「自動修復でPCを修復できませんでした」ループ完全ガイド

Windowsの自動修復がループしてPCが起動しない?本記事では、トラブルの原因と解決策を詳しく解説。コマンド操作やレジストリ修復でPCを正常に戻す方法を紹介します。

カオル

投稿者:カオル/更新日:2025年03月20日

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Windowsの「自動修復」は、PCが正常に起動できない場合にシステムを修復するための機能ですが、時には「自動修復でPCを修復できませんでした」というエラーメッセージとともにループに陥ることがあります。この状態になると、PCが再起動を繰り返し、通常の操作ができなくなってしまいます。

自動修復でPCを修復できませんでした

本記事では、このエラーの原因を解説し、具体的な解決策を紹介します。

「自動修復でPCを修復できませんでした」ループの原因は?

Windowsの「自動修復」は、システムが正常に起動できない場合に自動的に問題を診断し、修復を試みる機能です。しかし、修復が完了せず、「自動修復でPCを修復できませんでした」というエラーメッセージが表示されることがあります。

この状態になると、PCが再起動を繰り返し、通常の操作ができなくなる「自動修復ループ」に陥ることがあります。このエラーが発生する原因はいくつか考えられます。

1. システムファイルの破損:Windowsの重要なシステムファイルが破損すると、OSの起動に必要なデータが正しく読み込めなくなり、自動修復が失敗することがあります。

2. Windowsアップデートの失敗:Windows Updateのインストール中や再起動時にトラブルが発生すると、システムの整合性が崩れ、自動修復が機能しなくなることがあります。

3. ブート構成データ(BCD)の破損:BCD(Boot Configuration Data)は、Windowsの起動に関する情報を管理するデータベースです。BCDが破損すると、OSを正常に読み込めず、自動修復も失敗する可能性があります。

4. ハードディスク(HDD)やSSDの障害:ストレージに物理的な障害が発生すると、OSの必要なファイルを正しく読み取ることができず、自動修復が正常に機能しなくなります。

5. ドライバの問題(互換性の問題や破損):Windowsの起動には、ストレージやマザーボード、グラフィックカードなどのドライバが関わっています。これらのドライバが破損したり、互換性のないバージョンがインストールされていたりすると、自動修復が正常に動作しないことがあります。

6. レジストリの破損:Windowsのレジストリは、OSの設定やアプリケーションの情報を管理するデータベースです。レジストリが破損すると、Windowsの起動処理が正常に進まず、自動修復が機能しなくなることがあります。

「自動修復でPCを修復できませんでした」ループから抜け出すための解決策

ここでは、簡単に試せる方法から詳細な修復方法までごしょうかいします。

基本的な対処法:再起動、セーフモード、Windows Updateの削除

このエラーが発生した場合、まずは基本的な対処法を試してみましょう。以下の手順で進めることで、多くの場合、自動修復ループを抜け出せます。

1. PCを強制終了し、再起動を試す

ステップ 1. PCの電源ボタンを長押し(約10秒)して強制終了します。

ステップ 2. しばらく(数分)待った後、もう一度電源を入れて、Windowsが正常に起動するか確認します。

再起動

2. セーフモードで起動する

ステップ 1. Windowsのロゴが表示されたら、電源ボタンを長押しして強制終了して、これを3回繰り返すと、自動的に「回復オプション」メニューが表示されます。

ステップ 2. 「オプションの選択」を選択し、「トラブルシューティング」 → 「詳細オプション」 → 「スタートアップ設定」→「再起動」を選択します。

ステップ 3. 再起動後、数字キー 「4」または「F4」 を押し、セーフモードを選択します。

セーフモード

ステップ 4. Windowsがセーフモードで起動したら、最近のアップデートやソフトウェアを削除してみます。或いは、最近インストールしたソフトウェアの削除をしてみます。

3. 最近のWindows Updateを削除する

ステップ 1. 「セーフモードで起動する」と同じ方法で、「詳細オプション」に入ります。

ステップ 2. 「更新プログラムのアンインストール」を選択し、「最新の品質更新プログラムをアンインストールする」 をクリックします。

最新の品質更新プログラムをアンインストールする

ステップ 3. アンインストール完了後、PCを再起動し、正常に起動するか確認します。

詳細な修復方法:DISMコマンド、BCDの再構築、レジストリの修復、ブート修復ツール

基本的な対処法を試しても解決しない場合、さらに高度な修復方法を試す必要があります。以下の方法を順番に試して、問題を解決しましょう。

1. DISMコマンドを使用してシステムイメージを修復する

Windowsのシステムファイルが破損している場合、DISM(Deployment Image Servicing and Management)コマンドを使って修復できます。

ステップ 1. 「セーフモードで起動する」と同じ方法で、「詳細オプション」に入ります。

ステップ 2. 「コマンドプロンプト」 を選択し、以下のコマンドを順番に入力し、それぞれEnterキーを押します。

コマンドプロンプト

DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth(システムの問題を確認)

DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth(問題があるかスキャン)

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth(破損したシステムファイルを修復)

ステップ 3. 修復が完了したら、PCを再起動し、正常に起動するか確認します。

2. BCD(ブート構成データ)を再構築する

BCD(ブート構成データ)が破損していると、自動修復ループに陥ることがあります。以下の手順でBCDを修復しましょう。

ステップ 1. 「セーフモードで起動する」と同じ方法で、「詳細オプション」に入ります。

ステップ 2. 「コマンドプロンプト」 を選択し、以下のコマンドを順番に入力し、それぞれEnterキーを押します。

bootrec /fixmbr(MBRを修復)

bootrec /fixboot(ブートセクターを修復)

bootrec /scanos(OSをスキャンして確認)

bootrec /rebuildbcd(BCDを再構築)

コマンド

ステップ 3. 修復が完了したら、PCを再起動し、正常に起動するか確認します。

補足:「アクセスが拒否されました」エラーが出る場合

コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力し、EFIパーティションをアクティブにします:

diskpart

sel disk 0

list vol

sel vol X (XはEFIパーティションの番号)

assign letter=Z:

exit

bcdboot C:\Windows /s Z: /f UEFI

3. レジストリの破損を修復する

レジストリが破損していると、Windowsの自動修復が正常に機能せず、ループが発生することがあります。バックアップされたレジストリを復元することで、問題を解決できる場合があります。

ステップ 1. 「セーフモードで起動する」と同じ方法で、「詳細オプション」に入ります。

ステップ 2. 「コマンドプロンプト」 を選択し、以下のコマンドを順番に入力し、それぞれEnterキーを押します。

C:

cd \Windows\System32\config

mkdir backup

copy *.* backup(現在のレジストリをバックアップ)

copy C:\Windows\System32\config\RegBack\* C:\Windows\System32\config\(Windowsが自動でバックアップしているレジストリファイルを復元)

ステップ 3. 修復が完了したら、PCを再起動し、正常に起動するか確認します。

以上の方法では、コマンドプロンプトを使う場面は多く、間違ったコマンドを入力すると様々な問題が発生する可能性があります。例えば、diskpartを使う場合、誤ったディスクやパーティションを削除すると、データが消えてしまう可能性があります。

危険な例:

危険な例:

diskpart

sel disk 1(誤って別のディスクを選択)

clean(データが完全に消去され、取り消し不可)

コマンドプロンプトを使う際は、慎重に入力することが重要です。

コマンドプロンプトを使う際は、慎重に入力することが重要です。

4. ブート修復ツールで修復する(おすすめ👍)

「PCが正常に起動できませんでした」というエラーメッセージが表示される場合、ブート修復ツールを利用することで簡単に問題を解決できます。AOMEI Partition Assistantは、PCのブートに関するトラブルを修正するための非常に便利なツールです。「ブート修復」機能を使用すれば、数回のクリックで起動に関する問題を解消できます。Windows 11、10、8/8.1、7のシステム起動の不具合や、更新後の問題、マルチブートの競合、ブートセクタの損傷などに対しても効果的です。

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Windows Serverユーザーであれば、Server版を使用することをおすすめします。

ステップ 1. USBメモリ(8GB以上)を別の動作中のPCに接続し、AOMEI Partition Assistantを実行し、開いて「復元」→「ブート修復」を選択します。

ブート修復

ステップ 2. 「ブータブルディスクを作成」をクリックして、修復用のディスクを作成します。

ブータブルディスクを作成

ステップ 3. 作成したシステム修復ディスクを使って、問題のあるPCを起動します。ブート修復ツールが自動で起動し、スキャンが始まり、修復可能なブートエントリが表示されます。

「詳細オプション」をクリックして、修復されたブートエントリを保存する場所を選択します。
現在のディスクに修復:システムは現在のディスクから起動し、ブートファイルが完全で正常に動作するように修復します。(デフォルト)
別のディスクに修復:この操作は、システムが選択したディスクから起動できるように、システムブートエントリーを修復または新規作成します。

詳細オプション

ステップ 4. 修復したいエントリを選び、「修復」をクリックしてブート修復を開始します。修復が終わるまで待ちます。成功すると「修復に成功しました」と表示されます。

修復に成功しました

ステップ 5. 修復が完了したら、システム修復ディスクを取り外し、元のシステムドライブからWindowsを再起動します。

まとめ

「自動修復でPCを修復できませんでした」ループは、Windowsのブートファイルの破損、レジストリの異常、ディスクエラーなどが原因で発生します。この記事では、セーフモードの利用やシステムの復元といった基本的な対処法から、コマンドプロンプトを使った詳細な修復方法まで、段階的な解決策を紹介しました。トラブルを防ぐためには、定期的なバックアップの作成や、Windowsアップデート・ドライバーの管理も重要です。もし自力での修復が難しい場合は、専門ツールの活用や、リカバリを検討しましょう。

カオル
カオル・編集者
カオルはパソコンの基礎知識や、各ソフトに関することなど、幅広く紹介します。わかりやすく、初心者やパソコンに苦手の方でも分かるように工夫をして、IT業界に対しても深い興味を持っています。パーティション管理に関する問題に関心があり、同じ問題に遭遇したユーザーは是非ともブログを参照してください。