BitLockerが有効化できない場合の対処法「Windows 10／11」

Windows 10／11でBitLockerが有効化できない原因

BitLockerは、Windows 10／11に標準搭載されているドライブ暗号化機能で、データ保護の重要な手段です。しかし、設定を試みた際に「BitLockerを有効にできませんでした」という問題に直面することがあります。エディションの違いやハードウェア要件、TPMの問題が原因である場合も少なくありません。

BitLockerが有効化できない場合の主な原因を以下にまとめました：

• Windowsエディションが対応していない：BitLockerはWindows 10／11 Homeエディションでは利用できません。ProやEnterpriseエディションが必要です。
• TPM（Trusted Platform Module）が無効化されている：BitLockerは通常、TPMチップを必要とします。TPMが無効化されていると動作しません。
• ハードウェアが要件を満たしていない：古いハードウェアや互換性のないデバイスではBitLockerが動作しない場合があります。
• グループポリシーの設定が不適切：管理者権限やポリシーの設定がBitLockerを制限している可能性があります。
• ドライブフォーマットの不一致：対象のドライブがNTFS形式でない場合、BitLockerは動作しません。
• ドライブ形式や構成が不適切：MBR形式のドライブではBitLockerが使用できない場合があります。

Windows 10／11でBitLockerが有効化できない問題を解決する方法

BitLockerを有効にできない場合は、原因に応じて解決策が異なります。以下では、Windows 10／11でBitLockerが有効にならない問題を解決する8つの方法を紹介します。自分に最適な方法を選択して試してみてください～

方法1. 代替の暗号化ツールを使用する

Windows 10／11 Homeユーザーで「BitLockerを有効にできませんでした」というエラーメッセージが表示された場合、代替の暗号化ツールAOMEI Partition Assistantを使用すると、Windows HomeからProやEnterpriseにアップグレードすることなくBitLockerの機能を利用できます。

BitLockerの管理に加えて、この実用的なツールはパーティションのサイズ変更、移動、結合、分割などもサポートしています。また、ディスクのクローン作成、OSの移行、FAT32とNTFS間のフォーマット変換、MBRとGPTの変換などの機能もあります。Windows Serverユーザー向けに、Serverエディションも提供しています。

ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして起動します。「ツール」メインタブをクリックし、「BitLocker」を選択します。

ステップ 2. すべてのドライブ（オペレーティングシステムドライブ、固定データドライブ、リムーバブルドライブなど）が表示されたら、暗号化したいドライブを見つけ、「BitLockerを有効化」をクリックします。（ここでは、ドライブDを例に取ります）

ステップ 3. ドライブを暗号化するためのパスワードを設定し、回復キーのバックアップ方法を選択してから、「次へ」ボタンをクリックして暗号化プロセスを開始します。

ステップ 4. 暗号化プロセスには時間がかかる場合があります。プロセスが終了するまで、プログラムを終了したり、ドライブを取り外したり、電源を切ったりしないでください。暗号化プロセスが完了したら、「完了」をクリックします。最後に、ドライブはBitLockerで暗号化されます。

方法2. Pro、Enterprise、Educationエディションへアップグレードする

Windows 10／11 HomeエディションではBitLockerを利用できません。Pro、Enterprise、Educationエディションへアップグレードすると、BitLockerを有効化できます。

ステップ 1. スタートメニューを開いて、「設定」→「更新とセキュリティ」→「ライセンス認証」をクリックします。

ステップ 2. 「Microsoft Storeに移動」をクリックし、Proエディションを購入してアップグレードを行います。

方法3. デバイスのドライバーを更新する

古いデバイスやファームウェアが更新されていない場合、BitLockerが有効化できないことがあります。デバイスのドライバーを最新バージョンに更新して、BitLockerが有効化できないという問題を解決できるかもしれません。

ステップ 1. WindowsキーとXキーを同時に押し、操作メニューから「デバイスマネージャー」を選択します。

ステップ 2. 「セキュリティデバイス」のカテゴリを拡張し、下のTPMドライバを右クリックして、「ドライバーの更新」を選択します。

ステップ 3. 次に、「ドライバーを自動的に検索」を選択してます。

ステップ 4. 完了したら、パソコンを再起動し、「BitLockerを有効にできませんでした」エラーが解消されているかどうかを確認してください。

方法4. TPMを有効化する

BitLockerが有効化できない場合、BIOSまたはUEFIでTPMを有効化する必要があります。

┏ (゜ω゜)=☞🍅Windows 11の要件TPM2.0を有効にしてアップグレードする方法

ステップ 1. まずTPMの状態をチェックします。「Windows + R」を押して「tpm.msc」を入力して、コンソールが開き、「TPMは使用する準備ができています」と表示されればOKです。

ステップ 2. 次にTPM2.0を有効にします。PCを再起動し、BIOS／UEFIに入ります（メーカーごとに異なるキーを使用、例：F2、Del）。

ステップ 3. BIOS設定画面が表示されたら、「Security」または「Trusted Computing」の設定項目から「TPM 2.0」の設定を探して、設定値を「Enabled」に変更します。

ステップ 4. 設定を保存して再起動します。

方法5. BitLockerサービスを有効化する

BitLockerが有効化できない問題を解決するには、 「BitLocker Drive Encryption Service」を有効化することができます。

ステップ 1. 「Win+R」キーを同時に押して、「ファイル名を指定して実行」ボックスを開きます。「services.msc」と入力し、「OK」ボタンをクリックします。

ステップ 2. 右パネルで「BitLocker Drive Encryption Service」を見つけ、ダブルクリックします。

ステップ 3. 「スタートアップの種類」を「自動」に変更します。「OK」をクリックして設定を保存します。

ステップ 4. 「BitLocker Drive Encryption Service」の説明ペイン内で、「サービスの再起動」を選択します。

ステップ 5. 最後に、BitLockerが問題なく有効化できかを確認します。

方法6. グループポリシーエディターでBitLockerを有効化する

BitLocker関連のポリシーが正しく構成されていない場合も、「BitLockerを有効にできませんでした」エラーが発生します。解決するにはローカルグループポリシーエディターを使用してBitLocker設定を確認します。

ステップ 1. 「Windows + R」を押して「gpedit.msc」を入力、グループポリシーエディタを開きます。

ステップ 2. 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」→「BitLockerドライブ暗号化」に移動します。各設定を「未構成」または「有効」に設定します。

例えば固定データドライブを暗号化したい場合、「固定データドライブ」オプションをダブルクリック、「BitLockerで保護されていない固定ドライブへの書き込みアクセスを拒否する」をダブルクリックします。

「有効」をクリックし、「OK」→「適用」をクリックして変更を保存します。

ほかに「TPMなしでBitLockerを有効にする」ポリシーを有効化して、BitLockerが有効化できない問題を解決できます。

ステップ 1. 「Windows+R」を押して「gpedit.msc」と入力し、グループポリシーエディターを開きます。

ステップ 2. 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windows コンポーネント」→「BitLocker ドライブ暗号化」→「オペレーティング システム ドライブ」に移動します。

ステップ 3. 「スタートアップ時に追加の認証を要求する」をダブルクリックし、「有効」に設定します。「互換性のあるTPMが装備されていないBitLockerを許可する」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。

方法7. ドライブをNTFS形式にフォーマットする

BitLockerはNTFSフォーマットのドライブでのみ動作します。FAT32やexFATの場合、NTFSに変換する必要があります。

ステップ 1. 検索ボックスに「cmd」と入力し、検索結果に表示される 「コマンドプロンプト」をクリックします。

ステップ 2. コマンド プロンプトウィンドウで、「convert [ドライブレター]: /fs:ntfs」を入力します。

🌺例えば、EドライブをFAT32からNTFSに変換したい場合は、「convert E: /fs:ntfs」と入力して「Enter」キーを押します。

ステップ 3. 現在のボリュームラベルを入力するように促されたら、「Enter」キーを押してEドライブがフォーマットされ、NTFSに変更されます。

上記の方法は手順が少なく、使いこなすのが簡単です。しかし、パーティション上のすべてのデータが消去されます。ここで、AOMEI Partition Assistantを使って、データを消さないでドライブをNTFS形式に変換することができます。

ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールし、実行します。NTFSに変換したいFAT12、FAT16、FAT32パーティションを選択し、パーティションを右クリック→「詳細設定」→「NTFSパーティションに変換」してください。

ステップ 2. ポップアップウィンドウで、 「はい」 をクリックして続行します。

ステップ 3. 最後のステップは、「適用」 をクリックしてこの操作を実行します。

方法8. パーティション形式をGPTに変換する

MBR（マスターブートレコード）形式のドライブではBitLockerが使用できない場合があります。BitLockerは、Windowsのセキュリティ機能（特にセキュアブート）と連携して動作します。これには通常、UEFIファームウェアとGPT（GUIDパーティションテーブル）が必要です。MBRはレガシーBIOSで使用される形式で、UEFIやセキュアブートの要件を満たしません。

AOMEI Partition Assistantを使えば、MBRからGPTに変換することでBitLockerが使用できるようになります。MBRからGPTへの変換は通常データを保持しますが、万が一に備えて重要なデータをバックアップしておきます。

ステップ 1. AOMEI Partition Assistantをインストールして開きます。変更するディスクを右クリックし、「GPTディスクに変換」または「MBRディスクに変換」を選択します。

ステップ 2. ポップアップウィンドウで、「はい」をクリックして続行します。

ステップ 3. 「適用」をクリックして操作を実行します。すると、ディスクはGPTまたはMBRパーティションスタイルに変更されます。

まとめ

BitLockerが有効化できない場合、以下の点を確認してください：

• TPMの状態を確認し、有効化する
• WindowsエディションがPro以上であることを確認する
• 対象ドライブがNTFS形式であるかチェック
• グループポリシーの設定を見直す
• BIOSやドライバを最新に更新する
• 対象ドライブがMBR形式であるかチェック

これらの手順を一つずつ確認することで、多くの問題は解決できます。また、代替のBitlocker管理ツールAOMEI Partition Assistantを使用して、BitLockerの有効化・無効化・パスワード変更・ロック解除なども、数回クリックするだけで完了できます。

よくある質問

1. BitLockerを有効にするにはどうすればいいですか？

コントロールパネルからBitLockerを有効にすることができます。

1. スタートメニューで「コントロールパネル」を検索して開きます。
2. 「システムとセキュリティ」→「BitLocker ドライブ暗号化」をクリックします。
3. ドライブ一覧から、暗号化を有効にしたいドライブの「BitLockerの有効化」をクリックします。

2. BitLockerのTPMとは何ですか？

TPM（Trusted Platform Module）は、PCのマザーボードに組み込まれたセキュリティチップで、BitLockerをより安全に運用するために使用されます。TPMはBitLockerの暗号化キーを保護します。物理的なアクセスがあっても、キーを簡単に取得されることはありません。

3. BitLockerを強制解除するにはどうすればいいですか？

コマンドプロンプトを使用してBitLockerを強制解除できます。管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。「manage-bde -off X:」を入力して解除を試みます（※X:は解除したいドライブのドライブレターです）。