BitLocker」や「デバイスの暗号化」を無効化する方法
►「デバイスの暗号化」を無効にする
Windows 11 Homeでは、「デバイスの暗号化」が有効化されている場合、簡単に無効化できます。以下の手順で無効化できます。
ステップ 1. スタートメニューから「設定」を選択します。
ステップ 2. 「更新とセキュリティ」をクリックし、「デバイスの暗号化」を選びます。
ステップ 3. 「デバイスの暗号化が有効です」と表示されたら、その下の「オフにする」をクリックします。
►TPM(Trusted Platform Module)を無効化する
TPMが原因で自動的にBitLockerやデバイス暗号化が有効化されることがあるため、TPM設定を無効化することで暗号化を防ぐことができます。ただし、TPMはセキュリティ向上のための重要な機能であるため、無効化する場合は注意が必要です。
ステップ 1. Windowsのサインイン画面で、Shiftキーを押しながら「電源」をクリックし、「再起動」を選びます。
ステップ 2. PCが再起動したら、「オプションの選択」画面で「トラブルシューティング」を選び、その後「詳細オプション」を選択します。
ステップ 3. 「UEFIファームウェア設定」を選んで、BIOS設定に入ります。
ステップ 4. コンピューターのマザーボードによってBIOS設定の名称が異なるため、指示に従ってTPMを無効にします。
►起動時にBitlockerの回復キーの入力求められる場合
「BitLocker」が自動的に有効化され、コンピューターを起動する時以下の画面が出る場合はあります。
ステップ 1. 別のデバイスでMicrosoftアカウントにサインインし、「BitLocker回復キー」を探して回復キーを見つけます。
ステップ 2. ログイン画面の指示に従い、回復キーを入力します。
ステップ 3. 回復キーを入力して、ロックを解除します。
BitLockerやデバイス暗号化を無効化する際の注意点
※セキュリティリスクの増加
BitLockerやデバイスの暗号化を無効化することで、PCのセキュリティが低下する可能性があります。特に、PCを紛失した場合や盗まれた場合、データが盗まれるリスクが高くなります。無効化する前に、データのバックアップや別のセキュリティ対策を考慮することをお勧めします。
※データの復号鍵を控えておく
BitLockerを有効化している場合、回復キーをしっかり控えておくことが重要です。回復キーを紛失すると、データにアクセスできなくなってしまう可能性があります。回復キーは、Microsoftアカウントに保存するか、安全な場所にバックアップしておきましょう。
5. Windows 11 Homeでも簡単にデータを暗号化する方法
Windows 11 Homeエディションでは、「BitLocker」が標準で利用できないため、PCデータ暗号化に関して制限があります。また、一度無効化すると再度有効化できないという仕様があるため、設定や管理が複雑で、手間がかかります。このような制約を回避するために、BitLocker機能を搭載したAOMEI Partition Assistantという暗号化ソフトをおすすめします。このソフトは、Windowsエディションに関係なく、簡単かつ安全にデータを暗号化することができます。
ポイント:
✦ Windows 11 Home、Pro、Enterpriseなど、どのエディションでも問題なく動作します。
✦ 直感的なインターフェースを提供しており、複雑な設定なしで簡単にインストールできます。
✦ 業界標準の暗号化アルゴリズム(AES 256ビット)を採用しており、最高レベルのセキュリティを提供します。
✦ 一度無効化すると再度有効化できないという制約は一切ありません。
- 簡素化されたBitLocker管理
- Windows10・11のHome版でも対応
- 安心なデータ保護
- 業界標準のAES暗号化アルゴリズム
- 強力なセキュリティ管理
▌BitLockerを簡単に無効化する
ステップ 1. 画面上部のツールバーから「ツール」タブを選択し、「BitLocker」をクリックします。
ステップ 2. すべてのドライブ(オペレーティングシステムドライブ、固定データドライブ、リムーバブルドライブなど)が表示されるので、無効にしたいドライブを見つけて「BitLockerを無効化」を選びます。
ステップ 3. ドライブを復号化する方法は「パスワードでドライブを復号化」「回復キーでドライブを復号化」の2つがあります。必要に応じて選んでください。
ステップ 4. 復号化が始まります。完了したら「完了」をクリックしてください。
回復キーのバックアップやパスワードの変更、ドライブのロック・アンロック、BitLockerの有効化・無効化が簡単に行えます。
▌BitLockerを有効にする
メニューから対象のドライブを選び、「BitLockerを有効化」を選択します。
▌回復キーをバックアップする
バックアップしたい暗号化されたドライブを見つけ、「回復キーをバックアップ」をクリックします。バックアップ方法は「ファイルに保存」または「回復キーを印刷」を選べます。
▌ドライブをロックまたはロック解除する
ドライブがロックされていない場合、「ドライブをロック」をクリックしてロックできます。ロック解除は「ドライブロック解除」をクリックします。
▌パスワードを変更する
「パスワードを変更」をクリックしてパスワードを変更できます。
まとめ
Windows 11 Homeエディションでは、通常「BitLocker」は使用できませんが、一部のPCでは「デバイスの暗号化」機能が勝手に自動で有効化されることがあります。その原因や仕様について理解し、無効化する方法をしっかり把握することが重要です。もし「BitLocker」や「デバイスの暗号化」が有効化された場合、適切に解除し、バックアップを取ることを忘れずに行いましょう。さらに、PCのセキュリティを守るために、代替となる暗号化ソフトを利用するのも一つの方法です。