BitLockerのPINとは?初心者でも分かる簡単解説

BitLockerのPINの基礎から設定方法、さらに忘れた場合の対処法まで完全ガイド。安全なデバイス利用のための情報が満載です。

投稿者 @カオル 2024年12月25日 @カオル 最後の更新 2024年12月25日

BitLockerのPINとは何ですか?

BitLocker(ビットロッカー)のPINは、Microsoftのディスク暗号化機能「BitLocker」で使えるセキュリティの一つです。PIN(個人識別番号)を設定することで、ドライブのロック解除をより安全に行うことができます。

📍関連記事:初心者向けBitLockerの使い方完全解説

BitLockerのPINの主な特徴

追加認証層:BitLockerのPINは、OSにログインする前に入力する必要があります。これにより、ドライブの暗号化を解除するには物理的なアクセスと正しいPINの両方が必要になります。

カスタマイズ可能な長さ:PINの長さや複雑さは、管理者がポリシーで設定できます。数字だけでなく、英数字を組み合わせることも可能です。

TPMとの併用:PINは通常、TPM(Trusted Platform Module)チップと一緒に使用されます。これにより、PINだけでなく、特定のハードウェアでのみ暗号化解除ができるようになります。

BitLocker PINとTPMの関係 BitLocker PINは、TPM(トラステッド・プラットフォーム・モジュール)というセキュリティチップと深く関わっています。 TPMの役割: TPMはマザーボードに内蔵された特別なチップで、暗号化キーを安全に保存します。 BitLockerはこのTPMを使って、デバイスの起動時に暗号化キーを提供します。 PINによる認証の強化: 通常、TPMはハードウェアの変更やBIOSの改ざんがない場合、自動的に暗号化キーを提供します。 PINを設定することで、ユーザーが認証(PINを入力)する必要があり、セキュリティが強化されます。

セキュリティの向上:デバイスにPINを設定していないと、盗まれたときにOSの起動プロセスが簡単に攻撃されることがあります。PINを使うことで、このリスクを大きく減らすことができます。

BitLockerのPINのメリット

1. データの不正アクセスを防止

BitLocker PINを設定することで、デバイスが盗まれたり失われたりした場合でも、暗号化されたドライブへの不正アクセスを防げます。

例えば、デバイスが盗まれても、PINを知らなければ攻撃者は暗号化キーを手に入れられず、ドライブの内容を確認できません。

2. TPMのセキュリティをさらに強化

PINを使うことで、TPM(Trusted Platform Module)の認証がさらに強化されます。

  • TPM単独の場合:起動時にデバイスの整合性を確認し、暗号化キーを提供しますが、追加の認証はありません。
  • PINを追加した場合:PINが正しく入力されないと、TPMは暗号化キーを提供しないため、不正使用が非常に難しくなります。

3. デバイス起動時の二要素認証を実現

PINを追加することで、二要素認証に似たセキュリティを提供できます。

これにより、攻撃者がデバイスを物理的に手に入れても、起動できないため、セキュリティが向上します。

4. 不正な起動や改ざんの防止

BitLocker PINは、BIOS/UEFIやハードウェアの変更に対する防御手段としても役立ちます。

TPMはシステムの変更を検出します。変更があれば、PINの入力を求めることで、意図しない環境での起動を防ぎます。

例えば、攻撃者がデバイスを別のPCに接続してデータを取得しようとしても、PINが必要なため、実行できません。

5. セキュリティ意識の向上

PINを設定することで、ユーザーはデバイスのセキュリティを意識するようになります。

  • 手動入力の重要性:起動時にPINを入力することで、デバイスが暗号化されていることを再確認できます。
  • デバイス管理の向上:PINや回復キーを安全に管理する習慣が身につくため、全体的なセキュリティ意識が高まります。

6. デバイスの再利用時に安心

PINを設定しておくことで、デバイスを譲渡する際も安心です。

  • デバイスのリセット前:ドライブを消去する前にPINが必要なので、意図しないデータ漏洩を防げます。
  • データの保護: 万が一リセット前のデバイスが流出しても、PINを知らなければデータは読み取れません。

7. 攻撃の成功率を大幅に低下

PINは、ブルートフォース攻撃や辞書攻撃に対する防御力を強化します。

  • PINの入力回数制限:PINを何度も間違えるとTPMがロックされるため、攻撃者がPINを当てるのが非常に難しくなります。
  • 時間の無駄:攻撃者にとってPINを解読するためのコストが高くなるため、攻撃を試みる価値が低くなります。

BitLockerのPINを設定する方法は?👍

BitLockerのPINを設定する手順は次の通りです。

ステップ 1. Windows + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開き、「gpedit.msc」と入力してEnterキーを押すかOKボタンをクリックすると、グループポリシーエディターが表示されます。

ステップ 2. 「コンピューターの構成→管理用テンプレート→Windowsコンポーネント→BitLockerドライブ暗号化→オペレーティングシステムのドライブ」の中の「スタートアップ時に追加の認証を要求する」をダブルクリックし、新しい画面で「有効」にします。

ステップ 3. 「スタートアップの拡張PINを許可する」も同じくダブルクリックし、新しい画面で「有効」にします。「スタートアップに対するPINの長さの最小値を構成する」をダブルクリックし、新しい画面で最小文字数に数字を設定し、「有効」にします。

注意ブルートフォースアタックに対抗するためには、パスワードは10文字以上にすることが推奨されています。コンピュータの性能は常に向上しているため、将来的にはさらに長いパスワードが必要になるかもしれません。

ステップ 3. グループポリシーの設定が終わったら、「コントロールパネル」から「BitLockerドライブ暗号化」を開きます。BitLockerで暗号化を始めると、次の画面が表示されます。ここで「PINを入力する」を選びます。

ステップ 4. 「PINを入力する」を選ぶと、PIN設定の画面が出てきます。ここでPINを入力します。

ステップ 5. すでにBitLockerで暗号化している場合は、暗号化されたドライブを右クリックし、「BitLockerの管理」を選ぶと、BitLockerドライブ暗号化の画面が開きます。「スタートアップ時にドライブのロックを解除する方法の変更」を選ぶことで、PINの設定が可能です。

注意設定後、次回起動時にPINの入力が必要です。PINを忘れるとアクセスできなくなるため、回復キーは安全に保管してください。

より簡単にBitLockerを管理する方法!👍

BitLockerの設定が複雑と感じる方もいるでしょう。そこで、もっと簡単に使える無料AOMEI Partition Assistantの「BitLocker機能」を紹介します。このソフトを使うと、BitLockerの有効化や無効化、回復キーのバックアップ、ドライブのロックや解除、BitLockerパスワードの変更が簡単に行えます。

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エディションに依存しない:AOMEI Partition Assistantの「BitLocker機能」は、Windows Homeエディションや他のエディションで使用でき、Windows Proエディションにアップグレードする必要はありません(HomeエディションでのBitLocker機能は有料)。
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まず、AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。画面上部のツールバーから「ツール」タブをクリックし、「BitLocker」を選びます。

BitLockerの有効化・無効化:対象のドライブを見つけて、「BitLockerを有効化」または「BitLockerを無効化」を選択します。

BitLocker回復キーのバックアップ:キーを失うと再取得が難しいため、AOMEI Partition Assistantを使ってキーをファイルに保存したり、印刷することができます。

📍関連記事:ビットロッカー回復キーを見つける方法

BitLockerのパスワード変更:AOMEI Partition Assistantを利用して、現在のパスワードや回復キーを使ってパスワードを変更できます。

ドライブのロック・アンロック:ドライブをロックすると、BitLockerボリュームのデータにアクセスできなくなります。機密情報を取り戻すには、パスワードまたは回復キーを使ってドライブをアンロックします。ドライブのロックを解除するには、「ドライブロック解除」オプションをクリックします。

BitLocker PINに関するさらに詳しい知識はここに!

以下に、BitLocker PINに関するさらに詳しい知識や、疑問とその回答をまとめました。

1. BitLockerのPINの桁数

  • 最小桁数:デフォルトは4桁ですが、グループポリシーを使って6桁以上に設定することができます。
  • 最大桁数:特に上限はありませんが、通常は20桁程度まで使用可能です。英数字の組み合わせも可能です(管理者が許可している場合)。

2. BitLockerのPINの初期値

BitLockerを設定する際、PINコードはユーザーが自由に決めます。特に初期値はなく、任意のPINを設定します。

注意自動でPINが生成されることはありません。

3. BitLockerのPINの桁数

  • 回数制限:TPMチップを使用している場合、PINを何度も間違えるとセキュリティ機能が働き、システムがロックされることがあります。
  • デフォルトの回数:一般的には、PINを3〜5回間違えるとTPMがロックされる設定です。TPMがロックされると、正しいPINを入力しても解除できず、回復キーが必要になります。

4. PINと回復キーの違い

  • PIN:デバイスを起動するたびに入力する必要があるセキュリティコード(手動で設定)。
  • 回復キー:PINやパスワードを忘れたときに使う32桁の数字(自動で生成される)。

5. BitLocker PINのセキュリティのポイント

  • 推奨されるPINの設定:6桁以上のランダムな数字。可能であれば英数字を含む複雑な設定(グループポリシーの設定が必要)。
  • 再利用を避ける:他のPINやパスワードと同じものは使わないこと。
  • 安全な保管:PINや回復キーを紙に書いて、物理的に安全な場所に保管すること。

6. BitLocker PINに関連するトラブルシューティング

  • PINが有効にならない場合:TPMが正しく設定されていないと、PINを有効にできません。BIOSまたはUEFIでTPMを有効にしてください。
  • PIN入力後にエラーが表示される場合:ハードウェアの変更やBIOSの更新後に、PINが無効になることがあります。この場合は回復キーを使って解除し、再設定が必要です。

BitLocker PIN設定後のテスト方法

BitLocker PINを設定した後、正しく動作しているか確認するために、次の手順を行います。

1. コンピュータを再起動

BitLocker PINが有効な場合、起動時にPINを入力する画面が表示されます。再起動して、PIN入力画面が表示されるか確認します。

2. 正しいPINを入力して確認

設定したPINを入力し、問題なくOSが起動すれば、設定は正しいです。

3. 誤ったPINを入力して確認

意図的に間違ったPINを入力し、アクセスが拒否されること(「PINコードが正しくありません。」と表示される)を確認します。通常、3回間違えると保護機能が働き、回復キーの入力が求められます。

4. 実環境での確認(オプション)

最後に、実際の使用状況を考え、シャットダウン後や外部ドライブ接続時など、異なる条件で起動とPINの動作を確認します。

BitLockerのPINを忘れた場合の対処法

1. 回復キーを使用する

BitLockerを設定すると、回復キーが発行されます。これは32桁の数字です。次の場所を確認してください:

  • Microsoftアカウント(オンライン)
  • USBメモリ(保存している場合)
  • 印刷した紙やメモ
  • IT部門に確認(管理者が設定した場合)

PIN入力画面で「その他のオプション」または「回復キーを入力」を選び、回復キーを入力してください。

2. Microsoftアカウントで回復キーを確認する

ステップ 1. Microsoftのサポートページにアクセスし、Microsoftアカウントにログインします。

ステップ 2. 表示された画面から「デバイス」を選び、「詳細の表示」をクリックします。

ステップ 3. 次の画面で「回復キーの管理」を選択します。

ステップ 4. すると、BitLockerの回復キーが表示されるはずです。

3. 管理者またはIT部門に問い合わせる

企業や組織のデバイスの場合、管理者が回復キーを管理している可能性があります。システム管理者に問い合わせましょう。

4. PINコードをリセットする

回復キーでドライブのロックを解除した後、BitLockerの設定を変えて新しいPINを設定できます。

ステップ 1. 「コントロールパネル」から「BitLockerの管理」を開きます。

ステップ 2. 「PINを変更」または「PINを作成」を選んでください。

5. 回復キーがない場合

回復キーがないと、ドライブのデータを取り戻すのはほぼ無理です。最終手段として、ドライブを初期化して再フォーマットすれば使えるようになりますが、その場合データは完全に消えてしまいます。初期化の手順は以下の通り。

📍関連記事:SSDデータ復旧は自分で可能?フォーマットされてもOK

ステップ 1. スタートボタンを右クリックし、メニューから「ディスクの管理」を選んで開きます。ドライブを右クリックして「ディスクの初期化」を選びます。

ステップ 2. 「ディスクの初期化」でパーティションスタイルを選び、「OK」をクリックします。

📍関連記事:MBRとGPTの違い、確認・変換方法、どっちがいい?

BitLocker PINの運用上の注意点

BitLocker PINを安全に使うためには、いくつかのポイントに気を付けることが大切です。以下に、PIN運用の具体的な注意点を示します。

1. 強いPINを設定する

  • 推測されにくいPINを選ぶ:誕生日や簡単な連続番号(例:1234)、一般的なパターン(例:0000)は避けましょう。セキュリティを向上させるために、英数字を組み合わせたPINを設定することをお勧めします。
  • 適切な桁数:PINは最低4桁以上、できれば6桁以上が望ましいです。企業では、グループポリシーを使ってPINの長さを制限することもできます。

2. PINを安全に保管する

  • 他人に見られないようにする:紙や付箋に書いてパソコンに貼るのは避けましょう。
  • 安全な場所に記録する:信頼できるパスワード管理アプリを使うか、物理的に安全な場所(例:金庫)に保管します。
  • 複数のバックアップは必要ない:PINをいくつかの場所に保管すると、セキュリティリスクが高まる可能性があります。

3. 入力回数制限に注意して

BitLocker PINの入力には制限があります。一定回数を超えるとTPMがロックされます。

  • 一般的な制限回数:通常、3回から5回の誤入力でロックされます(設定によります)。
  • ロック解除の方法:回復キーを使用してデバイスを解除します。企業の場合は、管理者に依頼して解除手続きを行います。

まとめ

BitLockerのPINはデータを守るための重要なステップです。設定を正しく行い、回復キーを安全に保管することで、問題を防げます。万が一忘れても、この記事を見ればすぐに対処できます。セキュリティを強化するために、今すぐ始めましょう!