【Windows】HDDのパーティションを結合できないときの原因と解決策
WindowsでHDDのパーティション結合ができない理由と、その改善方法を3つの方法で徹底解説。さらに、パーティション調整方法も紹介します。
Windowsを使用していると、「HDDのパーティションを結合したいのにできない」という問題に直面することがあります。例えば、ストレージの管理を最適化したい場合や、空き容量を増やしたいときに、パーティションを結合するのは有効な手段です。しかし、Windowsの標準機能では制限があり、うまく結合できないことも…。
本記事では、HDDのパーティションを結合できない原因とその解決策を詳しく解説し、簡単に結合する方法を紹介します。
HDDのパーティションを結合できない主な原因
HDDのパーティションを結合しようとしたとき、思うように進まないことがあります。その理由は、Windowsの標準機能の制限やパーティションの構造によるものが多いです。ここでは、考えられる主な原因を詳しく解説します。
1. 隣接していないパーティションを結合しようとしている
Windowsの「ディスクの管理」では、隣接している未割り当て領域としか結合できません。例えば、以下のような構成では結合できません。
- ✅ 結合できるケース:
- | C: | 未割り当て | → C: を拡張できる
- ❌ 結合できないケース:
- | C: | D: | 未割り当て | → C: と未割り当て領域を結合できない
解決策:
D: を削除し、未割り当て領域を作ります(データは消える)。
サードパーティ製ツールを使用します(データを保持したまま結合可能)。
2. システムパーティションが含まれている
WindowsがインストールされているCドライブ(システムパーティション)は制限が多く、他のパーティションと簡単に結合できません。
例えば、以下のケースでは「ボリュームの拡張」がグレーアウトして使えないことがあります。
- | C: (システム) | D: | 未割り当て |
解決策:
バックアップを取った上で、Dドライブを削除し、未割り当て領域をCドライブに割り当てます。
「ディスクの管理」ではなく専門ソフトを使用します(Cドライブの結合が可能)。
3. 異なるファイルシステムのパーティションを結合しようとしている
NTFSとFAT32など、異なるファイルシステムを持つパーティションは直接結合できません。
例えば、以下のケースでは結合できません。
- | NTFS (C:) | FAT32 (D:) | 未割り当て |
解決策:
FAT32をNTFSに変換してから結合します。
4. MBRディスクの制限(2TB以上の領域を認識できない)
HDDがMBR(マスターブートレコード)形式の場合、2TB以上のパーティションを認識できません。
例えば、3TBのHDDがある場合、2TBまでしか結合できず、残りの1TBは未割り当て領域のままになります。
解決策:
MBRをGPT(GUIDパーティションテーブル)に変換します。
ここでは、Windows標準機能のディスクの管理、コマンドプロンプト(diskpart)、サードパーティ製ツールを使用してパーティションを結合する方法をそれぞれ紹介します。
方法1:ディスクの管理でパーティションを結合する
Windowsには「ディスクの管理」という標準ツールがあり、これを使ってHDDのパーティションを結合できます。ただし、「隣接する未割り当て領域」が必要で、システムドライブ(C:)の結合には制限があるため、注意が必要です。
ステップ 1. 「Windowsキー+Rキー」を押し、「diskmgmt.msc」と入力し、「OK」をクリックして「ディスクの管理」を開きます。
ステップ 2. パーティションのリストを確認し、結合したいパーティションの右側に「未割り当て」と表示されている領域があるかチェックします。
ステップ 3. 結合したいパーティション(例:Cドライブ)を右クリックして、「ボリュームの拡張」を選択します。
ステップ 4. 「ボリュームの拡張ウィザード」が開くので、「次へ」をクリックします。
ステップ 5. 結合する未割り当て領域のサイズを設定します。
ステップ 6. 「次へ」をクリックし、「完了」を押します。
ステップ 7. ディスクの管理画面で、パーティションの容量が増えているか確認します。
結合できない場合:Dドライブを削除して未割り当て領域を作成する手順
▸ ⚠:Dドライブを削除すると、Dドライブ内のデータはすべて消えます!事前にDドライブのデータを外付けHDDや別のパーティションにバックアップしておきましょう。
ステップ 1. 「Windowsキー+Rキー」を押し、「diskmgmt.msc」と入力し、「OK」をクリックして「ディスクの管理」を開きます。
ステップ 2. Dドライブを右クリック し、「ボリュームの削除」を選択します。
ステップ 3. 警告が表示されるので、「はい」をクリックします。
ステップ 4. Dドライブが削除され、「未割り当て領域」に変わります。
ステップ 5. Cドライブを右クリック し、「ボリュームの拡張」を選択し、上の「結合できる場合」の手順に従って結合します。
方法2:コマンドプロンプト(diskpart)でパーティションを結合する
Windowsには「diskpart」というコマンドラインツールがあり、これを使うとHDDのパーティションを結合できます。「ディスクの管理」と同じ制限(隣接する未割り当て領域が必要)がありますが、GUI操作なしで実行可能です。ただし、Cドライブ(システムパーティション)はdiskpartでは結合できません。
ステップ 1. 「Windowsキー+Rキー」を押し、「diskpart」と入力し、「Enter」キーを押してDiskpartユーティリティを開きます。
ステップ 2. コマンドプロンプトに以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
list disk(接続されているディスクの一覧が表示されるので、対象のディスク番号を確認します。)
select disk X(Xは結合するパーティションがあるディスクの番号です。)
list partition(パーティションと未割り当て領域の一覧が表示されるので、結合したいパーティション番号を確認します。)
select partition Y(Yは結合するパーティションの番号です。)
extend(隣接する未割り当て領域が選択したパーティションに統合されます。)
結合できない場合:異なるファイルシステムのパーティションを結合する手順
Windowsの「diskpart」では、異なるファイルシステム(例:NTFSとFAT32)のパーティションを直接結合することはできません。しかし、以下の手順を実行すれば、異なるファイルシステムのパーティションを1つにまとめることが可能です。
▸ ⚠:異なるファイルシステムのパーティションを結合するには、少なくとも片方のパーティションをフォーマットする必要があります。そのため、結合するパーティション内のデータは削除されます。事前にパーティション内のデータを外付けHDDやUSBメモリにバックアップしておきましょう。
ステップ 1. 「Windowsキー+Rキー」を押し、「diskpart」と入力し、「Enter」キーを押してDiskpartユーティリティを開きます。
ステップ 2. コマンドプロンプトに以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
list disk(接続されているディスクの一覧が表示されるので、対象のディスク番号を確認します。)
select disk X(Xは結合するパーティションがあるディスクの番号です。)
list partition(パーティションと未割り当て領域の一覧が表示されるので、結合したいパーティション番号を確認します。)
select partition Y(Yはファイルシステムを変更するパーティションの番号です。)
format fs=ntfs quick(NTFSにする場合のコマンドです。FAT32にする場合はformat fs=fat32 quick)
ステップ 3. そして上の「結合できる場合」の手順に従って結合します。
結合できない場合:MBRディスクの制限によりGPTへ変換する後で結合する手順
MBR(マスターブートレコード)ディスクは、最大2TBまでのパーティションしか作成できず、4つのプライマリパーティションまでという制限があります。この制限を解除するには、MBRをGPT(GUIDパーティションテーブル)に変換する必要があります。
▸ ⚠:条件は、Windows 10 / 11(64bit)であることと、UEFIブートをサポートしているマザーボードがあること。
ステップ 1. 「Windowsキー+Rキー」を押し、「diskpart」と入力し、「Enter」キーを押してDiskpartユーティリティを開きます。
ステップ 2. コマンドプロンプトに以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
list disk(接続されているディスクの一覧が表示されるので、対象のディスク番号を確認します。)
select disk X(Xは結合するパーティションがあるディスクの番号です。「GPT」列に「*」がなければMBRディスクです。)
mbr2gpt /convert /allowFullOS(MBRをGPTに変換するコマンドです。)
ステップ 3. 変換が完了したら、PCを再起動し、起動時にF2やDELキーを押すことでBIOSを開きます。
ステップ 4. 「Legacy Boot」または「CSM」を無効化し、「UEFI」を有効化します。
ステップ 5. 設定を保存して再起動します。
ステップ 6. そして上の「結合できる場合」の手順に従って結合します。
方法3:サードパーティ製ツールを使用してパーティションを結合する(おすすめ👍)
安全かつ簡単にパーティションを結合するには、専門のパーティション管理ソフトを使用するのが最も効率的な方法です。AOMEI Partition Assistantは、初心者でも簡単に操作できるパーティション管理ツールです。Windowsの「ディスクの管理」では対応できない状況でも、数クリックでパーティションを結合できます。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを起動してインストールします。画面にはすべてのディスクとパーティションが表示されます。未割り当て領域を右クリックし、「詳細処理」オプションから「パーティションを結合」を選択します。
ステップ 2. ポップアップウィンドウで、ディスク上のすべてのパーティションが表示されます。 未割り当て領域を結合したいパーティションを選択し、「はい」をクリックします。
ステップ 3. 「適用」>「続行」をクリックして、結合プロセスを開始します。
►異なるファイルシステムのパーティションを結合したい場合は、インターフェースで上部にある「変換」> 「NTFS to FAT32 変換器」をクリックし、変換(データ損失なし)が終わってあら、「パーティションを結合」の手順に従って結合します。
►MBRディスクの制限によりGPTへ変換したい場合は、変換したいMBRディスクを右クリックして「GPTディスクに変換」を選択し、変換(データ損失なし)が終わってあら、「パーティションを結合」の手順に従って結合します。
おまけ:HDDのパーティションを調整する方法
パーティションを結合するだけでなく、HDDの空き領域を最適に調整することで、ディスクの管理がより効率的になります。特に、Cドライブの空き容量が不足している場合や、特定のパーティションに未使用領域が偏っている場合には、柔軟にパーティションサイズを変更したほうがいいでしょう。AOMEI Partition Assistantの「ワンクリックで空き領域を調整」機能は、簡単なパーティション調整を実現します。
ステップ 1. AOMEI Partition Assistantを開き、変更したいパーティション(例:Cドライブ)を右クリックして、「ワンクリックで空き領域を調整」を選びます。
ステップ 2. DドライブのスペースをCドライブに追加したい場合、Dドライブの先頭にあるドラッグポイントを後ろに引っ張って縮小し、その空き領域をCドライブに割り当てます。そして「OK」をクリックします。
ステップ 3. 「適用」>「続行」をクリックして、調整プロセスを開始します。
まとめ
パーティション結合の問題を解決するためには、まずその原因を特定することが重要です。隣接していないパーティションを結合するためには、ディスクの管理を使うか、コマンドプロンプト(diskpart)で手動で操作する必要があります。それでもうまくいかない場合、AOMEI Partition Assistantを利用するのが最も簡単で効果的です。また、パーティションの調整方法を覚えておくことで、ディスクの容量を無駄なく活用できるようになります。