ダイナミックディスクに変換してしまったHDDをベーシックディスクに戻す

概要:誤ってHDDをダイナミックディスクに変換してしまった場合、どうやってデータを残したままベーシックディスクに戻しますか?この記事では、ハードディスクをダイナミックディスクに変換する方法及びベーシックディスクに再変換する方法をご紹介します。

投稿者 @ゆき 2024年10月29日 @ゆき 最後の更新 2024年10月29日

ダイナミックディスクとベーシックディスク

ご存知のように、HDDの扱いにはベーシックディスクとダイナミックディスク、2種類があります。Microsoft Windowsを実行するパソコンで最も一般的に使用されるのはベーシックディスクですが、サーバーなどでは、ダイナミックディスクを使用することもあるようです。

💿ベーシックディスクとは?

工場出荷時のハードディスクはほとんどベーシックディスクで構成されています。ベーシックディスクでは、1台のHDDをパーテーションで分割して複数台のHDDとして使用することができます。MBRの場合、最大4つのパーティション(3つのプライマリパーティションと1つの拡張パーティション)を作成できますが、GPTの場合、128個のドライブを作成できます。

もし、1つのHDDに1つ以上のOS(マルチOS)をインストールして、使用したいなら、ベーシックディスクでなくてはいけません。

📝ノート:
オペレーティングシステムはベーシックディスク上に構築され、ハードディスクにインストールされます。特に指定しない限り、新しいディスクはデフォルトでベーシックディスクとして作成されます。
ベーシックディスクの設定下でパーティションを作成し、フォーマットすると、作成後にパーティションのサイズを調整することができます。パーティションの最大サイズはハードディスクの容量に依存します。各パーティションは独立して存在し、他のパーティションとの情報共有はできません。
ベーシックディスクではFAT、FAT32、NTFSのファイルシステムを使用することもできます。

💽ダイナミックディスクとは?

ダイナミックディスクでは、ベーシックディスクと反対に、複数台のHDDに渡ってボリュームを作成できます。これにより、ニーズに応じてストレージを拡張できます。

ダイナミックディスクは最大約2000のボリュームを作成できます。複数のディスクを搭載したコンピュータでこのタイプを使用することをお勧めします。

ただし、ダイナミックディスクの場合、1台のHDDにOSを1つしか入れないという欠点があるので、OS用のHDDより、データ保存用のHDDとして使用される場合が多いと思われます。

📝ノート:
ダイナミックディスクは、仮想ディスクサービス(VDS)または非表示の論理ディスクマネージャー(LDM)データベースを使用することができます。MBRとGPTの両方にも対応しています。
ダイナミックボリュームは作成後でも分割、変換、拡張が可能です。また、物理ディスク上の非連続なスペースにボリュームを拡張することもできます。ダイナミックディスクの最大サイズは状況によって異なる可能性があります。
ダイナミックディスクには、シンプル、スパン、ストライプ、ミラー、およびRAID-5の5つの異なるボリュームタイプがあります。シンプルボリュームは単一のダイナミックディスクボリュームです。スパンドボリュームは、複数のディスクに基づいて構成されるダイナミックボリュームです。ストライプボリュームは、スパンドボリュームと同様に複数のディスクにデータをストライプ化しますが、各ディスクのサイズは等しくなければなりません。ミラーボリュームには、データの2つのコピーが保存され、フォールトトレラント機能を提供します。RAID-5ボリュームは、回転ディスクにデータを格納するフォールトトレラント機能を備えたダイナミックボリュームで、ミラーリングや拡張はできません。
ハードディスク上には最大2000のダイナミックボリュームを保存することができますが、推奨されるダイナミックボリュームの最大数は32以下です。

💦ベーシックディスクとダイナミックディスクの違い

皆さんはおそらく「どれが最適なのかな?」と疑問に思われているでしょう。では、そろそろベーシックディスクとダイナミックディスクの違いについてお話ししましょう。ベーシックディスクとダイナミックディスク、どちらでもデータを保存することができますが、使い方は異なります。

ベーシックディスクは、オリジナルディスクであり、DOSの時代から存在しています。データはGTPまたはMBRで追跡されます。これらのパーティションスタイルでは、プライマリパーティションと論理パーティションのみが許可されます。作成後、特別なツールを使用しない限り、パーティションを直接変更することはできません。これが、パーティションのサイズがディスクのスペースに制限されている理由の1つです。

ベーシックディスクは、最も一般的なストレージ方法であり、デュアルマルチブート性や使いやすさ、データの保護など、さまざまなメリットを備えています。

また、ベーシックディスクはダイナミックディスクにデータを失うことなく変換することもできます。

ダイナミックディスクは、Windowsコンピューターで使用される特別なストレージ方法です。もともとはWindows NT向けに開発され、Windows 2000から利用可能になりました。

ダイナミックディスクは、LDMおよびVDSデータベース、MBRとGTPでボリュームを追跡します。MBRディスクパーティションでは、データベースは最後のメガバイト(MB)のスペースを占有します。一方、GPTディスクパーティションでは、割り当て済み(非表示)の1MBのスペースを占有します。

ダイナミックディスクを使用すると、さまざまなスペースの構成でボリュームを作成することができます。ダイナミックボリュームは、サイズの変更、復元、移動などが簡単に行えます。データベースを使用して、コンピューターは新しいダイナミックディスクを作成し、破損したディスクを修復することができます。

初心者でもダイナミックボリュームを利用することができます。ダイナミックボリュームには、シンプル、スパン、ストライプ、ミラー、およびRAID-5の5つのタイプがありますが、いずれもマルチブートには対応していません。

複数のリージョンをリンクすることで、無限の大容量のダイナミックボリュームを構成することができます。逆に、セクションに分割し、データを簡単かつ明確に管理することもできます。データの損失を防ぐためには、ボリュームの変更やバックアップ、オペレーティングシステムの再起動は必要ありません。

残念ながら、ダイナミックディスクを直接ベーシックディスクに変換することはできません。変換する前にそれらを削除する必要があります。データの損失を防ぐためには、特別なツールが必要です。

ダイナミックディスクに変換する状況

上述のように、ダイナミックディスクにはスパニング(複数のHDDを1つのドライブとして結合する)や、ストライピング(データを複数のHDDにまたがって保存する)、ミラーリング(複数のHDDに同一データを保存する)など、拡張的な機能があるため、時々手動でベーシックディスクをダイナミックディスクに変換したいかもしれません。

手動でダイナミックディスクに変換

ベーシックディスクからダイナミックディスクへの変換はデータを保持したままいつでもすることが可能です。次は2つの変換方法を紹介しましょう。

Windows標準機能を使用する

手順 1. 「ディスクの管理」を開きます。ディスク番号が表示されている箇所で右クリックメニューを出して「ダイナミック ディスクに変換」を選択します。

手順 2. ダイナミックディスクに変換したい物理ドライブにチェックを入れて「OK」をクリックします。

手順 3. 変換の必要があるディスクを再度確認し、問題なければ「変換」をクリックします。

🚨注:マルチブート環境である場合、ダイナミックディスクに変換すると、現在起動しているシステムボリューム以外のボリュームにインストールしたOSからパソコンが起動できなくなることに注意してください。

しばらくすると、ベーシックディスクがダイナミックディスクに変換されます。

AOMEI Dynamic Disk Managerを使用する

手順 1. AOMEI Partition Assistantの製品をダウンロード、インストール、起動します。右側の「ダイナミックディスク管理者」をクリックして、AOMEI Dynamic Disk Managerを起動します。

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手順 2. ダイナミックに変換したいディスクを右クリックし、「Convert to Dynamic Disk(ダイナミックディスクに変換)」を選択します。

手順 3. 後はガイドに従って、ダイナミックディスクへの変換を完成させます。

👉操作の詳細については、この関連記事を参考にしてください。

ダイナミックディスクになった他の状況

ベーシックディスクをダイナミックディスクに変換するつもりはなかったのに、ベーシックディスクはダイナミックディスクになった場合も幾つかあります:

MBRディスクにすでに4つのプライマリパーティションがある場合、未割り当て領域で新しいパーティションを作成と、ベーシックディスクがダイナミックディスクに変換されます。
非システムディスクでは、ベーシックディスク上のパーティションを拡張したいが、右側に連続した未割り当て領域がありません。こういう時にダイナミックディスクが存在するなら、そのパーティションを拡張すると、ベーシックディスクがダイナミックディスクになります。
「ダイナミックディスクに変換」オプションを誤ってクリックして、HDDをダイナミックディスクに変換してしまいました。

ベーシックディスクに戻す一般的な方法

ベーシックディスクはダイナミックディスクになった後、一部のWindowsをインストールしたり、他のOS(LinuxやAndroid-X86など)とのマルチブートを実現することはできないため、ダイナミックディスクを元(ベーシックディスク)に戻したいかもしれません。

一度、ベーシックディスクをダイナミックディスクに変換してしまった場合、HDD内のリカバリ領域から回復することができません。ダイナミックディスクをベーシックディスクに再変換するのは全く不可能ではないですが、データを残したまま戻すというのは大変です。ダイナミックディスク上のすべてのボリュームを削除し、すべてのデータを削除する必要があります。

一般に、Windows 7/8/10/11では、ダイナミックディスクをベーシックディスクに変換するために2つの無料ソリューションがあります。「ディスクの管理」と「cmd」です。次はダイナミックディスク上のすべてのデータを削除して、ベーシックディスクに変換する方法について説明しましょう。

🚨注:上述のように、ベーシックディスクに戻す為にダイナミックディスク上のすべて既存のボリュームを削除する必要がるので、操作を開始する前に、大切なデータをすべてバックアップするか、又は別のボリュームに移動してください。

👍【関連記事】万が一の備え!Win 10バックアップ【5つの方法まとめ】

ディスクの管理を使用する

「ディスクの管理」では、すべてのボリュームを1つずつ削除してから、ダイナミックディスクをベーシックディスクに変換することができます。

手順 1. 「コンピューター」または「PC」を右クリックし、「管理」→「記憶域」→「ディスクの管理」を選択します。

手順 2. 「ディスクの管理」で、ダイナミックディスク上の各ボリュームを右クリックし、「ボリュームの削除」をクリックします。

手順 3. ディスク上のすべてのボリュームを削除して、1つの「未割り当て」領域になった後、ダイナミックディスクを右クリックし、「ベーシック ディスクに変換」をクリックします。

ダイナミックディスクからベーシックディスクに戻した後、「未割り当て」と表示されているところで右クリック⇒メニュー内の「新しいシンプルボリューム」を選択して、あとはウィザード通りに進めば、新しいボリュームを作成することができます。

コマンドラインを使用する

コマンドラインを使用してダイナミックディスクをベーシックディスクに再変換することができます。

手順 1. マコンドプロンプトを管理者として開き、「diskpart」と入力して「Enter」を押します。

手順 2. DISKPARTプロンプトで次のコマンドを順番に入力します。すべての入力はEnterキーで終わります。

list disk(PCに接続されているSSD/HDDの一覧が表示される)
select disk n(nはベーシックディスクに変換しようとするダイナミックディスクのディスク番号)
detail disk(選択したディスクの情報が表示される)
select volume m(mはダイナミックディスク上の1つのボリュームのボリューム番号)
delete volume(選択したボリュームを削除する)
select disk n(nはベーシックディスクに変換しようとするダイナミックディスクのディスク番号)
convert basic
💡ヒント:複数のボリュームがある場合、「select volume m」⇒「delete volume」で1つずつ削除してください。

手順 3. 最後に「exit」と入力してEnterキーを押すことでCMDを終了します。

データを残したままベーシックディスクに戻す方法

データを失うことなく、簡単かつ安全にHDDをダイナミックからベーシックに戻せる方法はありますか?

優れたディスクパーティション管理ソフト

AOMEI Partition Assistant Professionalはそういうサードパーティ製のディスク管理ソフトで、データを残したままHDDをダイナミックディスクからベーシックディスクに変換することができます。

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手順 1. このソフトウェアをお使いのパソコンにダウンロードし、インストールし、起動します。

手順 2. ツールバーの「変換」をクリックし、ドロップダウンメニューから「ダイナミックディスク変換器」をクリックします。

手順 3. Dynamic Disk Converter(ダイナミックディスク変換器)の画面が表示されるので、「次へ」をクリックします。

手順 4. 必要に応じて、適切な変換方法を選択し、「次へ」をクリックします。

手順 5. 後は、ベーシックディスクに変換したいダイナミックディスクを選択し、ガイドに従って変換操作を完成させます。

これだけでなく、HDDをうまく管理できる為に、AOMEI Partition Assistant Proはパーティションのサイズを変更、パーティションを移動/結合、OSをSSDに移行、ブータブルCDを作成、アプリを2つのパーティション間で移行するなど、もっと高度な機能を持っています。

ダイナミックディスク変換に関するよくある質問

Q1:ダイナミックディスクに変換するとはどういうことですか?

A1:ダイナミックディスクに変換するとは、ベーシック(基本)ディスクからダイナミックディスクへの変換を指します。ダイナミックディスクは、ディスク領域の柔軟な管理や高度なディスク機能を提供するため、特定の用途や要件に適したディスク形式です。

Q2:ダイナミックディスクへの変換はどのように行われますか?

A2:ダイナミックディスクへの変換は、Windows標準ツールやサードパーティ製ディスク管理ソフトを使用して行われます。一般的に、「ディスクの管理」機能を利用し、ベーシックディスクを選択してダイナミックディスクに変換する手順を踏みます。

Q3:ダイナミックディスクに変換するメリットは何ですか?

A3:ダイナミックディスクに変換することで、複数のボリュームを作成したり、ボリュームのサイズを調整したりするなど、より柔軟なディスク管理が可能になります。また、RAIDやミラーリングなどの高度なディスク機能を利用することもできます。

Q4:ダイナミックディスクに変換する前に注意すべきことはありますか?

A4:ダイナミックディスクに変換する前には注意が必要です。

まず、変換によってデータが失われる可能性があるため、重要なデータのバックアップを取ることをおすすめします。
また、一部の古いオペレーティングシステムではダイナミックディスクがサポートされない場合があるので、互換性にも注意が必要です。

Q5:ダイナミックディスクからベーシックディスクに戻すことは可能ですか?

A5:はい、ダイナミックディスクからベーシックディスクへの戻しは可能です。ただし、この操作によってディスク上のデータが失われる場合があるため、再度バックアップを取ることをおすすめします。Windowsの管理ツールを使用して、ダイナミックディスクをベーシックディスクに戻す手順を実行できます。また、サードパーティ製ディスク管理ソフトを使用してデータを失うことなくベーシックディスクに戻すことができます。

結語

一般のパソコンの場合、ベーシックディスクがあたりまえで、ダイナミックディスクに変換する必要は全くありません。しかし、間違ってベーシックディスクからダイナミックディスクに変換してしまったこと、と自分の意志でベーシックディスクをダイナミックディスクに変換したことがあるでしょう。

ベーシックディスクからダイナミックディスクへはいつでも変換できますが、その逆はHDDが空の状態でないといけません。Windowsに内蔵されているツールを使用して再び、ダイナミックディスクからベーシックディスクに変換する場合、HDD上のパーティションをすべて削除して未割り当て領域にしてからベーシックディスクに戻さなければなりません。

でも、AOMEI Partition Assistant Proを使用すると、データを残したままHDDをダイナミックディスクからベーシックディスクに直接戻すことができます。

もし、この記事が役立つなら、友達や家族と共有しましょう!また、何か質問や提案がある場合は、support@aomeitech.comまでご連絡ください。よろしくお願いします。